裏技/バグ技(ゲーム)

登録日:2010/07/16(金) 19:11:22
更新日:2024/04/03 Wed 16:37:20
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※チートについては改造(ゲーム)参照。

概要


裏技

裏技とは、隠されたテクニック、操作、攻略法のこと。
一般にはゲームプログラムの仕様上で実行可能だが、取扱説明書やチュートリアルに記載が無く、ゲーム内のヒントも限られたものを指す……
と今なら言えなくも無いが、後述の「無敵」の「ロードランナー」の件にある通り、本来裏技とバグ技の境界線は非常に曖昧。上記はあくまで記事整理のための分類と思っていただきたい。

ゲームが下手なプレイヤーにとってどうしても越えられない壁が存在する。
どんなに頑張ってもクリア出来なかったゲームはいくつか存在するだろう。

そんな時に役に立つのが裏技である。

昔のゲームは難易度が高い作品が多く、難易度調整を実装する余裕も無かったので、スタッフの配慮でいくつか裏技が収録された作品があった。
ゲームによりけりだが、様々な方法でプレイヤーを助けてくれ、何度も挑戦する勇気を与えてくれた。

次代が進むとともに、敷居を下げつつハードモードを用意する等、ゲーム全体の難易度を調整するようになり、スタッフが意図した裏技は姿を消していった。
海外発祥のゲーム、所謂洋ゲーでは何でもやり放題のチートモード(いわゆる公式チート)や裏コマンドが収録されている事がある。
(日本でなじみ深い例としてレア社のスーパードンキーコングシリーズやバンジョーとカズーイの大冒険シリーズ等がある)

基本的に通信プレイでは使用禁止で、実行した結果はセーブされない、オンラインモードでは実行できないなどなっているのが通例。
オフラインの対戦ゲームでは使えることもあるが、友達の間等で使ってしまったら友情関係が崩れてしまう場合があるので、基本的に一人プレイの時に遊ぶ事にしよう。
合意の上でなら全員で実行してカオスプレイを楽しむのもあり。

バグ技

バグの中でも、プレイヤーに有利な現象が起きるものを意図的に誘発させること。
当然プログラム設計上想定されていないので、何らかの不具合が併発することもある。
セーブデータが破損したり、ソフトやハード自体に悪影響が及ぶことも……
勿論大会や通信プレイでは使用禁止。出入禁止やアカウントBANになっても文句は言えない。

不利なバグ共々二次出荷やベスト盤、AC基板更新で修正されたり、オンラインアップデートが出来るようになってからはパッチ修正することで発生を抑制する。


ショック技

プログラムの領域を超えた裏技・バグ技どちらとも言え、どちらでもないとも言える技……
電源ボタンやカセット抜き差しやディスクトレー操作など、ゲーム機の物理的操作を意図しないタイミングで行うもの。

「ソフトの意図しない挙動」を超えて「ないはずのデータ」や「ハードが想定していない入力」が未知の現象を引き起こす。
これによってTASでも不可能な早さを実機RTAが達成してしまうことも……RTAと言えるのかは別として。
やってることはぶっちゃけクラッキング。最早チート行為。当たり前だが危険度は非常に高い。



■有名な裏技

コナミコマンドと呼ばれる昔のコナミ作品では大体使えた隠しコマンド。
作品によっては自爆したりするので注意。
↓効果
グラディウス』パワーUP
コントラ』残機30増加 等

作品によっては、
↑↑↓↓LRLRBA
の場合もあったりする。


特定のステージで条件を満たすと半永久的にスコアが獲得出来、1UPを何回もだすことが出来る現象。
ファミコン版では公式の想定外の動作であったため、やり過ぎると後述のオーバーフローにより残機マイナス状態になってしまう。
理論値への挑戦時はここの調整が非常にめんどい。
アーケードゲームでこれができてしまうと売り上げに多大な悪影響を与えるため、発見されると真っ先に公式が潰しにかかる。


  • ワープ(スーパーマリオブラザーズ等)
特定のステージに隠しコースがあり、そこに行くと一気に新しいステージに行けるというもの。
マリオに限らず様々な作品で収録されている。
アーケード形式の作品に多く、アーケード形式が少ない最近のゲームでは採用されることが少ない。


  • 隠しキャラ(格闘ゲーム全般)
ゲームをクリアしたりすると現れる裏技。
解禁の条件が厳しくて別途隠しコマンドが用意されている事もある。
基本的にラスボス、若しくはお遊びキャラ。


