バウンド・ドック

登録日:2009/05/29(金) 12:41:10
更新日:2023/03/10 Fri 07:29:37
所要時間:約 4 分で読めます






俺を戦いに駆り立てたのは貴様だ!
そんなこと言えるのかよ!



機動戦士Ζガンダム』に登場した機動兵器。
名前の由来は「猟犬」なのでそのまま訳せば本来は「ウンドドッ」なのだが、本機の名称は「ウンドドッ」である。
犬みたいな頭してるくらい紛らわしいのもあって間違えられやすい。




バウンド・ドック
BOUND-DOC

型式:NRX-055
頭頂高:27.3m
本体重量:87.2t
全備重量:129.4t
出力:2,260kw
総推力:145,800kg

武装

【機体解説】


ニュータイプ強化人間用に開発されたティターンズ可変試作モビルアーマー(TMA)
外見は犬耳(狐耳?)にフリルスカートという擬人化すれば、かなり「萌え」る機体。
マッシブな下半身に比べ上半身は非常に貧弱、見た目もか細くところどころ内部フレームむき出し、左右非対称なフォルムという異形の機体。
しかしこの機体はMA形態への変形が可能で、上半身をまるまる下半身内に折り畳み両足をクローとして展開しジオン公国の傑作MA「ビグロ」を彷彿させる姿になる。
が、実際のモデルは水中用MAの「グラブロ」。
このジオン公国軍のMAを代表するようなスマートでベーシックなフォルムによって、優れた防御力と加速能力を獲得した。


MS形態は、右腕は四本爪のクローアーム。左腕は拡散メガ粒子砲内蔵の手甲(シールド)を装備した五本指。
ちなみに、左腕はMA形態では上半身を格納したスリットをシールドで塞ぐ形で露出。
シールドの先端にモノアイがついており、頭部?の役割を果たす。拡散メガ粒子砲もそのまま使用可能である。
サイコミュと変形機構の採用により、機体性能が極めて高い。
劇中で特にNTとはされていないジェリドが扱えているため、オールドタイプでもある程度扱いきれる機体と思われるが、
操作系統にサイコミュ・システムが搭載されているため、機体性能を100%引き出すにはニュータイプか強化人間が操縦する必要がある。
なおサイコミュはジ・Oの様に機体制御のみに利用しており、オールレンジ攻撃兵器は搭載していない。
また、本機のサイコミュ・システムもサイコガンダムと同じく、パイロットが戦闘を感知すると自動で動き出し強制的に戦闘に参加させようとする。


  • 1号機(白黒)=ゲーツ機
  • 2号機(赤黒)=ロザミア機
  • 3号機(黄黒)=ジェリド機(劇中未登場)
の全3機が製作されている。

高性能機なのだが、MSとしては大型なので「小回り」が苦手な、かなり乗り手を選ぶ機体。
一方で、劇中ではビームライフルの直撃を平気で弾いて耐えているなど、驚くべき防御力を見せてもいる。

∀ガンダムにも登場する予定があったが諸事情でお蔵入りになり、やや似ているが別の機体であるムットゥーに変更された。

残念ながら、そのテの方々からは絶賛されている萌え機体だが、いまだにリアルスケールでの公式ガンプラ化されていなかった。
2020年9月にHGUCが可変もしっかり再現されて販売が決まった。アニメ放送から35年経過して待望の公式ガンプラ化である


一応、プライズ品では「完全変形版」として「ちっちゃい狐ちゃん」が出ているが、余りにもドマイナーな為にそもそも存在すら知られていない。



【劇中の活躍】


ロザミアの乗機として2号機、彼女がサイコガンダムMk-Ⅱに乗り換えてからはその随伴機としてゲーツの1号機が登場する。
ロザミア機はカミーユΖガンダムとも渡り合うが撃破には至らず。
ゲーツ機は前述のようにロザミアの随伴で出撃していたが、ロザミアの戦死で彼が錯乱しパイロットごとフェードアウト(そのまま死亡したという説あり)。
その後空いていたロザミア機には終盤でジェリドが搭乗、Zに挑むが激情に駆られていたカミーユに圧倒され、最終的に轟沈するラーデッシュの爆炎の中に消えた。

