あくタイプ(ポケモン)

登録日:2010/10/21 Thu 01:19:45
更新日:2024/02/07 Wed 23:35:22
所要時間:約 8 分で読めます





光があるところ、影ありっ! 行くわよ!


ポケットモンスターシリーズに登場するタイプ。

【概要】

第ニ世代から登場。第一世代で強力だったエスパータイプの対策としてはがねタイプとともに追加されたタイプで*1、暗色系でスマートな洗練されたデザインが多く、
モチーフはハイエナ・サメ・カラス黒猫等、悪そうなイメージを持たれやすい生物が目立つ。
代表的なポケモンはブラッキードンカラスゾロアークなど。
一般的なファンタジーで言えば闇属性/暗黒属性に相当するタイプだが、幽霊アンデッドと言った一般的な死の属性・他ゲーの闇属性のイメージはゴーストに譲っており、こちらは文字通りの「悪」をイメージしたアウトローな能力を持つポケモンが多い。
特殊技がいかにも闇っぽいイメージの技に対し、物理技は噛み付きのような反則技やセコい印象のある技が揃うあたりでその点を物語っている。

一方で伝説・準伝説級ともなると人間の負の感情、ようするに『悪意』が人間が使う道具に宿って生まれた特級呪物のようなポケモンが登場している。
ゴーストタイプのような設定だが、こいつらはなんとあくタイプである。あくタイプの力は心の闇から生まれることがようやく明言された。


攻撃面はエスパーゴースト弱点を突け、かくとう・あく・はがね(第5世代まで)・フェアリー(第6世代から)には半減される。

耐性面ではかくとう・むし・フェアリーに弱く、ゴースト・あくを半減し、エスパーを無効化する。
(ただし「ミラクルアイ」を受けるとエスパーとのタイプ相性が等倍に変化する)

複合タイプは第八世代でフェアリータイプ複合のオーロンゲ系統が、第九世代でむしタイプ複合のエクスレッグ系統がそれぞれ追加されたので、全てのタイプと複合を果たしている。


【性能】

全体的に攻撃に優れたポケモンが多いが耐久は割と紙なポケモンが多い。

「おいうち」「どろぼう」「なげつける」「イカサマ」と、トリッキーで変わった効果の技が多い。
反面火力は乏しく、条件付きのものを除けば「かみくだく」「じごくづき」「あくのはどう」の威力80が最高レベル。
基本的に力押しは苦手で、読みが重要な玄人向けのタイプと言える。
また物理技こそ豊富だが特殊技は基本的に「あくのはどう」と耐久型・ダブル用の「バークアウト」のみ。
かつては特定条件下で強いポケモンが主体だったが、第八~九世代ともなると奇をてらわずシンプルに強いポケモンも多く登場してきている。

強力な先制技「ふいうち」は第四世代で教え技として重宝されたが以後はリストから削除され、多くのポケモンがレートで使用できなくなってしまった。
さらに達の影響もあってか第七世代で威力も低下している。
一方、第三世代当時から現在まで存在する教え技「はたきおとす」は第六世代でかなり強化され、効果適用時は「かみくだく」以上の火力も出せるようになった。
ただしメガストーンZクリスタルフォルムチェンジ用の専用アイテムははたき落とせず威力も上がらないので注意。

またポケモンの個体値が6Vの場合は「めざめるパワー」があくタイプになるが、実用性はほぼない。
例外的に第二・第三世代なら「だましうち」よりも火力のあるあく技として採用されることもあったが。

変化技は「ちょうはつ」「すりかえ」「おきみやげ」「すてゼリフ」「わるだくみ」など相手に対する妨害技が多く、積み技も攻撃性能のみを強化するものになっている。
いかにもワルと言わんばかりのイメージである。

第七世代以降はあくタイプに特性いたずらごころ』により優先度+1となった変化技が無効になるというメリットが追加された。
本物の悪党には子供騙しの悪戯など通用しないということだろうか。
もっともあくタイプ自体にも『いたずらごころ』の使い手が多いので素直に喜んで良いのかは微妙な所。

近年ではかくとうタイプの優遇、強力なむしタイプ追加やフェアリータイプの躍進等の要素から逆風気味。
それでもエスパー無効、ゴースト・あく半減という、半減の少ないタイプを抑え込めるのは他にない個性である。
フェアリー複合だったりサブウェポンとしてかくとう技やフェアリー技を持っていることもあるので相変わらず油断はできないが、読み合いを駆使して上手に立ち回りたい。

