仮面ライダーX

登録日:2011/08/24 Wed 06:07:17
更新日:2024/02/25 Sun 22:00:59
所要時間:約 7 分で読めます






巨大な悪の組織GODに父と共に殺された神敬介は、
瀕死の父の手によって仮面ライダーXとしてよみがえった。

敬介の恋人涼子はなぜGODについたのか? そして霧子とは?
謎のGOD機関を相手に戦う、仮面ライダーX!

GODある限り私は死なん!!



『仮面ライダーX』とは『仮面ライダー』シリーズ第3作。

●目次


【作品解説】

初代からの仮面ライダーのイメージを一新させた作品。
これまでは敵から奪った武器を使っての戦闘が多かったが、本作で正式な手持ち武器を持ったライダーとなった。
他にも…
  • アイテムを用いて変身する(セタップ)
  • 銀色を用いた全体的にメカニカルなデザイン
  • 手持ち武器をベルトに常時携行している
  • 複数話を通して登場するライバルキャラ
などの様々な新しい要素が生み出された。
後の仮面ライダーシリーズ(特に平成ライダー)はこの要素を多く取り入れている。

また、メカニカルな姿や基地持ち(僅か2話で失われたが)という設定は、当時のロボットアニメブームの影響と思われる。
しかし、そのロボットアニメブームに飲まれてか視聴率は下降傾向で、その点において制作側は満足しなかった模様(関西方面では善戦したが)。
その結果、テコ入れ策としての路線変更や番組話数の短縮の煽りを受けてストーリー展開が弄られてしまい、その面を残念がる声や批判する声も少なくない。
当初メインライターを務めるはずだった長坂秀佳氏は序盤のたった3話しか脚本を手掛けていないが、実際その回のみが別の番組なんじゃないかと思うくらい作風が違うため、当初予定していた作風とは大きく変化してしまったことは容易に想像できる。

他にも前作『仮面ライダーV3』に登場した結城丈二/ライダーマンの復活劇が描かれ、そのままXライダーのサポート役になるという案もあったが、
こちらも山口暁氏のスケジュールの都合(既に『電人ザボーガー』で主役の大門豊を演じる事が決まっていた)により、実際の作品ではその役目を風見志郎/仮面ライダーV3が担う形になったという逸話も。
物語中盤以降、Xライダーにマーキュリー回路を装着させるのも本来なら科学者の結城が行うはずだったのだろう。

製作が見切り発車気味だったのか何なのか、テロップの表記と実際の内容が違うということが妙に多かった作品でもあり、EDで紹介されている主題歌の曲名がオープニング・エンディング共に両方とも間違っている他、
次回予告のナレーションで「怖い!ゴッドの化け猫作戦だ!」というサブタイトルを「怖い!ゴッドの化け猫作戦!」と読み上げていたり、「ゆうれい館で死人(しびと)が呼ぶ!」とフリガナが振ってあるにもかかわらず「死人(しにん)が呼ぶ」と読み上げていたり*1
挙句の果てには最終回で主人公が残した置き手紙で自分の名前の漢字が間違っているという有り様であり、特にこの最終回の表記ミスは伝説としてファンの間でたびたびネタにされる。


【あらすじ】

科学者である神啓太郎教授は、謎の組織GOD機関より組織への加入を迫られていた。
拒否した神教授をGODは報復として襲撃し、父親を助けようとした息子の神敬介は殺害されてしまう。
自らも瀕死の重傷を負い死を目前とするが、最愛の息子・敬介を深海開発用改造人間(カイゾーグ)技術を施し「仮面ライダーX」として復活させた。
そして敬介は父の意志を継ぎ、日本全滅を図るGODとの戦いを決意する。


【登場人物】

神 敬介(演:速水亮)
仮面ライダーXに変身する主人公でを心から愛する好青年。母は彼を産んだすぐ後に亡くなった為、厳格な父・神啓太郎の手で育てられた。

父、恋人、そしてその妹を失い苦悩する日々もあったが、仲間の支えもありGODと戦い抜く。


◎仮面ライダーX

神敬介が変身した姿で「Xライダー」とも呼ばれる。
「仮面ライダーX」の名は父から贈られた。
その他の詳細は項目参照。


□協力者

○神 啓太郎(演:田崎潤)
敬介の父で城北大学の教授にして、海洋科学と人間工学の世界的権威。
頑固な性格で敬介とは親子喧嘩が絶えなかったが、その心には息子への大きな愛情を宿していた。
……一方で息子に対するあまりのスパルタぶり(詳しくは1、2話参照)は特撮ファンの間で長らくツッコミ所となっており、アメトーーク!でもネタにされた。

演じた田崎潤氏は当時を知る人には有名な大物俳優であり、「30分番組に出演するような人物ではない」とスタッフが大騒ぎするほどだったらしい。
また、企画書や雑誌設定のみに留まったが、実は初代『仮面ライダー』の緑川博士と交友関係にあったとされている。
とすると、「仮面ライダー」の名を知っていたのは緑川ルリ子から本郷猛の話を聞いたためだろうか。


