十本刀

登録日:2012/02/22 Wed 14:42:03
更新日:2024/03/02 Sat 10:29:51
所要時間:約 12 分で読めます





初陣だ!十本刀抜刀!!



十本刀とは、『るろうに剣心』に登場する架空の集団。

概要

志々雄真実配下の十人の異能技戦闘集団であり、特攻部隊である。

志々雄本人も作中で五指に入る戦闘能力の持ち主だが、かつて負わされた大火傷のため、15分間以上闘えばどうなってしまうか分からない身体となってしまったため、
自分の手足となって戦闘を行う者が必要であった。
こうして集められたのが、特攻部隊十本刀である。
ちなみに宗次郎と方冶、才槌が連れてきた不二以外は志々雄自ら出向いてスカウトした模様。
(その内、少なくとも張は志々雄と対決した上で仲間入りしている)

志々雄を慕う者から、明治政府に恨みを抱く者、自らの力量に絶対の自信を持つ者、果てには志々雄の命を狙う者(笑)まで、その加入理由は様々。


余談だが、坂本英三氏率いるアニメタルが彼等のテーマ曲メドレー『THE 十本刀』を発表している。
阿久悠平尾昌晃小林亜星といった超大御所達による熱い歌の数々は必聴。


■構成員

作中に登場した順序で記す。年齢は舞台となった1878年6月~7月頃の満年齢。
皆、「~の~」と言った感じで、字(あざな)を持っているのが特徴(志々雄が付けたと思われる)。

瀬田宗次郎
「天剣の宗次郎」
CV:日髙のり子 演:神木隆之介
常に笑みを絶やさない書生風の剣士。16歳。
志々雄が逃亡中に出会った少年で、現在、最も長い付き合いで、彼にも割と無遠慮に接している。
幼い日の事情故の感情欠落により剣気や殺気を察しての「読み」が通用せず、
更に走行中の馬車にすら追い付く速度の足運び、超神速「縮地」により、対峙した剣心を大いに苦戦させた。
一派壊滅後は諸国漫遊の旅へと出る。
詳細は本人項目で。


悠久山安慈
「明王の安慈」
CV:原康義 演:丸山智己
激動する時代の中、最愛の孤児達を金の亡者たちに奪われ破戒僧となった男。32歳。
得意技はご存知「二重の極み
十本刀の中で最も情け深い人物だが、戦いの際はその対極を行く憤怒を以って挑み、「救世」の障害を打ち砕く。極みを伝授した左之助と戦いに敗れた後、政府からの誘いを蹴り刑期25年をもって北の牢獄で罪を償う道を選んだ。
詳細は本人項目で。


沢下条張
「刀狩の張」
CV:福本伸一 演:三浦涼介
逆立てた髪を持つ関西弁の男。26歳。
普段は飄々としたジョークの通じる関西弁あんちゃんで面倒見も良いのだが、
新井赤空作の殺人奇剣のコレクターという一面も持ち、それらを使って「赤ん坊斬り」をやってみたいとまでのたまう殺人狂だったため、逆刃刀が折れた剣心と対峙。
後に政府との裏取引で斎藤の部下という名の下僕と化した。
下手なことをすると斎藤が即処刑しているはずなので、無軌道な殺人衝動は抑えることができる模様。
詳細は本人項目で。


刈羽蝙也
「飛翔の蝙也」
CV:竹本英史 演:原勇弥
皮と骨だけになるまで軽量化したその身体で宙を舞う「飛翔発破」を使い、いかなる達人にも死角となる頭上からダイナマイトや刃で攻撃する。27歳。長野出身。
葵屋襲撃の際、弥彦と対峙する。一度はガキなど相手にしたくないと戻ろうとするが、弥彦の挑発に応じる形で戦いに。…だが明らかに無茶な軽量化の代償でかなりの紙装甲だった模様。
上空からの爆撃戦法は一方的で強力だったのだが、よりにもよって竹刀しか持っていない弥彦にタイマンで負けた事から「尖角の方が強そう」と良くネタにされる一人。
とはいえ敗北は全力で打ち込めれば竹刀でもなんとかなる(墜落によるダメージも含む)という相性の良さが大きかったと言える。
一派壊滅後は飛行能力を生かし政府の密偵(陸軍斥候)となり、上空から海外情勢を視察している。

