サイコガンダムMk-Ⅱ

登録日:2011/12/09(金) 23:00:14
更新日:2024/04/10 Wed 07:57:45
所要時間:約 7 分で読めます





「どこなの・・・お兄ちゃん・・・!?」


サイコガンダムMk-Ⅱとは『機動戦士Ζガンダム』及び『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場したモビルアーマーである。

Mk-Ⅱのバリエーションについてはサイコガンダムのバリエーションを参照。



緒元


型式番号:MRX-010
全高:39.98m
重量:187.8t
出力:19,760kW
推力:244,240kg
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:
メガ粒子砲×20
腹部拡散メガ粒子砲×3
頭部メガ粒子砲×2
リフレクタービット
腕部内装型サイコミュ式ビームソード×2
指部ビーム砲×10
シールド

搭乗者
ロザミア・バダム
プルツー

■概要

サイコガンダムMk-Ⅱはキリマンジャロにてバイアランによって撃破された大型MAサイコガンダム2号機の残骸をベースに改修された機体である。
そのため機体サイズもMS形態には40m級の大型機となった(ただし全高はサイコより僅かに低い)。
カラーリングは落ち着いた黒から毒々しい紫色へと変更されており、頭部のデザインも「ガンダム」とは思えないほど禍々しく凶悪な面構えに変貌している。

開発はサイコガンダムと同じく日本のムラサメ研究所が担当しており、実験的要素が多かったサイコガンダムの問題点を改善。
有線式サイコミュハンドを始めサイコミュ系の攻撃兵装や格闘用のビームソードの追加など、原型機で既に脅威的だった武装も大幅に強化されておりグリプス戦役期のMS・MAの中でも非常に高い火力を有する。
宇宙空間でも運用するためにサイコガンダムと比較して出力は低下しているが、その代わりに推力が大幅に上昇している。
コクピットのある頭部は脱出ポッドとしての飛行機能もあり、機体が撃破された際も単独で戦闘宙域から離脱することが可能である。

サイコガンダムのようにモビルフォートレス形態への変形機構があるが、Ζガンダム本編ではミノフスキークラフト発生装置を搭載したシールドの調整が間に合わなかったため、終始MS形態のままであった。
続編のガンダムΖΖではネオ・ジオン軍によって機体の修復と同時にシールドも完成されておりモビルフォートレス形態を披露している。

本機も強化人間の搭乗を前提とした兵器であり、強化人間をパーツの一部として扱うシステムもサイコガンダムからそのまま受け継がれており、機体の改修強化によってその機能も大幅に増加している。
また、以前に搭乗していた人間の残留思念が残るようでΖガンダムではカミーユがサイコガンダムMk-Ⅱからフォウ・ムラサメの思念を感じとり、ガンダムΖΖではプルツーが機体に不快感を示している。

本機の開発はムラサメ研究所であるがパイロットである強化人間はムラサメ研究所にはストックがなく、オーガスタ研究所の強化人間であるロザミア・バダムが搭乗している。

ガンダムの名を冠しているものの顔は元祖ともΖ顔とも違う 完全な悪役顔
本機のデザインを担当した藤田一巳氏曰く、自身のガンダムへの怨念を込めてデザインした顔とのこと。
後に登場するガンダム試作2号機アルケーガンダム等のいわゆる悪者顔ガンダムの走りと言えるかもしれない。


■武装

  • メガ粒子砲
肩、腰、膝などの全身に内蔵されたメガ粒子砲。
リフレクタービットとの併用によって大型の機体ながら死角はない。


  • 腹部拡散メガ粒子砲
腹部に内蔵された拡散メガ粒子砲。
サイコガンダム同様三連式となっている。
収束して撃つ事も可能。


  • 頭部メガ粒子砲
頭部の額に内蔵されたメガ粒子砲。
他に比べ口径は小さいもののこれにより頭部分離時でも最低限の攻撃能力を持つ。


  • リフレクタービット
作中ではレフ・ビットと呼称。
本機で初めて装備された兵器で、非使用時にはバックパック内部に格納され、必要に応じてバックパック上部から展開される。
本機や敵機から発射されたビームを反射して任意の標的に攻撃することが可能。
シールドと同じくΖ本編で初登場した際には使われておらず、ΖΖで再登場した際に使われている。
大気圏内でも十分に運用可能。


  • 腕部内装型サイコミュ式ビームソード
有線式で射出することが可能な腕部「有線式サイコミュハンド」に内装された大型ビームソード。
使用時には手首を90度回転させ、発振器部を露出させた腕部で攻撃する他、有線式サイコミュハンドで射出する事で離れた敵機をも斬撃できる。
なお、本編では有線式サイコミュハンドを用いない形で使用されているがサイズがサイズなのでほぼ大型メガ粒子砲のような使われ方をしており、ビームソードとしてはまともに使われていない。


  • 指部ビーム砲
両腕の指に内蔵されたビーム砲。
有線式サイコミュハンドとの併用でジオングのように攻撃できるとされるが本編で併用されたことはない。


MS形態では左腕、フォートレス形態では機体左右側面に装着される。
構造や機能などはサイコガンダムのものと大差無いがこちらは板状でより角ばった形状となっている。
前述の通りミノフスキークラフトを搭載しているため変形に不可欠。


