インパルスガンダム

登録日:2010/01/08 Fri 20:07:04
更新日:2024/03/13 Wed 19:47:36
所要時間:約 31 分で読めます






アンタは俺が討つんだ!
今日!ここで!!




インパルスガンダムとは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するモビルスーツ(MS)。
同作前半の主役機を務める。


目次




インパルス
Impulse

基礎データ


機体名:インパルス
型式番号:ZGMF-X56S
全高:17.76m
重量:63.54t(通常時)
動力:内蔵バッテリー
装甲材質:ヴァリアブルフェイズシフト(VPS)装甲

武装:
MMI-GAU25A 20mmCIWS
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ
MA-BAR72 高エネルギービームライフル
MMI-RG59V 機動防盾

特殊装備:
デュートリオンビーム送電システム



機体解説


C.E.73にザフトが開発・運用した試作機
地球連合・プラント間の第一次大戦後締結された停戦条約(通称「ユニウス条約」)を経て、
ザフトが開発した「セカンドステージシリーズ」と呼ばれる次世代試作MS群の一つである。
機体名の「インパルス」は「衝撃」の意。


セカンドステージシリーズは既に実戦配備が進められていた次世代主力機の「ニューミレニアムシリーズ」同様に、
ユニウス条約で課された制限をクリアしつつ、従来機以上の性能実現を目指し開発された。
そのため、前大戦から培われた物だけでなく、オーブからの移住者などから提供・発展した様々な新技術・装備を採用している。
具体的には
  • 「MSへのNジャマーキャンセラーの使用禁止」(=核エンジンの使用不可)によるエネルギーの不足を補う大容量エネルギーパック「パワーエクステンダー」*1
  • 母艦などからの遠隔エネルギー供給システム「デュートリオンビーム送電システム」
  • 前大戦で実用化された実体攻撃に高い耐性を持つPS装甲を発展させた「ヴァリアブルフェイズシフト(VPS)装甲」
などが挙げられる。
これら加え更にインパルスは様々な戦局に対応する為、前大戦で連合が考案した「ストライカーパックシステム」を参考にしつつ、
それを発展させたシルエットシステムと呼ばれるバックパック交換による武装換装機構などを導入。
これに合わせVPS装甲も、電圧調整により各シルエットの使用が想定するシチュエーションに適した強度へと自動変化するようプログラムされている。
なお、本編では全形態で四肢は白色、シルエットを装備していない素体状態では強度と電力消費のバランスが取れた青をメインとしたカラーリングとなっている。

そして、本機独自の仕様として合体機能を有しており、「コアスプレンダー」を中心に「チェストフライヤー」と「レッグフライヤー」が合体することで初めて一個のMSとなる。
母艦にシルエットと共に本体のパーツをストックしておくことで、損傷部位を新品のパーツと交換する形で事実上の修理や弾薬、推進剤の補給を行える上、
デュートリオンビーム送信装置を持つ母艦の付近ならば、デュートリオンビームによる遠隔でのエネルギー補給も可能。
これらの機体特性やシステムを活かせば、戦闘域内に留まったままで補給や修理等を最小限の時間で行えることから、継戦能力は非常に高い。
これらの母艦との連携を前提として戦況に対応する運用形態をまとめて「インパルスシステム」と呼称することもあるが、
その原型となったのは前大戦で開発されたリジェネレイトガンダムであるとされる。

また、コクピットとなるコアスプレンダーは非合体時には戦闘機に変形する機構も有し、
従来の脱出ポッドよりもパイロットの生存率向上を考慮されており、両陣営を通して従来機と比べて大幅に進化した機体となった。

ちなみに、本編では毎回分離状態で出撃し合体しているが、外伝などでは最初から合体状態のままで出撃することもある。
本編中では帰投後分離を行う場面がなく、艦内などでの分離工程については詳細不明。


なお、非出撃時に分離状態で保管するのは、「これはMSではなく3機の戦闘機である」と主張することで、
ユニウス条約に定められたMSの保有台数制限に引っかからないようにするため…
という認識がファンの間では浸透しているが、実際にはそんな設定はない。

長らくWikipediaなどにも堂々と書かれ、ソースも付けられていたが、その内容は雑誌内の番組考察コーナーで、
表現も「条約をすり抜けるためでは?」という推測であり、公式でそういう意図があってインパルスが分離合体する仕様で開発された(設定)と書かれたことは一度もない。
外伝漫画作品『DESTINY ASTRAY』においては「インパルス・システム」について、
戦況を一人で左右しうるエースを(武器やパワーをどこでも補給することで)自由に戦わせるためのシステム」とする推測*2に対し、
それを聞いたカイト・マディガンが「そんなものは夢物語だ」と切り捨てた上で「ユニウス条約をすり抜けるための仕様」と反論する一幕はある。
だが、これもあくまで設計者ではない第三者の発言で、実のところ、公式でインパルスが分離合体できる機構で開発された理由をはっきり明言したことは、どんな媒体でも一度もなかったりする。

作品世界の中でも外でも、ユニウス条約対策説は「そういう疑惑がある」というレベルの話にとどまっているのだ。

歴代ガンダムシリーズでは、宇宙世紀アナザーガンダムの枠を問わず「(作品世界内の)大人の事情に登場人物やメカが翻弄される*3」という描写が出てきがちであることも、
元々は雑誌内の第三者による考察に過ぎないこの説の信ぴょう性を高める一因となったようだ。
物語演出上、登場人物の投げっぱなしの推測は「制作サイドもそのつもりで作っていますよ」という示唆であることが多いし。

なお、インパルスガンダムがユニウス条約の制約である「MSの保有数の制限」をクリアしている機体という設定はガンプラの説明書などで解説されているが、
上述したようにザクウォーリア同様に高性能&広範囲をカバーできる汎用性を持たせた機体であるため、という説明に近い。


基本性能自体も他のセカンドステージに見劣りせず、シルエットを持たない素体状態でも高い運動性能を持ち、ザフトの新世代機に恥じぬポテンシャルを発揮した。


一方、システムが複雑化した弊害として整備が難しくなった他、量産の難しいVPS装甲製のフライヤーを一定数以上ストックしておくこと、
デュートリオン送電システムなどの支援設備を母艦に設置しておかねばならないことなど、
万全の状態で運用するうえで従来機や他のセカンドステージに比べ必要条件が多く、実際のコスト・整備性などの面で課題が多かった。
本編での八面六脾の活躍にもかかわらず、インパルスのコンセプトをそのまま引き継いだ機体が開発されなかった事からもその整備性の悪さがうかがえる。
また、分離合体システムの採用によって耐久性の面から機動性の限界も生じていた。

