ガンダム・ザ・バトルマスター

登録日:2011/11/17(木) 23:09:18
更新日:2023/12/09 Sat 08:42:15
所要時間:約 6 分で読めます





ガンダム・ザ・バトルマスターとは、バンダイから発売されたMSが戦う格闘ゲーム。開発はSFCのガンダムWと同じくナツメ。

2D格ゲーだが、登場する機体は「モーションパーツシステム」により体の各部分を独立して描写しており、機体の動きに伴って体の各部分が干渉し合いガシャガシャと動く重量感を表現している。またダメージを受け続けると装甲が剥がれていく演出もあり、壊れ好きな人は堪らない。

登場キャラはすべて本作オリジナルであり、デザインは重田敦司。本作は2まで発売された。なお、1,2共に登場キャラは同じだが、話の繋がりは無い。
乗っているMSもどこか人物とミスマッチな点もあるだろうが、原作アニメとのとある共通点もあったりする。

国内では2作目までしか出ていないが、海外では国内版2作目を基に参戦機体の1つを差し替えた「GUNDAM: BATTLE ASSAULT」が発売されており、GガンダムガンダムWが同時参戦する2作目、ガンダムSEEDの機体が参戦する作品に至ってはプラットフォームの異なるPS2とGBAでそれぞれ作品が発売されいる(GとWは後に国内でもSIMPLE2000シリーズで各作品ごとに単品販売、GBA版SEEDは国内でもDESTINYを中心とした形で販売されている)。
また、海外版の登場キャラクターはゲームオリジナルではなく原作アニメと同じである。

[ストーリー]
1・・・地球環境の悪化により、人類が惑星開拓を初めてから長い年月が経った。人類は政府軍と議会軍の対立がある中、人々は自衛の手段としてかつて活躍したMSを求め出し、それを使った犯罪も多発し政府の手には負えなくなった。そこで懸賞金をかけることにし、ここに「賞金稼ぎ」の時代が到来した。
そんな中、軍の最新型が脱走。更に宇宙海賊を結成したのだという。これに政府は多額の懸賞金を駆け、様々な思惑で犯人を追う者たちが集結した。

2・・・地球に多数の隕石が降り、地上は壊滅状態となった。人々はこれを「焔の審判」と呼んだ。それから数年後、運び屋を経営するグロリア・チェンバレーは謎の少年ピクシーと出会うが、やがて焔の審判の真実、そこにある陰謀に巻き込まれていく・・・。

※世界観がガンダムXに近いとよく言われる。

[ゲーム性やゲームシステム]
1・・・空中を自在に飛べるスラスターにより空中戦がメインとなる。通常攻撃はパンチ、キック、近接武器(ビームサーベルなど)、遠距離武器(ビームライフルなど)、またCAPゲージ消費によるコマンド技を持つ。
緊急回避はスウェー(一時無敵)かバリア(射撃無効)の2種類でどちらかが装備されている。また攻撃を受けないでいるとHPが回復するので逃げ回って体力回復するという方法がある。
コマンド技が使えなくても通常攻撃で結構戦えるので格ゲーというよりは「対戦できるアクションゲーム」の感覚に近い。

2・・・前作より大幅に改良されている。具体的には
  • 機体ごとに装甲値・機動性が差別化。
  • スラスターゲージが有限式に。
  • 通常技もパンチとキックの(強弱の)2種類のみに変更。チェーンコンボ*1も実装。
  • 近接武器をコマンド技に変更。
  • 射撃に弾薬制限が追加。
など。
コマンド技に変更されたビームサーベル系の近接攻撃はガード不可で多段ヒットするとダメージも高いが、出が非常に遅く(初代以外)あまり出番がない。通常技でキャンセルできないので使い勝手は悪い。
前作と比べると格段に格ゲーらしくなった。極太ビームや超必殺技時の背景のエフェクトは某格ゲーVSシリーズの初期の影響かも知れない。

[登場人物]
◆マーキュリー・プロムナード
軍人。家が軍人一家で入隊させられた為、クサっていたがロイドとの敗北で目を覚ます。その後は「戦士の誇り」に賭けて犯人を追う。
2では無気力に支配されてしまっている。

  • Zは機動性に優れるが、技や機動性に癖がある。ハイパーダッシュからのウェーブライダーアタックは強力。
  • RX−78はMSA(メガスペシャルアタック=超必殺技)がないが総合的にバランスが取れており、扱いやすい機体。
  • RX−78のみ通常技からのビームサーベルキャンセルが可能。


