不思議のダンジョン2 風来のシレン

登録日:2010/03/18(木) 21:31:32
更新日:2024/04/14 Sun 13:35:47
所要時間:約 4 分で読めます




不思議のダンジョン2 風来のシレン』は1995年12月1日にチュンソフトから発売されたスーパーファミコン用ダンジョンRPG。
2006年12月14日にはニンテンドーDS版『不思議のダンジョン風来のシレンDS』が発売され、
2007年7月24日からはSFC版がWiiのVCで配信された。

■概要

トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』に続くチュンソフトのダンジョン探索型ローグライクRPG、要は『不思議のダンジョン』シリーズの2であり、「風来のシレン」シリーズの1作目に当たる。

『トルネコ』が『ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち』のスピンオフ作品であり世界観も概ねそちらから引き継がれているのに対し、こちらは完全オリジナルの世界観にて展開される。
世界観は新規の和風ものとなり、木と土で出来た家々に和装の人々が暮らしている。…が、そこにドレインバスターやドラゴンといった単語も普通に出てくるのでカオス気味。
和風なので食料はおにぎり。あと「肉」も出てくる(後述)。

2004年12月15日には小説版『風来のシレン 黄金郷アムテカに舞う花』が発売された。

■システム

基本的なゲーム性は『トルネコ』と一緒だが、本作では複数のダンジョン(MAP)から構成されており、閉鎖空間ではないダンジョンも存在する。
勿論、入る度に地形やアイテムが変わるシステムはそれらのダンジョンでも健在であり何度でも楽しめる。

登場するモンスターは勿論本作オリジナルながらいずれもユニークな見た目と特徴を有している。
本作からモンスターにもLvUPで外見(色)が変化するという特性が付与され、LvUPによって特殊能力が追加・変化するものも。

また、壺や店、装備合成システムが追加され、より戦略性が高まった。
新ギミック「壺」と「肉」は手持ちと状況次第で無限ともいえる応用ができる画期的アイディアで、本作の大きな魅力である。

アイテムを入れることができる。単純にアイテム枠の節約になるだけでなく、入れることでアイテムが変化したり倉庫に自動的に送られる(つまり貴重品をノーリスクで持ち帰れる)という壺も。
基本的には一度アイテムを入れると壺を投げて割らない限りは取りだせないが、「保存の壺」だけは自由に取り出しができ、おにぎりなどを入れておくとでろでろの罠にかかっても腐らない。
また、アイテムは入れられないが「押す」事で効果を発揮する壺もある。
イベントを進めると解禁される「合成の壺」は武器同士、盾同士を合成してパワーアップする、同じ杖同士を合成して使用回数を増やすというもので、後のシリーズでも定番となった。

  • モンスターの肉
食べると満腹度が少し回復し、更にそのモンスターに変身できる
攻撃力やHPは元のステータスを引き継ぐが、特殊能力を持つモンスターであればその能力を行使することが可能。
例えば矢を放つボウヤーの肉であれば自身も無限に矢を撃てるのだが、それによって矢を限界まで地面に落としてから回収すれば……とは誰しもが考えるだろう。
また、モンスターの肉を別のモンスターに投げてぶつければそのモンスターに変身させられるので、弱くて特殊能力のないモンスターの肉でも極めて高い利用価値がある。
店で稀に売っているのだが、イベントを進めることで解禁される「ブフーの杖」を使うと(杖が効かないモンスター以外は)一発でモンスターの肉に変えることが可能。

ダンジョンとダンジョンの合間に挟まる街や村(こちらは確定。ただし置いてある品物は変化する)、そしてクローズドダンジョン内部にランダムで出現する。
お金を払ってアイテムを購入したり、不要なアイテムを売却することが可能。
そして手を尽くせばそれらのアイテムをくすねることもできるのだが、怒れる店主の頭突きや、無数に現れる番犬や盗賊番の猛攻で昇天する風来人が後を絶たない。
ちなみにシステムの都合上、ダンジョン内より町や村の店の方がコソ泥しやすい。

■バランス調整

メインダンジョンの「テーブルマウンテン」はそこまでに複数のダンジョンと町や村を経由していくという作りになっており、
途中の町や村にも小さいが倉庫があるため鍛えた武具や貴重なアイテムをそこに仕舞いつつ、途中のサブイベントをクリアしながら何度も倒されつつテーブルマウンテンの頂きに挑むという流れになっている。
最初の村にはチュートリアル(1度の挑戦につき1回挑め、クリアするとアイテムが貰える)となる「フェイの問題」がある他、レベルは1のままだが途中の町までショートカットできる飛脚などもあるので、
前作と比較するとボリュームは大きいがとっつきやすくなっている。