北海道編では斎藤が集めた猛者の一人としてまさかの再登場を果たす。張や鎌足はともかく、彼に再び活躍の機会が回ってくると予想した読者はどれくらいいただろうか。

栄次が志々雄のことを「糞野郎」呼ばわりした際は別任務で見廻りに出ておりその場に居合わせていなかったため、志々雄にどれほど忠誠心があったかは不明。

元々は御庭番衆の一員として作られたキャラクターで、構想段階では「天狗」という名前だった。


夷腕坊
「丸鬼の夷腕坊」
CV:八嶋智人 演:山田崇夫
愚鈍な顔をした肥満体の男。身内からもほぼ満場一致で「馬鹿」呼ばわりである。ぐふ?
葵屋にて御庭番衆と対峙するが、彼らの手裏剣攻撃がまるで通用しなかった。
ゴムのように柔軟な身体と指に嵌める装具で戦う。
他の十本刀が敗れた際、首を真後ろに向けるなどの奇行の後、跳ね回りながら逃亡。
「馬鹿だから放っておいて良い」「人畜無害だから~」とまで言われたが…
→もしかして、外印
実はまだ4歳(製造されて5年目)。


佐渡島方治
「百識の方治」
CV:高橋広司 演:滝藤賢一
元明治政府の役人だったがその内情に嫌気がさし、野に下った後に志々雄の配下となる。39歳。
組織の統率等、主に参謀官的な役回りで、マフィアを通じて鋼鉄艦を購入する程の実務能力を持つ。
小物的なイメージが強いが、銃剣を用いた戦闘術を使う等、十本刀に数えられるだけあり戦闘力も高いよう。

志々雄亡き後、自分たちを滅ぼそうとした敵の能力に媚びる政府に絶望し獄中自殺地獄で再び彼の下についた。
詳細は本人項目で。


魚沼宇水
「盲剣の宇水」
CV:流山児祥 演:村田充
全身に目玉を配した衣装を着た盲目の琉球武術の使い手。36歳。みんな大好き宇水さん。
かつては幕府の暗殺家だったが志々雄と対峙した際に光を奪われ修行の末、「心眼」こと「異常聴覚」を極める。
甲羅ののティンべーとアタッチメント式の鉄球付短槍・ローチン(共に実在する武器)を駆使し斎藤と闘うが身体を真っ二つにされ絶命、
その後、地獄に堕ちた模様。
詳細は本人項目で。


本条鎌足
「大鎌の鎌足」
CV:竹内順子 演:屋敷紘子
可愛らしい顔立ちだが実は男性で、股関を露出し男であることを主張した*1オカマの鎌使い(を提案したのは当時アシスタントだった尾田栄一郎との説も)。
26歳。福岡出身。
男ながら志々雄に想いを寄せるが、いくら望んでも女の肉体を持たぬ事から由美に嫉妬し、いくら腕を上げようと宗次郎には適わない、半端者な自身に苦悩する。
ちなみに「十本刀で一番手に負えない化け物」と志々雄から評されており、
鎌足と由美の初対面時のオカマと女の戦いの時も「だから手に負えないんだよ」とボヤいていた。
志々雄様も意外と苦労しているらしい。

葵屋襲撃の際にはを相手に、「男と女だし二人掛かりくらいのハンデは良い」と男らしい態度を見せた。
大鎌を名乗ってはいるがその得物は「大鎖鎌」であり、「本条流大鎖鎌術」と言う鎌と鎖の波状攻撃を得意とする。
しかし操の連携や薫の決死の立ち回りにより圧され、薫に膝の関節を砕かれ戦闘不能に。こんな姿を志々雄に見せられないと自害しようとするが操に気絶させられた。アニメ版では後に彼女らの手当を受け色々ぼやいていた。

志々雄を失い気落ちしていた所、張の慰め(優しい嘘)によって元気を取り戻す。容姿を生かし、女子留学生に化けた諸外国への潜入捜査員となる予定。

北海道編では斎藤が集めた猛者の一人として再登場を果たす。志々雄のことは相変わらず慕い続けており、三島栄次が彼のことを「糞野郎」呼ばわりした際は即座に大鎌を突き付け、鬼気迫る表情で「もう一度言ってみなさいよ」と迫った。

ちなみにかつて彼女とを交えた薫曰く「出来れば再会したくはない」とのこと。膝関節粉々にしちゃったからね。尤も、現時点では後遺症の類は残っていないようである。


設定はオカマだが、アニメでは女性声優が声をあて、実写版では女優が演じている。


才槌
「破軍(甲)の才槌」
CV:西川幾雄 演:島津健太郎
後ろまで伸びた頭部を持つ老人で、交渉術や人心掌握術に長けている。77歳。
戦闘時は巨人である不二の手の平に乗り、 指示を出しながら戦う。
圧倒的な戦闘力を持つ不二と、知略を用いる才槌、この二人の組合わせで「破軍」は成り立っている。
実は翁とのジジイバトルが予定されていたなど、本人も戦闘能力は持っていたようだが劇中では一切披露されなかった。
葵屋での戦いの際は誇張抜きに熱弁していただけで、不二は比古に心を打たれて才槌から完全に離反したためマジで見せ場なし。比古に倒された不二の下敷きになり泡を吹いて気絶し、そのサマをその場にいた面々に「最後まで口だけだったなコイツ」などと酷評されまくりだった。

