ノクタス

登録日:2012/02/18Sat 00:44:30
更新日:2023/11/08 Wed 13:30:39
所要時間:約 5 分で読めます







【データ】


全国図鑑No.332
分類:かかしぐさポケモン
英語名:Cacturne
身長:1.3m
体重:77.4Kg
タマゴグループ:植物/人型
性別比率:♂50♀50

タイプ:くさ/あく
特性:すながくれ(天候が「すなあらし」の時に回避率が1.25倍になり、タイプに関係なく砂嵐のダメージを受けない)
隠れ特性:ちょすい(みずタイプの技を受けるとそれを無効化し、HPが1/4回復する)

種族値
HP:70
攻撃:115
防御:60
特攻:115
特防:60
素早さ:55
合計:475

努力値:攻撃+1、特攻+1

サボネアがLv32で進化する。


【概要】


あの可愛らしいサボテンがイカツイ面構えのスナフキン人型に。
長い間砂漠で過ごしたため血液は砂と同じ成分だという。血「液」……?
夜行性で暑い昼間はじっとして動かず、夜に獲物を探しさまよう。
ちなみに図鑑によると旅人の後ろを集団でぞろぞろとついてくるらしい。コイツ…まさか…?


ノクタス「なぜみんなは僕を一人でぶらつかせてくれないんだ」

トレーナー「お前は何を言ってるんだ」


主に使用するトレーナーはホウエン四天王カゲツ
「わたほうし」で動きを鈍らせ、「ニードルアーム」で怯みを狙ってくる。
が…ぶっちゃけ向こうの素早さが低いのでこちらに先手を取られそのまま撃沈する事が多い。


ダーテングは同じ世代に登場した同じタイプのポケモン。砂パ向きのこちらと違ってあちらは晴れパ向き。
ただし当時の晴れパ始動役であるグラードンがレベル50戦でも出られるのに対し、砂パの始動役バンギラスは出られないので……*1
第四世代以降はレベル50フラット化や砂パの強化、禁伝解禁戦の頻度低下によって立場が逆転した……と思いきや、だいばくはつが使えるダーテングの方がやはり使いやすかった。


くさ・あくタイプはバンギラスユキノオーなどと並んで弱点の数が最多の7つ。
かかしなのにには弱い。

かかしという素朴な存在があくタイプというのは日本人には違和感があるが、かかしは海外では「Scarecrow(カラスを怖がらせるもの)」と呼ばれ非常に禍々しい存在として描かれることも多い。
バットマンに登場するヴィランの「スケアクロウ」や、トウモロコシ畑の子供たちの「カカシのハロルド」などを見ればあくタイプの印象も少しは通じるのではないだろうか。
一方タグにもついている「なおるよ!((゚∀゚∩ 」というのはポケモンコロシアムやポケモンバトルレボリューションなどのノクタスのモーションが由来。
両手を上げて相手を威嚇する姿がバトレボ全盛期に流行していたAAに似ていたこと、その何も考えてなくて愛らしいAAがあくタイプの禍々しい外見とはあまりにミスマッチなことから人気を博したものである。

第五世代から同じサボテン型ポケモンであるマラカッチという後輩ができた。

ノクタス「だめだよ。僕は孤独になりたいんだ」

´◎w◎<ショボーン

「ニードルアーム」という威力60かつ3割の確率で相手をひるませるくさ技を覚える。
長らくノクタスの専用技だったが、後にマラカッチ、栗モチーフのブリガロンも習得した。 
……悲しい事にこの「ニードルアーム」剣盾にて技データそのものが消去、BDSPやSVでは覚えられない状況となっている。

ORASでは逆に、ブリガロンの専用技だった「ニードルガード」をマラカッチ共々習得。
まもる」の効果に加えて、接触技で攻撃してきた相手に最大HPの1/8のダメージを与える、という悪くない性能。


【ノクタスの性能】


攻撃・特攻がとりわけ高く、攻める分には強い性能。
しかしその一方で物理耐久・特殊耐久共に貧相。かつ中途半端な素早さと、俗にいう「ホウエン種族値」の極み。
おまけにくさ・あく複合故に弱点7・耐性7と多弱点多耐性のピーキーさもありますます受けどころを選ぶ。
しかも両刀も視野に入れられる第4世代以降はまだマシな方で、第3世代当時はくさ・あく共に全て特殊扱いの上にろくな物理技を覚えないため攻撃115が完全に腐るなど、今よりもっと無駄だらけの性能であった。