クリア後のお楽しみであるダンジョンも複数存在するが、こちらのゲームバランスはやや極端。
俗に「36階の壁」と呼ばれる地下36階での急激な敵の強化(35階までの敵と比べ、攻撃力が3倍弱になる)、
スカイドラゴン・かすみ仙人のアウトレンジ砲撃や黒豚ことデブートンのハメで逃げる事も困難な46階の恐怖、
逆にそれさえ対策できれば99階まで代わり映えしない…という構造は反省点となり、シレン2に活かされる事になる。

一方で妖怪にぎり変化やおばけ大根、ガイコツ魔道などアイテムを伴うモンスターが序盤から豊富なためパターン化がやりやすく、
高難易度ダンジョンでも序盤をある程度戦える仕様になっており古のRogueなどと比べると運ゲー理不尽感がかなり軽減されている*1

不思議のダンジョンシリーズのいずれもそうだが、本作も発売から25年を経てなおおかしな事をやり続けるプレイヤーが存在する。
SFC終盤のゲームということや独自の不思議のダンジョンシリーズということもあってか内部的にかなり面白いことをやっているらしく、その最奥は遥かに見えない。

■あらすじ

黄金のコンドルが棲むところ… そこには、幻の黄金郷があるという
この黄金郷を求め旅を続ける、風来人(ふうらいにん)と呼ばれる男達がいた

風来人シレンが黄金のコンドルが棲むと言われる、幻の黄金郷の伝説を求めて未だ未踏のテーブルマウンテンを登頂する。


■ダンジョン

前述の通り洞窟ダンジョンのほか林や峠など屋外フィールド、さらには集落や町が登場し、旅の途中での体力回復・アイテムの購入ができるようになった。

・テーブルマウンテン(30階)

こばみ谷とも呼ばれる。
屋外エリアのシャッフルダンジョンと、ネブリ山の廃坑・テーブルマウンテン山中のランダムダンジョンで構成される。
村や集落ではイベントが発生し、仲間が増えたり新たな店が出現したりする。
本作にはいわゆるチュートリアルダンジョンが存在せず、いきなり本格ローグライクであるこのこばみ谷から冒険が始まる。チュートリアルに該当するシステムはあるのでご安心を。
30階にいるボス、魔蝕虫を倒せばクリア。
これをクリアしないと他のダンジョンはプレイできない。
DS版では途中まで往復が可能。

ちなみにゲームバランスとしては何度も繰り返し挑んで走破を目指すというものになってはいるが、システムを熟知したプレイヤーとそれなりの運を引き寄せられれば一発突破が可能。
このためテーブルマウンテンRTAなどもよく行われている。

ダンジョンを1つ制覇するだけで本編クリアとなる、不思議のダンジョンシリーズの中でも珍しい作品である。

・掛軸裏の洞窟(99階)

モンスターをワナに掛けることができ、自分はワナにかからなくなるようになる装備品「ワナ師の腕輪」を装備して進めるダンジョン。
自分の戦力は低く、必然的にダンジョンのワナを利用して逃げ回るプレイになる。
16F以降にいるガイバラに話しかければクリアだが、無視して潜り続けることも出来る。
アイテムが乏しく、このワナダンジョンで99階に到達するのは至難の業。
盾を強化するために数々の芸術的アイディアが考え出されたが、それらのテクを駆使してカンスト盾を作ってもなお殺される事がある。
特に46階以降のかすみスカイ発狂(大きな部屋で、無限射程のかすみ仙人とスカイドラゴンに一方的に撃たれる状態)にハメこまれると絶望的。

なおガイバラが絡むダンジョンなので、彼のサブイベントをクリア(合成の壺を入手)するまではテーブルマウンテンを走破しても出現しない。
普通にプレイしていれば自然と達成できている(後述の食神のほこらと違いランダム要素がないため)が、早解きの場合はその限りではないだろう。

・食神のほこら(99階)

モンスターに変身できる肉をメインに使って進めるダンジョン。
一定の確率で倒したモンスターを肉にする「ブフーの包丁」を最初から装備した状態から始まる。
武器はブフーの包丁以外落ちておらず攻撃力には不安が残るが、実質無限に手に入るモンスターの肉をフル活用して突破していくことになる。
25F以降にいるナオキに話しかければクリア。無視して潜り続けることも出来る。
肉が強いので99階アタックの難易度は掛軸裏の洞窟と比べればマシ。
だからといって凶悪な難易度に変わりはないが、このダンジョンに「永住」する狂人も少なからずいるらしい。

ちなみにブフーの包丁は本作では(強制装備ダンジョン以外での)確率破損がないため、持ち帰ってメイン武器に合成すればこばみ谷のモンスターに限定されるものの肉を量産できるようになる。
こちらもブフーの杖を解禁するまではテーブルマウンテンを走破しても出現しない。

・フェイの最終問題(99階)

