亜内武文

登録日:2012/03/27(火) 01:42:38
更新日:2024/03/02 Sat 12:51:43
所要時間:約 6 分で読めます





亜内武文(あうちたけふみ)は、『逆転裁判』シリーズの登場人物。

CV:浜亘(サウンド・SE担当、1(蘇る)~4)/?(CR逆転裁判)/横島亘(アニメ版)/いずみ尚(パチスロ版)
演:天玲美音(宝塚歌劇版第3作)/村杉蝉之介(実写映画版)


【概要】

シリーズを通して第1話に登場する、やや弱腰で寂しい髪の毛と地味な眼鏡が印象的な検事。
彼と対峙する第1話は作品のシステムを理解する話でもあるため、彼自身も初心者の相手としてあまり強くない敵キャラクターといった位置付けになっている。
しかしその一方で、赤いヒラヒラムチを振り回すドSコーヒー大好き&ハードボイルドっぽい台詞を喋るエアギター鷹&手刀で斬撃羽衣ふわふわ&数珠で相手のデコ絞め扇振り回すクモヘアーワインやらボトルやら投げつける&検事席に足乗っけるなど全体的に良くも悪くも強烈なキャラ揃いな歴代検事の中では、比較的真っ当に検事をやっている希少な人物でもある。実際に彼自身は証拠を捏造・隠滅したり、証人に不利な証言をさせないよう吹き込むような姑息な手は一切使っていない。キャラが薄いだけとか言わないで。
第1話のストーリーは探偵パートが存在しないので、彼とは法廷でしか対面するシーンがない。

逆転シリーズにおいて必ず第1話に登場するため、『逆転検事』シリーズを含めて長年シリーズ皆勤賞という偉業を達成した数少ないキャラクターの1人であったが、
5でついに降板し、皆勤賞を逃してしまう。ただし彼の代わりに、ほぼ同じ容貌の弟・亜内文武が登場する。

因みに妻帯者であるが、奥さんは誰もが何故亜内と結婚したのかと首を傾げるほどの美人らしい。



【作品ごとの活躍】

逆転裁判
第1話『はじめての逆転』にて登場。新米弁護士である主人公成歩堂龍一の初めて戦う相手として登場するが、特にこれといった見せ場もなく成歩堂に敗れる。ほぼモブキャラ状態。
凶器となった証拠品である「考える人の置き時計」を、見た目ではとても時計には見えないからと「置物」として提出していたが、これが真犯人の嘘を暴くことになる。
なお逆転裁判シリーズのエンディングは、作中登場した色々なキャラクターへの本編後のインタビューという形を取るが、彼が登場するのは初代のみ。
検事と言う立場もあってか、あまり言いたくはないと前置きしながら「成歩堂クンはこの私が育てたようなもの」と語っていた。


逆転裁判2
第1話『失われた逆転』にて登場。
一年前の敗北のリベンジとして、成歩堂と対峙できることを楽しみにしていたが、当の成歩堂本人は記憶喪失であるため覚えていない。
そして記憶が戻ってもやっぱり覚えていない。

得意気な笑みや派手なやられリアクションといったモーションが追加された。
また前作のEDのセリフをもとにしているのか、新人に対して偉ぶりたがる性格が定着した。


逆転裁判3
第1話の『思い出の逆転』では本編の5年前の話に登場(因みに被告人は当時大学生の成歩堂)。
成歩堂の永遠の師匠である綾里千尋がまだ新米弁護士だった頃の話で、千尋と対峙するのだが当時の亜内は現在とは比べものに成らない程優秀。
髪の毛もフサフサのリーゼントで、当時7年間無敗という実績と手腕から「新人つぶし」の異名を持つ程であった。とはいえさりげなくチュートリアルのアシスト役を買って出ているので、嫌味のつもりで言ったサポートが本当にサポートになっている。
しかし千尋に敗北したショックがきっかけで髪の毛が抜け風格も無くなり、ここから彼の敗北人生が始まったとも言える。
またこの作品のみ、第1話以外にも2話3話にもチョイ役であるが登場するため印象に残りやすい。