これらの事情からインパルスの運用データを参考に開発されたデスティニーガンダムでは分離・変形や装備換装など、
インパルスの特徴だった要素の多くは廃され、基本装備だけで戦況に対応するシンプルなコンセプトに回帰することとなった。



本体構成パーツ


◇コアスプレンダー

型式番号:YFX-M56
全長:5.76m(キャノピー長180cm)
重量:3.02t
  • 武装
MMI-GAU19 20mm機関砲×2
QF-908 航空ミサイルランチャー(AGM33 レディバード誘導ミサイルを装填)

インパルスの核となるコクピット兼小型戦闘機。大気圏・無重力下双方で運用できる。
小型故機動性に富むが、元々合体を前提としたものなのでMS相手では火力不足。
他のパーツと違い一体に一機しか用意されていない(コクピットなので当然だが)。
後述のチェストフライヤー、レッグフライヤーに予備がある事を考えれば
実質的にこれこそが『インパルス本体』とも言える。

合体時にはミサイルランチャーを分離させ変形、レッグ→チェストフライヤー→シルエットの順にドッキングする。
コクピットはMS時と兼用なので変形の際90°回転。キャノピーはそのままモニターに切り替わり、合体状態での乗降時には腹部ハッチになる。

ちなみに、切り離したミサイルミネルバに自動で戻るようプログラムされているというトンデモ設定がある。
なお、合体後は本体背面のメインスラスターとして機能するが、重量の問題などから本体パーツの内唯一VPS装甲が使われていない。
背面に重なるように接続されるシルエットにもVPS装甲は施されていないため、実は背面は実体弾への防御能力が相対的に低く急所になり得る。

余談だが、分離状態で出撃して戦場近くで合体するというプロセス上、出撃時点ではパイロットはコアスプレンダーで発進するためか、
出撃時のコールでは「シン・アスカ、コアスプレンダー、行きます!」のように、パイロットにはインパルスではなくこちらの名前がコールされる。

◇チェストフライヤー

インパルスの上半身部分を構成するパーツ。
うつ伏せで両肩の関節を外すようにして前方に向けた状態で射出される。
マニュピレーターには後述のビームライフルと機動防盾を保持。
MGではシールドにランディングギアのような機構が追加された。


◇レッグフライヤー

インパルスの下半身を構成するパーツ。
両膝の関節を変形させた状態で射出される。
チェストと比べると、ほぼ合体後の下半身そのままという見た目であり、飛んでいる姿はちょっとシュール*4


◇シルエットフライヤー

シルエットを運搬するためのノーズコーン型無人航空機。
各シルエットを機体後部に接続した状態で母艦から発進、戦闘区域内にいるインパルスまで届ける。
武装などは無く、シルエット分離後はすぐに母艦に戻る。
ストライクで言うところのスカイグラスパーのような役割を担っているが、あちらと違って単独では戦えない。
艦に戻ることなく換装するべく、インパルスのパイロットからの要請に応じて単独で射出されることも何度かあった。



基本武装(MS時)


基本武装がアーマーシュナイダーと頭部バルカンのみと貧弱だったストライクに対し、
本機はビームライフル、対装甲ナイフ、バルカン、耐ビームシールドとオーソドックスな武装が予め装備されており、
ストライカーパック無しではまともに戦えないストライクと違い、シルエットがなくともある程度は戦えるようになっている。
とはいえ、シルエット未装備状態では、特にエース級が相手では心もとない装備・性能であることには違いなく、
どうしてもシルエットが使用できないなどの(余程の)事情がない限り、戦況に合わせたシルエットを選択・装備するのが基本。
例えば、18話では、インパルスが狭い洞窟を分離状態で通り抜けてから合体し、敵陣深くに切り込む戦法が採られたが、
シルエットフライヤーが洞窟を通れなかったため、已む無くシルエット無しで戦闘することとなった。

  • MMI-GAU25A 20mmCIWS
胸部に装備された小型バルカン。
頭部内蔵型に比べ内部に負担が掛からないが、有効射界が限定されるのが欠点。

  • M71-AAK フォールディングレイザー 対装甲ナイフ
腰部に装備された折り畳み式アサルトナイフ
ストライクのアーマーシュナイダー同様、刀身を高周波振動させることで切れ味が増す。
使用回数こそ少ないが、装甲を貫通してコックピット内にいる生身の兵士をも貫く等、演出的には印象に残る。

本機の標準装備。
フリーダムジャスティスの兵装であったMA-M20ルプスを改良し、デュートリオンシステム仕様に変更した物。
他のセカンドステージ用と基本構造は同じ。非使用時には後腰部に懸架される。
ストライクは各ストライカーパックの仕様や、非使用時の懸架用ラックなどがないこともあり、
ソード・ランチャー装備時はそれぞれ格闘戦・砲撃戦に割り切った極端な武装になっていたが、
インパルスはライフルが標準装備なこともあり、フォースシルエット選択時以外もある程度は中距離戦に対応できる。

耐ビームコーティングされた三形態共通の装備。
通常状態ではやや小型だが、中央部にスライド式の展開機構があり、展開するとかなりの大きさになる。
シルエット未装備時やフォース時は展開されるが、ソード・ブラスト時は取り回しを考慮し展開されない。
フライヤー状態では上下の縁部分が展開し降着脚の役割を果たす。
ちなみに、劇中では投擲したこれにライフルを撃ち、ビームを反射させ跳弾の様にして攻撃するシーンがある。
これは他の機体のビームを『打ち消す』のではなく『弾く』事で防ぐタイプなので可能な技。
媒体によってはこの盾もVPS装甲を有しているという記述があるが、チェストフライヤー状態でも盾のみ発色状態が維持されているので間違っている。



シルエット装備形態


コアスプレンダー、チェスト、レッグフライヤーの合体後背面に各シルエットを装着した形態。
上記の基本武装に加え、各シルエットに備え付けられた武装・機能が使用可能になる。
また、ストライクはエールストライカー以外のバックパックはほぼウェポンラックだったのに対し、
こちらは全てのバックパックに飛行機能の補助装置が付いている反面、
インパルスに遠隔で補給が出来るデュートリオンビームシステムが採用されているためか、各シルエットに予備電源機能はなく、
ストライクのように換装を繰り返して継戦時間を延ばすというやり方は出来ない。


