機動武闘外伝ガンダムファイト7th

登録日:2011/05/05 Thu 03:12:18
更新日:2024/03/27 Wed 03:59:25
所要時間:約 8 分で読めます





「機動武闘外伝ガンダムファイト7th」は機動武闘伝Gガンダムの外伝漫画。著者はおとといきたろう。
本編にも登場したシャッフル同盟の面々の若き日の活躍を描く。コミックボンボン増刊号に掲載された作品で、全一巻。

【概要】

過去エピソードという扱いで、本編のスタッフも携わっている作品。特にMFのデザインに大河原邦男、キャラクターのデザインに逢坂浩司を採用しているのは大きい。
…なのだが、本作はその成立経緯として「Gガンダムの人気に押された急拵えの後付作品」という立ち位置がある。
要するにGガンダムが子供の間で人気だったが、様々な事情から直接的な続編TVシリーズが作られなかったことから、過去の設定を拾って一つのお話にしたのがこの漫画である。

本作は本編のキャラデザを一部協力という形で担当した島本和彦やコミックボンボンで本編のコミカライズ版を連載したときた洸一が連載を依頼されていたのだが、2人とも多忙のため断らずを得ず*1、島本のアシスタントであったおとといきたろうが担当する事になったという経緯がある。

増刊号という微妙な掲載誌だったこともあって人気も伸び悩み、長期連載には至らず、プラモデル化も考えられていたがご破談となった。
ただGジェネなどのゲームでネタが拾われたり公式のMS大全集にも機体の画像が収録されているため、一応ほとんど公式扱いの作品でもある。


【あらすじ】

FC32年、地球をリングに宇宙の覇権をかけて、第七回ガンダムファイトが始まった。
ネオジャパンから出場するのは最新のMFヤマトガンダム。Gファイターは、東方流拳法の達人、シュウジ・クロスだ!!


【用語】

  • アブドメンビーム
これを受けた機体はレアメタル性の強化装鋼がバルカンで破壊される程脆くなる。
更に動力システムにも異常を起こさせるため、このビームを持つ機体は他の機体に対して絶対的優位に立てるというチート兵器。
持ったもん勝ちといえるため、ガンダムファイトの意義そのものを無意味にする恐るべき超兵器。
abdomen=腹部だが、腹以外に付けた機体も存在する。
なお諸々の描写から、 ガンダムファイターの必殺技で押し返したり切り裂いたりできる 様子。

  • カオス
第七回大会を裏から操ろうとしていた謎の組織。親玉の名はカオス。
自分の名前を組織の名前にするとか……。

息のかかった国にカオス・システム(多分アブドメンビームを使うためのシステム)を提供し世界征服を目論む。



【ネオジャパン】

GF:シュウジ・クロス

後の東方不敗マスター・アジア。28年で老けましたね師匠……。
本編と違い得意の布術は一切使わない。
強者との闘いを喜びとし、魂のこもらぬ攻撃にはけして屈しない正統派GF。
ウォルフに自身の未熟を指摘された後はギアナ高地で修行し流派東方不敗を完成させる。
カオス撃破後、動力が停止し落下を始めたコロニーを救いに向かい決勝不参加となる。


MF:GF7-013NJヤマトガンダム

武装
●バルカン砲×2
●ビーム・ソード×2

必殺技
●超級覇王雷撃弾
全身で回転しながら放つアッパー。

●超級覇王日輪弾
初期の奥義。掌から莫大なエネルギーを放つ。ウォルフにはあっさり防がれた。

●灼熱サンシャインフィンガー
修行後に使用。この時シュウジの右手にはキング・オブ・ハートの紋章が輝く。

●石破天驚拳
最終奥義。カオスを宇宙まで吹き飛ばした。

「俺のこの手がうなりをあげる 炎と燃えてすべてをくだく! (しゃ)ああああく(ねえ)つ! サアアアアアン・シャインフィングアアア!」
「流派東方不敗は王者の風! 最終奥義!! 石破! 天驚おおおう拳!」