  • ?乱入(スーパーストリートファイターⅡX等)
ノーコンテニュー等特定の条件を満たすと現れる裏技。
理不尽な強さでプレイヤーを絶望に追い込む。
作品によってゴールデンだったりシャドウだったり、何かの波動に目覚めてたり。
大抵の格ゲーには用意されている。対人メイン格ゲーとしてはこいつらを倒してようやくスタート地点。


特定の条件を満たすと解禁される技。
ほぼ一撃でどんなキャラクターでも倒せる。X2では昇龍拳が代わりに使える。
ボスに壮大な出オチをさせることができる。


ロックマンXで通常の方法では手に入らない隠しアーマー。普通に入手するアーマーよりかなり強い。
ぶっちゃけ手に入れられるほど強いならなくても変わらない、それほどの難しさ。


戦闘中に765hitを達成すると操作しているキャラが「ナムコ!」と叫ぶ。
正直無理ゲー。


  • ロミアス爆殺(Elona)
1.NPC・ロミアスによるチュートリアル中に外出。
2.別の街でステージ(と自分)を吹き飛ばす爆弾を購入。
3.重すぎてまず持ち帰れないのでその場で自殺。
4.リスポーンで家に戻ったら起動し、ロミアスともう一人のNPCを爆殺。
5.またリスポーンした後、ロミアスたちが落としたアイテムを回収する。
ロミアスたちは貴重かつそこそこ強い装備を持っているため、序盤の攻略のためによく犠牲にされる。というか彼は乞食の肉を渡して「…本当に食べてしまったのか?」するような性格であるため、ロミアスの装備が必要なくとも爆殺される。


金のしおり入手後に特定のシーンで背景がモザイクになり、その後の選択肢が猟奇的で意味不明な内容になっているというもの。
バグと思われがちだが、スタッフが遊び心で収録した裏技。


  • ショートカット(マリオカート等)
マップ上のコースに沿って走らず、想定外のルートを通る事で一気にゴールに近くなるというレースゲームによくある裏技。
マリオカーでは壁を乗り越えることで一周10秒未満と言うか意味不明なことができるコースもある。
仕様だったりバグだったり様々で、大会等でも使用が認められるかはまちまち。
個人間の対戦では節度を守らないとリアルファイト案件になる。


  • 楽屋裏/開発ルーム
スタッフがゲーム内に置いた分身やメッセージが置かれた場所。
普通にプレイしていても入れる(ポケモン等)場合もあれば、ちょっと変わったプレイが必要なこともある。
大抵は後者の方がディープな裏話を聞ける。
有名なのはクロノ・トリガーや、テイルズシリーズ、ファルコム作品。
特にクロノトリガーは楽屋裏が大量にあり部屋ごとに変なスタッフロールが見られる(超高速版など)。



■有名なバグ技


攻撃を受け付けなくなる技。
風来のシレンシリーズの無敵草やマリオシリーズにおけるスター、アクションゲームやシューティングゲーム全般で見られるダメージ後の食らい判定がなくなるなど、ゲームの仕様としての無敵状態は様々なゲームに存在する。
RPGならレベルを上げて回避率などのステータスを上げたり装備で属性や状態異常の耐性を付与したりすることで実質無敵になることもできる。

だがゲームによってはそれ以外の方法でダメージを受けなくなったり死ななくなるといった、開発者の意図しない形で無敵になる方法も存在している。
逆に敵のHPが2048になるといった敵が死ななくなる形での無敵化も存在しており、起こしてしまうと負ける以外の解除手段がなくなったりする。

特にファミコン版ロードランナーにおけるハシゴ片手すり抜けバグは、コンピュータゲーム用語としての「裏技」の歴史上重要な位置に存在している。
このバグについて高橋名人コロコロコミック編集部に相談を持ち掛けたところ、「表の技ではなく裏の技として紹介してみては」と提案され、これによって「裏技」という言葉が広まったのだという。
この経緯より、8~16ビットゲーム機全盛の時代を生きてきたゲーマーの多くにとって「バグ技=裏技の一種」であるため、しばしばそれよりも若い層と間で、バグ技に関する認識の齟齬を引き起こすこととなる。


  • 壁抜け(スーパーマリオブラザーズ等)
本来は壁があって通れない筈なのだが、何故か入れるというバグ。
衝突判定を無理やり突破することで可能。入れたとしてもフリーズになる場合が多い。
ここからコード書き換えなど新たなバグ技へと派生することもある。
裏技として、おまけ部屋への入り口に採用されたり、ゲームの要素として採用されることもある。
後者の場合新たなバグ技を呼ぶこともあるが。