通常特性は「すながくれ」。
すなあらし下で回避率が上昇しかつ砂ダメージを無効にする。襷運用が基本となるこいつではありがたい特性である。
また、砂パで運用するのもあり。ちなみに砂ダメージ無効のいわじめんはがね以外で「すながくれ」を持つのは、ノクタス一族と天候蜥蜴エレザード一族のみ。
両者の性能は全く違うので差別化を特に意識する必要はない。砂パなら共存も可能。
第四世代以降は「きあいのタスキ」を砂嵐に潰されなくなったのもありがたいところ。

隠れ特性は「ちょすい」。
第6世代では天候が弱体化したため、雨パ対策よりも繰り出し機会を増やす意味合いが強くなった。
もし交代を読まれてこおり技を食らっても、特防に多少努力値を割けば不一致こおり技くらいなら耐えられる。


ノクタスの特徴は何と言ってもくさタイプらしからぬ豊富な技のラインナップ。
タイプ一致「ふいうち」に始まり「きあいパンチ」や「みちづれ」、「カウンター」や「ニードルガード」など、何がなんでも相手を落とそうとするような奇襲性の高い技が多い。
普通のアタッカーとしても物理特殊ともにタイプ一致草悪技に、「ばかぢから」や「リベンジ」、「きあいだま」など範囲の広いかくとう技が揃っている。
加えて、同じくさタイプやフェアリータイプに有効な「どくづき」も使用可能、とくさタイプではトップクラスの攻撃範囲の広さ。
変化技も「つるぎのまい」「わるだくみ」「すりかえ」などの基本的な技や、「みがわり」後に使いたい「やどりぎのタネ」「わたほうし」などいやらしい技がある。
めざめるパワー」は等に有効なが使いやすい。

道具は基本的に紙耐久アタッカーのお供である「きあいのタスキ」。
次点で火力を上げる「いのちのたま」、読み勝った時のリターンを追求するこだわり系アイテムなど。
第四世代の頃は素早さがまだ今ほどインフレしていなかったので「こだわりスカーフ」を持たせるという蛮勇的な型も存在していた。遅いと思っている相手の上を取って「みちづれ」などで確実に1匹持っていくのである。まさにリターン重点。

ぶっちゃけ第三世代からやることが大して変わっていないというなんとも言えないポケモンなのだが、その細部は地味に違っている。
たとえば第三世代の頃は不一致弱点ですら即死、「たとえ等倍であってもタイプ一致の高火力技なんて撃たれた日にはお陀仏」と認識されていた。
しかし実際には「はかいこうせん」くらい威力が高くないと割と耐えてしまう上に、当時は火力を補強するアイテムが「こだわりハチマキ(物理1.5倍)」、「もくたん」系のアイテム(1.1倍)くらいのものであり被ダメージが意外と読みやすい。
そのため物理防御にある程度努力値を振った「受けカウンター」という奇襲戦略が存在した。今となってはタスキのおかげで珍しくもなんともない戦術だが、タスキすらなかった時代だからこそ炸裂する戦法である。
当時マイナーポケモンを活躍させることができる数少ない方法のひとつであり、別コミュニティ同士の交流オフなどで戦うと大体「マイナー使い」と称えられるプレイヤーが駆る意外なポケモンからこれが飛んできて「こいつでこんなことやる!?」と驚いたものである。
その後第四世代で「ふいうち」を入手したことで待望の先制攻撃ができるようになり、型にも幅が生まれた。
意外と器用なポケモンであり、上述の奇襲性の高いわざの他にも「なげつける」でわけのわからないものを投げつけたり、「にほんばれ」から「ソーラービーム」を連発したりと意外と何でもできるポケモンだったりする。

ただし癖のあるステータスと読み合い偏重の戦法から、初心者にはまったくオススメできない。
読み勝てば試合を制する程の力を、読み負ければあっという間に死亡という格ゲーにもいそうなテクニカルな性能は、ターン制のゲームでは非常に癖が強くなってしまう。
逆に普通の戦い方では満足出来ないギャンブラー気質のトレーナーは一度使ってみてもいいだろう。一度勝ってしまうときっと病みつきになるはずだ。
不一致ほのお技で焼かれても泣かない心構えで頑張って下さい。

ぶっちゃけコイツの相手からしてみれば、適当に「とんぼがえり」「れいとうビーム」でも撃っておけば致命傷を与えられるチョロいポケモンだったりする。
裏を返せばそういった安直な択で処ろうとしてきた相手の足元をすくうのがノクタス運用の醍醐味だったり。一度勝つとほんとに病みつきになるよ。