後出しのタイプということもあり、相性設定は元々の格差を調整するメタな意味でされている部分も大きい。
理屈っぽく考えていくなら、実力が全てなアウトローは胡散臭い超能力や幽霊、そして同じ土俵の相手を恐れないというところか。
鋼は単純に悪党でも破れないほど堅いというのもあるが、恐らく彼らから身を護る盾や金庫、そして牢屋や錠前といった彼らを御用する為の道具もまた鋼製が多いイメージからだろう。
そして一流の悪党はそれすら小細工ですり抜けるので最終的には等倍に変更されたのかもしれない。ここもバランス調整の一環はありそうだが。

かくとう・むし・フェアリーに弱いと設定された理由については、むしタイプに弱いのは「物理的に気持ち悪いのは勘弁」「善悪を気にしない野生の生物だから」もしくは「ライダーキック!」的なイメージとされていたり、
かくとうタイプに弱いのは諸説ある。
正義パンチは悪を懲らしめる!」というごもっともな説や「悪党に対する護身術として」「暴力は武力には勝てないというイメージから」というのがメジャーだが
かなり少数派の意見としては「アクション系の特撮ヒーローに倒される悪役のイメージ」「反則上等のファイトスタイルに対して正々堂々と戦って勝つ方が映えるから」という説も存在する。
フェアリータイプに関してはプリキュア等魔法少女からの関連性を示唆する意見があるが、「悪者と戦う○○だから」を挙げるといい加減キリがない。妖精の起源はイギリスのケルト神話にあり、その話においても悪魔はおろか、なんと竜を退治した記録すら無い。*2
このようにフェアリータイプの場合、神話や伝承の根拠すら持ち合わせていないのが実情であり、あく・かくとうタイプが暴れすぎてた当時の事情もあって、単なるこじつけで決められた可能性が高い。
ちなみに、意外にも影響を与えないのがどくタイプ。毒物の扱いに慣れているイメージはありそうだが、悪党だからといって自分が毒に強くなる訳ではないということか。

第一世代に登場せず、かつはがね・フェアリーと違って既存種に追加されなかったため今まで第一世代初出ポケモンにはあくタイプが存在しなかったが、
リージョンフォームの追加によりコラッタ・ラッタニャースペルシアン・ベトベター・ベトベトンの6種のアローラのすがたとして(いわゆる亜種としての登場だが)存在しうることになった。 


【扱うトレーナー】

一般トレーナーではアウトロー系のモブが使用してくることが多いが、第二世代で初登場してから20年間にも亘ってこのタイプを専門とするジムリーダーは存在しなかった(四天王については第二世代のカリンを初め何人か登場している)。
シリーズを通して悪の組織の下っ端が使ってくることが多く、ジム戦よりも大掛かりなイベントになるため、ジムリーダーの存在が霞みやすいという事情もあったのだろう。
また、実在の都市と結び付けられる各地方のジムリーダーに明確に「悪」を使わせることはイメージ的に問題があったのかもしれない。

しかし第七世代のアローラ地方には、従来のジムリーダーに相当するポジションとしてしまキングのクチナシが登場。
気怠げなちょいワルおやじだが本職は警察官という、従来のあくタイプ使いとは大きく異なるイメージのキャラクターとなった。
あくタイプのポケモン自体は悪そうなビジュアルが多いが、トレーナーまでワルである必要はないということなのだろう。

更にその後、第八世代の『ソード・シールド』において、史上初となるあくタイプ専門のジムリーダーであるネズが登場。
ネズは悪の組織ポジションであり不良トレーナー集団であるエール団のリーダーという立場。
だがエール団の正体は「ネズとその妹であるマリィを熱狂的に支持する故に、彼らに黙って他のトレーナーに対し自主的に妨害行為を行う、フーリガンじみたはた迷惑なジムトレーナーたち」という、歴代シリーズのお約束を逆手に取ったようなものであり、ネズも自らのあずかり知らぬところで祀り上げられていたというのが真相だった。
ミュージシャンも兼ねているネズ自身はバトル中こそヒールのような言い回しで叫びまくり荒々しく振る舞い、ときにはネガティブな部分もストレートに歌い上げるが、普段はヒールどころか常識的で文句こそ言えどしっかり人の面倒を見るお人好しである。
従来はキャラクターもワル寄りだったあくタイプのエキスパートトレーナーに新しい流れを生んだ存在といえよう。