一貫して防御力の高さが目立ち、スカート部に百式のライフルが直撃しても傷一つ付かず、ジェリドの最期でもZのライフルの着弾による衝撃で押し出されはしたが目立った損傷はなかった。

劇場版にも登場するがロザミア関連の展開がカットされているためジェリドが乗って初登場しTV版同様ラーデッシュと運命を共にした。


【本編外の登場】


第17話「心の形」の回想内にて、マオの作製したSガンダムの対戦相手として登場。
ビーム・スマートガンが直撃し瞬殺された。

「GMの逆襲」ではガンプラマフィアの一員となった元チームネメシスのガウェイン・オークリーの機体が登場。
形は通常のままだが表面に高価なダイヤモンドコーティングが施され装甲は金色になっており、ガンダムフェニーチェリナーシタのバスターライフルすら弾く防御力を獲得している。
しかしフェリーニからは「イカれた配色」と言いきられてしまった。
しかもフレームやスカート裏まではコーティングされていないため、そこを突かれて呆気なく撃破された。


第4話「傷ついた翼」にて、拠点制圧戦の予行練習として挑んだGBNの通常ミッションに防衛MSとして登場。
アースリィガンダムのビームが直撃してもダメージを受けないほど装甲が強化されており、カザミとパルがから回っていたこともあって善戦する。
最後はウォドムポッドの膝蹴りで頭部を潰されて大破した。


【派生機】


  • アモン・ドッグ
機動戦士ゼータガンダム1/2」に登場。
二機のバウンド・ドックを上下対称に配置し、スカート部分で接続した異様なフォルムを持つ。
搭載されたサイコミュで戦場に漂う死者の想いを拾い、システムに連動したパイロットのナビゲーションに用いる機能を有しており、バウンド・ドックをベースにニュータイプ専用機として開発、完成した機体と目されているが真実は不明。
都合四門のメガ粒子砲と分厚い装甲、システムによる敵機の動きの先読みによる総合的な戦闘力は極めて高く、仮に参戦していればエゥーゴティターンズの決戦の行方は違ったものになっていた可能性が高い。
「アモン・ドック」ではなく「アモン・ドッ」。この作品ではバウンド・ドックも「バウンド・ドッ」と表記されているが、誤字か意図した表記かは不明。

  • サンドー・ドック
機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST」に登場。
バウンド・ドックの改造機……ではなく、バウンド・ドックの構造を真似て作られたミキシング機。
ぱっと見はそれっぽいが、右腕にサンドージュがほぼ丸ごと取り付けられており、さらにMA形態時はクワガタの様な姿になる。
MA形態では敵MSの捕縛を得意とし、攻撃担当のガブレロとの息の合ったコンビネーションで戦う。


ゲーム作品】


コストは350。機体本体の性能は劣悪の一言だが、威力以外トップクラスのメイン射撃と極めて優秀なステップを持つ。
擬似タイマンかつ至近距離戦に持ち込めばバウンドドックの独壇場と言える程有利な状況を作ることができるので、ステップと変形でなんとか距離を詰めその状況に持ち込むことが最大にしてほぼ唯一の勝ち筋。

上記のパターンに持ち込めず真っ当な戦いに終始してしまうと素の性能の低さゆえにまず勝ち目はない。
また、相方になるコスト225帯の機体に強い機体がいなかったこともネック。
総合的には中堅程度といったところ。


運動性も高く、耐久力、防御力も優れているのに
「サイコミュ搭載機のクセにオールレンジウェポンが無い」
「格闘武器の回数が少なく、盾持ち相手には意外にダメージが伸びない」
という悲しい理由で図鑑要員行きな不遇の扱い。つまり火力不足。開発してオクラ行き……
頑張ればオールドタイプ達に好かれる機体なのだが、コストが高すぎる。

