オーク

登録日:2011/05/20(金) 23:02:43
更新日:2023/11/24 Fri 14:56:57
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J.R.Rトールキンの「指輪物語」をはじめ、数多くのファンタジー作品に登場する架空の種族。
ナラや樫の木と訳される木材(oak)もカタカナではオークと書くがここでは扱わない。

目次


由来

古ローマの詩人が考えた異色肌の怖い人型モンスターが原型とされる。

トールキンが専門に研究していた古伝承『ベオウルフ』に、「corpse from Orcus(冥王からの躯)」を意味する「Orc-néas(オルク・ナス)」という単語がある。
後述するトールキンのオークはここから着想を得たのではないかと言われており、これがさらにオマージュされるなどして現在の地位を築いたものと思われる。

一応Orc-néasは「Orcus(冥王)の民」「Evil Spirits(邪気)」「(sea) monsters(海妖・あやかし)」「zombies(生ける屍)」「draugr(死霊・アンデッド)」とも訳せるほど多義的な言葉であるらしく、馴染みのある言葉にすると「魑魅魍魎」あたりだろうか。

地中海の伝承にも同名の海の魔物が登場するが、これは「Orca(シャチ(鯱))」から転じたものらしく、また別物である。
しかしこちらはこちらで「豚の鼻と牙を持つ」など現在も使われる特徴の一部があり、ここから設定を拝借した可能性はある。



日本の創作界隈におけるオーク(非エロ編)

トールキンの「指輪物語」が刊行されて以降、その醜悪なイメージの使いやすさからオークはTRPG等の様々なファンタジー作品に登用され、
今ではゴブリンスライム等と並ぶメジャーな雑魚モンスターとして認知されている。
扱いも非常に幅があり、一山いくらのモブキャラだったりきちんと一種族として描写されたりと様々。

容姿については多くの作品で「緑色のマッチョ」か「豚顔のデブ」として描写されており、今では『オークと言えば豚顔』で通じる程だが、
トールキンの作品内ではオーク=豚顔と明確に描かれた描写は無く、豚顔イメージの起源は不明瞭。
アイルランド語においてOrcは豚のことなのでここから転じたか、先述の地中海の伝承が混ざったか、
あるいは「指輪物語」での
  • 不潔で豚のような顔をしている恐ろしい魔物
  • 序盤から頻繁に人間を襲う
という説明からのものと考えられる。
故意に行われたのか、誤解が広まったのかは定かではない。

なお、「豚顔は日本特有」という誤解があるが、アドバンスドダンジョンズアンドドラゴンズの一版の挿絵は豚顔である。
AD&D1が日本語訳されなかったことと、日本語訳のある現在のバージョンではイラストが全然違う合わせ技でD&Dは違うと思ってしまうのだろうか。

オークと言えば9割9分オスであり、雌のオークが登場することは少ない。設定上存在しても表に出ないことが多い。

繁殖方法については一定しておらず、雌のオークが存在して普通に子育てをする事もあれば「オスしかおらず他の種族に産ませる」とか、
稀に「絶望しているヒト(男)を自分と同じ姿にする」事によって繁殖する場合もある。ヤクザやチンピラの勧誘みたいなものだね。

また、美的感覚が人間や他の種族とは逆で、人間にとっての美女やイケメンが、オークにとってはかなりのブサイクに感じると描かれることもある。



日本の創作界隈(エロ編)

一昔前からその繁殖力の高さを拡大解釈して『異常な性欲』を持つという設定が追加される事が多く、更にトールキンの作品内にメスのオークが登場しない事から、先述したように
オークは雄しかおらず、他の種族の女性を無理矢理犯し、孕ませて数を増やす』という設定が付随される事も珍しくない。
(ただしトールキンのオークにはメスも一応存在するらしい)
中でも先述の「エルフを憎んでいる」という設定を暗に反映してか、特に美しいエルフ族を優先して犯す事が多い。

そのような追加設定から日本のファンタジー系のアダルト作品においてはもはや定番の存在と化しており、
異種姦においては触手スライムに次いでメジャーな存在となっている。

オークの巨根に貫かれ、荒々しく突き上げを食らい、苦痛と恥辱に抗いながら、果ては孕ませられ醜い子供を出産する高貴なエルフ、女騎士、僧侶、くの一等々…ふぅ
異種姦スキーにとって最高のシチュエーションだろう。

オークは基本的に愛情といった概念も無く群れで活動する点から、大抵の場合凄惨な輪姦レイプになる事もポイント。

スレイヤーズでもネタにされていたが、「人間の視点では大きく造形が異なるオークを性的な対象とするのは難しい。ならばオークからすれば人間(に近いエルフ等)は異形の怪物に見えるはずなのに、何故性の対象にして犯そうとするのか」という野暮な指摘が入ることもある。
この点をクリアする為に、前述した「雄しかいないため他種族の雌を孕ませる生態を持つ」という設定を付与する例もみられる。