第九世代の『スカーレット・バイオレット』では悪の組織ポジションであるスター団のボスの一人としてピーニャが登場。
しかし彼も元々は全くの善人かつボスとなってからもほぼアウトロー感ゼロであり、スター団自体の成り立ちの流れも含めここでも典型的なワルとは一線を画すようイメージに気を遣った上でのキャラクター描写がされている。


【あくタイプの歴史】



~第二世代~

初登場。
黒い翼ヤミカラス、耐久の月光ブイズブラッキー、悪ノ炎ヘルガー600族大怪獣バンギラスらが現われる。
ニューラも登場したが、当時はあく技は特攻依存であった為実戦レベルでは…
初代で猛威を奮った対エスパーアンチとしての印象が強いが殿堂入り前には進化の面倒なブラッキーくらしいか入手出来ない為攻略ではあまり活躍しない。
まぁロケット団のしたっぱや幹部が使用する為、敵としてはそこそこに出番がある。
エスパー技を無効化して返り討ちにしてくるため、油断してるとエラい目に遭う。

はがねタイプだけでも十分なエスパーアンチになっているが、あちらは多方面の守りに徹しているのに対し、こちらはエスパーを狩ることに特化している。
なお、永遠の天敵ヘラクロスもこの世代で登場。

対戦ではブラッキーが一流ポケモンとして活躍した。

初代は「かみつく」のタイプがノーマルだったが、この世代からあくに変わった。
他「かみくだく」や「おいうち」等、何故か見た目が物理系の技ばかりである。
同時に追加されたはがねが物理タイプだったので、消去法で特殊タイプにされたのだろう。


~第三世代~

前作では殆どの悪ポケが殿堂入り後の登場で誰もシナリオで活躍させられなかったためか、最初の草むらで悪犬ポチエナ→グラエナをゲットできたりと入手難度は低くなっている。
他にも鈍足ザリガニシザリガー、特攻鮫サメハダー二刀流案山子草ノクタス、あくタイプのカリスマアブソル、葉緑素大爆発ダーテング等一気に数が増える。
弱点ないぞーすごいだろー(当時)なヤミラミも登場。
ただし微妙な立場はあまり変わっていない。


~第四世代~

フルアタ型対策として有効な新技「ふいうち」追加。
技ごとに物理特殊が分かれ、さらに新進化を得たマニューラが、一気に厨ポケキラーとして頭角を現す。
ちなみに第三世代以前のあく技はすべて物理技になった。さすがに「ふくろだたき」や「だましうち」を特殊技と言い張るのは無理があったか。
そのためこの世代で唯一の特殊技として「あくのはどう」が追加されている。
すなあらし時にいわタイプが特防1.5倍の効果を得て砂パの実用性が上がり、さらに弱点半減の実の登場でバンギラスが超強化。
第四世代後半でのバンギラスは対戦トップメタと呼ばれるほどの活躍を見せた。
一方でメジャーどころのエスパーやゴーストが高威力の特殊かくとう技「きあいだま」をわざマシンで覚えるようになり、手軽に出せなくなった。

新ポケは毒ガス誘爆大爆発スカタンク、オンミョーンミカルゲ、化け蠍ドラピオン。禁止級の配布ポケダークライ
新進化形は首領ドンカラス


~第五世代~

初の4倍弱点なし(当時)の600族の悪竜サザンドラや、モヒカン不良ズルズキン、特撮怪人キリキザン、またもケモナー萌えの黒猫レパルダス、砂鰐ワルビアル
耐久鷲バルジーナ、映画主役の化け狐ゾロアーク追加。
また隠れ特性の登場でヤミラミやレパルダスの『いたずらごころ』が猛威を振るい、ヤミカラスはそれに加えて『しんかのきせき』も活用できるようになった。
ただし、あく技を受けると攻撃が上がる特性『せいぎのこころ』の追加やかくとう、むしタイプにローブシンウルガモスをはじめ強力なポケモンが増えた為相対的に冷遇気味かもしれない……。