だが、第9世代においてくさ・あく複合が3追加されてしまう。
耐久型であるチオンジェンはともかく、高速アタッカーの上に耐久までノクタスを上回るマスカーニャと同速かつ特攻以外上位互換のアラブルタケの存在は気がかり。

そして、思いもよらぬ悲劇がノクタスを襲う。なんとよりにもよってタマゴ技を全没収されてしまったのである。
これにより「カウンター」「かなしばり」「すりかえ」等の有用な技を軒並み覚えられなくなってしまった。
幸いにして「リーフストーム」や「アンコール」「ちょうはつ」等多数の新技を得る事はできたが、ホウエン種族値鈍足低耐久を補い切れるかと言うと……。

一応、特攻に特化させて火力アップアイテムを持たせれば環境トップクラスに君臨するヘイラッシャキョジオーンといった強豪を確定1発で倒せるだけの地力はある。
しかしそれもテラスタルによる耐性の変化でどうにでもなってしまう上に「マイナー故にすぐに型を特定しにくい」というノクタスの強みが先述のタマゴ技の没収によって失われているため、
相手の意表を突いて崩すという動きも通用しないという八方塞がりな状況に変わりはなく、今作の仕様変更の影響を悪い方向に受けてしまった典型と言える。

幸い、タマゴ技没収はバグだったようで、発売から10ヶ月後のDLC前編「碧の仮面」解禁時に無事返還された*2。ここから巻き返しなるか。


余談だが進化前のサボネアも攻撃種族値が地味に高く、リトルカップルールなどではたまに採用を検討される。そして大抵お祈りされる。


ポケットモンスターSPECIALでのノクタス】


マニア、ミツルくんの手持ちとして登場している。


【アニメでのノクタス】


進化前のサボネアがコジロウの手持ちとして活躍。声優小西克幸
初登場回が長らくロケット団の相棒だったアーボックマタドガスと涙の別れを経験する回だったこともあり、コジロウとは非常に長い付き合いになる。
コジロウのポケモン恒例の、コジロウに非常に懐いているくさタイプのポケモン*3で、ボールから出てくる度にトゲだらけの体でコジロウに抱きつくのがお約束だった。
アドバンスジェネレーション編のコジロウの手持ちは長らくサボネアのみであり、マタドガスやウツボットの頃を知らない世代も増えてきたこともあって長いことコジロウの代名詞となっていた。

DP編マスキッパとキャラがかぶっていたのでナタネに預けられた。
この時のお別れ回は「サボネアはまだまだ強くなれる、才能を伸ばしてあげたい」とナタネが強硬に頼み込み、コジロウがこれもサボネアのためなのだと泣く泣く別れるというもの。
大人になってから見ると「才能のある子を優れた環境に置いてやりたい、自分には才能を伸ばしきる技量も自信もない」というコジロウが我が子を思って送り出すというものなので、こみあげてくるものもある回。
しかし当時のポケモンの視聴者の年齢層の関係もあってナタネに非常なヘイトがたまり、「この女がサボネアを奪ったんだ!」とヘイトを向ける子も結構多かった。
ウツボットよりは全然マシだから!きっとナタネがノクタスに進化させて返しに来てくれるから!リザードンの時思い出して!となだめすかしたものである*4なお
一応ドレインパンチを完成させて強くなったことは語られたのだが……再登場してくれませんかね?
その後のロケット団のポケモンお別れ回は純粋にお涙を頂戴する回になってきており、ヘイトを溜めるようなゲストも不在である。この回の反響は無関係ではないだろう。

AG編ではハルカのライバルの一人、ノクタスのような格好をしたオカマもといハーリーの手持ちの一体としても活躍した。
ちなみに声優はうえだゆうじ



ノクタス「清らかな森を犯罪でいっぱいにしよう!」

カイリュー「おい馬鹿やめろ」



追記・修正はふいうちを成功させてから。

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最終更新:2023年11月08日 13:30

*1 当時の初期の公式大会ではグラードンやカイオーガが出場できた。そのためダーテングは非常な強豪枠で、特にだいばくはつが貴重だった時期には貴重な爆薬としても役に立った。

*2 但し、全部ではなく「ばくれつパンチ」「なやみのタネ」は没収。廃止された技も当然没収

*3 このサボネアが2代目なので、サボネアがその後のコジロウの扱いを恒例化したと考えるべきだろう。

*4 リザードンとのお別れ回も当時の少年少女たちが非常に不平を言ったが、あちらはここぞというときに頼りになるというナイスな相棒枠に収まっている。