魔術(TYPE-MOON)

登録日 :2013/04/22 (月) 03:01:12
更新日 : 2017/08/06 Sun 17:53:58
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○魔術の概要
星の生命エネルギーの一種『マナ(外界の魔力)』を、擬似神経である魔術回路を通して『オド(人間内部の魔力)』に変換して扱う術。
この魔術回路の有無や量等は先天的素質に基づくので、才能が無い奴は人体魔改造手術ばりの命懸けの無茶でもやらない限り、魔術は使えない。


自然に干渉するには『マナ』自体も大量に利用する必要があり、大規模な儀式等準備が要る。
が、逆に言えば、膨大なマナとやり方の過程さえ頭の中にあれば、へっぽこ魔術師でも湖を動かして地形を滅茶苦茶するくらいは訳は無い。
要はその効率が肝。
これは、魔術と言えど過程や理論が分からなければ実現出来ないものは出来ない点は、科学と一緒であることを意味する。
過程をすっとばして結果を得られる聖杯がどんだけ異様か良く分かる。

ただし、現代は科学が発展した影響もあり、場合によっては魔術より科学の方が遥かに安上がりで手っ取り早いことも多い。
栄養ドリンクやホッカイロを魔術で再現すると無駄に高額になったり、魔術で遠距離の人間を呪殺するよりは銃火器でもぶっ放した方がマシ、と言った具合。


この魔術や神秘の力の素になるのは第五架空要素なる謎物質エーテルとマナだが、これらは信仰や想念、
要は生物の想い入れの強さに影響を強く受け、物や土地等その対象に集い易い。
その土地毎に文化等が異なることから、プログラミング言語の規格ように対応する魔術基盤も異なり、数も無数にある。
特定の地域では大規模かつ超威力の魔術を扱える土着宗教の魔術も、一歩その土地を出ればクソの役にも立たないまじないに成り下がる、なんてケースも。
聖堂教会(TYPE-MOON)の洗礼詠唱というこの宗教独自の魔術(と当人らは思想から認めないが)が猛威を振るうのも、広範囲でこの宗教が信仰されているから。

かつては月の位置関係や星の巡りもあってエーテルやマナの濃度は非常に濃く、文明が未成熟で神秘の力は現代より遥かに濃かった。
神代の金ピカさんの夢見によれば、紀元前4000年になるまでは物理法則すら存在せず、現在とは全く異なる世界だという。
余りにも濃度の違うエーテルは解放するだけで強力な宝具として機能し、神秘への適応力が高い西暦5百年程度の古代人でも、肉体が耐えられずに破裂してしまう。
そうした環境のため、かつては魔術師(魔法使い)が軽々強力な魔術を振るい無双していた。
かつての最高位の魔術師達、例えばマーリンはその時代全てを見渡す千里眼を持っていたが、神代には過去や未来も全て見通す遥かに強大な魔術師も複数居たという。

が、現在はそれらも大分薄まり、星全体で神秘の力が弱まっている。実際Fate/EXTRAではマナが完全に枯渇しており、大規模な魔術行使は既に不可能になっている。
幻想種最強の『竜種』や必滅じゃない槍の人の師匠スカサハ、神霊等の強大過ぎる神秘の存在は、
この世の異分子扱いでより神秘の力の強い「根源(の渦)」の属する世界の外(裏)側送り。
肉体を維持出来ず、磁石かダイソンの如く引っ張られて魂がお引越しをしてしまい、現世に留まれない。
例外と言えるのは二つ。
妖精の類の中でも、自力で世界の裏側に渡る力すらなく、ただ消滅を待つのみのもの。
もしくは、ある程度力を保ちつつ現界し続けられる実力を持ち、その力でもって現世に禍を齎そうとたくらむ邪竜の類くらいのもの。
それらですら、中世(西暦千年前後)が存在を維持する限度だろう、とマーリンは見立てていた。
そんな訳で今はどこぞの僻地にへぼい魔獣が少々見つかる程度である。

魔法使いさん曰く
「科学は未来へ、魔術は過去へ向かい、同じ場所を目指している」


○魔術と根源の関係
全ての事象の大元である「根源(の渦)」に辿り着けば、全ての事象の因果関係を体得出来るのでこの世でどんな奇跡も再現出来る。
と考えられて、それを探究方法として最も「根源」に近い術が魔術だと信じる魔術師達に、日夜研究されてる。
魔術は科学とは全く別系統の一つの学問でもある。
他作品で分かり易く言えば鋼の錬金術師の真理の扉の向こう側と錬金術の関係みたいなもん。