脅威無印だと地上ならギャプラン使った方がマシだし、宇宙なら鬼畜イカMS(ハンブラビ)がいらっしゃるので、出番は無い。

脅威VはVのほうでガンダムMk-Ⅴという攻防に優れオールレンジ武器を持ち殲滅能力が高い機体があるという悲しい現実が突きつけられる。


最初期には近接武器が存在していたが、ある時期から没収されてしまう。
図鑑には「サーベルやクローで格闘する」と書いてあるのに、ゲーム中には近接武器が全く存在しないという謎仕様になっており、死角だらけの武器射程はファンを悲しませた。

しかし、Gジェネレーションウォーズでサーベルとクローを再搭載。
思う存分、まとわりつく雑魚を掃除できるようになった。
ジェネシスでは拡散メガ粒子砲が対大型特性と射程の改善で強化されたが、MA形態からクローが没収されてしまった。


原作よりも長期間生き延びたライラやカクリコン、マウアーが搭乗する場合もある。
本体は原作を反映してかスーパーロボット並に頑丈だが、武器は全体的にしょぼいのが通例。
特にビームライフル以外が短射程の武器ばかりのため、自軍によって射程外からボコボコにされるだけの的になることが多い。


前述のムットゥーの代用なのか、ヒストリーミッション(原作再現ミッション)の∀編でやたら出てくる。


  • ガンダムVSシリーズ
機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ON
ジェリド搭乗機が久しぶりにVSシリーズ登場。コスト2500。2017年1月解禁。
サブ射撃および特殊射撃の拡散メガ粒子砲は引っ掛け性能が高くここから繋げるコンボで仕留めやすい。
格闘も蹴り上げや右腕のクロー掴みなどで安定したダメージを出しやすく接近戦での不安は無い。
しかし射撃武装の弾数はどれも少なく外した時のリカバリー要素に困り、押し付けられる武装という点ではやや少ないと感じる。

参戦PVでは最後は勝利ポーズと勝利台詞で締めるのが通例の中、「カミーユ、貴様は俺の…」させられて敗北シーンで締めとなった。
…が、むしろ分かってる対応扱いされた。ジェリドだから仕方ない。
地味だが変形モーションはあの複雑さをしっかり再現しており、下方から覗くと変に折り畳まれた上半身がしっかり収納されている。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2では以前のサブ射撃が射撃CSに変更され、サブ射撃には新しくハイザック呼出が追加された。
火力と落下テクで増強が図られたが瞬間火力では未だ低性能で、ダメージレースでは追い付けないため評価が低い。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでは再度調整されて登場。
特に後特殊射撃に拡散メガ粒子砲(集弾照射)が追加。拡散の集弾照射というチグハグな名称に混乱したユーザーも多いが、要するに普通の照射ゲロビ。
後に強化対象となり調整がされたが、変形特殊格闘の変形解除などがむしろ弱体化されたなどの声がある。

Nサブ射撃に新規のアシスト攻撃、旧後格闘が前格闘へ、旧前格闘が格闘前派生に移行するなど順当な強化が入る。
中でも、新規下格闘のビームサーベル投擲と横特殊格闘の回り込み殴打がバウンド・ドックの評価を地の底から引っ張り上げた。実直な格闘しか持たないバウンド・ドックはその巨躯も相まって被弾リスクが著しく高かったのだが、この回り込み攻撃で三次元的な挙動で立ち回る事ができるようになったのだ。
更に下格闘のビームサーベル投擲は弾数無限のスタン属性で、つまり引っ掛かりさえすれば追撃チャンスを狙える。
また地味だが変形中特殊格闘の変形解除がしっかり元に戻っている。やはり運営も思うところがあったのだろうか。

2024年2月には強化が入り、特殊格闘の殴り回数が増え、変形下格闘のフックがスーパーアーマー状態となって強引なぶん殴りマシーンと化した
覚醒中限定でハイザック・カスタムがメガ・バズーカ・ランチャーを発射したりと爆発力もグンと伸びるようになった。

SDガンダムシリーズでの扱い

特異な見た目のせいでだいたい色物キャラ。

  • SD戦国伝
璽悪(ジ・O)率いる「巨忍軍団」のナンバー2。忍法カブト隠れなる技を用いて巨大な兜に変形。
こんな不自然な姿でどうやって隠れるのか……と思いきや農丸はあっさり騙された。
ちなみに名前の当て字は弾犬。シリーズでもトップクラスに無理矢理な読み方である。