【ネオアメリカ】

GF:マックス・バーンズ

弟や妹の応援を受け、兄が造った機体でアメリカンドリームを掴もうとする熱血漢。
素早い動きから連打を叩き込む、通称「閃光(ライトニング)マックス」。
残念ながら決勝大会には不参加となってしまうも、シャッフル同盟クイーン・ザ・スペードを継承する。


MF:GF7-023NAガンダムフリーダム
第二回大会優勝MFと同名。フリーダムガンダムとは無関係、というか名前的にこちらが先祖。
ゴーグルヘッドが特徴的。

武装
●ナックル・クラッシャー×2
棘付きナックルガード。
●フリーダムショット
右腰につけた拳銃。
●ロッド・クラブ
劇中未使用。おそらく警棒なのだと思われる。

必殺技
●ライトニング・フィニッシュ
ナックルガード装備のファイティングモードで放つ電撃を帯びた拳。当たった例が無い。

●烈風豪腕・トルネード・ナックル
修行後に使用。脚で起こした竜巻に敵を巻き込み、拳で放つ竜巻で打ち砕く。
これが第十三回大会ならおそらく金色になって放っていただろう大技。

「いくぜ!フロリダの大竜巻(ハリケーン)の中でつかんだ 俺の新必殺ブロー」
「くらえ!烈風!豪腕!トルネードナックル!」



【ネオチャイナ】

GF:アラン・リー

修行僧のような姿で、顔になにやら紋様を描いている長身の男。
シュウジとマックスのファイトを眼にしたことから彼らと知り合う。
五人の中でも高い実力を持つらしく、ウォルフにも「すこしはできる奴がでてきたな」と言われていた。
残念ながら決勝大会には不参加となってしまうも、シャッフル同盟クラブ・エースを継承する。


MF:GF7-010NCコウガガンダム

武装
●ドラゴンワイヤーユニット×2
両肩の龍頭状パーツ。射出して自在に動かせる上、火炎放射器が仕込まれている。
要はインコムやガンバレルみたいなもの。
メタ的にも後継機にあたるドラゴンガンダムのデザイン初稿で肩にあった龍の意匠を監督の意見により拳に移したという経緯がある。
●青龍刀

必殺技
●宝華教典爆龍破
両肩の龍頭で相手を封じて炎を浴びせ、青龍刀で両断する。

●宝華教典爆龍斬
爆龍破を片方の龍頭で行う。ウォルフにあっさり防がれた。

●宝華教典青龍斬
修行後に使用。研ぎ澄まされた一閃による斬撃波で敵を一刀両断する。
これが第十三回大会ならおそらく金色になって(ry

「母なる大河 黄河において 我が心眼 開眼せり!! 宝華教典!青龍斬!」



【ネオフランス】

GF:ナシウス・キルヒャ

貴族然とした青年で、またの名を「音速の貴公子」。
政府の命により謎の超兵器について調査を進めていた過程でシュウジ達と知り合う。
ウォルフへの敗北後それぞれが独自に修行に励む中でも調査を続け、自分たち以外の決勝大会出場者にカオスの息が掛かっていることや、
南極基地の所在、一撃でコロニーを破壊する最終兵器の完成などの情報を掴んでいた。
実質的に他4人を牽引するリーダー的存在。
他メンバーとは違い、唯一シュウジとはファイトしていない。
残念ながら決勝大会には不参加となってしまうも、シャッフル同盟ジャック・イン・ダイヤを継承する。


MF:GF7-019NFエッフェルガンダム

武装
●バルカン砲×2
●高粒子ビーム砲×8
胴体に装備。本来これで敵の足を止めるらしいが、劇中未使用。
●シュバリエ・サーベル
主武装。修行後には無人機ですら計測不能な剣速を身に付けていた。