◆ロイド・ニコルス
軍神と呼ばれた男であり、軍の実験に娘を被献体としていたが、その娘が脱走したことでようやく間違いに気付き娘を追う。2では劣化振りが激しい。

機体はザクⅡ(無印は量産機、2はS型シャア専用機)。
  • ザクⅡは弾幕性にも優れた射撃、無敵突進技、クセのない通常技とバランスの取れた機体だが装甲は薄い。
  • S型は桁並みに機動性が優れるが、機体制御が難しく通常型より更に装甲が薄くなっている。一部キャンセル技が増えている。
  • 両機体とも画面端限定だが即死コンボを持つ(相当練習しないと難しい)。


◆レイチェル・エイファス
大手MSブローカーの娘。婚約者が脱走事件で戦死し、その復讐のため戦う。容姿がXのトニヤに瓜二つ。

機体はジ・O。 強そうという理由で選んだらしい。
  • 『隠し腕ソードラッシュ』を筆頭に性能の良い必殺技・特殊技を幾つも持ち、地上と空中二択からのラッシュに長ける。
  • リーチも長く、当たり判定がデカい以外は取り回し安い。しかし無敵技がなく緊急回避動作がバリアなので端に追い込まれると厳しい。



◆ハニー・B
軍で実験体にされていた少女。マリアとは顔見知り。マリアの脱走に乗じて逃げたあと、孤児院を立てるためとマリアを止めるため戦う。2ではボク少女に。また幼さ故か視野が狭い所もある。

機体はフルアーマーΖΖガンダム。共通点としては元々原作アニメで乗っていたパイロットハニー・Bと同じく被検体として扱われていた少女と知り合っていた点か。
  • 総合的な機動性は若干低めだが重装甲かつ高火力である。また二種類の無敵技があり、メガ粒子砲(〇ボタン)は射撃戦を一方的に撃ち勝つので非常に扱いやすい。
  • 『スプレーミサイル』をバラ巻く事でMAにも有利。


◆シナプス
軍の最新サイボーグ。だがメインユニットは人間の脳。正体はレイチェルの婚約者でありマーキュリーの尊敬する上官アンドル・パークウェスト。が、マーキュリーは「機械野郎」と正体を知らず嫌悪している。

  • 機体はクィン・マンサ。だがサイズはクシャトリヤ。元ネタになったのだろうか?恐らくレプリカの可能性もあるだろうが。元々ニュータイプ専用機なので乗るシナプスがサイボーグとして設定されたのも納得である。(元々原作アニメで乗っていたパイロットが強化された人間だった点もある)
  • 装甲がやや厚く、全体的に一撃の火力も高めだが、くらい判定がでかく、スウェーがないので押さえ込まれやすい。


◆キャロル・ヨンファン
母が娼婦だったが、愛情を持って育てられた。軍が嫌になり逃げた後は自由に過ごしている。衣装が危険すぎでラルゴに突っ込まれる。

機体はハイ・ゴッグ。
  • 水陸両用機体なのに本作最強クラスの機体。しゃがみ〇(3ヒット)が非常に高威力で、ダウン後に追い打ちで狙うと手軽に凶悪なダメージを叩き出す。
  • 判定の優れ、あらゆる距離に対応できる通常技。2種類の射撃、無敵突進技、どれも扱いやすいが装甲が薄くMSAの使い勝手はイマイチ。



◆ケイジ・ダテ
Gガンダムの世界からやってきたような己が絶対的な正義と信じてやまない勘違い系の熱血バカ。キャロルに惚れる。2では暴言を浴びせられまくる。
風貌に加えて武術の心得がある点や、師匠(祖父)の存在がある点などはGガンダムの主人公のドモン・カッシュと良く似ている。
Gジェネに出演していればモビルファイター系の機体との相性も良さそうなのだが……。

機体はνガンダム、ハンマ・ハンマ。
  • νはフィンファンネルで敵を物理的攻撃(刺すように攻撃)できる。もちろんファンネル射出してビームも撃てるが肝心の火力が低い。MSAもないので余計火力不足。ちなみに原作アニメでも拳を使った格闘戦を行っていたので、武術の心得があるケイジとは相性は良い……?なぜ彼がファンネルを使えるのかは不明
  • ハンマはリーチが長く、牽制に長けている。しかし全体的に火力不足であり、機動性は優れるもの装甲が薄く緊急回避がバリアなので扱いにくい機体。ちなみに、元々原作のアニメでハンマに乗っていたパイロットもある女性に惚れていた点で共通点があったりするのだが……。