扱う数字のケタが変わって内部の数値がおかしくなってしまうことで、上述の無限1UPで取り上げたような事例の原因。
10進数で端的に言えば9999の次は10000だが、4桁しか処理できない場合はこの1がどこかに行ってしまうのである。
ステータスを滅茶苦茶に上げるなどして9999を超える大ダメージを与えようとしても、1がどこにも行かず消えてしまう場合は0000となりカスみたいなダメージになってしまう。
逆に0000の前は9999であり、ステータスがマイナスに達したりした場合に滅茶苦茶に大きなダメージが出せたりする。これは負のオーバーフローと呼ばれる。
こちらは有利に働くが、能力をマイナスにする装備は序盤に出て来ないことが多く条件を満たすのが難しい。

問題はあぶれた桁、すなわち1が前の領域に割り込んで保持されてしまう場合。
プログラムは根幹的には2進数で表現されているため、たった1でも割り込んできただけで重大なエラーを起こす場合がある。
チョコボの不思議なダンジョン2が顕著で、データ上でツメ・クラを多く持ちすぎるとバグでおかしなことになってしまう。

負のオーバーフローをアンダーフローと言う者もいるがこれは誤用であり、扱う数字が小数点以下など小さすぎて0にされるのがアンダーフローである。
ここで起きている事象は「正負のオーバーフロー」というのが正しい。


  • デバッグルーム、テストステージ
開発・テスト用に作られたステージやマップは当然製品版では入れないのだが
バグによって無理矢理突入できてしまうことがある。
テストの様子をうかがうことが出来たり、プレイヤーに見せないのをいいことに変な文章があることも……


ポケモン赤・緑(GB)であるコマンド(非公式の手順)を入れてバグらせると起こる裏技。
なんで欠番なのかというと開発中に空いていた部分に仮で入れておいた内容が表示されているため。
なぜそのままなのかというと、かつてのゲーム開発は容量との戦いで余裕が無く「関係ない要素消したと思ったらゲーム全体がぶっ壊れ起動不能」なんてこともありうるため。
ゲーム機の性能が向上した最近では、「結局使わなかったけど無害だし」といったことなのか1ステージまるごと放置ということもよくある。
ちなみにミュウはゲーム内に登場しないけどきちんと用意されていたキャラクターなので半分バグ半分裏技である。


キャラセレクトであることをして決定すると何故かマスターハンドが使える。
タイミングがかなりシビア。


これ自体は無害だが、本来出ないはずのアイテムが自然発生しているという危険な状況なのでステータスがおかしくなったりエラーで落ちるといったことが頻発する。
最悪セーブデータを削除する羽目になることも。
数百数千と時間をかけたセーブデータを消さないよう、妙な真似はしない方が良い。


バグ技の宝庫というより鉱脈のようなゲームであり、それらを前提とした対戦環境が形成されたまさに世紀末。
詳細は作品の項目等を参照されたし。


  • 横穴塞ぎ
プッシャータイプのメダルゲームでできたり起きることのある裏技。
この手のメダルゲームは先端の方にメダルが横に入ってしまう穴が存在し、前側に落とせばメダルを獲得できるが、横穴に入るとホッパーに呑まれてしまう。
そこで片側にだけ大量のメダルを投入し、その圧力によって横穴を塞いでしまうのである。
これによってメダルは前に進みやすくなり、そのままプレイを続ければ通常より多くのメダルを獲得できるというわけである。
しかしこれができるかは機種の横穴の上にあるガード部分によってまちまちであり、基本的に多くの機種がメダルでボールを押す→ボールを落としてジャックポットチャンスに行くという流れなので、ボールの流れを制御するため新しい機種ほどガード部分を広くして詰まりにくくしている。
また詰まるかどうかは運によるところも多く元手も結構かかるため、かなりの時間とメダルを要しプラス収支で終えるのも大変である。


ショック技

  • ミラクル電磁誘導(ベースボール)
コロコロコミックの袋とじで紹介された、おそらく最初のショック技。
投球時の特定のタイミングでファミコン前面のコネクターピンの一部を鉛筆などで触ることにより、滅茶苦茶な速度と軌道を描くボールを投げられるというもの。
しかしこの記事に対して任天堂が激怒、後に誌面で「ミラクル電磁誘導は絶対にやらないでください」という記事を載せることとなった。
しかもこれを使った本体に危険が及ぶのはもちろんのこと、後に使用されたソフトを介して別の本体をも破壊する可能性があるという副作用もあったことが判明している。
ショック技の起源でありながら恐るべき危険性をも秘めていた、ショック技とはどんなものかというのを知らしめるものだと言えよう。

