村岡隆(カイジ)

登録日:2012/03/04 Sun 00:13:00
更新日:2024/04/12 Fri 16:57:08
所要時間:約 6 分で読めます




あは…!ぐふ……!
いやぁ~~!よく来たね…!

村岡隆(むらおかたかし)とは、漫画『カイジ』シリーズのシーズン3にあたる『賭博堕天録カイジ』の登場人物。
「人喰いパチンコ編」に続く「地雷ゲーム17歩編」のカイジの対戦相手である。


職業は裏カジノの経営者。
作中では他の人物からは「社長」とだけ呼ばれており、名前が出るのは本人の名乗りと壁紙の署名のみ。
パチンコ編で地下から解放された45組のうち三好・前田を拾って雇い入れるが、二人をギャンブルに引き込んで借金まみれにしタダ働きを強いている小悪党。

特殊ルールの麻雀「17歩」で部下を使った通しのイカサマをして小金を稼いでおり、
カイジは助けを求める三好・前田の手引きで村岡の溜め込んだ汚金を奪うべく17歩勝負に挑むことになる。





(以下ネタバレ)





ギャンブル好きの御曹司を名乗って村岡との勝負に臨んだカイジ。
村岡の手牌を三好がカイジに送り、村岡側の「通し」を担当する前田には偽情報を送らせる作戦だが、
その実ハメられたのはカイジの方
さらにはこの裏カジノの実態は帝愛グループにロイヤリティを支払っている系列でもあった。そのため、帝愛グループ会長の息子である兵藤和也とも面識がある。

村岡はカイジがで勝ったことを知っており、大当たりの取り分数億の金を狙って勝負に引き込んだのだ。
(実際は遠藤に取られて無一文なのだが、村岡はカイジが分け前を独占したと思い込んでいる。立ち会っていた和也は真相を知っているが黙っていた)
三好と前田は(さすがに最初こそカイジを騙すことに躊躇いを見せていたが)借金チャラとボーナスを餌に、村岡の手先となり最初からカイジを騙していた
ちなみに、カイジに大恩がある二人がカイジを裏切ったのは村岡に「カイジはお前らに分け前を渡すのが惜しくなったから仲間に盗られたと嘘を吐いて金を隠し持っている」と吹き込まれ、無一文のはずのカイジが今回の賭け金300万を用意できたことで村岡の話を信じてしまったため。
これは、自分の家に居候し毎日ダラダラ過ごしていたカイジに愛想が尽きた坂崎が、手切れ金として渡した金である。しかし、カイジはバツの悪さから、そのような経緯を話しておらず、どこから用意したのか曖昧にした。そのため、村岡、三好、前田は「カイジが(三好たちに分配すべき)金を溜め込んでいる」という疑惑を確信に変えてしまった。
事が露見したときの二人のゲスっぷりは必見。

「最初に僕らを騙したのはカイジさん…!」
「だって僕たちは受け取ってない…パチンコの分配金っ…」
「なら当然っ…これくらいは当然っ…!」

村岡の17歩必勝法とは通しなどではなく、「イカサマを逆手に取って確実に勝てる」と騙されてやって来たカモを殺すシステムなのである。
中盤までは三好のミスを装い、変則4面待ちでカイジを打ち取るなどの方法で勝利していた。

ただ、カイジは村岡の性格や人間性こそ吐き捨てたが、この小細工そのものに対しては、それほど怒っていない(自分も、村岡を騙して金を取ろうとしていたため、裏を書かれた自分が間抜けだったと認識している)。

カイジは、最初こそ三好たちを仲間だと信じ込み、高レートの勝負で負けを喫するも、ほんの僅かな違和感から、ギリギリで三好・前田の裏切りに気づく。
そして、その事を逆に利用し、「未だに三好たちに騙されてる」と装うことで、村岡を予期せぬガチンコ勝負に持ち込む。
慣れない真剣勝負の場に、村岡は動揺するも、勝負の場が自分のカジノで周りを部下で囲んでいるという優位を生かして、
牌のすり替え、捨て牌候補覗きとなりふり構わぬイカサマでカイジを追い詰める。