「あくのはどう」に続く汎用特殊技として「バークアウト」も登場。
グラエナやレントラー等『いかく』と併用できるポケモンも多いため、ダブルの基本戦術の一つとなった……が当初は配布されたゾロアークの専用技だった。BW当時はわざマシン95を入手する手段がなかったため、覚えさせるにはタマゴ技として遺伝させるしか手段がなかった。


~第六世代~

初めてあくタイプが登場した金銀時代からはや14年、ついに新たなタイプが追加された。その名はフェアリータイプ
だが、その相性が発表された時、多くのあくタイプファンは落胆した。フェアリー弱点追加&フェアリーにあく技半減だったのだ。
「ただでさえ弱点メジャーだったのにこの仕打ちか……」「イメージ的にはむしろあく抜群だろ」と、ため息が漏れた……



が、事態は思ってもみない方向に推移した。

第五世代のメジャータイプであり、あくタイプの肩身を狭くしていたかくとうタイプが、フェアリータイプ流行により大きな被害を受けたのである

さらに、同期でありながら豊富な耐性で強タイプだったはがねタイプ等倍がとれるようになった
はがねタイプはかくとうに弱くフェアリーに強いため、第六世代の環境では当然のように増加。
そのはがねタイプに等倍を取れるようになったのは非常に大きい。

さらにさらに、主力級の特殊技が軒並み弱体化していく中で、あくタイプの技は
  • どろぼう:40→60
  • はたきおとす:20→65
  • ダメおし:50→60
……と、多くの技が威力アップを果たしたのであった。
特にはたきおとすは、相手が道具を持っていると威力が1.5倍(97)になるという効果まで追加された。

またバークアウトが「音技」というカテゴリに分類され「みがわり」を貫通するようになった一方特性『ぼうおん』で無効化されるようになった。

新規かつ流行タイプであるフェアリーに弱いと言う点についてはあくタイプではどうしようもない。
しかし、あくタイプのポケモンはフェアリーをはじめ相性補完が優秀な組み合わせが非常に多いため、得意な仲間に交代して補いたい。
悪統一ならドラピオンやスカタンク等で何とか頑張ろう。

また、ゴースト技もはがねタイプに対して等倍になったため、ゴーストを唯一半減できるタイプという、さながらドラゴンに対するはがねのような役割を持てるようになった。
このように攻撃だけでなく、耐性の重要度も大幅に増したといえるだろう。

これらの環境の変化とタイプ自体の強化により、弱いタイプが増えたら有利になったと言う、意外な結果を生み出したのである。


新ポケモンは御三家の一角の忍者蛙ゲッコウガ、番長熊猫ゴロンダ、天邪鬼な烏賊カラマネロ、パッケージを飾った破壊をつかさどる伝説鳥イベルタル

そのイベルタルの専用技は「デスウイング」。発売前はそのエフェクトから強力なあく技になるだろうと期待されていた。
……が、この技はひこうタイプで、あくタイプの技ですらなかった
もっともデスウイング自体は威力が控えめな割に性能が高く、あくタイプだとタイプ一致補正と『ダークオーラ』補正で壊れ技になるためひこうタイプになるのも仕方ない部分がある。ただし、『ヘドロえき』は勘弁な!


ORASにて新幻ポケモンフーパがフォルムチェンジした姿「ときはなたれしフーパ」が登場した。
FCすることでタイプがエスパー/ゴーストからエスパー/あくに変更され、見た目もかなり凶悪なものへと変化する。

このフーパの専用技「いじげんラッシュ」はあく技にして初の高火力技。その威力はなんと100。
さらに必中でかつ相手の「まもる」などを無視するというおまけ付き。能力低下のデメリットを差し引いてもあく技ではトップクラスの性能である。