必殺技
●瞬断ヌーベルクレッセント
修行後に使用。水流のようなエフェクトと共に放つ剣技。
これが第十三回大会なら(ry

「お見せしよう!よせる大波を濡れることなく断つ神速の剣技!!瞬断!ヌーベルクレッセント!!」



【ネオロシア】

GF:トリス・スルゲイレフ

軍に所属する女性中尉。祖国のため、アブドメンビームを使ってでも優勝という任務の遂行を目指していた。
だが自分の闘いがカオスと通じ権力を手に入れようとする一部の軍人のためにしかならないと指摘され改心。仲間となる。
本編ではマスター不在のシャッフル同盟のリーダーだったが、今作ではそのかけらも見当たらない。
左手敬礼や中尉でありながら自身を下士官扱い(本来なら准尉未満が下士官)と軍人でありながら軍規に詳しくない。
アレンビーと同様、階級が与えられただけの軍属ファイターと推察される。
勝てないとわかったら非常に諦めが良い。
残念ながら決勝大会には不参加となってしまうも、シャッフル同盟ブラック・ジョーカーを継承する。


MF:GF7-018NRモスクガンダム
重火器と重装鋼を誇る優勝候補。トリスの改心後はパワーファイト主体になる。

武装
●バルカン砲×2
アブドメンビームで脆くなった敵の装鋼を砕くのが役目。
●大口径ビーム砲
対ナシウス戦で破壊された後使われなくなった。
●アトラス・ハンマー×2
両肩に装備した鎖付き鉄球。初期は実体の鎖だったが修行後はビームの鎖になり、より自在に操っていた。

必殺技
●アブドメンビーム
腹部に装備。改心後は封印。

●爆砕・アトラスハンマー
修行後に使用。回転を加えたハンマーで叩き潰す。
これが(ry

「祖国ロシアの猛吹雪の中で見つけた必殺の技!爆砕!アトラスハンマー!!」



【ネオドイツ】

GF:ウォルフ・ハインリッヒ

最強と噂される仮面の男。MFで幻術を使えちゃうゲルマン忍者。
独自にカオスのことを探っており、負ける筈がないという心の甘さを持ったままのシュウジ達と闘い、その未熟さを教えた。
後に彼らと友情で結ばれ、修行を終え火山弾を生身で砕くほどに己を高めたシュウジの前に現れた時は「今なら私といい勝負ができるだろう」と声を掛けていた。
カオスがコロニーを狙っていると知ったシュウジに託され、自分以外全員敵という決勝大会に挑む。
この年の決勝はバトルロイヤルだったのだが、コマを見るに25機はいる出場者全員と闘い、ボロボロになりながらも優勝を果たす。
最後までシュウジ達との決着を望んでいたが、彼らが決勝不参加となったため叶うことはなかった。

因みに第十三回大会においてデビルガンダムに敗北したネオドイツ代表シュバルツ・ブルーダーの中の人という噂があるが、真相は不明。


MF:GF7-021NGカイザーガンダム
バルカンらしきものは窺えるが、劇中で拳しか使わなかったため詳細は不明。

「全身どこもかしこも未熟のカタマリ!未熟 未熟 未熟千万!!」



【カオス】

  • カオス
謎の組織カオスのボス。多分天才科学者なのだろうが、小物。
ネオイタリア・ネオギリシャ・ネオイングランド・ネオインドなど多くのファイターを配下とし、世界の支配を企てていた。
配下以外の国は人質としてコロニーを狙い、世界征服に王手をかけていた。しかしシュウジ達やウォルフの活躍により組織は壊滅。
最後は石破天驚拳で乗機エレメントカオスごと宇宙まで吹き飛ばされ爆散した。

  • エレメントカオス
最終兵器の超巨大MA(踏み潰されそうになったモスクガンダムと比較しても約200mの大きさ)。
地上からコロニーを狙える特大のアブドメンビームを発射でき、一撃でネオオーストラリアコロニーの動力を止めた。
その他最終形態として手足が出てきたり、「いけファンネル!」の声で尻尾状パーツが分離し、アブドメンビームによるオールレンジ攻撃を仕掛けることが出来る。