逆転裁判4
3から7年後の世界が舞台であり、第1話『逆転の切札』にて新米熱血弁護士である王泥喜法介かませ犬として対峙する。
この法廷の被告人はピアニートとして落ちぶれた成歩堂であるが、この時は成歩堂も亜内のことを覚えていた。

髪の毛も一層おかしく成りまるで落ち武者(ラフによると「ハゲたからのばした」)、
王泥喜からも「カンロクがない」とバッサリ斬られるぐらい風格が無いが、
それでも抑える所は抑え、また『証拠が全て』の法廷で使ったら言い掛かり以外何物でも無い王泥喜のみぬくに対してしっかりとケチを付ける*1辺り、検事としての職務はしっかりと全うしている。
そのせいでみぬくに対しても何も文句を言わないドリルの弟の職務態度が疑われる事態に。


逆転裁判5
武文自身は一切登場せず遂にシリーズ皆勤から脱落。代わりに彼の弟である「亜内文武」が登場する(CV:いずみ尚)。
兄と違い髪の毛はフサフサである(よく見ると地味に生え際が危ないが、とりあえず負けても抜けたりはしない)。
かけているのも眼鏡ではなくサングラス。特注品で、当人曰く他のものより特別黒く、深い輝きを持っている、らしい。

かつての兄を思わせる「新人いびり」という異名を持つが、性質の悪いことに「被告人いびり」の異名まで持っており、文字どおり兄よりはるかにウザい。めっちゃウザい。超ウザい。
そのいびりは弁護士の希月心音トラウマを思い出させてしまうほど追いつめる。
が、新人じゃない成歩堂が来てからは形成が逆転して結局はかませに落ち、最後は因果応報ともいえる末路を迎える。詳細は当人の記事にて。

本人ではなく弟が登場したのは「法の暗黒時代に染まった“ちょい悪”な検事にしたかった」と言う開発者の意向によるものらしい。
つまり本来の亜内検事はそこまで悪い人物ではないという設定であり、過去のキャラを不用意に改悪させないという前作の反省点を活かした結果であると思われる。

ちなみに兄は4に引き続き成歩堂に覚えられてはいる(弟が兄と間違われるという形で、だが)。
しかしライバル視されている事には全然気付かれていなかった模様。ただ、意外にも成歩堂と対峙した事件の本数はあの狩魔冥と同じだったりする。


逆転検事
本編には絡まず、背景の一部扱いで登場。一応台詞もある。
糸鋸圭介は彼のことを覚えていたが、同じ検事である御剣は彼の存在を覚えていない。

逆転検事2
扱いは前作同様背景の一部に近いが、何気に彼の存在が矛盾と事件の新たな局面を導くきっかけになったりする。


「大逆転裁判」
逆転裁判の時代から百年ほど遡る時代の物語なので武文本人は当然登場しない…が、しかし、「亜内武土」という名の検事が登場。
名前といい風貌といいどっからどう見ても亜内武文・文武兄弟のご先祖様である。
1世代=20年とした上で亜内武文・文武兄弟の年齢も鑑みて計算するとだいたい4,5代前のご先祖様といったところだろうか。
どうも亜内一族と成歩堂一族の因縁は明治時代から始まっていたらしい。
担当声優は高橋伸也。

外見は黄色い裃に検事の腕章、そしてヘアスタイルは髷という時代がかったものだが、それ以外は眼鏡といい風貌といい武文とそっくり。
隔世遺伝ここに極まれり。
大逆転裁判の舞台は19世紀末であり、日本で明治維新が始まり髷が「時代遅れ」とされ明治天皇もご断髪された時代から30年近くも経過している。*2
古き時代にこだわる彼が、日本帝国の司法の近代化を求めていた亜双義らに敗れたのは必然といえよう。
敗北時に捨て台詞を吐くも、亜双義に「たとえ、百代の年月が流れようとも。貴公の一族、成歩堂の敵するに能わずッ!」と返されながら名刀「狩魔」を抜き放たれ、髷を切り落とされた。