フォースインパルス

  • 武装
MA-M941 ヴァジュラ ビームサーベル


機動力強化用のシルエット「フォースシルエット」を装備した形態。
背部に大型スラスター、および6枚の翼を装備。
これにより、宇宙空間や大気圏内を問わず高い飛行能力を発揮する。
VPS装甲展開時のメインカラーは、シルエット未装備時のインパルスと同じく消費電力と強度のバランスが取れた青。

2話の戦闘中にソードから換装する形で初登場。
3形態の中では最も性能バランスの取れた形態で、使用頻度が多かった。


□各種兵装・攻撃(フォース)

  • MA-M941 ヴァジュラ ビームサーベル
背部に二本装備。
見た目は従来のビームサーベルと大差ないが、ユニウス条約の草案で「ミラージュコロイド技術による刀身形成」が禁止される可能性があったため、
その回避策として、刀身形成にはミラージュコロイド技術ではなく考案された新技術が用いられている。*5
ビームライフル同様ベースとなっているのは、フリーダム等に採用されたMA-M01ラケルタであるが、技術研究の成果としてラケルタ以上の威力を持たせつつ長時間での使用が可能となった。
アビス以外のセカンドステージシリーズ全機が持っているベーシックなビームサーベル。

  • チェストフライヤー突撃
対フリーダム戦でシンが行った、破損したチェストフライヤーを咄嗟に武器にし、換装する隙を作った攻撃。
本機の特性を最大限に利用し、分離したフォースシルエット付きチェストフライヤーを質量弾として相手に叩き付け、
更にコアスプレンダーのバルカンをシルエットに撃ち込み推進剤に引火させ大爆発を起こさせる。
しかし量産を前提にした機体では無い上に、VPS装甲製という高価なパーツを使い捨てにするのは流石にコスト面に問題があるのか、
対フリーダム戦以外ではシン及び機体を引き継いだルナマリアも使用していない。
Vガンダムの様にはいかなかった。



ソードインパルス

  • 武装
MMI-710 エクスカリバーレーザー対艦刀
RQM60 フラッシュエッジビームブーメラン


格闘戦用シルエット「ソードシルエット」を装備した形態。
近接戦闘用に斬撃武器を複数装備している。
軽量なためフォース程の速度は無いが大気圏内でも飛行可能。
VPS装甲展開時のメインカラーは消費電力は多いが強度が高い赤。
敵の懐に潜り込む近接戦闘主体の装備であるためと思われる。

主人公機チックなフォースを差し置いて、本体と共に初披露されたシルエットである。


□各種兵装(ソード)

  • MMI-710 エクスカリバー レーザー対艦刀
背部左右に装備されている、金属とレーザーの二枚の刃を持つ巨大対艦刀。シルエットには二振りマウントされている。
前大戦時、ストライクやソードカラミティが使用していた「シュベルトゲベール」の面影がうかがえる。
この剣は柄部分で連結する事が可能で、その状態を「アンビデクストラスフォーム」と呼ぶ。小説版の著者である後藤リウ先生はなんども間違えたとか。

対フリーダム戦では、戦場に到着したソードシルエット装備のシルエットフライヤーから一本のみ分離させ、
フォース形態のままその一本をキャッチし、切っ先を相手に向けて突撃してトドメを刺した。
この攻撃のお陰でゲーム等ではフォース時の最強武器としてよく登場する。
大体威力も各形態中最高ランクなので、飛べない(実際は上述のように飛べるのだが、特徴付けのためにオミットされることが多い)ソード涙目と言う事態が起きる。
また、劇中ではエクスカリバーで突撃する前にフラッシュエッジを投げつけてフリーダムの体勢を崩したため、
これの再現で、ゲームなどでもまずフラッシュエッジを命中させて敵の体勢を崩す演出が入ることが多い。
「切っ先が実体剣のエクスカリバーじゃPS装甲のフリーダムは貫けない」とツッコまれたためか、
スペシャルエディションやリマスターでは突撃する瞬間ビーム刃が先端まで覆う演出が追加された。
これは作監の重田氏が「エクスカリバーの刃はレーザーなので実際は不可能だが、フリーダムを貫く画的な説得力が欲しい」とあえて施した演出とのこと。

  • RQM60 フラッシュエッジ ビームブーメラン
背部に二つ装備されているビームブーメラン
インパルスが背部の取っ手を掴むとビーム刃が発生し、それを振るうことでビーム刃を相手に投擲する。
ジャスティスの肩に装備されていたバッセルの発展改良型と思われる。
軌道はビーム刃への干渉反応でコントロールしていたパッセルとは異なり、量子通信で制御する。
二つを接続する事により大型の実刃ブーメランとしても使用可能。
ちなみにシルエットフライヤーに装着された状態では副翼として機能しており、インパルスに装着される際に回転してV字のような形になる。



ブラストインパルス

  • 武装
M2000F ケルベロス 高エネルギー長射程ビーム砲
MMI-M16XE2 デリュージー 超高初速レール砲
GMF39 4連装ミサイルランチャー(AGM141 ファイヤーフライ誘導ミサイル)
MA-M80 デファイアント ビームジャベリン


火力強化用のシルエット「ブラストシルエット」を装備した形態
砲撃戦用に多数の火器を装備している。
背部に大型スラスターがあるためホバー移動が可能で、大気圏内でも水上を着水せずに移動できる。
VPS装甲展開時のメインカラーは、消費電力が下がるが強度も低い黒と緑。
武装でエネルギーを大量に消費するのと、砲撃主体で敵に近づくことが少ないからだと思われる。

フォース・ソードと比べて出番が少なく、キット化にも恵まれない不遇なシルエット。


□各種兵装(ブラスト)

  • M2000F ケルベロス 高エネルギー長射程ビーム砲
背部に二門装備された巨大ビーム砲
大型のスペースデブリも真っ二つにするほどの威力を持つ。
撃つ時は脇の下から前方に砲身を展開し、二門同時に放つことが多かった。

  • MMI-M16XE2 デリュージー 超高初速レール砲
肩に装備されたレールガン
ケルベロス、およびミサイルランチャーとの同時発射で使われることがほとんど。
撃つ時は肩部後方から砲身を前方に展開し、二門同時に放つことが多かった。

  • GMF39 4連装ミサイルランチャー(AGM141 ファイヤーフライ誘導ミサイル)
ケルベロスの反対側に装備されたミサイルランチャー
位置の関係上、ケルベロスとの同時発射は出来ない。
劇中では数度発射したが、命中したことが無い。

