木洩れ日に泳ぐ魚

登録日 :2011/06/21(火) 15:49:35
更新日 : 2015/08/16 Sun 18:27:09
所要時間 :約 2 分で読めます




たぶんこれは、一枚の写真についての物語なのだろう。
むろん、ある男の を巡る謎についての物語でもあるし、山の話でもあるはずだ。
そして、 一組の男女の別離 という側面も持っている。




『木洩れ日に泳ぐ魚』は、恩田陸の小説。


これから別々の暮らしに身を移す一組の男女が最後の晩を共に過ごすなか、かつて自分たちに起こった事件の謎や真相を解き明かしていくミステリー。

数ページに一度のペースで主人公二人の視点が切り替わり、それぞれの心境や記憶、行き違いをよりはっきりと掴むことができる。
二人の現在地がほぼ部屋の中のみということもあり、恩田陸の小説の中でも比較的サクサク読み進められる作品。



あらすじ

明日、ヒロとアキはこの部屋を出る。
二人は数年を一緒に過ごしたこの部屋で酒と食事を持ち寄り、最後の夜を共有する。

告白させる事ができるだろうか。
あの日、あの男は自分が 殺した のだと、
目の前で酒を飲むその口から。



登場人物

  • ヒロ(高橋千浩)
20代の会社員。
大学のサークルで十数年ぶりにアキと出会い、これまで一緒に暮らしてきた。
頭の回転が早く理知的で優しい青年。
しかし面倒事や責任を相手が背負い込むように上手く振る舞う癖があり、本人も自分のイヤな性格について自覚している。
すでに次の女ができていて、アキと別れた後はその娘と暮らす予定。


  • アキ(藤本千明)
これからヒロと別れる女性。年齢はヒロと同じ。
幼い頃に養子に出されて養父母に育てられたが、本人はその事実を恨みもせず納得して生きてきた。
ヒロと同じほど(もしくはそれ以上に)鋭いひらめきや推察力を持つ。


  • あの男
一年前にヒロとアキがハイキングに出かけた際のガイドで、五十歳すぎの初老の男性。
年の離れた若い奥さんがおり、当時二歳の赤ん坊のパパだったが、ヒロとアキとのハイキングの休憩中に休憩場所の切り立った崖から転落して死んでしまった。
休憩時間中は三人がそれぞれ別行動していたために、彼が死んだと思われる瞬間はヒロもアキもお互いの行動を見ていない。


事故か自殺か――。
自殺ではないはずだ。
事故か? いや、それとも、やはり…。

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