ロマンシング サ・ガ

登録日:2009/08/04(火) 18:56:30
更新日:2023/08/16 Wed 18:41:54
所要時間:約 5 分で読めます




「ねんがんの アイスソードをてにいれたぞ!」


ロマンシング サ・ガ』(Romancing SaGa)とは、1992年1月28日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたSFC用ソフト。2001年12月20日にはWSC用の移植版が発売された。
GBで発売された『サガシリーズ』のSFCサガシリーズ1作目。(GBからだと4作目)
フリーシナリオシステムが初めて導入され、ボスより強い雑魚敵が頻出するなどシリーズを特徴付ける要素が登場した。シナリオ発生条件の難解さや選択肢の豊富さによってシリーズ1の自由度を誇る。

これまで武器は単に使用するだけであったものが、本作から「技」という概念が新たに登場。
これによって、武器をただ使うだけではポテンシャルが判らず、武器毎に対応する技を覚えると戦術の幅が一気に広がった。
中には武器の基本攻撃からは想像もつかない性能を引き出す技もあったりするので、使ってみないとわからない楽しみがある。

またこれに伴ってか、プレイヤー側がエネミー側に与えるダメージの桁が跳ね上がり、向こうしばらくの間*1は敵味方で与えるダメージのバランスが決定的に変化した。
同士討ちを招くステータス異常である「魅了」が、全滅に直結する「石化」「戦闘不能」より恐怖されるという傾向もこれに拠るものである。

シリーズ初の本格的シンボルエンカウントが導入されたが、発展途上であったらしく敵シンボルの数がとんでもなく膨大。
しかもどんな遠距離でも確定で追いかけてくるダンジョンが大半を占める。
そのため、ダンジョンに入ったとたん全ての敵から追い掛けられるハメに。(『ロマンシング サ・ガ2』からは改善された)
良い意味でも悪い意味でも実験的なゲームであったため賛否両論。
しかし自由度は群を抜いているので何周もプレイしている人も多い。
また、ゲーム内で語られない設定や、『ねんがんのアイスソード』を「殺してでもうばいとる」などの印象的なイベントもあって発売から15年以上たった今でも愛されている。
設定資料集や書籍によって大きく裏設定が違っているのも特徴である*2

選択肢によって展開が無数に変化する「フリーシナリオ」は、本作ではその自由度が特に高く、それだけでなくシステム自体が独特。
ゲームの進行度が、着手したイベントによって進行するのではなく、敵と戦った回数で擬似的に時間経過を表現している。
そのため、イベントを無視して敵との戦いに明け暮れていれば、知らないうちにイベントが別の誰かによって解決されていたり、勝手に終了していたりする。こうしないと見られない展開さえあるので、「何も関わらない」ことさえも見えない1つの選択肢としてプレイヤーに提示されている。

パーティに加入する仲間たちも独自に旅をしているので、ある頃は特定の酒場にいたのに、ちょっと目を離すといなくなって別の地方に現れていたりすることも。
仲間に勧誘すると旅の地図を譲ってくれるのも特徴的で、なんなら仲間にした直後にすぐ離脱させる=互いに手持ちの地図を交換して別れるだけの気軽な関係で終わらせる選択もあるのだ。
ファストトラベルなどのシステムがほぼ存在しないため、目的の地方までどんなルートを行けばよいかを考える「旅」の要素も強く、人数分の代金を支払って船に乗るかそれともモンスターを掻い潜って陸路を進むかというだけでもプレイヤーの性格が出るだろう。

そして、善悪問わず選択できるため、場合によっては武器のために仲間を売るといった非人道的な選択をしたうえで、なおかつ罰を与えようとした人物を出し抜くといった、ゲームならではの超展開を選ぶことがむしろ利になることさえある、王道にとらわれない作風を選べる自由も当時としては斬新であった。
その中でもひときわ有名なものこそ、かのしてでも うばいとる」アイスソード事件である。

ストーリー

架空の世界『マルディアス』の物語。昔、3人の邪神が神々の王と人間に戦いを挑んだ。
デス、シェラハは最後には降参したが、サルーインだけは降参しなかった。
神々の王は10個の宝石をつくり人間の英雄に与え、英雄は自らの命と引き換えにサルーインを封印した。
これが伝説となった時代がゲームの舞台となる。