◆スミス・キングスレイ
貧民街の出身であり、金にうるさいが金を故郷に送るなど根は善人。音楽を流しながら戦う。

機体はサザビー
  • 技は少ないが、性能が良いので気にならない。
  • 超必殺技はサイコMK-Ⅲをも震え上がらせる『ビームショットフラッシュ(拡散メガ粒子砲を乱射)』。
  • また超必殺3連続を絡めた即死コンボがある。


◆ラルゴ・フォード
農家のおっさん。彼の所の穀物はブランド級。家族のために戦うが、機体が・・・

  • ガンダム試作2号機に搭乗。自分の畑の中でもアトミックバズーカを放つ猛者。グロリアの指摘は正論すぎる。
  • 無敵なしかつ真上に飛ぶやる気の無い昇竜技を持つ。バズーカは銃口補正が低く、急な角度で撃つと弾がそれてしまうことがある。
  • 高機動にトップクラスの重装甲を誇るが、全体的に使い難い面が目立つ扱いにくい機体である。


◆ノイズ・マッディー
元クリスチャンの殺人狂。だが小物。ハニー・Bに危険な発言をする。嫌われ振りはトップ級。

  • 機体はジオング
  • 空中からの格闘以外は平凡な性能。バリア装備機体で無敵技もないので押さえ込まれると脆い。


◆ガルス・ゴルディーニ
見た目通りの単細胞。マリアに忠誠を誓う。

  • 機体はビグ・ザム
  • 歩くだけで相手にダメージを与えられるが、方向転換できないため、背後にまわられると辛い。一応後ろ蹴りや対地メガ粒子砲に加え、股間から誘導の射撃武器を撃てるが避けるかガードすればいいだけの話である
  • ただし正面で戦うには強いことこの上ない


◆シュタイン・H・シュリッヒン
クズ領主。スミスの街が貧乏だったのはこいつのせい。その上小物。こいつだけ敗北時に機体が爆散四散するためか、2には唯一出ない。

  • 機体はノイエ・ジール。重税で買ったのだろうが、機体が泣いている気がする(BGMも)。
  • 上空に上がってミサイルをバラ巻けば判定勝ちが狙える。



◆マリア・ニコルス
1作目のラスボス。ロイドの娘。自分の境遇と力を呪い、暴走してしまった。本作で一番報われないキャラ。

  • 機体はサイコガンダムMk-III。本作オリジナルの機体である。
  • 格ゲー界全体でも恐るべき性能を持ち、昇竜拳を喰らうと死ぬ。「しょうりゅうけんをやぶらぬかぎり、おまえにかちめはない!」まともにヒットすると瞬殺できる破壊力。
  • 超重装甲と高い火力を誇るも一つ一つの動きがでかくスキが多い。後出しでチクチク攻められるとただの木偶になってしまう。しかしそれを除いても仰け反りにくいハイパーアーマー付きの強キャラに変わりないので、対人対戦で使うと友達無くすかもしれないので使用は控えておきたい。
  • ズシーンズシーンと威圧感バリバリにゆっくり接近してくる(コッチコナイデ)
  • Gジェネでの声はアイナ・サハリン役でおなじみ井上喜久子エターナさんは彼女を白くしたキャラにも見える。………というか他のマイナーガンダム作品同様、Gジェネくらいしか客演作品がない。



[2作目からの登場人物]
◆グロリア・チェンバレー
2の主人公。焔の審判で両親を失う。巨乳。年齢不詳だが、オバサンと言われても怒らなかった。勝った相手の殆どに説教をする。

  • 機体はストーリーでは好きに選べる。対戦ではボール。あんまりだ。
  • 低火力だがコンボが続く。S型ザクに匹敵する機動性を持ちながら、長い間滞空していられるのでリードしたら逃げるというチキン戦法が可能。
  • 装甲は紙装甲であるアッガイよりも更に低い。一発強力な技を食らうだけで致命傷になる恐れがある。


