奥吉野の巨熊

登録日 :2011/09/09(金) 23:39:54
更新日 : 2016/05/05 Thu 10:45:26
所要時間 :約 3 分で読めます




紀伊半島奥吉野。
1940年、ここ一帯の集落には 得体の知れない巨大な何か を目撃したという噂が相次いでいた。

目撃者は「奥吉野の幽谷から現れた、得体の知れない黒い山のような太古の原始怪獣」とこの正体不明の生物を表現。
村人達は、あまりの恐怖に家に閉じこもってしまったという。


そんな事態が続いたある日、事態を見かねた引退していた老猟師・神坂氏がこの怪物討伐に立ち上がった。

目撃談も要領を得ず正体の見えない怪物が相手ではあったが、これを討伐すべく神坂氏は相棒の紀州犬那智丸と共に山中へ向かう。するとそこにいたのは……





2m70cm もの巨熊だったのだ。





「……あれ?普通じゃね?」

と思ったそこのあなた。
甘い、甘いぞ……!


確かに、日本最大の猛獣 ヒグマ ならば大きいが不思議ではないサイズと言える。

だが、この場所をよく思い出していただきたい。紀伊半島奥吉野……つまり本州である。そして 本州にヒグマは棲息していない。


そう、この巨熊の正体は ツキノワグマ だったのである。

一般的に、ツキノワグマは2mあれば十分に大きい。
この事件のヒグマ(閲覧注意)に比べれば見劣りこそすれ、この巨熊が種としては規格外の個体である事にかわりはないのだ。


これに出くわした神坂氏は、死闘の末に巨熊の眉間に正確に複数発の銃弾を撃ち込む事に成功。茂みの中に斃れ臥した巨熊は死亡し、見事神坂氏の勝利に終わった。





……かに思われたのだが。

斃れた亡骸を確認しようと茂みに踏み入った神坂氏が目撃したのは、 亡骸に群がった無数のヤマビル の姿だったのだ。



余談だが、ヤマビルは獲物の体温を感知して吸い付き血を吸うため一般的には死んだ動物にはつかないと言われている。
まぁこの時は死んですぐだっただろうから関係ないだろうが……



あっという間にその巨体はミイラのように萎んでしまい、
血を吸い丸々と太った無数のヤマビルを見てしまった神坂氏は亡骸の回収を諦め、その場を後にしたという……。


抜粋して書いたが、このエピソードの詳細は大陸書房の「動物の四次元」という本に記述されているので是非。
絶版だけどな!





追記・修正お願いします。


























が、この事件はまだ終わっていなかった。


後日、神坂氏は亡骸を確認すべく、以前怪物を目撃していた村人達を連れて山中へ再び入っていた。

しかし、茂みに横たわる巨熊の死骸は既に変わり果てた姿となっていた。ヤマビルではない。
信じられない事に、死骸は 無数の爪痕のような傷をつけられズタズタに引き裂かれていた のである。


さらに、目撃者の一人が



「私が見たのはコイツではない」


と語ったのだ。



余談だが1971~1972年、和歌山県(同じく紀伊半島)にてライオンの目撃報告が複数確認されている。



……お次は何だ?

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