  • MA-M80 デファイアント ビームジャベリン
本形態の唯一の近接戦闘用武装で、その名の通りビームの槍
相手に接近戦を挑まれた時のための緊急装備。
二振り装備しており、使用していない時はケルベロスの砲身に沿うようにして収納されている。
劇中では、アビスにバックパックをビームで撃ち抜かれたシンが咄嗟にパージして背後の爆風を目晦ましに使い、投擲する事で撃墜に成功した。
爆風などから撃墜したと思われたインパルスからのまさかの反撃に、アウルは咄嗟に対処できず、
ジャベリンはアビスのコクピット付近を貫通し、致命傷を受けたパイロットのアウル共々、アビスをの深淵に沈めた。

なお、『GENERATION of C.E.』等の一部のゲームでは二振りを連結させて使用する描写があるが、
劇中では上記のアビス戦とその直前のフリーダム戦以外では使用していないため、実際に可能なのかは不明である。



劇中での活躍


C.E.73(『SEED DESTINY』)

アーモリーワンにて「ミネルバ」から初出撃、空中換装を披露して強奪機と激戦を繰り広げた。
それ以後はあまり活躍しなかったが、オーブ沖海戦でシンがSEEDを発現させてから徐々にその真価を発揮し始める。

そのオーブ沖海戦では、ミネルバが孤立無援の状況に立たされた上にまともに動けるのは自分だけという、のっけから絶望的な戦況であった上、
連合軍が持ち出してきた新MAザムザザーによってミネルバの最大火力であるタンホイザーを防御された上、自身もザムザザーとの戦闘中に片足を掴まれ、
そのタイミングでパワー残量が危険域に達してフェイズシフトダウンを起こし、掴まれた足を引きちぎられた上で海面に向けて投げ出されるという絶体絶命の危機に陥る。

しかし、撃墜寸前でSEEDを初めて発現させたシンは、追撃のビームを紙一重で回避しつつ空中に戻ると、
なおも続く追撃を掻い潜りつつデュートリオンビームによってエネルギーを回復し、体勢を立て直してザムザザーを瞬く間に撃墜。
撃墜寸前と思われた状態から一気に体勢を立て直して逆に敵を撃墜するという大金星に、ミネルバクルー共々唖然とするメイリンに、
シンは冷静な声*6でレッグフライヤーとソードシルエットの射出を促し、破損したレッグフライヤー及びフォースシルエットから換装すると、
着艦した敵母艦を対艦刀であるエクスカリバーでズタズタに切り裂き、甚大な被害を与えては次の艦に跳び移り…と、
破天荒な攻撃で次々と敵の戦艦を轟沈させて敵艦隊を壊滅・撤退に追い込み、ミネルバのオーブ沖脱出を成功に導いた。
ちなみにこの戦闘が、TV版『SEED』シリーズで何気に初めて「対艦刀」と名の付いた武装が本来の用途で使用・活躍した戦闘だったりする。

ガルナハン攻略では分離状態で狭い空洞をくぐり抜けて砲台の死角へと回り込み、見事破壊して見せた。
なお、この回は洞窟を通るのにシルエットが邪魔だったため、シルエット未装備状態で戦っている。

クレタ沖海戦では、前回のダーダネルス海峡での戦闘で初遭遇した際に瞬く間に無力化させられた上に、
ハイネを間接的に殺害したキラのフリーダムが再び現れたことに激昂したシンがSEEDを発現。
ブラストインパルスが苦手とする接近戦を挑まれるが、フリーダムの振るったサーベルを海面と平行になるほどに機体を倒すことで回避し、
返す刃でビームジャベリンを振るってフリーダムを追い返すという、キラすら一瞬目を見張るような操縦技術で難を逃れる。
そこに近付いてきたアビスの一斉射撃でバックパックを撃ち抜かれるも、シンは咄嗟にそれをパージして機体への誘爆を防ぐと共に、
爆風を加速に用いて、勢いよくジャベリンをアビス目掛けて投擲し、見事胴体部に直撃させ、撃破に成功する。
その後オーブ艦隊を相手にソードインパルスで暴れまわり、空母をも撃沈させている。

ベルリンでのデストロイガンダム戦では、砲撃兵装が主力であるが故にデストロイの陽電子リフレクターと相性が悪く、攻めあぐねていたフリーダムを差し置いて、
フォースシルエットの機動力で火線を回避しながら、デストロイのコクピット付近をビームサーベルで斬り付ける活躍を見せる。
パイロットがステラであることに気付いたシンは攻撃をやめ、説得しようとしたが、
一度は和解しかけたものの不運が重なり、デストロイはフリーダムに破壊され、ステラもシンの腕の中で絶命してしまった。

その後、レイと共に徹底的にフリーダムを研究・対策を立てたエンジェルダウン作戦では、インパルスの分離合体機能を生かしたトリッキーな戦法で翻弄。
キラの不殺の信念を徹底的に突く戦い方で遂には追い詰め勝利を収める。
ただ、破損したパーツを次々にパージして換装するというやり方で、実質的に3度も機体を乗り換えるというハイリスクな戦法を取ったため、
「敗北したとはいえ、性能面ではインパルスはフリーダムに劣っている」と言われがちである(実際作中や資料等でも同じ評価がされている)。
これに関しては、新型機とはいえバッテリー動力のインパルスと、前大戦時の機体とはいえワンオフ機で核動力のフリーダムの機体性能を比べれば、
後者に軍配が上がるのは当然の帰結と言え、パイロット能力でも機体性能でも負けている相手に機体特性を駆使して勝利したシン(と協力したレイ)は正しく大金星と言えよう。

もっとも、インパルスも前大戦時から(避難してきたオーブのコーディネイター技術者達の寄与もあり)大きく向上したザフトの最新鋭技術を惜しみなく投入し、
(おそらくは)コストも度外視して作られたセカンドステージシリーズの試作or実験機(型式番号のXとはそういう意味)であり、
フリーダムの基礎設計は前大戦当時のものということもあって、個々を見ればセカンドステージシリーズの方が上回っている部分も少なくない。
実際、エネルギー変換効率の改良や新技術の投入により、ビームサーベルの威力はインパルスの物の方が高かったりする。
故に、核エンジン搭載機であることのみを基準に「機体性能ではフリーダムの方が優秀」という評価を下すのは不当である可能性もある。
総合性能でフリーダムが上回っていることは事実だが、個々の部分ではより進んだ技術で開発されたインパルスの方が上回っているものも散見されるのだ。