何で魔術が『根源』に近いか?
「『根源』から事象が発生するまでは川の流れみたいなもので、その到達点である『認識する人間』が増えれば増える程、川支流が細くなって『根源』から遠ざかる…と思う。だから、最もメカニズムが知れ渡ってない『奇跡』だとパンピーが認識する魔術を追及すれば『根源』に一番近い―――んじゃねえかなぁ……多分、きっと、恐らく。」
殆どこんなニュアンス。


○魔術と魔術師
純粋に『根源』を追及する根源厨な研究者、生粋の魔術師達なら、「実は科学の方が根源に近い」とか明示されればすぐさまそっちに飛びつく。リンボーダンスを100年踊れば根源へ到達出来るんなら喜んで100年踊り続けるだろう。

が、魔術行使の可否は先天的素質に左右されることから、選民思想を拗らせた貴族様が多く、有り様が大分変質している。
魔術の研究には膨大な費用がかかるので、実際に高名な魔術師は大金持ちが殆どであることも関係しているのだろう。
「根源」への到達が至上の命題ではあったが、
「目指して到達出来るか、どころか存在するかすら怪しいものを追うより堅実に研究成果残しつつ、貴族として悠々自適に暮らす方がマシ」
と考える層も相当増えた。
それに伴って

「お前呪術とか専攻してんのwwwじゅwじゅwwつwwwwダッセェwwwwwww」

なんて根拠のない差別意識もあったり。自分達の権益を優先して封印指定なんて魔術の進歩と逆行する制度を設けたり。西洋基盤の魔術以外認めない傾向が強く、純粋な学者達とも言い難……いや、現実の科学でもある話か?

魔術師達は研究者や貴族としての自負があるので、研究対象じゃなく自分の目的の為に魔術を利用する『魔術使い』を侮蔑している。
貴族思想全開で「魔術の存在が露見さえしなければパンピーなんて実験材料にしても構わんよ」というスタンスの輩が多い「魔術師」も、市民の視点で見れば大差無いかより悪質なウンコ野郎に相違無い訳だが。


尚、信仰(想念)の強さと知名度は似て非なるもの。
特に科学が解明され文明のレベルも違っている現代となっては、 下手に知名度が上がる=陳腐化 だから。


「あの人、指から火を出してる。きっと太陽神様の化身だスゲー」⇒信仰(想念)が集いより神秘の力がより強まる

「ぶwwガスバーナー仕込んでんのw?手品乙wwww」
「あの人、火遊びしてドヤ顔とか…ないわー……」
「あーその魔術ね。知ってるよワロスワロス」           ⇒信仰(想念)が弱まり魔術の力も弱まる

といった次第。
つまりは有難味が無くなるか否か、正体や理屈を知られるか否か、という話。
要するに、なんか不思議なものとしてぼんやり知られている分にはいいけど、解析されたりしたらNG。
万一、「魔術を科学的に解明され日常茶飯事の自然現象扱いに」なんてことになったら、魔術師的には目も当てられない。
そういう理由で、魔術協会(TYPE-MOON)は必死こいて魔術の存在を秘匿している。

魔術の秘匿の為にも一般社会に溶け込むことは魔術師の責務である。
型月世界で野山で野草採ってたり、薬屋営んでる奴が居たら、魔術師の表の顔だと思って良い。しかし、貴族主義諸々が足を引っ張ってか、どうにも馴染み切れないメカ音痴等も居る。


○魔術属性・特性
『魔術属性』は極々稀にも居るが、火・地・水・風・空の基本になる五大元素と、虚(数)・無の激レア架空元素の七種類に分類される。
全てが同列というわけでもないらしく、出現する頻度には差がある。火属性持ちは多いため”ノーマル”とされ希少な風属性持ちは”ノーブル”とされる。
虚数は「有り得るが物質界に無いもの」。要するに主に幽鬼の類を操るのに長けた属性。
無は「有り得ないが物質化するもの」。ぶっちゃけ何なのかワケワカメ。
属性をいくつ持ってるかは人それぞれだが、基本的には一つで稀に二つ持っている者もいるというレベル。
中には火・地・水・風・空の五大属性全てを持った魔術師もおり、それをアベレージ・ワンと呼ぶ。ここまで来ると最早呪いの領域なんだとか。