稀に、オークの牝(オーク娘)に欲情する強者もいたりする。
その場合、元エルフという背景もあってか「エルフ耳」を追加され、褐色の肌で大柄、筋骨隆々だったり肉肉しい見た目で描かれることが多い。(ダークエルフと差別化する為だろうか)

あんまりにもこういう扱いが広まったせいか、近年では人間などの女に全く興味を示さなかったり嫌ったりする紳士なオークというネタも見受けられる……
というか一部では定番ネタである。逆にやけにエロいことを期待するエルフやら女騎士やらも。
もっともネタ止まりならともかく18禁作品でこういうオークをメインにしても受けるかどうかは分からないが。特に性的な意味で。



各ジャンル・作品におけるオークたち

特に代表的なものや特徴的なものを以下に取り上げる。

「指輪物語」のオーク

最も有名で、ファンタジーにおけるオークの雛型となった。原文では「Orc」。

トールキン「物語に重みを出すためにヤバめの種族作りたいな…」

ということで出来上がったのがこの種族。
容姿は、醜く好戦的かつ野蛮な人型の種族で、指輪物語内ではモルゴス、サウロン、サルマン等の悪の勢力に遣える兵士として登場する。
作品によっては体格の良いゴブリンがオークと呼ばれ、これに当たる場合がある。

かつては美しいエルフ族であったが、モルゴスに捕らえられ、激しい拷問や暗い闇に閉じ込められる等の仕打ちを受け堕落。
美しかった白肌は灰色になり、鉤爪が生え、背丈が低くなり、口調も崩れる等、もはやエルフの原型を留めていない醜い好戦的な種族となってしまった。
また、モルゴスがエルフを真似て新たに作ってみた失敗作という説も存在する。
トールキンの世界観でも断言しきっておらず発生源は不明瞭。

彼らは他の種族を嫌い、特にエルフ族に対しては敵意を剥き出しにするという。
また時に共食いまでする程に凶暴。見かけの割に、腐ったパン等の食事は嫌う割とグルメな連中で、新鮮な肉を好む。
加えて作中では「かれらは愚かではないが、鈍感で下劣な生物」とも評されており、実際手先の器用さや知性・知略も他の種族に劣らないのだが、それらを建設的な方向に活かすことはなく、破壊しか産み出さない。

暗闇の中から産まれたせいか光を嫌い、基本的に夜行性である

また繁殖力が非常に高く、一度絶滅しかけたもののすぐに立ち直ったとも描写される。

ウルク=ハイという上位種も存在し、通常のオークよりも体力・知力共に上で光に弱い等の弱点も克服している。

中つ国第一紀の頃は、エルフはおろか人間でさえバルログと正面とから渡り合う猛者が存在したので、それこそ無双ゲーの如く蹴散らされていたのだろう。哀れなり。


「トンネルズ&トロールズ」のオーク

アメリカのファンタジーTRPGであるT&Tにも登場する。
第5版においては、身体能力は人間と変わりない(能力値の種族係数が全て×1)。魅力度も人間並(×1)なので、必ずしも醜いという訳でもなさそうである。
第5版の怪物データ集『モンスター!モンスター!』には、肌の色が黒く日光が苦手な「(普通の)オーク」の他、劣等種の赤オーク、日光を克服した灰オークが掲載されている。
第7版以降では「ウルク」として登場。こちの版ではゴブリンが両生類なため、他作品でのゴブリンに近めな姿をしている。

主な舞台となるルールフ(日本語版ではドラゴン大陸)のカザン帝国を支配する冷徹かつ残酷なる魔術女帝「死の女王」レロトラーはこの種族の出身だが、
後に公式設定にて「モンスター殲滅を願うエルフの魔法王カザンに追われたウルクの長がエルフをレイプして産ませたハーフで、産まれてすぐカザンのせいで集落を焼かれたためエルフ等を恨み最終的にカザンを追放した」とされ、
しかし作品舞台となる時代にはエルフ地下集落をスルーするくらいには人族やエルフへの恨みも薄れているため、(エルフ王を裏切った魔術師の夫が全種族平等主義者な事もあり)「実は仇のカザンよりはましじゃね?」という考察もある。


「シャドウラン」のオーク

アメリカのファンタジーサンバーパンクTRPGに登場する種族。同作では「エルフ」「ドワーフ」「トロール」と共に「人間が『魔法復活』の余波で変異した亜種」とされ、容姿も尖り耳にキバとおとなしいものになっている。
だがこの世界でのオーク・トロールの第1世代は人間がある日『ゴブリン化』なる現象を起こして変異した事・そしてその狂暴そうな容姿等から肌の色に変わる新たな人種差別対象とされ、一時は大虐殺まで起こるほどに扱いが悪く、
作中における「現在」でも貧困層に追いやられることが多いという悲惨な事になっている。一方で「Orc poser(オーク気取り)」と言うオーク風整形手術をするもの好きもいたりするが。
またオークの「メタバリアント(亜種)」として角のない「オーガ」・2本角で日本生まれの「オニ」・「ホブゴブリン」・「サテュロス」が登場しており、オークが「人を『グール』(人の生肉しか食せない)化させるレトロウィルス」の上位種に感染し異形と化した「罹患者」(ほぼすべての国で犯罪者または犯罪者予備軍扱い)を「ウェンティゴ」と呼び区別している。

