オオタチ

登録日:2010/12/13 Mon 19:40:44
更新日:2024/02/20 Tue 19:31:24
所要時間:約 9 分で読めます




オオタチとは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。

■データ


全国図鑑No.0162
分類:どうながポケモン
英語名:Furret
高さ:1.8m
重さ:32.5kg
タイプ:ノーマル
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂50♀50

特性:にげあし(野生のポケモンから必ず逃げられる)
  /するどいめ(命中率を下げられず、相手の回避ランクも無視する。手持ちの先頭にするとレベルが5以上低い野生ポケモンの出現率が半分になる)

隠れ特性:おみとおし(場に出た時、相手の持ち物が分かる)

HP:85
攻撃:76
防御:64
特攻:45
特防:55
素早さ:90
合計:415

努力値:素早さ+2

オタチがレベル15で進化する。


■概要


イタチのような姿をしたポケモン。
まるっこい体から細長いマフラーにしてもふもふしたい体になった。でも32.5kg

どこまでが胴体で、どこからが尻尾なのか分からない。 
手足は短いがかなりすばしっこくすぐに隙間に逃げる。
巣は自分の寸胴体型に合わせて掘ってるため狭く、中は迷路になっている。

こんな可愛い顔してなんと高さはリザードンを超える1.8m。おそらくあの長い尻尾を含めての数値なのだろう。

2019年にポケモンセンターオンラインでオオタチの等身大ぬいぐるみが受注生産されたが、いざ配達されるとそのベッドからはみ出しかねないほどの大きさに多くのファンが驚愕した。

そしてこんなに可愛い顔してコラッタを捕食する。
可愛いポケモンだって生態系の一部なのだ。食物連鎖もあるのだ。

■オタチ


全国図鑑No.0161
分類:みはりポケモン
英語名:Sentret
高さ:0.8m
重さ:6.0kg
タイプ:ノーマル

■ゲームでのオオタチ


金・銀』では、進化前のオタチがゲーム開始すぐの29番道路から登場。いわゆる序盤ポケモンであり、『赤・緑』のコラッタポジション…
かと思いきや生息範囲は意外と狭く1番道路と29番道路の朝昼のみ。

Lv.15という早めの進化からストーリー序盤は頼りになるが、やはり種族値は控えめのためストーリー後半まで使用するのは少々難がある。
攻撃や素早さの種族値はラッタより低く、レベルで覚える技もあちらに比べて恵まれない。
そこそこの攻撃から繰り出す一致「かいりき」やHGSSなら自力習得する「ふいうち」、
分の悪い相手には高めのHPと「ねむる」を生かした「まるくなる」「ドわすれ」「バトンタッチ」で後続に繋げることもストーリー中なら可能と言えば可能。
道具でいいじゃんとか言わないで下さい…

他の手持ちからレベルは離されても愛らしさゆえボックスに預けられず、手持ちを圧迫されたトレーナーもいるかもしれない。

戦闘に出さないなら「いあいぎり」「なみのり」「うずしお」「あなをほる」「かいりき」「いわくだき」を覚えるため、移動要員として便利。

第五世代では隠れ特性「おみとおし」を獲得。♀のオタチも存在するため遺伝も可能。ちょっぴり始まった。
おみとおしの相手の道具が分かる効果を活かし、「ほしがる」「どろぼう」「トリック」+上記移動技により「トリック」「ほしがる」不可のオドシシ
「ほしがる」不可のジュペッタをさしおいて野生ポケモンからのアイテム回収係に躍進もふもふ。

第八世代ではBDSPで使用可能なのみだったが、第九世代ではDLC『ゼロの秘宝』前編『碧の仮面』で久しぶりに内定。登場する地域も含めて全体的に田舎の野生動物といった趣となっている。
主要トレーナーの中ではスグリが使用し、1戦目ではオタチだが、2戦目と3戦目ではオオタチに進化している。
短いおててをスリスリするモーションがかわいいともっぱらの評判。

ポケモンコロシアムではパイラタウンでゴロツキのマサからダークオオタチをスナッチできる。
本来はマシン技である「かいりき」を最初から覚えており、この時点では破格の火力なので頼りになる。

ちなみに進化前のオタチは素早さ種族値がたった20とオオタチに比べて異常なまでに低い。
身長体重含めてかなりギャップが激しいポケモンである。

余談だが、イッシュの序盤ポケモンであるミルホッグとは、進化前(ミネズミ)の分類が同じ「みはりポケモン」、かつ序盤ノーマルで「するどいめ」持ちなのも同じと多くの共通点がある。


