サイバンチョ(逆転裁判)

登録日:2010/04/24(土) 11:09:27
更新日:2024/04/15 Mon 15:29:38
所要時間:約 7 分で読めます




サイバンチョとは、『逆転裁判』シリーズに出てくる裁判長の事である。

CV:外波山文明(特別法廷・オーケストラコンサート・レイトン教授VS逆転裁判・5以降・ドラマCD・パチンコ版)/樋浦勉(アニメ版)
演:柄本明(映画版)/外波山文明(SET版2)


ふさふさの白い髭と見事に輝くハゲ頭が特徴で、全くもって名前と年齢を知られていない。
成歩堂龍一曰く「愛すべきじいさん」
しかしじいさんと呼ばれるのは嫌がる。

シリーズ皆勤賞で1~3全てに登場しているが、『逆転裁判3』の4話のみ弟が担当したため、全部の話での皆勤賞は逃した。
スピンオフではあるが、作品単位での皆勤賞も『逆転検事2』で逃している。


性格としては基本的に流されやすく、検事の誘導で有罪判決を下しそうになるのはしょっちゅう。
証言にも流されやすく、証人からの買収にもひっかかり話を鵜呑みしてしまう程である。
特に松竹梅世美柳ちなみなど美人の証人には非常に騙されやすい。
また、小中大狩魔豪の圧力に屈したり真犯人のハッタリを信じて逃げ出しそうになったりと威厳溢れる見た目に反して色々と弱い。
しかし、『逆転裁判6』のある事件では、真犯人から圧力をかけられるもののバッサリと切り捨てている。サイバンチョも成長しているのである。
更に『逆転裁判4』では「(早く裁判を終わらせて)司法長官に媚を売りに行く」発言があった事から、年の割には裁判官としてもそこまで偉い立場では無さそうである。

最大の特徴としてはちょっとオチャメ☆
子供の頃の通信簿には「耳がとほく、聞きちがひをする」と旧仮名遣いで書かれるほどのオッチョコチョイでもあり、
綾里真宵と同じく、難しい専門用語を説明するために質問させるお馬鹿キャラとしても活躍*1
仮にも裁判長という立場の人間がお馬鹿キャラというのはどうかという気がしないでも無いが。


とはいえなんだかんだで根は善人のお人好しであり、
最初に弁護側がどんな不利な状況でも、裁判が進んで真相が明らかになるにつれ最終的には必ず正しい判断を下してくれる。その間はかなり苦しめられるけど。
(周囲からは不気味がられているらしい。フシギでブキミなサイバンチョである)

主人公が担当した事件だから結果的に正しい判決で終わっているだけでは…と思うかもしれないが、星影曰く昔から「移り気で浮気だが、最終的にはいつも正しい判決を下す不思議な裁判長」と評価されていたらしい。
もっとも判決を下す前に中断してしまった裁判もあるほか、仮面マスクを無罪にしてしまったこともあるが。

そして成歩堂の偽物を見抜けなかったりする割に、検事・弁護士以外の異議を認めてくれるという空気の読める人でもある。
横文字読めないけど

前述の「媚」の内容も入院中の司法長官の子供を見舞うという(判決を急がれる点以外は)実に平和な代物であり、
しかも例によって裁判が進むうちにそっちの思惑はいつの間にか行方不明に。
やっぱりこの人に裏工作の類は無理という事だろう(そもそも裁判中に堂々と宣言している時点でアレである)。

なんらかの被害に遭う事も多く、狩魔冥のムチにひっぱたかれたり、芝九蔵虎ノ助の恫喝をうけたり、豆を………
「ここまでは届きませんよ」
いや、喰らってなかったか。


とにかく不遇の人なのだ。

そして横文字が苦手。すごい苦手。グローブ、インカムはおろかモノクルとか言われても全然わかんないもん。
でも事件に関する事なら意外と物知りである。線条痕とか普通の裁判長が知らなそうな事をよく知ってる。

さすがじぃさん、すげぇ!



ゲームの表記も「サイバンチョ」であり(『1』のみ「サイバンカン」)、1~5、『逆転検事』の全てに登場しているものの本名、年齢等は全く不明である。
『逆転裁判2』では成歩堂が名刺を貰ってたが、文字が達筆すぎて読めなかった為に本名は現在も謎に包まれたままである。

どうやら孫(北米版では男の子)はいるようだがまだまだ謎は多く、「法廷の七不思議」の内、実に6つがサイバンチョに関するものである。
ちなみに孫は少なくとも『逆転裁判5』のある裁判の傍聴席にいたらしいが…

ちなみに『逆転裁判6』では舞台が外国に移るため「すわ本編降板の危機か」と思われていたが、日本パートがある事が発表されて一安心(?)。
なお、クライン王国の裁判長も日本サイバンチョそっくりだが、別に親戚という訳でもない他人の空似である。弟より似てるけど


そして彼の弟もまた裁判官。ついでに同じ裁判所で勤務している。弟の方は「サイバンカン」と表記されている。
登場作品は『逆転裁判3』。サイバンチョはよく弟から「勉強不足だ」と叱責されるらしい。
体格や格好はそっくりだが、サイバンチョとは口ひげを生やしていない点と髪がだいぶ残っている点が異なる。また髪と髭の色も兄とは違い栗色。しかしアニメ版では兄と同じ声優が役を担当しているので声が同じ。呑気で温厚な兄とは対照的に、真面目だが気難しい性格。
「しめやかに」や「どうかと思いますな」が口癖。彼もまたよく狩魔冥の鞭の餌食になる。
出番こそ少ないが、彼の存在がみっちゃんの弁護士としての法廷への伏線となる。
兄と違い、判決を下せないというジンクスを持っており、下そうと思ったら、被告人を直前に成歩堂に別の事件の犯人として奪われるわ、自殺されて閉廷になるわ、風邪ひいて兄に判決を取られるわ、
と散々な目に遭っている。逆転裁判4のあの事件とかこの人が担当すれば良かったんじゃ…