◆パトリシア・エステファン
アッガイLOVEなおっさん。格好良い台詞も多いのだが、アッガイのおかげでいまいちキマらない。身長は子どものピクシーと大差ないらしい。

  • 機体は勿論アッガイ。他キャラにボロクソに言われるがそこまで性能は悪くない。「アッガイじゃなきゃこっちがやられていた」はファンなら一度は言ってみたい台詞だろう。他のゲームでもぜひ。
  • 重過ぎる機動性に紙装甲の時点で致命的ではあるが、接近すれば小回りの利く通常技やコンボが光る。対空には安定の昇竜拳。
  • ガンダムVSシリーズや戦場の絆のお約束、対戦ゲーにおけるアッガイの萌え性能の高さは本作の時点で割と確立されている。


◆リタ・スー
グロリアが所属するレジスタンスのリーダー。だがシメオンと内通していた。スキンヘッドだが女性。

  • 機体はキュべレイ。原作アニメで乗っていたパイロットも組織のリーダー格を務めていた女性だったので親和性はある。
  • ファンネルで翻弄するよりも蹴りまくるのがお好き。
  • 技が豊富で一通り揃っているが、癖がありやや扱いにくい。人によっては弱キャラ扱いされる可能性もあり、他のゲームでは強いキュベレイが本作では逆の印象を持たれている。


◆シメオン
本作の黒幕。
200年前から生きているというどっかの組織の創立者に似た設定を持つ。アッガイに理解を示す。

  • 機体はノイエ・ジール
  • 性能的にビグ・ザムの浮遊型と思っていい。背中に潜り込まれても向きを変える技はあるが、やはりでかすぎて小回りの利くMS相手にはカモである。

敗北時機体は爆発するが、1と違って動かなくなるだけなので死んではいない(SIMPLEシリーズの版のガトーもこちら)。

◆ピクシー
2作目のラスボス。
ショタ。シメオンのクローンだがその力に危険を感じたマリアによって記憶を消去され、グロリアの元に渡った。グロリアを助けて落命したと思いきや・・・

  • 機体はハイドラガンダムなぜかこの機体だけ宇宙世紀以外の世界のMS。しかも登場した原作が「新機動戦記ガンダムW DUAL STORY G-UNIT」という外伝作品からの出演。
  • ちょうど「2」が発売された時期が「G-UNIT」の商品展開が進められていた時期でもあるが、主人公機を差し置いてのまさかの登場である。
  • Zと同等の機動性を持ち、装甲が若干厚い。通常技の性能も高く、特にしゃがみ×(小足)は連打するだけで連続ヒットになりダメージが高い。
  • 2種類の射撃を持ち、距離を選ばないオールラウンダーである。
  • サイコMk-Ⅲが力ならこちらは技といったところ。


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  • 2でも1の機体が全部使えるのか? -- 名無しさん (2014-01-25 18:45:41)
  • 2でパイロットが乗り換えられたガンダムとνはストーリーでは使えないけど、条件を満たせば対戦のみ使えたはず。超必ないけど -- 名無しさん (2014-01-26 00:42:50)
  • 機体は全部使える。パイロットが一部いないのと露骨にキャラメイクされて若干性格に変化のあるやつがいたりするくらい。ゲーム的にはかなり面白いと思うがどうか?とりあえずビグザムは方向転換させて欲しい。 -- 名無しさん (2014-01-26 12:32:38)
  • 是非ともOVA化を望む。 -- 名無しさん (2014-03-11 18:47:28)
  • 紀年法がAWだと聞いたがまさか… -- 名無しさん (2015-01-22 23:42:11)
  • ガンダムの拳 -- 名無しさん (2015-03-10 18:24:19)
  • ガンダムXと相性の良い設定だな -- 名無しさん (2017-02-06 00:54:24)
  • ごっついメカを操縦するあどけない少女という取り合わせの萌えを、俺はこのゲームのZZガンダムとハニー・Bで初めて意識したと記憶している。未だに大好き。 -- 名無しさん (2017-08-01 19:45:08)
  • 最新のGジェネのハイドラガンダムのモーションが、めっちゃ今作を参考にしてたし、再フォーカスワンチャン -- 名無しさん (2020-02-09 07:59:18)
  • PSプラスで配信してほしい -- 名無しさん (2023-12-09 08:42:15)
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最終更新:2023年12月09日 08:42

*1 弱通常技~強通常技、というコンボの事。『ヴァンパイアシリーズ』での名称がそのまま一般用語になっている