方治と彼で十本刀は頭脳労働系キャラが二人いることになるが、互いの専門分野が違うため、当初参謀役だった才槌が後から一派入りした方治に参謀役を譲った経緯がある。

一派壊滅後は外務省の裏役人に抜擢され、人を丸め込む話術を駆使して海外との困難な交渉に携わっているとのこと。

実写版では普通のハゲ頭のオッサンになっており、原作よりも身長が2・5倍ほど伸びている。


不二
「破軍(乙)の不二」
CV:石塚運昇 演:山口航太
葵屋をも凌ぐ巨体を持つ人間。そのためアジトに入る事も出来ない。20歳。公式設定によれば身長8.4m、体重1.28t。
島根県の出身だが、その異常体質故に一藩総出で討伐されかけ、才槌に命を救われた過去を持つ。
アニメ版ではその際の回想が追加されており、巣から落ちた雛を戻すなど心優しい性格である事がうかがえる。
故に彼に忠誠を誓うも、普段は四肢を拘束、兜の緒を噛まされて声も発する事も出来ない等、才槌の命令のみを聞くようされていた。
髑髏を思わせる禍々しい兜はエヴァ初号機のオマージュ。

化け物扱いしかされぬ姿とは裏腹に、心底には武人として魂を持つ(その心故に恩義ある才槌に逆らえなかった)。
降り下ろされた剣が衝突する際、しっかりと手の内を絞めると言う剣術の基本を行っている事を見極めた比古により、
「理性のない化け物」で無い事と「決して満たされる事の無かった武人としての想い」を認められ、歓喜の涙と共に自らの意思で比古との戦いに臨んだ。
比古の間合いを見極めてそのギリギリ一歩外で睨み合い、比古の挑発に応じて全身全霊の一撃を放つも回避され、「今の一撃、申し分なし!…だが、惜しかったな」という言葉と共に九頭龍閃を放たれ昏倒した。技を受ける直前に潔い笑みを浮かべており、敗北こそしたが悔いのない勝負だったようだ。
比古の間合いを見切り迂闊に攻め込まず、渾身の一撃を弟子さえ滅多に褒めない比古を以て「申し分なし」と評されていることから分かる通り、下手な剣客よりずっと技量も高い。ただし、練習相手もいないだろう状況で、どの様に武術を学んだり、相手の間合いを見極める様になったのかは不明。

一派壊滅後は北海道に渡り屯田兵として開拓に励んでいる。北海道編でも助けに来てくれる予定。

実写版ではさすがに大きさの再現は無理だったのか、4分の一のサイズに縮小された。


駒形由美
『夜伽の由美』
CV:入絵加奈子 演:高橋メアリージュン
志々雄の愛人であり、身体の治療や夜伽役を行う。28歳。
幕末時代に実家の商家が強盗に襲われて皆殺し(死体には切り傷と共に火傷の痕があった)にされ、苦界に堕ちた過去を持つ。
その後は吉原の花魁にまで長じるが、マリア・ルーズ号事件により政府に事実上の家畜認定をされ明治政府に失望*2
さらに妹分の遊女が殺害される悲劇を経て志々雄と行動を共にすることになった。自分の身の上を作った責任取れと志々雄には無茶苦茶金払わせた。
十本刀紹介の際に字と共に一緒に紹介されたり「THE 十本刀」という曲で彼女の台詞があったりしたので、
連載当初は一員と思われた(才槌と不二が二人で一人分説など)が、字体が違っていたり、その後の展開も見た結果、前述の説は一応否定されており、「彼女は十本刀ではない」とする見方が強い。

決戦の最中、志々雄の身体限界を察し間に割って入った所、志々雄に剣心もろとも貫かれるが、ようやく戦闘の中で役に立てたことを喜びながら彼の腕の中で落命。戦いに生きる志々雄の身の回りの世話しか出来ない立場を嘆いており、宗次郎や鎌足にいつも嫉妬していたという。
地獄に堕ちた後も彼に付き添っている。

原作ではやたら強気なところはあれど志々雄に一途で従順な性格だが、後の『炎を統べる』以降は男前な一面を見せるになり、志々雄とも対等の立ち位置になった感がある。
面倒を見ていた禿を救うために志々雄の胸倉掴んで「自分の命と引き換えにその強さを買う」と言い放った際にはあまりの目の据わりっぷりと迫力で志々雄も気圧された。




追記・修正は、十本刀に加入してからお願いします。

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最終更新:2024年03月02日 10:29

*1 アニメ版では流石に無理だったのか、やたらまだるっこしいKYな問答を経て操が察する形に変わっている。

*2 アニメ版ではこのくだりが完全にカットされており、ようやく掴みとった花魁の立場を捨てて志々雄についた背景が分かりにくくなってしまっている