■対戦でのオオタチ


高めのHP、素早さ、平均ちょい下レベルの攻撃力、と全体的に控えめなバランス型の序盤ノーマルらしい種族値。
ここまではラッタ、マッスグマビーダル、ミルホッグ、デカグースと大差はないのだが、

  • 特性「こんじょう」発動からの「からげんき」、「がむしゃら」「でんこうせっか」ができるラッタ
  • はらだいこ」から一致「しんそく」で驚異の威力を叩き出すコンボや、序盤ノーマル唯一の素早さ100で特性「はやあし」を使ってブッチギリの素早さから搦め手で相手を翻弄するマッスグマ
  • 特性「たんじゅん」による2倍の積み速度・特性「てんねん」により相手の積み無効という恐ろしい特性を2つも持つビーダル
  • 特性「ちからもち」による高い火力、特性「ほおぶくろ」と「リサイクル」によって高い耐久性能を持つホルード
と比べると
ミルホッグ「えっ」

特性が「するどいめ」一択、つまりほぼ特性無しと言っても過言ではないオオタチにできることは少なく、
  • こだわりアイテムを持たせて「トリック」or「とんぼがえり」、それを警戒した交換を読んでの「きあいパンチ」or「おいうち」、
  • それらを警戒した相手に「ふいうち」
という場荒しくらいであり、引っ掻き回したところで低種族値ゆえイマイチパッとしない。

BWより似たような戦術が可能になった同タイプのエテボースには攻撃、素早さ共に劣り、
おみとおし持ちのジュペッタには素早さこそ勝るものの攻撃が大きく劣るなど見劣り感が漂う。
一応縛ってからのドわすれバトンなど豊富なレパートリーで差別化もできるが微妙。

第二世代にありがちな「丸い種族値と強いライバルの陰に隠れるしょうもないポケモン」として紹介されやすいのだが、実は第四世代において特にマイナー使いの間での文化を非常に大きく躍進させた1匹。ガチ使いだったらたぶん別のポケモンだったんだろう。
これまでのポケモンは「素早いポケモンを追い抜くことはできない」という前提で対戦理論が構築されていたが、第四世代の「こだわりスカーフ」はその常識を一変させるアイテムだった。
このこだわりスカーフを相手に押し付ける「スカーフトリック」戦術が考案されると、これが第三世代以前で幅を利かせていた積みアタッカーや耐久型を否定できる戦術という点、「これまで観賞用にすぎなかったザコポケモンをガチ対戦で使える」「入手性が比較的いい」といった点もあって採用されることが増えた。
オオタチは「とんぼがえり」を覚えるため、不利な相手にはとんぼがえりで逃げを打ち、有利な相手にトリックで押しつけ、そして奪った持ち物を別のポケモンにさらに押し付けて場を引っ掻き回すということができる。
しかも素早さがそこそこ高いため、いわゆる「130抜き調整」も行える。余った努力値をHPにでも振って耐久力を強化すれば無駄もないというわけ。
当時はまだ「すごいとっくん」「ビーストブースト」などもなかったため、こういった○○抜き・○○耐え調整というのは非常に敷居が高いものだったのだが、素早さに関してだけ言えばスカーフのおかげで数年ほど早く調整文化が訪れていたのだ。
高い素早さから高火力技を押し付けるスカーフ噴火バクフーンとともに第四世代の初期環境で大きな話題を呼んだ。第三世代から第四世代へのシフトは、いわば産業革命レベルの大事件だったのである。

これだけなら別に他のポケモンでもいいのでは?と思われがちだが、オオタチの場合は取れる戦術の幅の狭さ、そしてこれまでの弱いポケモンとしてのイメージのおかげで注目を浴びて研究が進んだというパターン。
序盤鳥としては破格の強さを持っていたムクホーク、かえんだまによって大躍進を遂げたオオスバメ、ふざけた顔から積み技やバトンタッチ*1によってふざけたステータスを実現するビーダル、がむしゃら+でんこうせっかを持つコラッタやムックルなどとともに、
もはや序盤ポケモンがザコで終わる時代は終わったという新しい風を招いたポケモンだったのである。今にしてみれば幼稚すぎて話にならない戦術ばかりだろうが、誰だって最初は初心者。そもそも当時は遠方のトレーナーと気軽にガチ対戦できる機能がやっと搭載されたばかりだった。
といってもその素朴な時代は、これまで弱いタイプだったはずのかくとうタイプが大躍進を遂げていたこと、「きあいのタスキ」対策として先制技の重要性が認知されたことなどで終わりを迎える。
なにせ「マッハパンチ」一発が致命傷になる上、そういうポケモンにスカーフを押し付けても効果が薄いどころか場合によっては利敵行為になってしまうからだ。
結局どこまで行っても「スカーフトリック」の一発ネタで食うしかないポケモンだったため、動画サイトでバトレボブームが訪れるころにはすっかり人気が陰ってしまっていた。
こういったこともあり、いわゆる「埋葬級議論」などでもあまり名前が挙がることがない。