そして物語が終盤に差し掛かった頃、シンがデスティニーガンダムを受領してからはルナマリアの乗機となった。
ヘブンズベース攻防戦ではシンやレイとの連携でデストロイを撃破し、ブラスト装備でレクイエムのコントロールルームを襲撃し機能停止させる等の活躍を見せた。
一方オーブ侵攻時では終始ミネルバ内で控えていたが、ロード・ジブリールが宇宙へ脱出するのに合わせて妨害のため出撃。
先に追っていたムラサメを追い越す加速性能の高さを見せつけたが、真っ直ぐ飛んでいるシャトルに射撃を命中させられず思ったほどの見せ場はなし。
これについては最大加速しながら当てるのは難しいという補完がなされており、失態であると言えるかどうかは微妙なところ。
最終決戦においては他のザフト軍機体と共に戦列を並べる中、ドムトルーパー3機と対峙するものの、ジェットストリームアタックの前に全く手も足も出せずに圧倒されてしまった。
その後アスラン∞ジャスティスと対決するが、機体性能と技量差で圧倒され右腕と左足を切り取られてしまうがトドメは刺されず、
ルナマリアの救援に駆け付けたシンのデスティニーと∞ジャスティスの戦闘後、撃墜され月面に墜落したデスティニーとシンの元に向かった。

小説版ではその後シンとルナマリアが二人でインパルスに乗り込んでレイの救出に向かい、彼を救うことは出来なかったものの、通信越しに彼の遺言を受け取る一幕が描かれている。


C.E.73(『DESTINY ASTRAY』)

TV本編以前、アーモリーワンでの試験運用の様子が描かれている。
インパルスのみならず、カオス、ガイア、アビスのセカンドステージも試験運用がされていたが、
本機のテストパイロットを務めていたのはシンであり、その後正規のパイロットとして任命されたことが語られている。

主人公のジェス・リブルと彼の乗るアウトフレームの取材を受けながら模擬戦闘等を行った他、
試験場となった宙域に仕掛けられていたトラップ(爆弾)に引っ掛かったアウトフレームが消息不明になった際には、
ジェスの護衛であるカイト・マディガンが、ジェスの消息が分からなくなった宙域へ救援に向かえるように、
爆発の影響でデブリが高速で飛び交う宇宙空間に「ケルベロス」を撃ち込んで文字通り「道」を作るという手助けを行っている。


インパルスガンダムspecⅡ



+ ネタバレ注意
型式番号:ZGMF-56E2/α

劇場版作品『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』にて登場した機体。
先の大戦後、経緯は不明(恐らくターミナルによるもの)だがデスティニーと共に回収された後、
オーブ領内のアカツキ島ドックにてモルゲンレーテによる修復・改修の上保管されていた。
その後、世界に宣戦布告を行ったファウンデーション王国に対抗すべく、ルナマリアに譲渡された。
バッテリーが最新型にアップデートされた影響か、各シルエット装備時のVPS装甲のカラーリングが変更されているが、
それ以外の目立った改修点は無く、デスティニーSpecⅡ同様概ねマイナーチェンジの域を出ていない。

変更されたカラーリングは以下の通り。
  • フォースインパルス:白が白っぽいグレー色に変化した以外は変わらず。
  • ソードインパルス:全体がルナマリアのパーソナルカラーに近い真紅で統一。
  • ブラストインパルス:ミリタリー色の強い暗い緑色で統一。

インパルス本体、及び各シルエットの武装に関してはほとんど変更されておらず、
手持ち武器がビームライフルからブラックナイトスコードの「フェムテク装甲」対策としてレールガンに変更されているくらいである。
ルナマリアのゲルググはコンパスのMSで唯一無傷で残っていたが、インパルスはかなり特殊な機体特性を持っているためか、
前大戦でシンの後にインパルスに搭乗していたルナマリアがSpecⅡに乗り換え、ゲルググはヒルダに引き継がれることとなった。

母艦「ミレニアム」はスーパーミネルバ級という、かつてのインパルスの母艦「ミネルバ」の意匠を継ぐ艦ではあるのだが、
インパルスを運用する想定がされていなかったためか、分離状態での発進には対応していないらしく、最初から合体状態で出撃していた。
この影響もあり、『DESTINY』ではシンもルナマリアも、出撃時には機体名を「コアスプレンダー」とコールしていたが、
本作においてはルナマリアがインパルスで出撃する際、機体名を「インパルス」とコールする、地味に珍しい事態となっている。
そもそもとして、このインパルス(SpecⅡ)はザフトではなくオーブで、技術検証用に保管されていた機体であることから、
オーブからインパルス共々提供されたりしていなければ、ミレニアム内に各種フライヤーの予備があるかどうかすら怪しい。
一方、各種シルエットフライヤーは同時に出撃させて機体に追従させ、パイロットの任意で換装が出来るようになっている。

ルナマリアが搭乗するようになってからのインパルスは、『DESTINY』では全くではないにせよ見せ場に乏しいきらいがあったが、
本作では彼氏とその愛機共々その鬱憤を晴らすかのような獅子奮迅の活躍を見せる。

出撃時はブラストシルエットを選択して、デスティニーを援護しつつ多数の敵艦や敵機をその砲火力で次々と撃破していき、
ブラックナイツが現れた際には「フェムテク装甲」への対策としてソードシルエットに換装、
その直後にコンパスを裏切ったアグネス・ギーベンラートが駆るギャンシュトロームと交戦に入ると、
ギャンにエクスカリバーをへし折られるも、即座にフラッシュエッジで反撃するなど一歩も引かない戦いを見せる。
その後フォースシルエットに換装し、アグネスと舌戦も交えた激闘の末、彼女のギャンをヴァジュラとCIWSの連続攻撃で戦闘不能にする。
ちなみに、『FREEDOM』時点ではインパルスはデスティニー共々旧世代機に位置するのだが、
アグネスのギャンを始めとして、恐らくは機体性能で負けている部分がある新世代のMSと戦って、ここまで何と無傷である。
ついでに言うと、アグネスと彼女のギャンを撃退したことで、ルナマリアは初のネームド機体撃破を果たすことになった。

最終的にはライトニングバスターからミーティアを借り受け、
レクイエムを攻撃してデスティニーをサポートし、デスティニー共々無傷のまま戦闘を終えた。
エンドロールでは、かつてのアスランのように、機体を撃破されて泣いていたアグネスの元に降り立つ場面がある。