この技の登場により、あくタイプの高火力安定技という悲願は達成されたのであった。専用技より汎用技くれよ。

ヘルガー、バンギラス、ヤミラミ、サメハダー、アブソルがメガシンカを獲得している。
また、メガシンカにより新たにみず・あくタイプとなったギャラドスがいる。


~第七世代~

上述の通りコラッタ・ベトベター系がリージョンフォームで悪追加、ニャース系はノーマルからあくタイプに変更となった。
特にアローラベトベトンは、どくタイプの弱点だったエスパーをあくで無効化できる上、今回初登場した準伝の一匹カプ・テテフに滅法強いので注目を浴びていた。
御三家の一匹ニャビーの最終形態ガオガエンはヘルガー以来のほのお/あくとなり、あくタイプとしてはそこそこの耐久がある上、やけどにならない物理ATとピーキーな調整が多かったあくタイプとしては珍しく万能寄りのポケモンである。
ウルトラビーストの一匹アクジキングはあく/ドラゴンとサザンドラと同じ組み合わせ。能力的には耐久寄りになったサザンドラだが、『ふゆう』が無く素早さが遅めなので使用感は大幅に異なる。現状他のUBに比べると型が確立されておらず今後に期待と言ったところか。

また上述の通り『いたずらごころ』によって優先度+1になった技を無効にするというメリットが追加された*3
これによりエルフーンクレッフィのようないばみが戦術やおっさんのとりあえず「でんじは」を防げるようになりこれらの害悪キラーとしての側面も備えるようになった。そもそも「いばる」や「でんじは」が大幅弱体化したが
しかし『いたずらごころ』持ちの多いあくタイプには痛い変更点であるし、特性が『マジックミラー』となるメガアブソルは採用価値が減る等
タイプ全体として見ればいい面もあるが個々のポケモンからするとマイナス面になったポケモンもいる。

しかし環境的には絶滅寸前と言わざるを得ない。第6世代のむしタイプと立場逆転、くさタイプよりも悪い立場に。
カプシリーズをはじめとしたフェアリータイプの大量増加は元より、ファイアローの弱体化による大幅減少の影響でキノガッサウルガモスといった強力なかくとう・むしタイプが復権。
そしてあくタイプが減る=貴重なあく耐性が要らなくなると言う事もあり、相乗効果でさらにあくタイプが減ると言う困った結果に。
おまけにゴーストタイプの代名詞であるゲンガーが『ふゆう』を捨てた為、無理にあくタイプで対策する必要までなくなってしまう…。第6世代で暴れ回った罰が当たったな……まさに正義の鉄槌

そのせいでシングルでは30位以内にいるのはゲッコウガとメガギャラドスの二匹(そのゲッコウガも大半が『へんげんじざい』でギャラドスもあくタイプなのはメガシンカしている時のみのため実質あくタイプは全滅)と言うとことんあくタイプに冷たい状況が出来上がる事に。マニューラに至っては最早一時代を作ったとは思えない程落ちぶれてしまった。
サザンドラやバンギラスまで消えると言う今までは考えられなかった異常事態まで引き起こしていた時期も……。
一方、ダブルバトルでは相方でフォローが利くのか、サザンドラもバンギラスも30位圏内にいたりする。

USUMではこの状況は改善の兆しが。
バンギラスがメガストーン完全解禁により復権。アローラベトベトンも「リサイクル」を教え技で習得し『くいしんぼう』型が強化された。
サザンドラも新たに「ゲップ」を習得したものの、耐性が違うとはいえアーゴヨンが立ち塞がってしまいスカーフ所有を余儀なくされている。

一応あくタイプとしての頼れる相棒自体は増えたのだが、それでも「あくタイプを有しているだけで選出すらままならない」状況。
USUMでは多少脱却できたものの、依然フェアリーが幅を利かせる環境。油断はできない。
実際現環境に残るあくタイプも 水準以上の耐久があるから生き残っている わけであり……。カエルは知らん
せめて当時未発見のノーマル/ゴースト複合の強ポケがいれば……

一方でダブルでは『いかく』個体が入手可能になったガオガエンが大幅に増加し、使用率トップに躍り出ることになる。

技の面では「かみくだく」と同威力で相手の音技を封じる「じごくづき」が登場。
教え技にも登録されており、主にかくとうタイプ等のサブウェポンとして重宝されている。
他には物理あくタイプ版「アシストパワー」の「つけあがる」や味方も巻き込み周りを攻撃する「ぶんまわす」が新登場。


~第八世代~

新ポケは序盤悪枠のフォクスライ系、初のフェアリータイプ複合オーロンゲ系、ピカチュウ似のマスコット枠ででんきタイプ複合のモルペコキョダイマックスはオーロンゲが獲得している。
また『ものひろい』でおなじみマッスグマが、リージョンフォームおよび新進化形態タチフサグマを獲得した。