登場人物

アルベルト

18歳。男性。
ローザリアとバファルの境に位置するイスマス城の城主・ルドルフの息子。両親と姉・ディアナと暮らしている。
小さな城とは言えずっと貴族生活だったのでやや世間知らずな面もあるが、真面目で正義感の強い真っ直ぐな性格。
開始早々実家と家族を失うわ、傷心のまま乗った船が難破するわ、シナリオ初期はやたらと不幸に見舞われる。
唯一デフォルトで左利きの主人公なので、最強武器の一つレフトハンドソードは彼の為にあると言っても過言ではない。
年齢設定による初期能力の低さと左利きのデメリット、そして万能型なのだがそれ故に器用貧乏な期間が長い……と作中トップクラスの大器晩成型なのでいらない子扱いされやすい。
ただ、主人公時に限り他のキャラに無い特殊な仕様があり、それを理解して使うとかなり便利な育成ができたりする。
他にも最序盤のイベントの流れが完全に一本道であるので、本ゲームのフリーシナリオからは外れるとはいえ初心者には何をやるか分かりやすいのでそういう意味では初プレイ向きの主人公でもある。

アイシャ

16歳。女性。
ガレサステップの遊牧民タラール族の族長・ニザムの孫娘。無邪気で好奇心旺盛。主人公の場合馬を使用することができる。タラール族独特の髪型・服装をしている。
物語開始早々モンスターに襲われたり、殿下に口説かれたり、人さらいにあったり、いつの間にか部族がごっそり行方不明になったりと不憫。
アルベルト然り、年少組はやたらと人生ハードモードである。
序盤がめちゃくちゃ辛い上に何やるか分かりにくくなりやすいのでアルベルトとは逆に上級者向け。
ちなみに馬は単純に便利だがそれ以上にバグに繋ぐことでとんでもないことが可能だったりする。ただし乗ったままオールドキャッスルや砂漠の地下には入らないように。


ジャミル

20歳。男性。
エスタミルの盗賊。組織に属することを嫌い、相棒のダウドと2人で盗みを働いている。お調子者でたくましい青年。ちなみにとあるイベントでやる羽目になった女装姿はハーレムの門番が「これはいい別嬪が来たなぁ!」と絶賛するほど美人
両親がシーフなので全キャラ中最も素早さが高い。非力な部類だが素早さを生かす装備をさせると強い。何より素早さは本作ではかなり重要なパラメータである。
それ故に彼を最後に仲間に入れる人も多いはず。
ちなみに主人公にした場合の難易度は下手するとアイシャより上であるため軽い気持ちで選ぶと苦労する主人公である。

クローディア

22歳。女性。
バファル帝国の首都メルビル近郊の迷いの森で魔女オウルに育てられ、そこで暮らす美女。物静かな性格で、人がたくさんいるところが嫌い。
魔物に襲われている侵入者を助けてあげた様に心優しい性格なのだが、上述の生い立ちからぶっきらぼうな口調になることも多い。
実はある秘密が…
初期の仲間が実にワイルド。
ストーリーが絡むイベントが多く、独自イベントもあるので話を楽しみたい人向けの主人公でもある。

グレイ

24歳。男性。
財宝を求めてミリアム・ガラハドと共に旅をする、クールでハンサムな冒険者。
冒険者になる前の経歴は全く分からない。
熱くなると女性の様な口調になる。
初期からわりと強く、仲間もいるので自由度が高さと楽さを両立したいときにおすすめ。ただしよく選択肢を考えないとガラハドからアイスソードが奪い取れ無いのには注意。

バーバラ

26歳。女性。
ニューロードを旅する芸人一座の妖艶な踊り子。主人公にした場合馬車を使用できる。また最初からかなりの数の地図を所持している為最初期から自由度が高い。
非常に貴重なとある装備を所持しているため、地図と装備品の為だけに仲間にされることも。
実はわりと強い部類の主人公。

