エレハイム・ヴァン・ホーテン(ゼノギアス)

登録日:2011/07/01 (金) 22:29:09
更新日:2024/03/19 Tue 21:32:17
所要時間:約 7 分で読めます




ゲーム、ゼノギアスの登場人物。本作品のヒロイン。

Elehayym Van Houten
年齢:18歳
身長:164cm
体重:46kg
B・W・H:86・57・84
靴:23cm
洋服:M
搭乗機:ヴィエルジェ
声優:冬馬由美



物語の舞台にて、地上を影から支配する神聖帝国ソラリス。
その頂点である天帝カイン直属の帝室特設外務庁、通称ゲブラーに所属する女性。
オレンジに近い、膝まで届く超ロングのオレンジの髪が特徴的。

配属は火軍突入三課、階級は少尉。
愛称は『エリィ』。


生まれも育ちもソラリスな、純ソラリスっ娘。
両親も純粋なソラリス人であり、第1級市民(ガゼル)として生を受け、13歳までごくごく普通の家庭で(お嬢様だが)育った。

13歳の時にユーゲント(ソラリス軍事学校)に入学し、極めて高いエーテル能力値から注目を浴びていた。
ゲブラー総司令カーラン・ラムサス直属の『エレメンツ』候補としても数えられていたが、17歳の時に起こした傷害事件が元で辞退している。

幼少の頃から感情を抑圧しがちな大人しい子供で、ソラリス以外の事に関しては若干世間知らず。傷害事件後は特にその傾向が強い。

物語開始直前、ゲブラー情報将校としてイグニスに赴任した彼女は、キスレブの新型ギア《ヴェルトール》を奪取する任務に就いたのだが……。




以下ネタバレ注意






キスレブからヴェルトールの奪取には成功したものの、追撃を受けた事でラハン村に不時着してしまう。
仕方なくギアを捨てて待避し、近隣の『黒月の森』に身を潜めていた。

そこで、ヴェルトールによって村を壊滅させてしまったウォン・フェイフォンと運命の出会いを果たす。


「動かないでっ!撃つわよ!オカシなマネをするとっ」
「お……」
「きゃー!」パーン

~ゼノギアス 完~


とかそんなキャラクターデザインが描いた落書きみたいな展開になる事もなく、生き延びる為に協力する事に。
その最中、村を壊滅させてしまった原因は全てヴェルトールとキスレブにあると愚痴り始めたフェイに対し、『卑怯者』と詰ってしまう。
しかし自分の責任を棚上げしてしまった事に罪悪感を感じ、フェイが寝ている最中、彼を追ってきた村医者・シタンに対し罪を告白してその場を離れた。
実はフェイは起きており、エレハイムの告白を聞いていた……が、彼女の言葉によって『責任』の意義を感じたフェイは追及する事はなかった。

以後はゲブラーという、いわばフェイ達とは敵対する間柄ながらもちょくちょくとフェイに協力する事になる。

ステータスとしては、設定通りエーテル値がかなり高い。
ヴィエルジェの特殊兵器・ファンネル……もといエアッドの仕様もあり、やり方によってはダメージカンストも可能。

だが積極的な育成はオススメしない。
理由は後述。




以下、重大なネタバレ






エレハイムは、ずっとひとつのコンプレックスを抱いていた。
両親は典型的なソラリス人としての外見的特徴を持っているにもかかわらず、彼女の容姿は地上人のそれに酷似しているからである。

彼女の家には地上人の乳母がおり、幼少時から容姿の違いを気にしていたエレハイムは、乳母こそが実の母親ではないかと疑っていた。


結論から言えば、彼女の両親は本当の両親である。父も母も命懸けで娘を守り、最後まで本当の娘だと伝え続けている。
では、何故彼女の容姿が違うのか。

一言でいうと「前世の影響」
フェイが普通の人間ではないように、エレハイムもまた普通の人間ではない。

かつて星間戦争時代に生み出された星間戦略兵器《デウス》。
その主動力源として採用された事象変移機関《ゾハル》は、高次存在である《波動存在》を取り込み暴走した。

波動存在は、四次元世界において自己定義がなく、実体を持たない。
しかし居合わせた少年アベルによって、彼の中の回帰願望──母性を定義された波動存在は、定義づけられた特性を生体コンピュータ・《カドモニ》の中で実体化する。


……簡単に言えば、アベル少年の憧れの非実在青少年が実体化した訳である。うらやましい。


ともかく、そうして《接触者》アベルの《対存在》として誕生した《エレハイム》は、《母》の特性として自己犠牲の傾向が強く、幾度も転生を繰り返しては接触者を守り、支える立場となる事を運命づけられている。