『魔術特性』は、更にこの属性をどう活かし易いかを左右する。特定の対象に魔力や自然霊等を込めて後で使う『転換』や使い魔行使に長けた『隷属』と『使役』等、家系によって様々。

上記の各人に適した属性と特性に応じて、得意分野が変わる。ただし、余程特殊な魔術でない限り、錬度は違えど一応は扱える。
火属性の奴はメラゾーマが5秒で出せるが、マヒャドを出すのは30秒かかる、もしくはヒャダルコが限界。とかそんなところ。


○魔術行使
先述の通り魔術基盤や系統は、ルーンやらカラバやら、陰陽道やら仙術等々無数にあるが、使い方はいずれも大体同じ。

  • 魔力を通すだけで魔術を起動させる一工程(シングルアクション)
  • 一つの事柄を自身の中で固定化する一小節
  • 十以上の小節を以って簡易的な儀式と為す瞬間契約(テンカウント)

で分けられる。
長々と地面に大規模な術式を描く儀式をやれば、一端の魔術師なら強力な魔術を扱える。

瞬間契約ともなるとAランク魔術に該当。その威力は家屋やビル一件くらいは跡形もなく消し飛ばす。
しかし、『竜種』はその程度の魔術や物理攻撃には涼しい顔で耐える、というか無傷。マジやばい。

瞬間契約ではなく、長い時間をかけて準備した大規模な儀式でも行えば対魔力Aに相当するサーヴァント等にも効きはするが、大規模かつ強力な魔術ともなると戦闘中に用意する暇なぞ無いのは勿論、魔術の心得のある者にはその分感知され易くもなり、見えてる地雷状態になる。
個人の戦闘にまで発展した際に実戦に耐え得るのは精々このAランク。

予め術式を施してある『魔術礼装』を利用すれば、手間を省いて強力な魔術も比較的楽に扱える。
詠唱放棄で無理に発動することも出来なくはないが、その場合は負担が極端に大きい。

先述の通りマナがほぼ枯渇して魔術行使が困難になったFate/EXTRAの世界でも、余りマナを使わない錬金術とそれを中心に研究するアトラス院はまだ残っている。


「Fate/EXTRA」の魔術
先述のように、詳細不明の事件によって1970年以降から急激にマナが減少し、
1999年にはほぼ枯渇状態となったこの作品の時間軸では、自然干渉系の魔術はほぼ不可能になっている。

その影響もあって、この世界観では魔術回路によって自身の霊子(自身の霊魂を情報化したもの)を変換・構築し、
直接電脳世界やネットワークに介入させる霊子ダイブを行う、霊子ハッカーとして活躍する者が出てきた。

この霊子ダイブは通常のハッキングと違ってプログラムを介さず、直接五感を介するようにして情報に情報に触れられるので、ハッカーとして数段上を行くと言える。
通常はウィザードの霊魂が有する情報量を正確に再現させられる情報処理能力のCPUなど殆ど存在し得ないが、
潜入する電脳世界のより高度であればある程霊魂の再現が正確に可能になる。
ムーンセルが構築する霊子虚構世界「SE.RA.PH(セラフ)」 程の性能ともなれば完全にその人間を再現することが可能。

当然魔術回路を介するので、ハッキングに特化した技術のみならずかつての魔術師のように魔術回路の質も霊子ハッカーとしては重要な要素となる。
この霊子ハッカー達を現代の魔術師(ウィザード)、このウィザードが魔術と似たような感覚で用いる現在の技術を、コードキャストと呼ぶ。

また、この旧世代の魔術(東西問わず)は錬金術以外にも僅かながら残ってはおり(2番目の人物は時を超えるが)、それを扱える者を魔術師(メイガス)と呼んでいる。
魔術回路を利用するからか、単純なハッキング技術でなくても旧世代の魔術をコードキャストとして扱える模様。

マナが薄くてもまだ魔術が使えるということは、逆に言えばそれだけ優れた術法を修得したメイガスということも意味する。
それ故か、殺生院キアラは地上で修得したというダキニ天法を、SE.RA.PHにおいても行使している。


○魔術と魔法
魔法(TYPE-MOON)参照。
要は魔術なり科学なり、その魔法以外で結果を得られる代用方法があるか否かに尽きる。
かつては魔術≒魔法に近かったが、数が減って魔法認定されるもので確認済みなのは5つ。最後の1つは提唱されるに留まる。
その他、固有結界等魔法に近い大禁呪も存在する。


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