堕悪闇軍団の一員、堕悪罵雲怒犬(ダークバウンドドッグ)として登場。MA形態に変形して放つ強力なエネルギー砲が持ち味。
相棒の堕悪憎櫓圧斗(ダークゾロアット)と共に東京のサンシャイン60噴水広場に現れ、エネルギーを感知して待ち伏せていたトッキーや偶然居合わせた武ちゃ丸と交戦。
トラウマ故に力を振るう事ができない斗機丸を相手に余裕を見せていたが、武ちゃ丸の捨て身の行動とシンヤの言葉でトラウマを克服した斗機丸には敵わず、「そおろもーん!!」の断末魔と共に敗北した。

珍しく変な属性こそ付いていないが逆に言えば普通の三下であり、ブサイクなカニロボットと融合してゾロゾーロになった相方の方がまだキャラが立っていた。
まあトッキーがカッコいいので良しとしよう。

  • SDガンダム外伝
ジークジオン編ではモンスターとして登場。MS形態とMA形態で別キャラ扱い。
前者はの獣人モンスター「バウンドウルフ」と分かりやすいアレンジだが、後者はまさかのトラップモンスター「バウンドミミック」。
こいつがいるせいで、スダ・ドアカ・ワールドはバウンド・ドックMA形態そっくりの宝箱が大量に存在するという突き抜けたセンスの世界になってしまった。
またザビロニア帝国にはジェリド機カラーの「騎士バウンドドック」とゲーツ機カラーの「魔術師バウンドドック」、ネオジオン族にはロザミア機カラーの「闘士バウンドドック」がいる。

  • 元祖!SDガンダム
連載当時、人気を博していた刑事ドラマ「あぶない刑事」ネタで浅野温子が演じていた真山薫役に。
舘ひろし/タカ役のヘビーガンダムと柴田恭兵/ユージ役の百式からは「おえええ」とドン引きしていた模様……。

ガンダムMk-II兄弟の三男「ガン三郎」の飼っているペットの
普段はMA形態(小型犬)だが、MS形態(こちらは原作通りMk-IIより大きい)にも変形できる。
犬らしくワンワンと吠えるがたまに「オニイチャン」と鳴く。
同じ犬のバクゥとは仲良し。MS形態でバクゥのさんぽにも行ける。

HGUC発売までは唯一だった「バウンド・ドックのガンプラ」。
BB戦士としてはロザミア機が発売。
差し換えで変形可能な上に武器も全部付属しており、あの独特な体形を非常に上手くSD化させている初期BB戦士の傑作キットの一つ。難点はライフルとサーベルは何故か右手のクローアームにしか持てないことと、脚部が変形しないためMA形態がクリボーみたいになっていること。
この他にミニサイズのMA形態マスコットが付属しており、MA形態で余る上半身をそちらと合体させることも可能。

後にGジェネシリーズとして色替え+新規パーツ(MA形態用クローアーム)でゲーツ機も発売された。


【立体化】

HGUCも200番も超え、更に『Ζガンダム』シリーズの機体もほぼ出揃ってなお発売されていなかったが、2020年9月にようやく発売。
機体サイズからパッケージは並のHGサイズを凌駕しており、内部フレームまで再現した高密度のMGガンダム・バルバトスと同格の大きさにして厚みはこちらが勝っている。
頭部と頸部の小さな黄色以外はほぼ成型色で再現されており、付属シールもそれとモノアイシールだけと非常に少ない。
MAへの変形は背部スカート部分を開いて上半身をスカート内部に入れ込む機構が追加されており、左手首パーツを外す以外は差し替え無しの変形を成し遂げている。

過去にはMS in Actionシリーズでも立体化。
スカート内部の造形があまりにも高く、右手のクローアームでビームライフルやビームサーベルの保持が可能。
こちらは差し替え無しの完全変形を謳っているのだが、説明書のままに変形させようとすると頭部アンテナなどを損傷する恐れがあるため、スカートなどを一旦取り外すのが推奨されている。




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最終更新:2023年03月10日 07:29