【ネオイタリア】

ちなみに前大会優勝国(第六回大会優勝GF:ビットリオ・アルジェント/MF:GF6-055NIガンダムトーネード)。
GF:ジェノバ・ブラッツイ
ウド鈴木状の髪型に海賊マークのフェイスペイントのオカマ口調の男。
カオスからウォルフ暗殺を命じられるが軽くあしらわれ、ファイトを聞きつけてやってきたマックス、ナシウス、トリスを代わりに殺そうとする残虐な性格。
MF:GF7-001NIディアボロガンダム
アイスラッガー状のトサカに、丸いを持ったガンダム。
蝙蝠型の飛び道具「黒い洗礼ブラッディバット」を使い、手からはビームロープを発し相手を捕まえる。
両肩にはアブドメンビームの発射口がある。
また、スパルタンとどちらの武器なのか不明だがコガネムシ型地雷も登場している。
超級覇王日輪弾で跡形もなく消滅する。
南極では戦闘プログラムをつんだロボットがガンダムスパルタンと共に登場するが、
鍛えなおしたナシウスとトリスには 何一つ通用しなかった

【ネオギリシャ】

GF:デロス・アルゴス
もみあげと繋がった髭に鉢巻をした大男。
台詞は少なく、ファイト中のほぼすべての場面で不気味に笑っている。
MF:GF7-002NGRガンダムスパルタン
投擲用とビームライフル用の二本のトライデントと電撃を発する投網を持つ。
腰の中央にはアブドメンビームの発射口がある。
コウガガンダムの火炎放射でひるんだ隙に宝華教典爆龍破で倒される。

【ネオインド】

GF:不明
長い髪と髭に耳飾りの褐色肌の男。
ガンダムスパルタンとディアボロガンダムの戦闘プログラムを積んだロボットを指揮する。
生身のシュウジにアホ呼ばわりされてオルテガハンマーで潰そうとするが「 だからおまえはアホなのだ! 」とサマーソルトキックで顔を蹴り上げられたり、
コウガガンダムには全ての技を躱され3ページほどで倒されたりと見た目の曲者感の割にそう強くはない。
(ジェノバやデロスと同格だったら今のアラン達の前にはこの程度とも言えるが)
MF:GF7-030NINバラモンガンダム
ターバン型の頭に、両肩から二匹の蛇を垂らしたガンダム。
蛇の口からビーム砲「ヘルスネーク」、鳩尾にはアブドメンビームの発射口がある。
蛮刀も背負っているが、 格闘する間もなくコウガガンダムに両断された

【ネオイングランド】

GF:不明
カールした金髪と細い髭が特徴の男。決勝大会に残ったガンダムは全てカオスの一味だと確認して安心していたが、
影から登場したカイザーガンダムに全員で襲い掛かる。
MF:不明
巨大なライフルを抱えたガンダム。
カオスが破れたのと同じころ、頭の残骸が転がり、ウォルフの優勝が決まっていた。

【その他】

その他、決勝大会に残った20体以上のガンダムが全てカオスの息がかかっているという(具体的な国名は不明)。
またデスアーミーに似た雑兵が無数に登場し銃器で南極のクラウドタウンを占領したが、
トルネードナックルや、エレメントカオス戦の余波で全滅している。

尚、描写のない決勝大会を除き明らかに全員が死亡している。


【余談】

あまり公式では話題にされないが、スーパーロボット大戦Tでは東方不敗をシュウジ・クロスと呼ぶ掛け合いが収録されたことで話題になった。





公式記録 第七回ガンダムファイト
優勝者 ネオ・ドイツ カイザーガンダム
ガンダムファイター ウォルフ・ハインリッヒ

なおこの年、非公式だが新たなるシャッフル同盟の継承者が誕生したという




追記・修正!レディ…Go!!

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最終更新:2024年03月27日 03:59

*1 ときた洸一に至ってはプロデューサーの指名があったにもかかわらず、依頼自体を知らない内に担当が「他の描いてて無理」と断っていたとの事。ただしこれについては本人も「実際忙しかった(ので無理)」と述べている。