四八珍(食材)

登録日:2011/12/31 Sat 00:20:57
更新日:2024/03/04 Mon 12:27:33
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民は食を以て天と為す

――孟子


『四八珍』とは、清王朝時代より中国に伝わる伝説の高級食材の総称である。
(※現在では他にも様々な食の「珍」があるが、ここでは清朝当時のものについて触れる。)
伝説のク〇ゲーとは、当然無関係。

【概要】

(鳥)、、そして(獣)の4カテゴリから、それぞれ8種類ずつ選出される。
故に『四八珍』であり、決して48種類が存在しているわけではない。
(言うまでもないが、4×8で計32種類になる。)

清朝皇帝が世界各地から食材を調達した『満漢全席』にも供されており、その実態はかなり豪勢と言えよう。


…が、


当時と今とでは価値基準が若干異なっているため、一概には比較できない。特にとか。

また、見れば分かるように、今となっては普通のやり方では口にできないような代物もある。



~御品書き~

◇海八珍◇

◆魚翅

フカヒレ。
中でもウバザメやジンベイザメのそれは天九翅と呼ばれ、繊維一本がモヤシより太い最高級品。
四大山海珍味の一。

◆燕窩

所謂「燕の巣」。アマツバメが自らの唾液腺からの分泌物で造った巣。実は海藻は殆ど含まれない。
断崖絶壁に作られるが、古代中国では訓練した猿に布袋を持たせ採取させたと云う。
現在では鉄筋コンクリート製ビルを営巣地にさせることで安定生産が可能になり安価になりつつある。

◆魚骨

チョウザメの軟骨。唐揚げにすると全部バリバリいける。

◆魚肚

魚の浮袋。コンドームには使わない。

◆鮑魚

アワビ。乾燥品は超高級食材。

◆大烏参

黒ナマコを乾燥させたもの。四大山海珍味の一に数えられる高級品。

◆海豹

アザラシ。
2011年初頭、中国へのアザラシ肉輸出を決定したカナダに対し、
中国の動物愛護団体が「中国人が何でも食べると思ってるのか!これは人種差別だ!」と唱えたのは記憶に新しい。

◆狗魚

オオサンショウウオ。日本でも「半裂き」と呼ばれ、古くから食されてきた。
もちろん現在口にする事は難しく、養殖の研究が進められている。



◇禽八珍◇

◆鶉

うずら。日本でも食べられる。いと美味し。

◆斑鳩

きじばと。欧圏でも広く食されている鳥。

◆天鵝

はくちょう。2008年、中国の料理店が保護動物の野生の白鳥を無許可で提供していたとして問題となった。

◆鷓鴣

しゃこ。ウズラとキジの中間のような独特の鳥。

◆飛龍

雷鳥の一種。現在では保護動物指定を受けている。

◆彩雀

孔雀のことではないかと言われている。
フジイロムシクイ(四川一帯に多く住むエナガ科の鳥)の可能性も。

◆紅燕

◆紅頭鷹

詳細不明。追記お願いします。



◇草八珍◇

◆猴頭菌

ヤマブシダケ。
ケセランパサランっぽい茸で漢方でも重宝される。鶏ササミのような独特の食感と風味が特徴。
四大山海珍味の一。

◆羊肚菌

アミガサタケ。
茸の皇帝と呼ばれ、中国に古くから伝わる『薬食同源』の思想を体現する茸。

◆竹笙

キヌガサタケ。
茸の女王と呼ばれる、高い中国料理によく入ってるスポンジ状のアレ。下処理をしてない状態のものはくっさい。

◆花茹

シイタケ
今や庶民の味だが、安定して栽培・収穫が出来るようになるまではたいへん貴重なものだった。
噛むほどに豊かな味が出る干椎茸の魅力は他の並み居る高級食材にも負けていない。

◆銀耳

乾燥させた白キクラゲ
プリップリの食感が病み付きになる。かつては不老長寿の力があるとして珍重された。

◆黄花菜

金針草とも呼ばれる。
漢方でも重宝されるワスレグサ(カンゾウ)のつぼみ。

◆驢窩菌

こちらも詳細不明。恐らく茸の類。

◆雲香信

同じく詳細不明。恐らく香草類。



◇山八珍◇

◆駝峰

ラクダの背瘤。
脂肪の塊であり、言わば超濃厚ホルモン。
レア物かと思いきや、現在でもネットを使えば割と簡単に手に入る。

◆熊掌

熊の掌(肉球)。日本でも有名。
プリップリの脂ギッシュで前脚の方が旨い。四大山海珍味の一。

◆鹿筋

鹿のアキレス腱。プリップリのプリ旨。

◆猩唇

オランウータンの唇。プリ旨だったとか。
今や正規ルートでは口にできない代物。『西遊記』にも登場する。

◆彪胎

豹の胎児。胎児。大事なことなので二回(略
どう考えても、色んな意味で今では口に出来ない。

◆犀尾

サイの尻尾……ではなく、サイのペニス
正にチン味。
象に次いで陸上第二位の巨獣の性器は満点の精力剤。
これも今ではまず口には出来まい。

◆象拔

象の鼻。
今となっては他の食材に負けず劣らずヤバい代物だが、中国国内では未だに乾燥品が極稀に出回るとか……。

◆猴頭

猿の脳。縛って拘束した猿を中心に穴の開いた卓に入れ、頭蓋に開けた穴から生きたまま直にすくって食べるのが古流。
ジョーンズ教授の映画にも登場。
お好みで辛味噌、胡麻油、辣油などを混ぜ込むのもまた一興。
とろりとした舌触りにピリッとした薬味が溶け合い絶妙だとか。
昔だからこそ許された激ヤバ食材……かと思いきや、今でも結構食べられる場所は多い。
が、衛生上さすがに生食は少なくなっている。



四八珍を全て堪能してから、追記・修正お願いします。

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最終更新:2024年03月04日 12:27