なお、SpecⅡにアップデートされたとはいえ、インパルスは流石に核動力機に改造は行われていないため、
フォースシルエットへの換装直前にフェイズシフトダウンを起こし、デスティニーからデュートリオンビームでのパワー供給を受けている*7が、
武装のエネルギー消費が激しいブラストで大暴れした後にパワー供給無しでソードに換装し(画面を見るにバッテリー残量は3割程度)、ギャンとしばらく渡り合える辺り、
SpecⅡに搭載された新型バッテリーは非常に高い性能になっていることが推察される。
映像作品でミーティアを装備した唯一のバッテリー機であることからもそれがうかがえるだろう。

ちなみに、ライジングフリーダムとイモータルジャスティスを失ったキラとシンに、
新たなMSとしてストライクフリーダム弐式、デスティニー(SpecⅡ)と共に譲渡される形で登場したこのSpecⅡであるが、
その場にいたのがシン、キラ、アスランの三人であったことと、アスランは後にとんでもない形で乗り換えて∞ジャスティス弐式に搭乗していることから、
この時にキラたちに渡されたのがデスティニー(SpecⅡ)、ストライクフリーダム弐式、∞ジャスティス弐式だと勘違いしていた視聴者も割と多い*8




バリエーション


C.E.系列


その他

○忍パルスガンダム
○インパルスガンダムアルク
○インパルスガンダムランシエ
○ガンダムエクスインパルス



関連機体


カオスガンダム
ガイアガンダム
アビスガンダム
セイバーガンダム
同じセカンドステージシリーズに属する機体。

テスタメントガンダム
リジェネレイトガンダム
ファーストステージに相当するザフト製MS。
それぞれ換装機能や合体機能などインパルスに採用された機能の原型になったと思しき機能を搭載している。

ザクスプレンダー
インパルスの合体機能とデュートリオンビーム送電システムの実験機。

デスティニーガンダム
インパルスの機能を集約。発展させた機体。



立体化


ガンプラ

1/144コレクションシリーズ、HG GUNDAM SEED、1/100、1/60、MG、HGCE、RGと主役機らしく数多く発売。
1/144以外は分離、合体ギミックが再現されている。
フォースインパルスは全てのシリーズで販売。MGは主翼の折り畳み機能が追加されているほか、専用PVによる販促やFAITHのデカールが付くなど豪華だった。

ソードインパルスは次いで販売数が多く、先代主人公機のソードストライクが叶わなかったHG GUNDAMSEEDで一般販売されているが、
リメイク版のHGCEではプレバン行きになってしまい、次いでRGでも同様の扱いを受けた。

ブラストインパルスは尚の事不遇の立場に甘んじ、DESTINY放映10周年を迎えてもコレクションシリーズのみの販売だった。
しかし後にプレバン限定でHGCEが販売され、更にMGの販売が決定した。ジャベリン格納のギミックも新造されている。
RGではフォースやソードは出ているのに、ブラストインパルスのみハブられてしまった。デスティニーインパルスですらプレバン限定で出ているというのに……
プレバン限定だが、RGとMGにてデスティニーインパルスも発売している。

前作の主役機ストライクガンダムは、メイン形態のエールストライクばかり売れてしまい、ソードとランチャーの売り上げは今ひとつだった。
そのため、「換装すると色が変わる」という設定から、同じ金型で色だけ変えて売り出すという曲芸商法が採られた。
VPSという設定は、ぶっちゃけこの商法のために作られたようなものである。
しかし、それでもブラストインパルスがあまり売れなかったあたり、やはりガンプラの売り上げは、作中での活躍がものを言うようである。


ROBOT魂

デスティニーインパルスに続く形でフォースインパルスが発売。
ライフル、機動防盾、対装甲ナイフ、ビームサーベルに加えて本来ソードインパルスの装備であるエクスカリバーも付属している。
別売りのフリーダムと組み合わせることで撃墜シーンを再現できるジョイントパーツも付属。
またシルエットはウィザードやジョイントをかませることでストライカーパックなどとも交換できる。


ゲーム作品


◇vsシリーズ

  • 連合vsザフト
3種のシルエットで登場。
無印時代からはだいぶ変更され、フォースはバランスの取れた良機体。
各形態が尖った性能のストライク系より比較的使い易い。胸部バルカンが設定通りの仕様なため、他の頭部バルカンと比べて射角が狭く扱いづらい。
ソードは特殊格闘の昇竜斬りと前格闘の叩きつけが非常に強く、射撃戦でもビームライフルを三連射できるサブ射撃はそれなりに使えた。
ただ足を止める武装ばかりなので、躱されるリスクも大きくその点ではソードストライクなどの格闘機と同等の短所を持っていた。
ブラストはジャベリンによる格闘があるものの、他の機体と比べて性能が低く使い物にならなかった。
連ザ2では格闘ボタンでミサイル単発に変更され、連続突きは特殊格闘に移動している。

  • ガンダムVSガンダム
パイロットはシン。
ストライクと違い換装は出来ないが、対フリーダム戦の技を身につけ参戦。万能機の中でもブーストが優秀で初心者にも扱い易い。
持ち前のトリッキーさを活かせば、さらに戦術の幅は広がる。
射撃CSのチェストフライヤー突撃は、出だしの早さと威力の高さが見所だがコアスプレンダー形態になるため隙には気を付けたい。
ちなみに、再度合体するとメイン弾数が全回復する。
アシストはルナマリアのガナーザクウォーリア。

ガンガンとは逆にルナザクの覚醒技にインパルス特攻が採用。
相手が誰だろうが突撃するが、メインで撃ち抜いて起爆した方がダメージが出るため、たいてい撃ち抜かれて爆発させられる。
ルナ「ごめんねシン☆」

NEXTから復活参戦。パイロットはシン。
コストが2500にアップし中堅クラス程度の性能を得た。今回はしっかりシルエットを換装でき、フォース、ソード、ブラストを使い分ける換装機。

主にフォースで自衛や位置取りを行い、カット耐性の高い特格を持つソード、曲げ易いCS照射ビームを持つブラストで戦っていく。
またコマンド入力で、攻撃しながら換装出来る。
但しソードは格闘の判定が格闘機としては若干心もとなく、ブラストもリロードが遅い武装ばかりのため、状況に応じた換装を行わないとコスト相応の活躍はできない。
シンほどとは言わなくとも、プレイヤーに戦況を適切に見極めることを求める機体であり、今回はあまり初心者向けとは言えない機体になっている。
しかし同じタイプのストライクより慣性、機動力は非常に良い。