ホーク

30歳。男性。
サンゴ海を縄張とする海賊でレイディラック号の船長。ゲッコ族のゲラ=ハを相棒としており、主人公とした場合には最初から仲間になる。
本作の主人公の名前入力画面では初期名が入力されておらず、
説明書に書いてある通りに「キャプテンホーク」と入力したら冒頭部で「キャプテンキャプテンホーク」となってしまった人が続出した。まあいい思い出である。 
また、SFC版では会うたび自己紹介をしてくれる紳士。
最初から強く、仲間も強いので序盤が楽。ただしパブにこまめに寄っておかないと地図の関係で詰みかねないので注意。

シフ

28歳。女性。
氷に包まれた辺境、バルハラントに住むバルハル族の女戦士。男勝りの性格に加え腕っ節の強さでも男を圧倒し、一人で魔物の巣を片っ端から滅ぼしにいっちゃうお姉さん。
アルベルトが最初に出会う仲間であり、アルベルトのことを「ぼうや」と呼ぶ。
その格好じゃどう考えても凍えるだろとか言ってはいけない。(彼女の一族は寒さに強いかららしいが)
ミンサガではリストラされ、33歳の『ツフ』が代役を務める。
「やるよ」
初期のイベントがアルベルトのストーリーラインと合流する形で完全固定されているため、序盤にやることが分から無いということが起こりにくいのは楽である。本人も強い。



サガシリーズではおなじみの『閃きシステム』は今作ではまだ無く、武器ごとに使える技が決まっている。
これは戦闘で使った武器には熟練度が蓄積されていき、その熟練度が上昇すると必殺技を習得することができるというものである。ただし、装備している武器を外すとその時点で熟練度は失われる。だが、一人が一度に装備できる武器が8個と多く、そのため新しい武器を装備するために今までの武器を外さねばならないようなケースは極めて少ない。
また、武器ごとに攻撃範囲が決まっている。その関係で前列だからと言って前列だけの武器を装備させているとエンカウント方向によっては面倒になる。そのため前衛でも中衛で使える武器を一本は装備させといた方がいろいろ楽。
技ポイントも全ての武器のレベルを総合して出されるので複数装備させた方が良い。

陣形システムは『同2』『3』とは違い、前中後列に分かれた縦の列を作るものだが、敵に正面以外から触れられると陣形が乱れる。
そのため、敵が前戦闘で最後に選んだ武器の攻撃範囲に届かなくなることもある。
この仕様と敵シンボルの多さのため、多人数だと一戦闘ごとに手間がかかる。そのせいか批判が多かった。

したがって陣形は全員一丸となって効果を引き出すものではなく、個人個人が敵との間合いを計るシステムに近い。
戦闘中にターンを消費すれば1列ずつ移動も可能。
武器の選定も、ただ強いものを選べばいいのではなく、奇襲されても対応できる距離の武器を忍ばせておくといった知恵があるとかなりスムーズにいくはず。
後ろから襲い掛かられても敵に先制攻撃されたりしないので、間合いさえ極めれば奇襲など怖くない。
敵側も同じシステムの上で戦っているため、接近戦しかできない敵なら集団で襲われても前列を倒すことで残りの敵を手持ち無沙汰にできてしまうといった、後の作品とは一風違う戦術が求められ、それが本作の持ち味でもあるのだ。



続編としては
1993年12月10日に『ロマンシング サ・ガ2
1995年11月11日に『ロマンシング サ・ガ3
が発売された。
2005年4月21日にはPS2用ソフト『ロマンシングサガ ミンストレルソング』としてリメイク(というよりアレンジ)された。

また、2009年7月9日には携帯アプリとして遊べるようになった。
ただし、ゲーム自体のダウンロード料金600円に加え、各キャラを主人公として遊ぶためには1キャラごとに200円必要である。

「ねんがんの 追記・修正権をてにいれたぞ!」


そう かんけいないね
メ几
木又してでも うばいとる
ゆずってくれ たのむ!!


「な なにをする きさまらー!」

吹雪

全 消

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最終更新:2023年08月16日 18:41

*1 コンシューマ作品では概ね『サガフロンティア2』まで。

*2 この傾向は『サガフロンティア2』にも見られたりする。