「ウォーハンマー40K」のオーク

暗黒の遠未来の宇宙戦争を描いているSF作品「ウォーハンマー40K」に登場する異種族(ゼノ)の一種で、本作では 「オルク」 と呼ばれている。見た目は緑色のSFオークといった感じだが、他作品のオークとは一線を画す文化や特徴を持つ。
闘争をこよなく愛し、争う相手がいなかったら味方同士でも争うという筋金入りの戦闘民族である。
そして、このオルクはなんと、「性欲を有していない。」

もう一度言う。「性欲を有していない。」

なんと、オークらしからぬ性欲を有していないという特徴を持っており、その代わりに彼らは 戦闘欲 を有している。そのため、常に戦闘していないと戦闘欲が満たされないという恐るべき特徴を持つのだ。
では、このオルクはどうやって繁殖しているのかというと 死体から出る胞子からオルクが生まれるのである。 実は彼らは真菌類であり、死体からキノコのような胞子を飛ばして繁殖を行う。
そして、彼らは胞子が出た死体からの戦闘経験を引き継いで生まれてくるのである。
その他、オルクは独自の文化を持っており、ウォーハンマー40Kの中でも繁栄している種族として描かれている。
詳しくはこちらを参照

「ウォークラフト」のオーク

シリーズを通して人間(ヒューマン)と並ぶ主要種族。
元々は世界侵略を目論むデーモンの支配下で人間・エルフ・ドワーフの連合軍「ヒューマン・アライアンス」と争っていたが、
やがてその支配から脱却し散り散りになっていた部族を統一、新たにゴブリンやトロールを仲間に加えた「オーク・ホルド」を設立、国家樹立を目指す。
力を尊び気性も荒いという一般的なイメージに沿ったオーク像であり、実際人間側からも蛮族扱いされている事が多いが、それはデーモンの呪いによって好戦的な気象を与えられていた影響であり、実際のところⅢの実質的主人公・スロールを始め理性的で誇り高い。
人間を「貧弱な癖に偉そう」と軽蔑する者も居るが、それでも共通の敵であるデーモンやアンデッドを前にすれば迷わず共闘を選ぶだけの分別もあるという、ハイファンタジーでは割かし珍しい描写がされている。
というかこのシリーズ、人間側のがよっぽどアレなキャラが多かったりするので…エルフに至っては終始内輪揉めしてるし。


「ソウルサクリファイス」のオーク

魔物の一種で、その姿は豚面の巨人ではなくなんとがモチーフ。魔物の時は巨大な口と無数の足を持つグロテスクな姿をしているが、倒すと魔物に変化する前の猫の姿に戻る。
他のゲームと同様に雑魚の魔物として扱われるが、
瀕死状態の魔物や同行者を喰らって巨大化したり、大口を開いてプレイヤーやボスクラスの魔物を吸い込もうとする等、放っておくと結構厄介な存在。

ドラゴンクエストのオーク

雑魚敵。全身が刺々しい毛皮で覆われた猪型の獣人で、初登場作である『DQ2』を除き槍で攻撃してくる。
上位種に「ゴールドオーク」「オークキング」「オークィーン」がいる。流石に低年齢層向けゲームのキャラクターなので、強姦などの性的描写はシリーズ中に一切ない。

5ではオークキングが仲間として活躍する。
その性能は外見に反し、回復や補助系の呪文を中心に覚えるまさかの僧侶タイプである。

ドラゴンクエストモンスターズジョーカーではサンドロ島のボスとして登場。RTAの猛者ともなると最初に貰うモンスターであるいたずらもぐら単騎で倒すが、普通に戦うとまぁまぁ強い。

ゴブリンスレイヤーのオーク

ゴブリンがエルフの言葉でオーク(オルク)と呼称されているという設定であり、ゴブリンと同種族として扱われている。作中でオークと呼ばれることはほぼない。
ホブゴブリンやゴブリンチャンピオンは先祖返りしたゴブリンという設定で、名称こそゴブリンだが怪力や巨大な体格に異種族の雌を襲うなど従来のオークそのままの性質を持つ。

千年戦争アイギスのオーク

エロゲのオークのくせに女に性的興味を抱かない変わり種筆頭。詳しくは項目参照。
<うおおおおおおおおおっっ!!
チャンプッ! チャンプッ!!>



余談

いろんな意味で意味でエルフとは対であるが、トールキン以前はエルフがこれに当たる役割をしていた。強盗・強姦・強奪・殺人はお手の物というか日常行為だったとか。
一説によると、エルフ巨人・魔性の類や吸血鬼グレンデル(ベオウルフ)は、
全てその祖先がカイン(旧約聖書に登場する、人殺しや嘘つきの元型)に求められるという。



「追記・修正は他種族を犯しながらお願いしますぅっ!」

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最終更新:2023年11月24日 14:56