■劇中の活躍

Ζガンダム劇中では強化人間のロザミア・バダムが搭乗。
再度の刷り込みによってゲーツ・キャパ(cvジュドー)を兄と認識しており、彼の指示にのみ従うようになっていた。
月のグラナダへ落下しようとしているアクシズを止めるために作業中だったアーガマを襲撃する。
出撃したカミーユのΖガンダムと交戦するがカミーユはサイコガンダムMk-Ⅱからフォウの思念を感じ取っていたため、攻撃することなくアクシズ内部に逃げる。

Ζガンダムを追ってアクシズ内部に侵入しようとするが、アクシズのハッチに左足を挟まれて動けなくなってしまう。
ロザミアは機体を降りてアクシズ内部の市街地でカミーユとファに邂逅する。
しかし、精神状態が不安定なロザミアは混乱、機体に戻ると自ら左足を破壊して無理やりアクシズから脱出する。

カミーユは自分を兄と思い込んでいた穏やかな頃のロザミィに戻るよう必死の説得を繰り返すも振り切られる。
存在しない兄を探し求めてビームを乱射して周囲を破壊しながら進むサイコガンダムMk-Ⅱだったが、アーガマへの被害を怖れたカミーユによって頭部のコクピットを狙撃されて機体は爆発、ロザミアは死亡する。
この時のカミーユの悲痛な叫びとロザミアの下記のセリフはZガンダム屈指の鬱シーンとして名高い。


「見つけた!お兄ちゃん!」


小説版では精神的に壊れ始めていたカミーユに母親の間男として認識されるという狂気の展開が描かれる。
最終的にゲーツの搭乗するバウンド・ドックの攻撃からΖガンダム及びカミーユを庇うためにロザミアが動いたことで相討ちの形で爆散した。


ガンダムΖΖでは中破してアクシズ周辺を漂っていた本機をネオ・ジオンが密かに回収、修理して自軍の戦力にしていた。
ダブリンへのコロニー落とし直後の混乱した状況の中、プルツーの操縦するサイコガンダムMk-Ⅱはアーガマを襲撃する。
迎撃に出たプルの中破したキュベレイMk-Ⅱ、駆けつけたジュドーΖΖガンダムと交戦するが二人を圧倒する。


「サイコガンダムの前には赤子も同然だな、ダブルゼータ!」


長時間の戦闘によりエネルギーの尽きかけたΖΖを追い込むがプルの特攻により小破する。
しかし、全身の装甲が剥がれ落ちてもなお健在でありΖΖに攻撃を仕掛けようとするがプルの死を嘲笑うプルツーに怒りを爆発させたジュドーの力によりハイパー化し巨大化したΖΖのビームサーベルにより機体は両断、プルツーは頭部の脱出ポッドで逃亡する。
サイコMk-Ⅱのアニメでの出番はここで終了となるが本機のデータはクィン・マンサドーベン・ウルフの開発に活かされる事となる。


漫画『機動戦士ガンダムUC0094 アクロス・ザ・スカイ』にてナイトロシステムを搭載した機体がサイコガンダムと共に登場。ナイトロシステムによって暴れるように攻撃を開始するのだが、最終的にガンダムデルタカイが放つ最大出力のハイメガキャノンによって脱出装置ごと頭部を蒸発させられて沈黙した。

ゲーム『U.C.ENGAGE』では『Z』48話と同じ時間軸のアニメパートに完全新規作画で登場。ついでに会話パートでは劇場版風作画のゲーツもちらっと見られるぞ!
…なのだがドゴス・ギアとやられた順番が逆になっており*1、ロザミアのノーマルスーツのラインの色も違う。
サイコMk-IIを狙うZの構図は原作と同じなので原作を見ているはずなのだが…


ガンプラ

放送当時に発売されたが、そのサイズ故か1/300という小スケールでの発売となった。
サイコガンダムのHGUC(1/144)でのキット化により、この機体のHG化も期待がもたれるが……
2023年末に発売されたティフォエウスガンダム・キメラのクタン双竜型にはサイコガンダムMk-Ⅱの腕が使用されており、ランナータグにも「HG 1/144 サイコガンダムMk-Ⅱ」と印字されているためそのうち発売されるのではと見られている。
(つまり現状は腕とリフレクタービットだけHG化している状態)

なお、プラモではないがユニバーサルユニットという完成品フィギュアは存在する。
付属する台座を組み替えると巨大な斧(通称サイコアックス)に変形するというギミックがある。


ゲームでの活躍

第2次スパロボから初参戦。
味方として使えるのは第2次のみで、基本的に敵専用ユニットとして登場している。リフレクタービット*2によって虐められたプレイヤーも多い事だろう。
主なパイロットは原作でのロザミアやプルツーだが、作品によってはフォウや雑兵が搭乗している事も。
APではビームソードの発振器からビーム砲を撃つなど、器用さに磨きがかかっている(指部のビーム砲は飾りか)。