が、小心さゆえに確実な勝ちを急いで最後の最後で「わざと席を外してヤマを開けさせる」カイジの作戦に釣られてしまう。
局の途中でカイジが手牌だけ持ってトイレに立つという、冷静に考えればあまりにもあからさまな罠を仕掛けたのだが、村岡はその罠を踏んでしまった。
カイジは手牌を全て持って行っているが、山を全て開けて牌を数えれば逆算でカイジの手牌が何であるかは分かる。
村岡はそれでカイジがいない隙に使っていない方の山まで全て開け、カイジの手牌を割り出す事に成功。
カイジの待ち牌が何であるかも全て判明したため、村岡は勝ちを確信した。

しかしそれも全てカイジの作戦。いくら手牌を持ち去ろうが、残りの牌を見られればバレる事など想定済み。

前の局の間にカイジはトイレにあったポスターを加工した紙を貼り付けて作った「偽装の白(ハク)」を卓の中に紛れさせており、
この局で使った山の中には白が5枚入っている状態になっている(代わりに別の牌が1枚減っている)。
村岡はカイジが席を立っている間に空けた山の内容+自分の手牌で「白」が4枚見えたため、
カイジの手牌に白が1枚も無いと判断したが、実際はカイジの手牌には白があり、その単騎待ちであった。

カイジが仕掛けた罠の要点は、「席を立ったのがただのトイレである」こと。
つまり数分で戻ってくる訳で、100枚を超える全ての残りの牌を数えて計算をしている程の時間は無い。
となれば、開けた山をデジカメ(隣の部屋にあったのを見ており存在は知っていた)で撮影するだけに留まるはず。
急いで撮ったデジカメの画像ならば、良く見れば分かるような多少違和感のある牌が混ざっていても気づく事は無い。
(展開の遅さから忘れられがちだが、カイジ世界の舞台は20世紀末で、当時は粗い画像しか写せないデジカメも珍しくなかった)
そして村岡はカイジの予想通りにデジカメで撮影するという手段に出、「紙を貼っただけの偽装の白」に気づく事ができなかった。
しかもカイジは用心深いことに、トイレから急いで戻ってくることで自分がトイレに立った目的が「牌を除いている決定的瞬間を抑えて村岡を反則負けに追い込む事」だと偽装。
村岡はまんまと引っ掛かり、部下達にカイジを足止めさせている隙に牌を元通りに並べ、戻ってきたカイジが覗きを指摘してもシラを切ることでカイジの策を潰したと判断し、勝利を確信して思考を止めてしまった。

結果、裏ドラまで乗った3倍満という罠を仕掛けたカイジすら予想外の大敗北を喫することとなった。
1億6000万賭けの3倍満の勝負に負けて、4億8000万の負け手持ちの現金全てと自宅と土地の権利書を取られてしまった。

村岡は放銃後、白が5枚あること、そのうちの1枚がカイジの工作によってつくられたものである事を指摘して勝負の無効を言い出した…が、
カイジの手牌にあったのは元々あった白であり、「偽装の白」は使わない山の中にあった。
村岡が山を全て開けて中を見るというイカサマをしない限り、あっても無くてもそもそも勝負に関係しないはずの牌だったのだ。
つまり、村岡はこの「偽装の白」のイカサマを咎めようとするならば、必然的に自身の覗きのイカサマを立証してしまう。
それを立会人であった和也にまで指摘されてしまっては言い返す事ができなかった。同時にカイジが「偽装の白」を仕込んだことについて和也は、「レギュレーションに違反するバットを試合で使わずただ持っているだけなら何ら問題ない」と野球に例えてフォローした。


「金 返せ…!わしの金…!土地っ家っ…!」
「返せっ…鬼っ…!悪魔っ返せっ!」
「守銭奴っ……!守銭奴っ……!」

和也編冒頭では放心状態になっており、三好と前田に罵倒されている。
その後もずっと愚痴っていたらしく、飽きた二人が帰ろうとしても引き留めていた。

金と家を失ったとはいえ、焼き土下座によって廃人となった利根川や地下から出られない大槻、地下送りとなった一条に比べればまだマシと言えるかもしれない。
実際、カイジからは「まだこんな立派なカジノが残っているんだから大丈夫」という旨のフォローをされ「地道にいこう………!(キラン」と励ましを受けている。


