FF-X7-Bst コア・ブースター

登録日:2012/10/10 Wed 00:52:01
更新日:2024/04/15 Mon 16:25:25
所要時間:約 5 分で読めます






「ブリッジ!! コア・ブースター出らンないの!?」

(慣れていくのね…自分でもわかる…)


コア・ブースターとは、『機動戦士ガンダム』及びその関連作品に登場する架空の戦闘機である。



コア・ブースター

CORE-BOOSTER

【性能諸元】

型式番号:FF-X7-Bst
所属:地球連邦軍
開発:ハービック社
全長:13.8m
全幅:12.6m
全高:6.75m(着陸脚含む)
全備重量:18.3t
推力:12,000hp相当
最高速度:マッハ4.8
推進機関:熱核ジェット ×2基
     熱核ロケット ×4基

《武装》
25mm多銃身機関砲 ×4門(30mm説あり)
メガ粒子砲 ×2門
ミサイルランチャー ×2基
ウェポンベイ(多弾頭ミサイル、対潜ロケット他)

《主なパイロット》
セイラ・マス准尉
スレッガー・ロウ中尉




【概要】

読んで字の如く、RXシリーズの中核となるコア・ファイターに大型ブースターユニットを装備した機体。
一年戦争中に16機が生産され、うち6機が実戦投入された。


そもそもコア・ファイターとは、「MSの性能の限界を突き詰めた、究極のテスト機」RXシリーズが万一撃墜ないしは戦闘・行動不能レベルまで破損した場合に備えて、
せめて運用データとパイロットだけでも回収できるようにと開発された『脱出装置』である。
単体運用を前提とした戦闘機として作られたわけではない。
RXシリーズ用のメイン核融合炉を搭載しているために出力は余裕が有り、小型なので運動性能は高かったが、
反面、RXシリーズにコアブロックとして組み込むように作られたために大型火器を搭載できず、冷却材・推進剤が少ないため航続距離が短い。
ホワイトベース隊では、しばしば単独で出撃して航空戦力や哨戒などの雑務を担っていたが、
それは単純にホワイトベース隊が「戦力不足」だったからで、応急処置でしかない。

そこで、コア・ファイターをMSの脱出装置としてではなく、本格的な戦闘機・支援機として活用する目的で開発されたのが、コア・ブースターである。

RX-78の制式量産機は元々コア・ブロック・システムも踏襲する予定であり、
早期の量産体制確立のためにジムがそれを搭載しない仕様となったのは完成直前のことであった。
その為、先行生産が既に行われていたコア・ファイターを流用し早急に戦力化する手立てとして開発計画が立案された。
MS用のメイン動力炉と高性能な教育型CPUを内蔵するコア・ファイターを死蔵することは、
製造コスト面からも、その秘めたポテンシャルからも出来ない相談だったのだ。
そのため、設計としてはコア・ファイターに新規設計のブースターユニットをくっつけるという、いかにもお手軽な設計になっている。


コア・ファイターがコア・ブロック・システムの“核”であることを最大限に活用するよう開発されており、
  • MS用のミノフスキー型融合炉が主動力であることを活かしたビーム兵器の搭載。
  • 従来の戦闘機の10倍の処理能力を持つRXシリーズ用の学習型コンピューターを搭載したことによる、汎用性と使用用途の拡大および操縦の簡易化
  • ウェポンベイの設置による、目的によって装備の切り替えのスムーズ化
といったように、言葉にすればむしろMSに近い特性を持つに至っている。

更に推進機関は熱核ジェットと熱核ロケットの併用で、大気圏内外を問わずに高い機動性を発揮出来た。
そもそもブースターユニットはコア・ファイター本体よりも大型なもので、エンジン・ブースター・タンクいずれも余裕があり、航続距離と速度が大きく向上。
小回りは利かなくなったが、航空機としては十分なレベルである。

結果、火力はMSと同等かそれ以上、戦場は空と宇宙、空対空戦闘から対MS戦、果ては対潜攻撃まで何でもこなす、
モビルアーマー一歩手前のマルチロールファイターとして完成を見た。
というより、一方向への大推力と二門のビーム砲にミサイル、といった特性はビグロのようなMAそのものである。
ただし、MA相当の性能を得たとはいえ戦闘機の弱点は依然として存在し、特に近接白兵・格闘を仕掛けられる状態に遭った場合回避・離脱しか採れる手は無いので
基本的には既存の戦闘機同様遠距離で相手を火器を用いて撃ち落とすのが最善手ではある。

ちなみに一部の資料によるとMS一機を上に乗せて後のサブフライトシステム相当の運用も可能だったとされるが、劇中では一度も披露されていないので真偽は不明。


そんなコア・ブースターだったが、今のところ制式に量産されたりした形跡は無い。
簡易生産型のジェット・コア・ブースターがフライマンタ後継機として相当数量産・配備されたが、これも戦後には姿を消している。
そもそも一年戦争後の連邦宇宙軍は元々MSへの主力機動艦載兵器の刷新に邁進しており、空軍もまた新規戦闘機の開発にあまり熱心ではなく、
アッシマーΖプラスなど飛行可能なMSの開発を優先したことから、セイバーフィッシュTINコッドは純粋な戦闘機は制空戦に従事する方向にシフトしていた。

またコア・ブロック・システムそのものが高コストかつ複雑な設計で、その後の量産機にも試作機にもほとんど採用されなかったため、
コア・ブロック・システムの存在を前提としたコア・ブースターの存在はますます宙に浮いてしまったと推測される。
むしろ連邦空軍は、宇宙軍と合わせたのかセイバーフィッシュを引き続き使用したようである。