初代からの常連。サイコガンダムから開発可能。
燃費が悪いのは変わらずだが、近接用のビームソードや覚醒武器のリフレクタービット等、武装が大幅に増加し使いやすくなっている。
しかし、ビームソードはMP消費。
ここから開発できるMk-Ⅲよりもこのまま使った方がよくね?という声も(もちろんMk-Ⅲも優秀な機体である)。


第3作ガンダムバトルクロニクルから登場。紫の巨人。
射撃武装は威力こそ高いが全く当たらないので基本的にいらない子。
ただし対艦、対大型MAでは至近距離で撃つととんでもないダメージが入る。
主力は格闘による巨大ビームソード。驚異的なリーチと威力を誇り、並のMSは一撃で昇天する。
チャージ格闘で発動する乱舞は更に強力で、一瞬で敵の群れを殲滅することができる。
メイン2のメガ粒子砲はMS形態時には正面に撃てない欠陥品、MA時に連射が可能だがどちらの形態でも殆ど当たらない。
両形態でチャージ攻撃することで反射させて攻撃可能。
SPAはただの一斉射撃かと思ったら、最後にビームソードが飛んでくる。非常に高威力かつホーミングするため、一定範囲内にいると確実に殺される。

  • VSシリーズ
『エゥーゴvsティターンズDX』
コスト375として登場。
同作のサイコと同じく変形中はIフィールドでビーム無効。
サイコに似ているがリフレクタービットの追加と格闘が異なることがあり、使用感はかなり違う。
変形中は性能がいまいちのメイン射撃しかできないサイコと違いこちらはリフレクタービットが使えるので、ビーム持ちに対して延々変形して戦い続けることもできなくもない。
対戦でまともに使えないという立ち位置はサイコガンダムと同じである。

ボスとしてはロザミィやプルツーのみならず、ララァやカミーユが乗ってくることもある。

機動戦士ガンダム Extreme vs.
家庭用版で登場。
前作のサイコと異なり、かなりの機動力でステージを動き回る。
スライディングはかなりの伸びで、その他の格闘もそこそこ伸びる。
また、銃口補正や誘導ではなく、範囲で当てるタイプの武装が多いため、盾が有効。
ロザミア機とプルツー機があり、ロザミアは常時MS形態、プルツーはMAとMSを織り交ぜてくるとそれぞれ違いがある。

ロザミアはプレイヤーがカミーユだとロザミィになる。
声優は劇場版と同じく浅川悠女史なので、一部のファン念願の浅川ボイスの「お兄ちゃん」が聴ける。

『EXTREME VS. FULL BOOST』からはアーケード版にも登場し、以降『EXTREME VS. MAXI BOOST ON』まで続投した。

  • ガンダム無双シリーズ
サイコガンダム同様2、3ではNPC、真でプレイアブル機として参戦。
ほとんどサイコと同じだが、ビームソードがあるためリーチが若干長く近づき過ぎると薙ぎ払いで吹っ飛ばされるので注意が必要。


「アクシズの驚異」から登場。サイコガンダム譲りの高耐久・高火力機体。
元が強いだけあって、Mk-Ⅱも一級品の機体となっている。
原作で運用していたティータンズ・アクシズでのみ開発プランが提案される。
サイコガンダムも「改造」でMk-Ⅱに更新できるので、残しておいて損はない。

強力な射撃に加えて、MS形態ではファンネル扱いである有線ビーム砲が追加。
殲滅力が向上しており、NTや強化人間を乗せれば向かうところ敵なし。
MA形態での空適正も△から○に上昇。飛行要塞としての活躍が見込める。
システム的に難しいのか、リフレクタービットや頭部脱出は再現されていない。
何故かビーム・ソードが搭載されておらず、格闘ではぶん殴る。

「アクシズの驚異」では、サイコガンダムにあったIフィールドが消滅
火力は高いが、脆さが目立つリスキーな機体として初登場した。
バージョンアップ版の「アクシズの驚異V」では、Iフィールドも追加されている。

アクシズでは、本機の生産の有無によってイベントが分岐する。
グレミーが地上に降りたアーガマ隊(ガンダム・チーム)討伐を進言するのだが、ここで開発が終わっていると…
IF展開として、原作よりも早くサイコガンダムMk-Ⅱが活躍した事になり、プル・プルツーと共に活躍。
見事アーガマ隊を討ち取り、経験値を取得しながらグレミー一同が帰還する。

逆に、生産できてないタイミングでアーガマ隊討伐を行わせると原作通りの展開に。
イベント完走、アラインメントで加入するデザート・ロンメルと部下2名、青の部隊、
アクシズに元から所属しているオウギュスト、アリアス、ダナの総勢9名が死亡してしまう。
プルもエゥーゴに移ってしまう為、開発できてないならグレミーには諦めてもらう。



「項目を追記、修正すればいいのだろう?」
「体慣らしには丁度良い」

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最終更新:2024年04月10日 07:57

*1 原作ではサイコMk-II撃墜後ロザミアの死を感じ取ったゲーツのバウンド・ドックの拘束を払ったパラス・アテネの攻撃でドゴス・ギアが轟沈している

*2 一部作品では「レフレクタービット」表記。