新技は6種追加されたが殆どが特定のポケモン専用技なのでタイプそのものへの評価を変える物ではない。
というか新しいあく技の一つである「くらいつく」を覚えるカジリガメはそもそもあくタイプのポケモンじゃないし…。
一方で、今作ではメガストーン・Zクリスタルが出現しないためか、「はたきおとす」の習得者はかなり減らされてしまった。代わりに「じごくづき」と「DDラリアット」が技レコードに収録されるようになっている。

DLC第1弾『鎧の孤島』にてかくとうタイプ複合のウーラオス(いちげきのかた)が登場。このウーラオスの専用技「あんこくきょうだ」は威力80で確定急所という強力な技である。さらにキョダイマックスの「キョダイイチゲキ」は「ダイウォール」をも貫通する大技を叩き出せる。
また、教え技で登場した「うっぷんばらし」はそのターンに自分の能力が下がっていた場合に威力が上がるという独特なシステムを持つ。
続いてDLC第2弾『冠の雪原』ではガラルファイヤーが登場。その専用技は「もえあがるいかり」で「あくのはどう」よりも威力が10高い。とはいえ全体技の宿命ゆえ「ワイドガード」で防がれるのはお約束。

環境としては高種族値600族であるバンギラスやサザンドラ、耐性が多い『いたずらごころ』持ちオーロンゲ、高耐久のブラッキーが主に人気があった。
またシーズン3の1位がタチフサグマ入りパーティを使用しており話題となった。一方ダブルでは『いたずらごころ』や優れた変化技を買われ、ヤミラミもそれなりに使われていた。
その後ガオガエンが復活し、ダブルは勿論シングルでもそれなりに活躍した。だが同時にアシレーヌ復活やエースバーンの隠れ特性が解禁されたことにより、弱点を突かれる点が響いて一気に後退。
特にサザンドラは相方のギルガルドの弱体化も響いている。それでもある程度環境に残るバンギラスのタフさには恐れ入る。

『鎧の孤島』解禁後は早速いちげきウーラオスがランクイン。れんげきの方が若干高いけど
なお、シーズン13に入って初めてシングルバトルの使用率で「いちげき」が「れんげき」を上回った。

『冠の雪原』解禁後はガラルファイヤーもランクイン。
カプ系(レヒレを除く)が弱体化したことにより若干活躍の場が増えたといえる。

禁止級伝説ありでダイマックス禁止のシーズン21シングルバトルでは最終1位のパーティに、受けループに適した環境に適応するように「あつぞこブーツ」型バルジーナがエントリーされていた。

Pokémon LEGENDS アルセウス

リージョンフォームのハリーセンが、進化形のハリーマンに進化するようになった。また、ヒスイダイケンキもあくタイプを獲得している。
ダイケンキは中でも新技「ひけん・ちえなみ」を習得する。
しかし、現在これらのヒスイ地方のポケモンは対戦で扱うことはできない。次の世代に期待しよう。

~第九世代~

あくタイプ大増殖

御三家ニャオハの最終進化系マスカーニャ、序盤虫にして初のむし・あく複合の仮面ライダーエクスレッグ
ペパーの相棒マフィティフ、飛行複合のコウノトリオトシドリ
そしてなんとキリキザンが更に進化したドドゲザン
パラドックスポケモンにはアラブルタケテツノコウベトドロクツキ
加えて準伝説枠の四災としてチオンジェンパオジアンディンルーイーユイ
総計12種もの大量追加と相成った。

環境としてはシリーズ1で素早さ基準が抑えられたのも功を奏し、テラスタル新たな相方を得たサザンドラがトップメタに。
次いで変幻自在の動きで荒らしまわるマスカーニャ、言葉通りの火力の押し付け役であるドドゲザンが環境を席巻。
更に、タイプ受け絶対許さないマンとしてエクスレッグがダークホース的な位置に。
準伝説級解禁後は四災がいずれも高い使用率を誇っており、特にパオジアンの台頭が顕著。
いたずらごころ持ちは変化技をあくタイプかけれない事もあり、化身ボルトロス等が大きく落としてしまった。

はがねテラスタル等の流行による天敵のフェアリーポケモンの抑制もあり、今回のあくタイプは歴代で一番動きやすいとの意見も多い。
一方、火力を奪われて戦えなくなってしまったマニューラや、環境とテラスタルが完全な向かい風になってしまったバンギラス、参戦前は評判の高かったパラドックス勢はいまいち伸び悩むなど、全てのあくタイプが動きやすくなったかと言われるとそうでもない。