新時代の航空機として「血」を残せなかったコア・ブースターだが、
一年戦争以後に開発されたガンダムタイプのコア・ファイターに強化ブースターモジュールを合体させた形態を“コア・ブースター”と呼称するようになっている。
確かな伝統として、兵器開発史に名を残していったのであろう。




【主な活躍】

『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編』で初登場。
訳あって(後述)映画に登場出来なかったGファイターの代わりにホワイトベース隊に配備され、セイラ・マスの乗機となった。
『哀・戦士編』だけでも初陣でオルテガのドムを撃墜する活躍を見せる。

続く『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』ではスレッガー配属に伴ってスレッガー機が“005”(まるまるご)、セイラ機が“006”(まるまるろく)のナンバリングが施された。


両機共第13独立部隊(ホワイトベース隊)の主力として活躍したが、005はソロモン攻略戦でビグ・ザムに特攻して犠牲となり、
006はア・バオア・クー攻略戦でゲルググを撃墜する活躍を見せるも、被弾したために放棄された。




ガンプラ

映画放映時に1/144スケールで発売され、現在も再販されている。
値段もお手頃、005、006再現の為に是非2機買ってみよう。

…が、それ以外ではさっぱり発売されていない。やはりGファイターに比べてギミックに欠けるのが原因だろうか?
この辺りはHG・MG化したGファイターとは対照的である。

量産型のコア・イージー(ジェット・コア・ブースター)はEXモデルで発売されているのだが……




ゲーム作品では】

やはりただの戦闘機であるコア・ブースターよりもギミック豊富なGファイターの方がゲームキャラクターとして面白いためか、
Gファイターの方が脚光を浴びる機会は多い。
スーパーロボット大戦シリーズでもやはりGファイターの方が登場機会は多いのだが、
コア・ブースターは出番こそ少ないものの出れば強いという独特な立ち位置を得ている。
「小型で回避能力に長けた性能」「戦闘機なので飛行可能で移動力が高い」「支援戦闘機にお決まりの補給装置」「基本性能は低いが伸びしろが大きい」「妙に高性能なメガ粒子砲」という磨けば光る原石のような能力に加え、
乗せるエースパイロットには全く困らないため、下手なモビルスーツよりもよっぽど強い。*1




コア・ブースターのバリエーション

◆コア・ブースタープラン004
◆コア・ブースターⅡ・インターセプトタイプ
◆ジェット・コア・ブースター(コア・イージー)
◆コア・ブースターⅡ(ガンダム試作0号機版)
◆Gコア(Sガンダム)版
クラスターガンダム
Vダッシュガンダム

などなど様々なバリエーションが存在する。




【余談】

さて、何故映画でGファイターが消滅してコア・ブースターが登場したのか。
それはズバリ、Gファイターがスポンサー(クローバー)のテコ入れで登場したメカだったからである。

富野由悠季監督にとってあまりに玩具然としたこのメカの登場は不本意であった。
しかしセイラ、スレッガーの乗機というストーリー上重要な位置にあったGファイターの立ち位置をカットする訳にもいかず、
代わりに設定されたのがより現実味のあるコア・ブースターだったという訳である。

その後もGファイターはアニメにおいて冷遇され続け、OVA等の外伝作品にもコア・ブースターの関連機が延々と登場し続けた。

が、どれだけ性能が高くてもやっぱり只の戦闘機。
取り立てて面白いギミックがないコア・ブースターよりもガンダムと連動して遊べるGファイターの方が作中の歴史的にも商業的にも強かったようだ。

またTV版では対ビグ・ザム戦でのスレッガーの行動は、
Gアーマーでガンダムを無傷で運搬しつつGファイターの装備で攻撃、
それが効かずGファイターが迎撃されてもガンダムを接近させられる二段構えの作戦であり、
「悲しいけど、これ戦争なのよね」というセリフもこちらがやられてもガンダムが追撃できるという作戦に対して反応したアムロへの私情は禁物という返答だった。

しかし、劇場版でのコア・ブースターの場合はそういった二段構えの戦法ではなく、ただの捨て身の特攻になってしまった。
そういう理由で「悲しいけど、これ戦争なのよね」というセリフも劇場版では意味合いが変わっている。
また前者の作戦は「ガンダムの推力ではビグ・ザムのスピードには追いつけないから、合体しないといけない」という話だったが、後者では普通に追いつけてしまっている。
この件を考慮してか漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では劇場版をベースにしつつTV版の要素を取り込み、
「推力の強いコア・ブースターでガンダムをビグ・ザムまで輸送」
→「コア・ブースターがビームバリアの隙間を狙いガンダムを運びつつ攻撃するもクローで破壊」
→「内蔵されていたコア・ファイターでエンジンノズルに特攻し玉砕」と変更されている。


劇場版「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」でがシャアの回想シーン(ララァが撃墜される場面)でセイラのコア・ブ-スターが登場しており、
同作品が機動戦士ガンダムのTV版でなく、映画版の世界観を引き継いでることがわかるなど、知る人が見ればコア・ブ-スターが重要な存在となっている。


モデルとなったのはSF特撮ドラマ『謎の円盤UFO』のスカイダイバーという説も。









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最終更新:2024年04月15日 16:25

*1 『F完結編』では中身は最新という設定で、同時に加入するガンダム試作3号機やGキャノンより使い勝手は上であった