エレハイムを構成した基本素子は、デウス・システムの頭脳とも言える生体素子ペルソナである。
元々デウスの基幹プログラムであるペルソナにとって、波動存在の意志はイレギュラーとも言える存在であった。

つまりエレハイムは波動存在とデウス、両方の属性を持っている事になる。


尚、デウスが『オフ』になっている状態をエレハイム、『オン』になっている状態をミァンと呼ぶ。
OPに登場する、髪があり得ない程長い女性は原初のミァン。

これは彼女の名前にも表れており、『Elehayym(エレハイム)』を逆にすると『Myyah ele(ミァンここに在り)』となる。
ソラリスのイベントで一度逆にした文が出るのだが、初見じゃまず気付かねぇよこんなん。

劇中で登場するミァンは、原初に『母』としての役割と『兵器』としての役割をこなす為、エレハイムと分化した存在。
どっちもこなさなきゃいけないのがペルソナの辛いところだな。
とはいえ、結局ペルソナとしての構成を保っているのはエレハイムであり、デウス復活には『ミァンと統合したエレハイムの身体』が必要となる。
その刻を迎える為、ミァンは暗躍しているのだ。

ちなみに、アベルと違ってエレハイムの名前が一定なのは、デウスであるがゆえにゾハルの事象変移によって原初の特性が保たれているからである。


各時代のエレハイムは、

  • 1万年前……
原初のエレハイム。
不時着した惑星でヒトの雛型を生み出した後にミァンと分化した。
アベルと出会い、以後行動を共にする。
アベルを危険視し、抹殺しようとしたカインを説得するもカインはアベル殺害を強行し、結果的にアベルを庇って命を落とす。

  • 4000年前……
科学文明の全盛期であるゼボイム文明期。
大学病院の看護婦(時代を感じる)で、医師であるキムの恋人。
この時代のヒトは遺伝子的な欠陥として出生率が低く、彼女も例外ではなかった。
その為、キムとナノマシン郡体による生命体(エメラダ)で『娘』を遺そうとするも、軍部の介入に遇い、キムとエメラダを守る為に死亡。

  • 500年前……
ニサン教の教母ソフィア(本名はエレハイム)として人々の尊敬を集めていた。
ラカンとは幼なじみであり、ソラリス戦役の際に再会。
シェバトの支援を受けてソラリスと戦っていたが、ソラリスはミァンを、シェバトはソフィアを疎んじており共謀。
窮地に陥ったラカンや、自分に想いを寄せる僧兵カレルレンを救う為に空中戦艦メルカバーに特攻した。
彼女の死が、後の世界に大きな影響を与える事になる。

……といった感じ。


終盤、敵に捕らわれたフェイ達を救う為、彼女は単身ソフィアの残したギア・バーラー「El.レグルス」でカレルレンに挑む。
対存在としての力が目覚めカレルレンの部下2体を瞬殺するも、捕らわれの身となり、以後はプレイヤーキャラとして使用できなくなる!
なんてこったい。


最終的にはデウスは破壊され、高次空間でのフェイとカレルレンの戦いの後、フェイと共に仲間の元に帰った。


フェイの項目にも書いたが、作中でベッドシーンが存在する。(厳密には朝チュン)
前世の回想シーンでまでやられる始末。(こちらは事後。)そうでなくても割と頻繁に裸を晒す羽目になっている。
まあミァンにも一応ベッドシーンがあるが……。
これで企画当初はファンタジーだったというのだから恐ろしい。
まあPSだから出来たんだろう。今の機種でリメイクしたら、多分無理。
ちなみにその後フェイたちとは離れてマルーと部下にめっちゃ惚気る。
同性のマルーはともかく、部下のゲブラーは野郎の集団である。聞かされる身にもなってほしい。

デザインコンセプトは『とにかく髪を長く』らしい。服装コンセプトは『レースクイーンみたいなやつ』……高橋よくやった。
ディレクターは一番お気に入りだとか。
今は亡きデジキューブ発の資料集では表紙が彼女(とミァン)のヌードだが、非常に美しいので気にする事はない。乳首見えてるが気にするな。

作中の立場の為か、名言が多いキャラクターでもある。

「自分の為。独善的なもの。でもね、最初はそれでいいのよ。
そうやって少しずつ与える事の喜びを学んでいけば、いつか他人の為に自分自身の大切な部分を分け与える事ができると思うの。
きっと……いつか」
という台詞は、『偽善』と『独善』に対するひとつの答えなのかもしれない。



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最終更新:2024年03月19日 21:32