【あくタイプの主な使い手】



・一般トレーナー

スキンヘッズ
バッドチーム
バッドガイ
バッドガール
ふりょうアベック
こわいおじさん
こわいおねえさん
バッドカップル
歴代悪の組織の皆さん

ジムリーダー


・しまキング


四天王


・その他



また、あくタイプ使いとは違うがギンガ団ボスアカギの手持ちはあくタイプに偏っており、そうでなくとも悪の組織のボスはあくタイプのポケモンを所持している場合が多い。

~代表的な技~


対戦でよく使われる技をいくつかピックアップして紹介する。

  • かみくだく
かみつくの上位技というべき位置づけの技。確率で防御1段階ダウン効果つきの物理技における安定したメインウエポン。

  • じごくづき
プロレスでおなじみの相手の喉を突く技。くらった相手は音波系の技が使えなくなるという珍しい追加効果付き。
追加効果が限定的なので、基本的にはかみくだくが使えない場合の選択肢となる。

  • あくのはどう
あく特殊アタッカーのメインウエポン。確率で怯みの効果付き。

  • バークアウト
威力はあくのはどうに劣る特殊技だが、確定で特攻を1段階ダウンさせる。耐久型ポケモン向け。

  • ふいうち
相手が攻撃技を選択していた時に先制して攻撃できる。足が遅めなポケモンも覚える事ができ、あく技の中では威力も高いと強力な技だが、サポート型のポケモンに対しては無力になりやすい。

  • おいうち
相手がポケモンの交代を選択していた場合、交代前のポケモンにダメージを与える。この場合は威力も高まる。
上記のふいうちを透かそうと交代を選んだ相手にさらに痛手を与えられる、いわゆる「おいふい」が強力な戦法のひとつとしてあくタイプポケモンの定番になっていたが、現在は技自体が削除されて使えなくなってしまった。

  • はたきおとす
相手が持ち物を持っていると威力があがり、さらにその持ち物を叩き落として使えなくする。
持ち物に依存した戦法を使うポケモンにとってはダメージよりもその効果が強烈。

  • ちょうはつ
相手を煽って怒らせ、攻撃技しか使えなくさせる。ストーリー攻略ではあまりうま味を体感しにくいが、対戦ではこれひとつで搦め手を主体にするポケモンを完封する事も可能。補助技しか覚えていないポケモンはわるあがきしかできなくなる。

  • わるだくみ
悪い事を考えて特攻ランクを2段階アップする。言わば特殊版「つるぎのまい」。

  • すりかえ
相手と自分の持ち物をすり替える。覚えるポケモンとわざタイプが違うだけで効果は「トリック」と全く同じ。

  • おきみやげ
自分がひんしになる変わりに相手の攻撃と特攻を2段階下げる。
ポケモン1体を犠牲にする変わりに強烈なデバフを相手に与える起点作り用の技。そのデメリットも役割を終えたポケモンを能動的に処理して交代させられるメリットに転嫁できる点も強力。

  • すてゼリフ
捨て台詞を吐いて相手のポケモンの攻撃と特攻を1段階下げながら控えのポケモンと交代する。
ダメージの無い「とんぼがえり」でやってる事はまんま三下の悪役だが、それに反して効果はなかなかに厄介。起点作りに向く。


・余談

「なまける」、「やつあたり」、「いかり」、「あくむ」、「あばれる」、「あくまのキス」はあくタイプの技っぽいのに違う。



追記・修正は「せいぎのこころ」か、「あくのびがく」を持ってお願いします。

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最終更新:2024年02月07日 23:35

*1 『ポケットモンスター金銀 ポケモンずかん』より。

*2 フェアリーがドラゴンに強いのは単なるバランス調整であり、特に意味は無いのだろう。

*3 優先度の上がった技を直接受けた場合に限り無効化され、「ほえる」などの優先度がマイナスの技も無効化対象。「ゆびをふる」により発動した攻撃技も無効となる。積み技、壁貼り、トリルなど使用者や場を対象とする技は無効化の対象外。高い素早さから繰り出される変化技もいたずらごころではないため当然対象外