ちなみに原理はコネクターピンを介した電気回路の短絡であり、この技自体コネクターに刺せる周辺機器などを使うことで他のゲームに応用することが可能。
中には無敵やステージセレクトといった便利になるものもあるが、ショートさせたことでソフトを物理的に破壊してしまい上記のような副作用を起こすことがあるものと思われる。
ソフト・ハード両面で解析が進んだ現代ならともかく、今そんなことをやっている当時の純粋な子供たちがこれを鵜呑みにしてやっていたならとてつもない被害を生んでいたかもしれないのは想像に難くなく、任天堂が激怒したのも当然と言える。


特定のタイミングでPSの蓋を開けるというとんでもない方法で行う裏技。
モドキベタモンがべんり君になり偉そうな口調で、時間経過、パラメータ操作、技全修得をさせてくれる。
またこの蓋を開ける操作を指す言葉でもある。
おそらく開発中に用意されていたデバッグモードがそのまま残された結果、特殊な動作で偶然呼び出されてしまったものと思われる。
どちらかというとバグ技に近いジャンルで、よりバグっぽい挙動でデバッグを呼び出す方法は他のゲームにも見られる。


当作をプレイするものならほとんど誰もが知っている有名なバグ。
CD再生の手順の途中でフタを明けて本来のゲームディスクと入れ替えるなどの手順を踏むと、条件を満たさないと再生出来ない種族が再生出来てしまう。
再生したモンスターを一度冬眠して戻す等すれば再生ロックを完全に解除することもできる。
このバグのおかげではじめから通してプレイする必要のあるRTAでは解放条件を経由せず隠し種族でも走る事が出来るようになり、もはや前提級の技となった。
データベース再生となったSwitch・アプリ移植版では不可。


ディスク媒体のPS2版でのみ可能な裏技。
フィールド上でPS2のディスクトレイを開けると画面外のフィールドが読み込まれなくなり、一時的に消滅する。
消滅した領域は歩く事が可能なため、これを利用すると本来の順番を無視してストーリーを進める事が可能になる。
特に本来ならメンバーの出入りが固定されている幼少期に仲間モンスターを解禁する事で連鎖的にバグを誘発させる「仲間増殖技」は有名で、特定のタイミングで起こす事でパパスやベラといった幼少期限定のNPCを最後まで連れ歩く事が可能となる。


  • BGM変更(リッジレーサー等)、ディスク入れ替えバグ
トレイが開けられるPS系のハードで出来るバグ技。
ポーズしてディスクトレイを開け、音楽DISCを変えると変えたCDの曲がBGMになるという裏技。
ステージが変わるまでに元のゲームCDに戻さないとよりバグる。
リッジレーサーに関わらず、ファイナルファンタジーをプレイ中にチョコボ入れたらキャラが死ぬイベントをスルーするとか、MGS3プレイ中に同作の完全版のディスク入れたらそのまま完全版としてプレイできる。


  • 左右同時押し、上下同時押し
できるわけがないッ!
ほとんどのコントローラーでは不可能で、想定されていない場合が多い。それ故にアクションゲームにおいて壁抜けや超高速移動といったバグ技を引き起こす。
実機でやるには十字キー入力を別の場所に設定してやる必要があるため、DanceDanceRevolution専用コントローラーのようなものを用いるかコントローラーを改造したりしない限り不可能。
稀にスティック入力と十字キー入力に同じキーが割り当てられているゲームでこの操作が可能になる場合がある。
有名な例としては、星のカービィ トリプルデラックスにおいてパラソル能力でスティックと十字キーで上下入力を同時に行うことでパラソルを瞬時に開閉を繰り返して攻撃する「高速落下傘」が挙げられる。


  • アニメティカのセーブデータ(PS全般)
RPGツクール3に付属している描画ツールで、256色のカラーパレットを使い描画する。
これをセーブ中にリセットするとセーブデータが破壊され、別のゲームで読み込めるようになる。
256色は16進数の数字に対応しており、特定の箇所に特定の色を置いておくことで都合の良いように改竄したセーブデータを用意することができる。
セーブデータのどこがどう対応しているかというのは事前に知っておかなければ無意味ではあるが、ドラクエ7を4分でクリアするなど実機ではまず不可能なこともたやすくできるため一躍注目を浴びた。


  • エンディング直行
誰よりも速くゲームをクリアすることを目指した人々の狂気の産物。
上下同時押しに加えて別のボタンを押すなどの特定の行為を行いゲームソフトのメモリやデータそのものにアクセスして改竄、エンディングを呼び出しゲームをクリアしたことにする。
最早ゲームハードとコントローラーを介したゲームソフトへのクラッキングになってしまっている。
バグの行きつく先は実機で出来るということ以外チートや改造と変わらないのか。そしてゲームクリアはどこまで速くなるのだろうか…


追記・修正おナムコ!

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最終更新:2024年04月03日 16:37