雪代巴(緋村巴)

登録日:2011/06/29 Wed 12:28:17
更新日:2023/12/10 Sun 21:07:52
所要時間:約 4 分で読めます




さよなら……

私が愛した、二人目のあなた……






雪代(ゆきしろ)(ともえ)とは『るろうに剣心』の登場人物で、人誅編の回想及び追憶星霜編の主要人物。特に追憶編では実質ヒロインを勤める。

CV:岩男潤子(OVA)
演:有村架純(実写映画版最終章)

1846年9月生まれ。
長い黒髪に透き通るような白い肌を持つ美人。反面、無口で無表情で考えが読みにくい。笑うのが苦手。
その一方で子供好き。毎日日記をつけていた。
白梅香という香水を使っており、その香りはある種彼女を象徴している。

主人公の緋村剣心がまだ人斬り抜刀斎と呼ばれていた頃の。なんと剣心、少年漫画の主人公でありながら既婚者であったのだ。
剣心の左頬に十字傷をつけた人物の一人でもある。


1864年4月、抜刀斎が京都所司代とその従者を暗殺してから数日後のある晩、酒屋でごろつきに絡まれているところを、たまたま居合わせた抜刀斎に助けられる。
その礼をしようと後を追いかけたところ、抜刀斎が人を斬っている現場を目撃してしまう。
もともと呑めない酒を呑んでいたことに加え、大量の血を見てしまったショックでその場に倒れてしまい、抜刀斎に保護される。
翌日抜刀斎は「見たことすべて忘れると誓って、さっさと立ち去れ」と告げるが、当の巴は宿に居着いてしまう。もともと帰る場所がないようであった。
ちなみに宿にいた維新志士たち曰く、「美人で緋村より年上で、でも緋村と同じで愛想がない」とのこと。志士って結構軽いのね。

桂さん「私だって幾松いるしな」

その後いろいろあり(抜刀斎の項目参照)、抜刀斎と夫婦になって滋賀の大津の里山にある家屋で暮らすようになる。
しばらくは二人でささやかながら幸せな毎日を送っていたが、弟の雪代縁が現れたことにより一転。縁に、自分の目的を再確認される。
偶然酒屋に居合わせたふうを装っていたが、実は巴は抜刀斎を倒すために遣わされた幕府方の間者だった。


巴には許婚がいた。
彼は文武ともにからきし、かといって良家育ちでもなかったが、人柄がとても良かった。巴は彼のそんなところがずっと好きだった。
だからそんな彼に選ばれたことが、巴は嬉しかった。本当に嬉しかった。しかし巴は、ただただ目を丸くするしかできなかった。
その巴の様子を見て「自分との将来に不安があるのでは」と考えた彼は、祝言を一ヶ月先に延ばし、少しでも出世しようと仕事に精を出した。
が、そんな矢先、彼は何者かに殺されてしまう。
京都所司代の護衛中に……


そう、巴の許婚である清里明良を殺害したのは、他ならぬ抜刀斎だった。
巴は自分たちの幸せを奪った抜刀斎を憎み、復讐を果たすために幕府方の間者として抜刀斎に近付いた。
すべては復讐のために。憎き抜刀斎に、復讐を果たすためだけに。

しかし巴は抜刀斎を監視する内に彼の人を斬る事を望まない本来の人柄を知ってしまい、いつしか彼を愛するようになってしまった。
そして抜刀斎もまた、自分の心の闇を払い、人々の営みを守る意味を教えてくれた巴を愛していた。
互いに愛する人を守るために、巴は自分が戦うことを決意。
巴は抜刀斎の前から何も言わずに姿を消し、仲間である「闇乃武」に「抜刀斎の弱点は寝込み」と嘘の報告をする。
が、途中で巴が裏切ることも闇乃武の計算通りでしかなかった。抜刀斎の弱点が分からなければ、あるいはないのなら、自分たちで作ってしまえばいい。
つまり巴自身が抜刀斎の弱点になってしまっていたのだ。
まんまと騙されていたことに気付いた巴は、抜刀斎のために一人でも敵を減らそうと短刀で応戦しようとするが、かたや幕府の暗部でかたや武家の娘。
敵うはずもなく、闇乃武リーダーの辰巳に一撃で気絶させられ捕われてしまう。

その後駆け付けた抜刀斎は圧倒的な強さで闇乃武の刺客を倒していくが、辰巳のもとへたどり着いた時には満身創痍で、まともに戦っても勝てる状態ではなかった。
ちょうど二人が戦っている時に目を覚ました巴は、自分のために戦う抜刀斎の姿を見て、彼の命を守る為に身を投げ出し、自分ごと辰巳を斬らせる。
この時手にしていた短刀が、抜刀斎の左頬に傷をつけた。
「どうしてこんなことに……」と涙する抜刀斎に抱かれ、巴は

これで良かったんです……
だから泣かないでください……

と微笑みかけ、抜刀斎の腕の中で息を引き取った。享年18だった。


モチーフとなったキャラは綾波レイ。ただし、作者はレイのパクリになった事に物凄く自己嫌悪を感じたとか。

再筆では装いが「雪」を強くイメージしたものとなり、瞳の色がハイライトなしの黒になった他は、デザインにそれほど変化はない。
中には完全に「誰だお前」になっている人物もいる再筆では、比較的原形の面影が残っている。
抜刀斎に傷を負わせた小刀は家伝の懐刀という設定。寒がり、本好きという設定が追加されている。

キネマ版では直接登場はしないが、剣心が過去を回想する際に「一番大切な人を失って…」と語る場面がある。
地味に自分の手で殺したとは言っていないが、果たして…

平成アニメ版では人誅編に入らずに最終回を迎えた為、本編には登場していないがED映像では一時期姿を見せていた。
なお、彼女が登場したEDである「1/3の純情な感情」は映像中では抜刀斎から巴へのラブソングに見せるようになっているが、
歌詞の内容を見渡すと巴から清里への「壊れるほど愛しても1/3も伝わらない」事を嘆くラブソングであるとも言える。

実写映画版1作目にも剣心の回想で登場。ただし、顔は写されず演者名も不明。
清里の遺体に向けて泣き叫ぶ場面を剣心が遠くから見つめていた。
『最終章 The Beginning』ではこの場面を有村架純が演じた上で描写されている。清里が斬られる場面は1作目の流用だったけど



もうしばらくここに居させて頂きます。
今の項目には追記・修正が必要ですから。







補足:人誅編に登場する落人群の住人・オイボレは雪代姉弟の父親である。
巴の許婚・清里明良は巴の父に似ていたらしいが、なにぶん本編でのオイボレはオイボレになってしまっているため、とても似つかない。
おそらく雰囲気のことをさしていると思われる。

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最終更新:2023年12月10日 21:07