「大逆転裁判2」ではやっぱり第一話で登場。ざんぎり頭のままだが、額という妙な位置に逆10円ハゲとでも言うような妙な生え方をしている。「4」の頃の武文の髪型に似ている。
龍ノ介は未だ大英帝国にいるため、対決したのは彼のいとこである「成歩堂龍太郎」。
……という偽名を使い、男装することで女人禁制の法廷に立つことになった御琴羽寿沙都であった。
初めての自らの弁護ということで目が泳ぐほどに緊張していた龍太郎を追い詰めるが、法務助手として龍ノ介を支えてきた経験を生かしいつも通り逆転される。
敗北が決まると切腹に使う三方に乗った短刀を持ち出し……辞世の句を詠んで折角生えてきた額の毛を切り落とした
これには龍太郎と漱石は合掌、他の面々も鎮痛な面持ちで彼(の毛)の最期を見届けたのであった……何だこれ。

エンディングではどういう訳か被告人となった細長悟の裁判に出廷していたが、対決する弁護側はなんと夏目漱石と村雨葉織
謎の組み合わせの上にそもそも女人禁制の法廷に立つ葉織にすっかり困惑していた。

ちなみにダウンロードコンテンツにて、武士という大学生の息子がいることが判明した。
武士もまた法律を学ぶ学生であり、イギリスへの司法留学生に応募し試験を受けたが、及ばず選考からは漏れる。
成績は第一等の998点(ただし不正によるものだったため失格)、第二等の997点(亜双義)には250点以上差を付けられた732点ではあったものの、それでも第三等と健闘はしていたためそれなり以上にできる人物ではあるようだ。

レイトン教授VS逆転裁判
舞台がイギリスのため亜内自身は登場しないが、よく似た容姿の「バータリー検事」が登場する。声優は大逆転裁判の武土と同じく高橋伸也。
予定外の法廷に立つ成歩堂に対し厭味ったらしく上から目線な挨拶をするが、結果はお察しである。
判決後は裁判長からその不甲斐なさを叱責された。
そのショックでメガネを落としてしまい…

見ないでクレ見ないでクレ見ないでクレ!
メガネなしでは見えないし見られたくないし
メガネメガネメガネメガネメガネメガネメガ

少女漫画のようなキラキラとした目が露わになりパニクった挙句に倒れ込んでしまった。


漫画版
当然第1話の検事を担当するが、初めて第1話以外の事件の担当検事にもなる。幾度となく成歩堂を追い詰めるなど、後に登場する御剣や冥ちゃんとも遜色ない実力を発揮するなど、ゲーム本編に比べかなり優秀。


「映画版」
演じているのは村杉蝉之介。
原作同様、成歩堂が初めて戦うことになる相手として登場。
モタモタして審理を長引かせる成歩堂に先輩風を吹かせながら嫌みったらしく序審裁判(序審法廷制度と同義)について説明をする。
千尋に論破された際にはお馴染みのポーズを見せ、ついでに髪の毛も逆立てた。今作で登場する検事の中で唯一バッジを着けている。
ちなみに映画本編で名前は明かされなかったが、ノベライズ作品ではきちんと表記がなされている。


「なるほど逆転裁判!」
新人時代に担当したとある事件の思い出を引っ提げ第9回にゲスト出演。
その場に居合わせた成歩堂、御剣、真宵の誰もが彼のことを覚えていなかった。




余談

彼の名前を英語の「ouch (痛い)」が元になっていると思ったプレイヤーが多いが、実際は制作者が通院している歯科医から拝借したもの(現実世界では「阿内」と言う苗字なら実在する)。

また、逆転裁判のパイロット版に当たる『サバイバン』の設定によれば、当初は検事ではなく弁護士として登場する予定だった。
サバイバンの頃は成歩堂も弁護士ではなく探偵であり、
とある事件の被告人となった成歩堂の弁護をする(が、ぶっちゃけ頼りないので結局成歩堂が頑張る)という役回りだったらしい。
弁護士が主人公の物語へと路線変更するに伴い、設定と一緒に既に出来上がっていた法廷でのモーションも左右反転して修正された。





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まぁ項目を追記・修正したのは私のようなものですから
アニヲタ民も私に感謝しているでしょうね

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最終更新:2024年03月02日 12:51

*1 実際に作中でもある人物が「緊張した証人は、みな有罪ですか?」とツッコミを入れている。そりゃそうだ。そのこともあり後の『5』『6』では基本法廷では使えない展開になっている。

*2 ちなみに現実には最後に髷を結っていた人は明治30年頃までいたとか。