◆人物

ざんす口調のステレオタイプの守銭奴。
後述するように税金すら払いたくないというほどで、裏カジノ経営のロイヤリティ(帝愛にしては良心的な価格らしい)に関しても「糞ロイヤリティ」と罵っている。
兵藤会長や利根川のような過去の対戦相手とは比較にならない小物だが、それゆえに超慎重かつ用意周到な一面がある。
土壇場での閃きや度胸もカイジに劣らぬものがあり、一時はそれで窮地を脱している。
また非常に嘘つきであり、カイジからイカサマを指摘された際は下記のような過去があるにもかかわらず「人を陥れることなど大嫌い」と言い張る。
その上最終的にカイジに敗北した際は「賭博は違法ざんす!なーし・・・!この勝負なーし・・・!」とまで言い出す始末。
その見苦しさは和也からも「見苦しさの天才」と称され、呆れられた。
ある失言から観念し金を払うことを認めた際も「8000万…いや1億6千万でどうざんす?それが元々の賭け金なんだから…!」と値切ろうとしていた。
挙句の果てに自分が勝っていたら賭け金をチャラにするつもりだったとか訳分からんことを喚き、ついにカイジと和也に無視されてしまった。
カイジは「その気になれば詐欺師、宗教の長にもなれる」と評価されたが、一方で「小心者すぎて態度でわかるから無理か」とも返されている。
またカイジからは「人の生き血を吸うヒルの類」と評されているが、騙されたことに関しては一切恨んでおらず(そもそもカイジ自身が社長をハメようとしてたため)、その怒りは共に艱難辛苦を味わってきた仲間だったはずなのに、あっさりと騙され裏切った三好と前田に向けている。

「人生の節目は裏から抜け道で切り抜ける」との人生観をもち、

  • 大学受験は帰国子女枠エンド替え玉と賄賂
  • 就職はコネ
  • 税金払いたくないから脱サラして無税の裏稼業へ

とまっとうな努力は嫌いだが不正で他人を出し抜くための努力は惜しまない。
対戦中に披露したアカギばりの牌すり替えもかなり訓練したものらしい。
勝ちの決まった勝負しかしない、ある意味最もギャンブルから縁遠い人種といえる。
(現金だけでも2億円以上もの蓄えがあるのに、ガチンコ勝負では100万が限界というほど)

それまで優位に立つ相手の慢心や隙に乗じて勝ってきたカイジにとっては相性の悪いタイプであり、
勝負に立ち会った兵藤和也には「極悪」と評されカイジも「一歩間違えれば俺が敗者」「あまりに辛勝だった」と最後まで社長の疑り深さを警戒していた。

他人を減点法で評価するため、人に感謝するということがない。
部下が自分に100%奉仕できて初めて合格という自分本位っぷりで、村岡でも気付いていなかった事に気付き教えるというファインプレーをした三好を「気付くのが遅い」という理由で殴り飛ばした。

ちなみにコーヒーはブラック派。微糖は「口がニチャニチャする」ということであまり好みで無いらしい。

◆ファンからの評価

連載当時の17歩編は冗長で沼編のような大仕掛けもなくやや不評だったが、社長のコミカルなキャラクターが萌えの方面からは意外な人気を博している。

2ch漫画キャラ板にはカイジキャラで唯一、社長の萌えスレが11スレ目を数え現在も存続中。
2011年にはコミケで社長プチオンリーイベント「他人の戯言などどうでもよろしい…」が開催された。


◆台詞

  • 気付いたざんすか……?自分が……狩られる狐であることに…!

  • だいたい大嫌いなんざんす…!…イカサマとかカンニングとか……!
    そういう自分だけ得をするみたいなことが……わしは大嫌い…!受け付けない……精神的に……!

  • ありがとうございます……!神様…ありがとうございます……!

  • 結婚なんか誰がするか…!食わしてくざんすよ…!結婚したら生涯…!いずれ必ず飽きる女を…!しかも年々…相手の態度はでかくなるという…オマケつきざんす…!アホくさっ…!わけのわからぬ制度ざんすよ あれは…




追記・修正なんて誰がするか…!
いずれ必ず埋もれる項目を……!
わけのわからぬ制度ざんすよあれは

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最終更新:2024年04月12日 16:57