家庭用では追加DLCでコスト2000のルナマリア機が登場。
コスト相応に性能を落とされているが、素の性能は通常のインパルスに準じているため使用感はそれほど変わらずといった具合。
だがブースト効率が極端に落とされているため、気を付けないとあっという間にオーバーヒート状態になってしまう。

余談だが、当機のグラフィックはビームサーベルや対艦刀を持っている状態だと腰部にしっかりビームライフルを収納している。
これは全機体でもかなり珍しいグラフィック差分で、しっかり用意している辺りに愛を感じる。

EXVS MAXIBOOSTやMAXIBOOST ONにも続投していたが、どちらも中堅を維持し続けため良くも悪くも目立つ存在ではなかった。
当作品では格闘CSにガナーザクウォーリア呼出が追加され、往年のNext時代を彷彿とさせる戦術ができるようになった。
稼動中に一度修正を貰っているが、環境を変えるほどの上方修正は受けておらず、あくまで足りない部分を補うレベルに収まった。

ルナマリア機はエクストラ機体一括削除の影響で削除されている。

各シルエットに1つずつ新規武装が追加されている。
フォースは、特殊格闘にダガーL投擲が追加。ガルナハン基地攻防戦で、陽電子砲に向けぶん投げたシーンの再現と思われる。
ついでに前格闘が前作後格闘のものに、後格闘が前作特殊格闘のものに変更していた。
ソードは、レバー入れ特殊格闘に飛び上がりながら斬りかかるモーションが追加。接近戦主体でありながら詰め寄るのに苦労していたため、これでやりやすくなった。
ブラストは、前格闘にジャベリン連突が連ザⅡ以来久々の復活。メイン射撃から格闘派生でレールガンが、サブ射撃が前作射撃CSになるなどコマンド変更されている。
格闘CSのアシストは突進攻撃が追加されたが、代わりにチャージ時間が延長されている。

だが、基本的な武装がフルブーストの頃から変わっておらず、機体性能も特に変わっていないため、
他の2500コストには性能が良い機体がいくらでもいるので、今の環境でインパルスを使うのは愛以外に無くなっているのが現状。
機体使用率0.1%、勝率が40%以下の時があるのを鑑みるに、機体性能の底上げををしなければ今の環境で戦うのは厳しいだろう。
そんな中でも運営から放置されていたのだが、遂に2022年6月に強化が入る。
大まかにいうと、「ブラスト形態時のみ覚醒技のダメージ量が増えていたが全形態共通となった」、
「射撃武装の大半が銃口補正・誘導・弾速のいずれかが強化された」、「キャンセルルートの増設」がメインで、
特に後者二つはトリッキーな動きからのダメージ取りを安定化させる目的があったと思われる。

2021年12月にはルナマリア機がエクストラ機体として再復活。
かつてのコンパチ機からコマンドが刷新され、2500版インパルスとは全くの別機体に。
射撃CSと格闘CSでブラストインパルスに換装して各種攻撃を、特殊格闘でソードインパルスに換装して格闘攻撃をするように変更された。
今作から仕様としての換装を失くしてコマンド化したガンダムAGE-3と同様の措置が取られている。
サブ射撃には三連射ビーム、特殊射撃にはデスティニー/レジェンドを呼び出す武装があり、それぞれに突撃や前面ガード&射撃など多様な攻撃をしてくれる。
基本的にはガナーザクウォーリアに近い後衛担当であり、中距離からアシストを絡めつつブラストのビームとミサイルでダメージを稼ぎ、近づいてきた相手をソードの格闘で迎撃する立ち回りとなる。
機動力がそこまで高くない上に降りテクが一切無いのが弱点であるため、ブースト管理には気をつけたい。

シン機は各シルエットに若干の調整を貰っている。
フォースはサブ射撃が三連射可能になり、後格闘が接地判定削除の代わりにバウンドダウンへ戻った。またBD格闘初段に射撃ガード判定が付与されている。
ソードは射撃CSに旧サブ射撃が配置され、サブ射撃にはSA付き一段格闘が追加。横特殊格闘に昇竜斬りが配置され、レバー方向に動きながら斬りこむようになった。
また下格闘に急降下突き攻撃が追加された……のだが、判定が狭く直下に落ちるので、着地保険に使えるかどうかという性能。トールギス系の下格闘と同じような移動用アクションと捉えるべきなのだろうか。
ブラストは射撃CSに照射が戻ってきた。さらにサブ射撃にケルベロス連射コマンドが追加され、後衛要素としてはかなりやりやすくなっている。

ルナ機はレバー入射撃CSにケルベロス単射が追加。照射が優秀なため使い所は少ないが、単発ダウンであるため要所で活躍する。
さらに前特殊射撃の格闘連撃が3段に増え、横特殊射撃もドラグーン展開に変更されるなど強化。特にローリスクでブーストを強要できるドラグーンの追加がありがたい。
また、劇場版公開後のアップデートにて各種強化と共にSpecⅡの動作を元にしたアクションが追加された。

◇GENERATION of C.E.

最初のステージから使用可能。ただし本編同様シルエットはソード、フォース、ブラストの順に解禁。
VPSとシールドによる防御のおかげで生存率が高く使い易い。
ソードのエクスカリバーとブラストのケルベロスは射程・威力共に序盤の機体では随一。
特にブラストは機動性こそ低くなるもののランチャーストライクと違い近接射程にもジャベリンで対応できる分便利。


Gジェネ

GジェネDSより参戦。当時はDESTINY放映中だったためストーリーにはほとんど絡まず、平成ガンダムルート最終話攻略途中またはクリア時にシンと共に入手。
加入タイミングの都合かブラストとソードは未改造でも安定して優秀。ただ、フォースが特徴がない平凡ユニットと化しており微妙性能。

Portableでは分離合体機能と、デュートリオンビーム照射によるEN回復機能が特徴。しかし各形態への換装は母艦に戻ってから行わないと不可能。
基本性能・武装のバリエーション共にストライクの上位互換で、特にフォースインパルスの空中適正は元々大気圏内での滑空を想定されているせいかAランクと高め。
VPS装甲のEN消費は各形態ごとに消費量も異なっており、それに応じた耐久補正値も差別化されている。

総合的な使い勝手ではブラストインパルスが特に優秀。
砲撃機らしく最大火力と最大射程に優れるのはもちろん、射程1~2のビームジャベリンのおかげで接近戦でもそこいらの機体より強い。

