今泉慎太郎

登録日:2009/12/29(火) 19:19:52
更新日:2024/04/10 Wed 18:41:33
所要時間:約 4 分で読めます




今泉慎太郎はドラマ『古畑任三郎』に登場する刑事。
役者は西村雅彦(現:西村まさ彦)。


警視庁刑事部捜査一課刑事で主人公の古畑の部下。階級は巡査。
『しゃべりすぎた男』まではアパートで独り暮らしをしていたが、後に祖母と2人暮らしとなる。
「おしゃまんべ」という名前の猫を飼っている。


古畑とは頻繁にコンビを組む仲であるが、極端に無能で容疑者の逆鱗によく触れる。
第1シーズンでは古畑にからかわれたり、こき使われることはあるがそれ以外では普通な「少し頼りないが一般的な刑事」といった感じであった。
…のだが、続く第2シーズンでは慌て者、調子者な間の抜けた一面が強調され始め、回を追うごとに知能が低下していく。

そのため古畑からは今泉の殺人容疑の裁判の席で「刑事として最低」「役に立ったことなど一度もない」などと言われ、
後輩の西園寺からも「あんなに役に立たない人がいるとは思わなかった」と言われ、
大学の同窓生からは「単細胞なやっちゃなあ」と罵られ、挙句の果てには殺人まで擦り付けられたりも。
犯人の一人は古畑に対して「アンタの部下(今泉)最低だな」と酷評し、脚本家の三谷すら「史上最低のワトソン」と踏んだり蹴ったりの評価をしている。
実際三谷氏はキャラ人気が出る以前、殺そうかと思っていたと明かしており、彼が執筆したノベライズ版では登場しない(三谷氏曰く「視点を犯人側にした結果今泉が出る必要が無くなった」。一度それらしき人物は登場するが、明言されていない)
そのためか、第3シーズンでは(西園寺の登場も手伝って)あからさまに古畑の今泉に対する扱いが悪くなっている。


また、古畑は事件解決後に自宅で鍋パーティーを行うが、今泉は呼ばれないらしい。


だが人柄そのものは信頼されており、古畑も裁判で前述の酷評を下した後に
「今泉に人を殺せる筈がない」と弁護したり、
「友人の人生が掛かっている」と言い、普段は犯人だと確証の無い人物を容疑者扱いしない彼が、この時ばかりは疑わしい人物に「私は貴方が殺したと思っている」と宣言した程。
今泉が痔で入院した時も毎日のようにお見舞いに行き、きっと助かると励ましたりしている
西園寺も「今泉さんは頭脳は足りないが嘘をつく人ではない」と言っている。
しかし一度あまりに古畑に冷遇される余り、古畑の殺害計画を立てたことがある。
それとは全く関係なくうっかり古畑をガチで殺しかけたこともある。第3シーズンで古畑が今泉をこれまで以上に冷遇したのはほぼ間違いなくこれが原因だろう。*1


ちなみに古畑は「役に立ったことなど一度もない」と評したが、彼の頓珍漢な言動や奇行が事件解決のヒントになったり、
彼が被害者と知り合いになっていたがために完全犯罪が露見したりと意外に役立っている。
(一度は古畑もお手柄と認めた。また、西園寺も「古畑さんがあなたを手放さない理由が分かりました」と認めたほど)
趣味は多岐に渡り、クラリネット演奏(才能無し)、フラワーアレンジメント(才能無し)、将棋、骨董品、手品、ビリヤード、ボウリングなど多種多様である。

ただ、将棋やビリヤードといったゲームの類は古畑よりも強いが、他の趣味(特に芸術系)の腕前は素人同然で、
フラワーアレンジメントに至っては(犯人の策略とは言え)発表会に出て、グダグダな演技を披露した上に寒い駄洒落まで発し「スクールの恥」とまで称された。
(だが結果的に彼のこの奇行が犯人の嘘を突き崩す決定的証拠になった)

幸薄い男でもあり、過去に二度も自律神経失調症により休職したり、痔で入院したり、走りすぎで病院送りになったり、雨の降る中長時間立たされて風邪を引いたり、観覧車に乗ったら時限爆弾が仕掛けられており解体作業をさせられたり*2、大学時代の友人に好きだった女性を殺された挙句に殺人の罪を擦り付けられそうになったり、オークションで落札した125万の仏像を即日古畑によって(故意ではないとはいえ)破壊されたりしている(かなり出来の悪い代物だった)。
ただし、福引きや景品で海外旅行を何回も当てたりとくじ運は強い。当てた旅行先でたいてい事件に巻き込まれるが。
さらに基本的に女運は最悪。女性で今泉と懇意になる=死亡フラグである。一人だけそれを覆したヤツがいるけど(とは言え殺された女性はかなり問題のある行動をしているため、「悪女に引っかかる女運のない男」とも言える)。

また同期は皆警部に昇進しているのにいまだに巡査である事にコンプレックスを抱き、辞職も考えた事もある。ちなに、日本の警察制度では何も問題を起こさなければ採用後2〜6年で巡査長になる(実質巡査と同格であるが)ため、40代半ばの今泉が巡査のままというのはありえない。……何かやらかしたのだろうか。
また、昇任試験を受けて順調に合格していけば言い方は悪いが全く役に立たない人間でも警部にはなれる(警視以上は推薦やら何やらが必要なため誰でもなれるわけではない)。

一応警視総監を狙っていることを着々とその道を歩んでることを向島音吉に明かしたことがあるが絶対無理。
(なお、警視総監にはキャリア組しかなれない。今泉が古畑以上の優秀な警察官であったとしても、彼の場合採用段階から無理)

この西村氏の怪演とも言うべき演技を堪能したいならスピンオフ『巡査・今泉慎太郎』をご視聴することをお勧めする。
『古畑任三郎』の第二シーズンの事件解決直後の話。
古畑殺害計画を今は亡き伊藤俊人演じる桑原技官相手に打ち明け、共にコントを繰り広げる。
ちなみに第1シーズン最終話において桑原に古畑への恨み言をこぼしており、桑原から冗談で渡されたら毒薬の粉末を咳をして撒き散らかすなど、第2シーズン及び『巡査』での片鱗を僅かに見せている。

ちなみにこの『今泉』では無実を証明してくれた古畑に対して『スタンドプレーが過ぎる』など凄まじい(笑)暴言を言った。


更に余談だが、構想当初は真面目な今泉と変人の古畑という組み合わせを考えていたらしい。*3
放送初期では今泉は「頼りないが一般的な刑事」として描かれていたのはその名残と言える。
また、三谷氏曰く没シナリオとして「西村氏演じるクールな犯人」と対決する回があったんだとか。


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最終更新:2024年04月10日 18:41

*1 西園寺の手引きで今泉と再会した際にあからさまに嫌そうな顔していた辺り、二度と会いたくないとすら思っていた可能性も。

*2 これに関しては事件の捜査中にも関わらず勝手に遊んでいた今泉のせいでもあるが

*3 この「型破りな田村正和」「常識人の西村まさ彦」の組み合わせは後に『総理と呼ばないで』で実現する。