『逆転検事』ではみなさんお待ちかね、サイバンチョを尋問することができます。


『逆転検事2』では登場こそしなかったものの、御剣怜侍に「私が知る中で最も偉大な裁判官」と称された。
じいさんマジパネェ


また、『逆転裁判5』での発言によると彼の手にする木槌は特注品とのこと。
「まほがにー製」で、他のモノより特別いい音を響き渡らせるんだとか。

そして昔は「法曹界の妖怪」と言われていたらしい。

『大逆転裁判』では明治時代の大日本帝国と大英帝国で二種類のサイバンチョが登場。
大日本帝国では相変わらずボリュームたっぷりの黒い髭に、明治時代であるため黒く派手な装飾のある服、さらに黒い帽子で身を包み威圧感たっぷりの物々しい姿になっている。
大英帝国のほうでは今までのサイバンチョに近く、白髭に赤い服を着て丸眼鏡をかけている。ちなみに頭頂部の髪はヅラであり、驚いた時によくズレる。
今作、日本での裁判は1話でしか行われないため、日本のサイバンチョは非常に影が薄い。

続編の『大逆転裁判2』では、まさかの(主に日本の)サイバンチョに非常にスポットが当てられる。まず本名が発覚。それは慈獄政士郎(じごく せいしろう)という、これまた変わった名前である。
彼は十六年前、御琴羽悠仁、亜双義玄真と共に大英帝国に留学生として来ていた。そしてプロフェッサー事件が起こった後、帰国して裁判官となる。
ちなみにその事件で証言した際、証言台を破壊した上、大英帝国を侮辱するというとんでもない事をやらかしている。結局は無罪になったようだが……。

TGSなどで公開されているフルボイスの『特別法廷』でも裁判長という立場もあって出番が多い。
『特別法廷2008 オーケストラコンサート』では居眠りした裁判長を観客が拍手で起こすイベントがある。



ULTIMATE MARVEL VS CAPCOM 3』ではMVCシリーズ初参戦となった成歩堂のHC「静粛に!」で巨大サイバンチョとして姿を見せ、


静粛に!

取 り 敢 え ず 却下します!!


と豪快に理不尽さを垣間見せながら巨大木槌を振り下ろす。
法廷モード中に出すと外れ証拠品のみ没収されて探偵モードに戻るが、探偵モードでは出せない。
発生前に起こる暗転の前から無敵状態なので安定して当てれるが、相手の強制ダウンを奪える代わりに木槌が振り下ろされた時に成歩堂も強制ダウンする。
ダウン拾いができるのでコンボのシメに最適ではあるが、外すとダウンした所を追撃される可能性が高いので空撃ち厳禁。

ちなみに元ネタは『逆転裁判2』の1話冒頭の成歩堂の夢。
また台詞の元ネタは『逆転裁判』2話での台詞だが、実はとりあえず却下されたのは成歩堂じゃなくて御剣だったりする。
というか元ネタは不利な流れになった御剣がとりあえず異議を申し立てたのをとりあえず却下するという場面なので、実は理不尽な台詞でも何でもなかったり。



レイトン教授VS逆転裁判』では、ラビリンスシティの方に登場するサイバンチョは姿がよく似ており、声も同じく外波山文明氏が担当している。

また『逆転裁判6』に登場するクライン王国のサイバンチョも同様で、弁護士を必要とせず託宣を優先しているが、成歩堂の導いたムジュンにはしっかりと向き合うなど、その本質は日本のサイバンチョと同じである。




最後に、忘れられがちだが彼自身は決して無実の人間を助けて真犯人を裁く正義の味方ではないし、ましてや弁護人の仲間でもない。
ただ彼の本質は一つ、裁判の果てに浮かび上がってきた真実を全て受け入れて認める事ができるだけの柔軟で公平な人物でしかない。
その時点でどれだけ真実が明らかになっていようと、弁護人がその立証に失敗し彼の心証を悪くした時点で容赦なく裁判は終わってしまう

彼が最後に正しい判決を下す事が出来るのは、あくまで弁護人が真実を完全に立証出来たからに過ぎず、
更に身も蓋も無い事を言ってしまうと、弁護人が最終的に真実に辿り着く事を約束された主人公で、
必然的に正史になるのがシナリオクリア=正しい判決だったからでしかないのである。

シリーズにおいて、最も弁護人(プレイヤー)と被告人に有罪判決(ゲームオーバー)という名の引導を渡して来た人物もまた彼である事を忘れてはならない。
ちなみに本人はそのことを自覚しているのか定かではないが、法廷にて殺し屋が成歩堂に暗殺依頼の勧誘をしてくる際に、成歩堂が裁判長の暗殺を依頼を企てているのではと危惧している様子が見受けられている。



検察側、弁護側双方に更なる追記・修正を求めます!

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最終更新:2024年04月15日 15:29

*1 漫画版ではテンポの都合のせいかアナフィラキシーショックを知らないのにプラシーボ効果は知っていて説明するなど知識がアンバランスなことになっている