元々このゆびとまれを覚えることからダブルの方が主戦場となる為、隠れ特性でダブルで優秀*2な「おみとおし」の獲得は中々の強化。
バトンタッチやとんぼがえりでサイクルを回せれば相手のポケモン全員の道具を丸裸にできることも。
おみとおしは過去作の教え技、廃止された技マシンと両立できない上に、出した瞬間に特性がバレるという問題も抱えていたが、
BW2で教え技が復活したことにより両立できないのは「きあいパンチ」だけになった。
その一方で、同じ特性を持っていたゴチルゼルが教え技でトリック習得という向かい風も…

ちなみに隠れ特性持ちはPDWが終了してからしばらくはGTSで貰うしかなかった。
しかし現在はVC版金銀クリスタルから転送でき、子供に受け継がせればレートでも使用できる。

第七世代ではその胴長の身体を見込まれてか、攻撃・防御・命中上昇の「とぐろをまく」を習得。
元の種族値は低めではあるが、それでも攻撃と防御方面はそれなりに補強される。
命中に関しても、環境に跋扈するフェアリー連中へ叩き込む「アイアンテール」の安定化などに一役買う。
また、これを「バトンタッチ」で引き継がせることができるのも強力な個性である。
同じくとぐろバトン使いにはハンテールサクラビスがいるが(ついでに「ドわすれ」や「こうそくいどう」も)、タイプや特性の面で差別化は容易。

『碧の仮面』の起用に当たっては、まさかまさかのイッカネズミ専用技だった「おかたづけ」を習得。味方の場に撒かれたどくびしやステルスロックなどを排除しつつ、自身の攻撃と素早さを上げる技で、新たな積み技をまた1つ得た。
しかし「おかたづけ」→「バトンタッチ」は元々イッカネズミで可能な戦術であり、種族値や攻撃能力はあちらの方が優秀気味と強力なライバルに。おみとおしのおかげで戦術の立てやすさはこちらが上なので、積みエースを活かして上手く差別化させたいところ。意外と豊富な物理技のレパートリーを活かし、自分で攻撃することも一考の余地あり。

ただし積み技を搭載しすぎて「ちょうはつ」に弱くなってしまわないように注意。オオタチにちょうはつ打つ奴はまずいないとは思うが
現状はハンテール・サクラビス共に内定していないが、SVでとぐろバトンができるものには既にノココッチが存在しており、そちらとの比較となる。

■外伝作品でのオオタチ


ようこそ!ポケモンカフェ 〜まぜまぜパズル〜

2023年5月のイベント「するり!オオタチ」に登場。イベント報酬で店員に勧誘することが出来る。
得意料理は軽食(サンドイッチ)。シーズンイベント報酬のポケモンの例に漏れず、マシュマロボトル・炭酸・ゼリーといった面倒なギミックに強いのが頼もしい。

また、カフェメニューに「オオタチのほうじ茶ラテ」というドリンクメニューがある。
オオタチの顔そっくりのデコレーションに、グラスの中身はベージュとブラウンの層でオオタチの体を上手く再現したデザートドリンク。
何とも美味しそうであり、食べるのがもったいないほど可愛らしくもある。現実で販売してくれ!!!と願うオオタチ使いたちは後を絶たないことだろう。




あたまがいいのか わるいのか よくわからない。
ひまな じかんに すばしっこく うごきまわって ついきへんしゅうを おこなう。

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最終更新:2024年02月20日 19:31

*1 当時の「たんじゅん」の仕様は「能力変化技を適用された時にその効果が2倍になる」ではなく「その時点での能力変化ランクを2倍扱いとして計算する」というものだった。

*2 ダブルなら相手の場のポケモン2体の道具を判別できる為効率が良い