○水城涼子(演:美山尚子)
敬介の婚約者で神啓太郎の助手を務めていたがGODの一員となり、その際サイボーグ手術を受けている。
実はインターポールの秘密調査員で潜入捜査を行っていたが、GOD総司令による体内の自爆スイッチで死亡した。
最期まで敬介に想いを寄せていた。
中の人は降板後、本当に敬介の中の人と結婚した。


○水城霧子(演:美山尚子)
涼子にそっくりな謎の美女。
実は涼子の双子の妹でGODに潜入した姉に変わって敬介を影からサポートした。
8話でアトラスの矢から敬介を庇って絶命する。
中の人は姉の涼子と二役演じた。


○立花藤兵衛(演:小林昭二)
前作から引き続き登場。
デストロン壊滅後、元々の稼業の一つである喫茶店「COL」を新たに開業。
本人としては、デストロンが滅びた時点で既に戦いは終わったものだとすっかり思い込んでいたようで、そのせいか前作「V3」の頃よりもだいぶ呑気な性格になっていた。
敬介と出会った当初は彼をデストロンの残党ではないかと訝しんでいたが、彼の事情を知ったあとは自分の過去の遍歴を話し意気投合。
彼の良き理解者となり、再び頼もしい“おやっさん”へと戻ってゆく。


○チコ&マコ(演:早田みゆき/小坂チサ子)
今作の仮面ライダーガール。
城北大学の女子大生だったが、15話でGODの指令テープを誤って聞いてしまい命を狙われた。
危ない所を敬介に救われ二人揃って喫茶店「COL」のウェイトレスとなる。


□歴代ライダー

本編や劇場版に登場しXライダーと共闘した。
事前の児童誌などでは終盤で過去作ライダーが全員集結すると大々的に宣伝されていたのだが、藤岡弘、氏と山口氏のスケジュールの都合で結局本編にはV3と2号のみ登場。
V3はXの強化手術を施し、2号はRS装置の阻止に駆けつける等の活躍を見せる。
だが、最終回では直前に登場した2号とV3の姿はなく、Xライダーが単独で戦うことになり、5人ライダーが集結しての最終決戦は秋田書店の『冒険王』の記事でしか見られない形となった。
これに関して内田有作氏は「5人ライダー集結を示唆したかもしれないが、『最後は孤高のヒーローらしく終わらせないと』という苦悩や葛藤があったのでは」と推測している。

ちなみに、タイ版ではあのハヌマーンと共演した。
※リンク先参照。



GOD機関

デストロン壊滅後に現れた、世界の対立している某大国が水面下で手を握って組織した秘密結社
その目的は高度経済成長を遂げる日本が両大国の脅威となる前に潰すことであり、総司令の下で改造人間達が日本全滅を狙う。
詳しくは上記項目参照。


【主題歌】

どちらも水木一郎が初めてライダーの主題歌を歌い、後の仮面ライダーシリーズの主題歌を担当するようになった。


OP『セタップ!仮面ライダーX』

ED『俺はXカイゾーグ』


【ネット配信】

2012/1/30~5/27、2015/5/30~10/3に、2019/9/28〜にyoutubeの東映特撮公式チャンネルで配信。


また、2017/1/29よりニコニコ動画の東映特撮(ryで配信開始。本放送同様『V3』から引き続きの形となる。
毎週日曜10:00に最新話配信。例によって配信から72時間(この場合直後の水曜の9:59まで)のみ無料、それ以降は有料となる。

ニコニコにおける配信では毎週日曜日更新であったため、EDの「♪鉄より強い…」という一節を「月曜日強い」と言い換える替え歌ネタが当時流行った。


【余談】

本作で共演した速水氏と美山尚子氏は放送終了後に交際を始め、最終的に夫婦となった。

ガンバライド、ガンバライジングでは必殺技時のXの回転が凄まじい。

第2話のパニック戦、EDは当時建設途中だった武蔵野線の貨物支線、武蔵野南線の第一稲城トンネルと第二稲城トンネルの間の工事現場で撮影された*2


巨大な悪の組織GODに父と共に殺された神敬介は瀕死の父の手によって仮面ライダーXとして蘇った。その使命は世界の平和と正義を守るため敢然と謎のGOD機関を相手に戦うのである。






強くなれ敬介―…




「親父、見ていてくれ!」


大変身!!






「マーキュリー回路が作動しない!?」


「さすがに戦いが長引きすぎたか…」


「だが…俺にはまだ…」


「親父にもらったダイナモがある!」


セタップ!!







敬介
「望みとあれば、追記・修正しよう!」

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最終更新:2024年02月25日 22:00

*1 なお、次回予告の段階ではよく見ると「しひとが呼ぶ」になっていて濁点が付けられておらず、二重の意味で間違っている。

*2 1976年に開通した。通常は貨物列車しか走っていないが、たまに旅客臨時列車も走る。