WARSではガルナハン基地攻略を題材にしたステージでムービー演出があり、ガンダムX率いるGビットの群れからミネルバを守りつつソードインパルスで登場する姿が見られる*9
更にVPS装甲のEN消費量が均一化、フォース形態に特殊格闘としてフリーダム撃墜時のエクスカリバーが追加された。
OVERWORLDでは素体の削除に加え、何故かフォース版エクスカリバーが必殺技属性に変更されてしまい、PS装甲で軽減されるという憂い目に。

CROSS RAYSでは素体(変形状態含む)が復活したものの、ストーリー上以外では使う意味は無く殆どコレクション程度の価値しかない。
フォースシルエットはエクスカリバー攻撃が取り上げられ凡庸な性能になってしまった。
ステータス値こそストライクや量産機より若干上回るものの、ストーリーで大量に出てくるムラサメやウインダム相手には数的不利で苦戦しやすいのでロクな目に合わない。
ソードシルエットはアニメで使っていたはずのビームライフルが取り上げられ、ソードストライクと武装編成が同一になった。あとエクスカリバーの攻撃演出が単純なものになっている。
格闘での強みより、地上でしか使えない汎用性の低さと射程の短さによる使い勝手の悪さの方が目立つ。
ブラストシルエットはアニメではホバー移動していたにもかかわらず水上適性を取り上げられ、クレタ沖の戦闘では水中適性がCという機動力に難を抱えた状態で開始する。
更に使用していないビームライフルが武装欄に加わったかと思えば、主砲であるケルベロスとレール砲は一斉射撃というコマンドに纏められた上、テンションが高くないと使用できない謎の制約を課されている。
砲撃機というカテゴライズなはずなのに、扱える火砲の殆どは平凡極まりなく、こちらも使い勝手が悪い。
総合して、OVERWORLDから原作再現技が削除され毒にも薬もならないマイルドな性能に押し潰されたような性能になっている。
さっさと派遣ミッションでレベル上げをして、デスティニーインパルスやデスティニーガンダムに駒を進めよう。

ストーリー上では序盤戦では味方ユニットだが、ベルリンの戦い以後は敵ユニットとして登場する事になる。
しかし凡庸なフォースシルエットで登場するため脅威ではなく、よほど数の多いザクやグフの方が厄介。


スーパーロボット大戦シリーズ

『Scramble Commander the 2nd』より参戦。
ただし今作ではシンが搭乗するのはスポット参戦時だけでその後はずっと敵機、味方になる時にはルナマリア搭乗機であり、
シンが搭乗していた頃から参戦するのは『スーパーロボット大戦Z』からである。

『Z』では「戦術換装」という特殊コマンドを持ち、同じマップにミネルバが出撃している場合に限り、各シルエット形態に一回ずつ換装できる。
シルエット換装時にENが全回復するメリットもあり、原作ばりの汎用性の高さと継戦能力を発揮。その代わりデュートリオンビームによるEN補給はイベントのみでの扱い。
パイロットも、特にシン搭乗時は主人公故に精神コマンドが優秀なものが揃っているので、ボス戦・雑魚戦共に活躍できる。

第2次Z』ではルナマリアの乗機として登場。戦術換装システムはオミットされており、フォース形態固定となる。
火力面では他の主役機と比べると力不足だが、VPS装甲持ちなので意外に硬く、ルナマリアが「鉄壁」などを覚えることもあり、リアル系の機体ながら壁役の適性がある。

第3次Z』ではユニットとしては参戦せず、デスティニーの武装「ザフトレッド・コンビネーション」で召喚されるだけの出演。
「I」はシンのデスティニーとのコンビネーション攻撃だが、最初の牽制射撃シーンをよく見るとルナマリア(インパルス)のビームライフルは全て外れている。ルナェ…
「II」はファン待望のシン、レイ、ルナマリアの赤服組によるフォーメーションアタック。演出は第38話のデストロイ撃墜シーンの再現。

V』では単独ユニットに戻ったため、ザフトレッド・コンビネーションは合体攻撃に。今作にはレイが登場しないため、IもIIも2機だけでの攻撃に変更された。

携帯機シリーズである『K』、『L』、『UX』ではシンが搭乗時でもフォース固定で、シルエット換装は戦闘デモでのみ行われる。
『UX』は本編終了後かつ『機動戦士ガンダム00』も参戦しているため、インパルスは劇中世界では旧式に位置するMSになるが、
「前大戦(SEED DESTINY本編)を生き抜いたエースパイロット」であるシンが乗っている際には、「機体は旧式だがパイロットがトップエース」として敵から警戒される演出も。




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最終更新:2024年03月13日 19:47

*1 パワーエクステンダーは前大戦でオーブが製造したストライクルージュで採用されており、セカンドステージに採用された物もオーブからプラントに移住した技術者から流出したものであるとことが示唆されている。

*2 この前に「設計者の真意は分からない」と、発言者であり、インパルスのテストパイロットも務めた技術者兼パイロットのコートニー・ヒエロニムスは前置きしている。

*3 よく知られている事例として、出所を秘匿するために名前と顔を奪われたガンダム試作4号機改めガーベラ・テトラ、製造元の政治判断によって土壇場で納入先が変更されたマラサイが挙げられる

*4 初代ガンダムも、コアファイターとの空中ドッキングでこれと同じように下半身を飛ばしていた。ほぼ真っ直ぐにしか飛んでいないことと、仰向けになって飛んでいたことがあったところが異なる。

*5 このミラージュコロイド応用についてはザフト・地球連合の双方で兵器開発・運用に支障を来たす恐れがあったため実際に締結された条約では「ミラージュコロイドによるステルス機能の禁止」に止められ、「ビームサーベルの刀身形成」は容認されることになった。しかし、インパルスをはじめとするセカンドステージ機では技術研究が目的だったこともあり、敢えて新技術が採用されることになった。

*6 スペシャルエディションでは、シンの声色がTV版と打って変わって荒っぽくなっている。

*7 ストライカーパックに予備電源があったストライクとは異なり、インパルスのシルエットには予備電源機能がなく、換装して稼働時間を延ばす戦法は行えない。

*8 譲渡時は当然ディアクティブモードでVPS装甲は展開されていないため、三機とも灰色で見分けがつきにくいのも影響していると思われる。

*9 ただし、ステージ開始直後は敵砲撃部隊の最中に射程の短い武装しか持たない格闘機で孤立状態でスタートするという非常に不利な条件となるが