掛軸裏の洞窟、食神のほこら、フェイの問題全問をクリアすると現れる最終ダンジョン(DS版では掛軸裏と食神は一回ずつプレイするだけで可)。
杖・壷・腕輪のほか、草・巻物までもが未識別状態で登場する。
要は「もっと不思議のダンジョン
序盤こそ運の要素が強いものの、あらかた識別ができた中盤以降は豊富な種類の道具をどれだけ活用できるか、真の実力が問われる。
地下60階から始まる「東のアーク、西のイッテツ」体制の破壊力は圧巻で、盾の防御力をカンストさせてもなお殺される事も…。
強化の壺や分裂の壺という超強力なアイテムの存在があるため、99階アタックはワナや肉に比べれば遥かにマシ。逆に壺を縛ると地獄。 

ちなみにSFC版ではアイテム持ち込み可の隠しダンジョンがないため、鍛えた装備もこばみ谷でしか使えない。

◇DS版で追加されたダンジョン

(全てアイテム持ち込み可)

・魔蝕虫への道(99階)

魔蝕虫が封印されていた洞窟をさらに奥深く潜っていくダンジョン。
31Fから始まる。
40Fから10階ごとに魔触ソルジャーが待ち構えていて、99階にいる魔触クイーンを倒せばクリアとなる。

・儀式の洞窟(30階)

キグニ族のダンジョン。
ほとんどの階にキグニ族系・火炎入道系のモンスターが出現する。
30Fにいるキグニ王を倒すのが最初の目的である。
一度クリアするとレアな武具が出現するようになる。

・死者の谷底(50階)

DS追加ダンジョンの中で最難関。
アイテムがほとんど出現しない上にそのほとんどがギタン。
モンスターハウスの出現率が高い上に偽階段(ワナ)がある。
26階以降にいるペケジに話しかけるか、転送の方印に触れたらクリア。



■登場人物

・シレン

主人公。
友の形見である三度笠と縞合羽を身に纏い、語りイタチのコッパと共にこばみ谷へとやってきた風来人。
今回は亡き友との約束を果たすため、テーブルマウンテンの頂上にあるという「太陽の大地」を目指す。

・コッパ

シレンの肩にいる語りイタチ。その名の通り喋る。というかおしゃべり。
シレンの考えていることはコッパには分かる……らしい。
なのでシレンが喋る前にコッパが彼の言いたいことを全部言ってしまうので本編でシレンが喋ることが殆どないのだそうな。

・ペケジ

「シレンの弟」を自称するゾウリ頭の男。
シレンを兄貴として慕う。
最初はドジが多いが、何回か仲間にするたびに成長する。
8回ぐらい同行させないと弱点を克服してくれない*2が、そこまで仲間にできればかなり頼れる男に。

・お竜

目潰しのお竜とも呼ばれる。
目潰しで恨みを買った相手に襲われそうになった所をシレンに助けられ、以後改心して旅仲間となる。
サバサバとした姉御肌。ドーン!で敵が思わぬ行動をするリスクがあることを除くとSFC版では最も安定して頼れる仲間。

・座頭ケチ

指圧師としてこばみ谷を行脚する盲目の男。
居合いの名手でもあり、実は盲目ではないスケベオヤジ。
指圧される時は気をつけて。地味に本作でしか登場しないため影が薄い。
戦闘能力はそれなりに高いが、お竜や5回目以降のペケジほどではない。即戦力にはなるがテーブルマウンテンまで連れて行くのは苦行。

・ボーグマムル

DSで追加されたNPC。
フェイの最終問題をクリア後に仲間になる人造マムル。
要求する様々なアイテムを渡す事で、より強くなっていく。

・ガイバラ

山頂の町にいる陶芸家のオッサン。癇癪持ちで作った壺が気に入らないと投げて叩き割る。
合成の壺を作ってくれるが、そのためにはシレンの手持ちの壺を1個犠牲にしないといけない。
壺が無い状態で最初に訪れると弟子のサルヤマに叩き出されるが、その時のダメージで力尽きることも可能(ご丁寧に番付にも表示される)。

元ネタは名前でわかる
料理評論家でもあるが、女将を呼べなどと言ったりはしない。
ちなみに『トルネコの大冒険2』にも似た名前の人が登場する。

・ナオキ

さすらいの料理人。
最初のダンジョンにたまにおり、ブフーの杖[0]をくれる。
その後マムルの肉を渡すと料理を作ってくれる。
後にある料理屋を立て直すのだが、それが済むとブフーの杖をシレンに渡して再びさすらいの身に。
(これ以降ブフーの杖がこばみ谷に出現するようになる)




DS版では冒険中に倒れても(泥棒除く)、Wi-fi通信やパスワードで一回の冒険につき三回まで救助可能。


追記・修正はフェイの最終問題を制覇してからお願いします。

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最終更新:2024年04月14日 13:35

*1 Rogueなどは「ただ食料が出ず、ノーミスでプレイしたのに餓死」「食料しか出ず、手札不足で死亡」という事態が多かった。

*2 そもそも本作では仲間キャラが出てくるかどうかもランダムであり、しかもこばみ谷にしかいないので8回出会うこと自体が大変