古畑任三郎vsSMAP(古畑任三郎)

登録日 :2012/10/11(木) 13:11:20
更新日 : 2017/09/23 Sat 13:21:04
所要時間 :約 7 分で読めます





えー、早速ですが『三本の矢』の話をご存じでしょうか。

戦国武将『毛利元就』はこんなことを言いました。

「矢は一本一本は非常に折れやすい、しかしそれが三本集まれば折れることは無い」…と。やってみましょう。
(三本に束ねた矢を折る)

四本ではどうでしょうか。
(四本に束ねた矢を折る)

…では…五本ではどうでしょうか。
(力を込めるがなかなか折れない)

ちょっとお待ち下さい…今泉君…足。
(今泉の膝を使い勢い良く折る、苦痛の表情浮かべる今泉)

問題はですね、矢の数では無いんです。要は…誰が折るかと言う事で…。



『古畑任三郎vsSMAP』は1999年1月3日に放送されたスペシャル。

古畑任三郎といえばゲストに豪華な俳優、役者を呼び犯人役にするというスタンスだったが、
今回は犯人 では無く実在するSMAPが殺人を犯すという今までに無い異色な脚本だった為話題となった。
(この手法は後のFINALで『フェアな殺人者』にも使われている)

また、木村拓哉は二度目の犯人役である。古畑任三郎において、犯人役の俳優が別役で出演した例はあるが、犯人役2回は木村だけである。





あらすじ

SMAPは草薙剛を強請っていたスタッフの一人をライブ中に首吊り自殺に見せかけて殺害する。
古畑は現場に残された小さな手掛かりからSMAPに疑いの目を向けるが彼等にはそれぞれ完璧なアリバイがあった…。




登場人物(ネタバレ含む)

ご存じ警部補。
最初はSMAPという単語に首を傾げていたが、メンバーそれぞれの出演作品を知っていたりSMAP×SMAPの事を聞いたり、かなりのファンである。
フジテレビの『夢がMORIMORI』・テレ東の『満員御礼!学園キッズ』は勿論、『青春家族』(稲垣出演のNHK朝ドラ)・『時間ですよ平成元年』(中居出演のTBSドラマ)、
更には『赤ずきんチャチャ』(香取出演のテレ東テレビアニメ)まで視聴していた。

「あなた方の中の誰か一人の犯行を証明すれば良いんです。」

ご存じ史上最低のワトソン…だが今回出番は少なめ。
しかし 殺人現場 でキムタク、慎吾と仲良く記念撮影をしたり、SMAP一人一人とそれぞれツーショットを撮って貰ったりちょっと美味しい役割。
エレベーターのトリックの定員オーバーを古畑に気付かせたので今回も一応役には立った。

「SMAPがそんなことするわけないじゃないですか!」

  • 西園寺守(石井正則)
ご存じ優秀な小男。
実はこの事件が初登場。
時系列ではこの後の『黒岩博士の恐怖』が初登場なのだが、『vsSMAP』が先に放送された為視聴者は戸惑った。

「…仕事ですから。」

  • 向島音吉(小林隆)
ご存じ名前を覚えて貰えない人…と見せかけて今回はちゃんと覚えて貰っていた(というか、第二期最終話で覚えている)。
…と見せかけて既に離婚してしまった為旧姓の東国原に戻ってしまったので結局覚えて貰えず。

「ご苦労様です!」

  • 草彅剛
悩める青年。
あるネタで富樫から強請られていた。
満足もしないし、全裸にもならない。ただしダンスは踊る。 そのダンスが原因で古畑から疑われる事に…。

リアルではかつて『SMAP×SMAP』の「古畑拓三郎」で「草泉慎太郎」なる今泉のパロキャラを演じており、コント内で本物の今泉と鉢合わせたこともあった。

「ありがとう…嬉しかった。」

  • 香取慎吾
一見お調子者のムードメーカー。
キムタクと本気で喧嘩する演技は鳥肌。 実際にアリバイを作る為の演技である。

「今まで何やる時もみんな一緒だったじゃん!」

  • 稲垣吾郎
個人主義者。
一人だけ用意していたアリバイが不完全だったり、ミーティングに参加しなかったり…謎が多い。
裏切り者では無いかとメンバーから疑われていたが…。 振り付けの練習をしていただけであった。

「…言ったろ?僕だってSMAPの一員だ。」

  • 中居正広
責任感が強い男。
リーダーとしてSMAPをまとめた。 実は手掛かりを残していたのは彼だった、いざとなったら自分一人が捕まれば良いと思っていた為である。

「SMAPは終わらせない…」

  • 木村拓哉
挑戦的な男。
今回の殺人事件を計画した張本人。
この事件の前にも『赤か、青か』でゲスト出演していた為SMAPで唯一二度目の出演となる。
そして自白させる手口も同じで、古畑も『赤か、青か』の出来事について発言している。

リアルではかつて『SMAP×SMAP』初回などで「古畑拓三郎」なる古畑のパロディコントをやったことがあり、何と三谷もそのコントの脚本に関わったことがあるそうな。。

「強いて言えば…挑戦かなぁ…?」

  • 富樫明男(宇梶剛士)
被害者。
剛の紹介で入った美術スタッフだが、紙吹雪を三角ではなく四角に切るというような適当な仕事ばかりをしていて、
かなりの借金をしていたらしく性格も最悪。
正広からは「あんた、地獄に落ちるよ」と罵られ、
死後に他のスタッフからは「剛君の紹介じゃなかったら、とっくに辞めてもらっていた」と言われてしまっている。
あるネタで剛を強請っていた。
実は五人が世話になっていた剛の叔父が、3年前に富樫の車に追突事故を起こしてしまい、
大した怪我でもないのに富樫は叔父に到底払えない慰謝料を要求し、後に剛と叔父の関係を知ると、さらに倍の金額を払うように脅しをかけ、
払えないと見るや、叔父に危険な薬の運搬までさせて金を支払わせ、とうとう叔父を自殺に追い込むと、今度は剛に慰謝料の支払いをしろと脅迫。
剛が断ろうとすると、叔父が危険な仕事をしていたことをネタにして強請りをかけた。
困った剛は富樫を美術スタッフに入れるも、剛への強請り行為を止めることはなく、
剛がこれ以上要求を呑まなかったら、週刊誌の記者に叔父のネタを2千万で売ろうと企んでいたようである。
ただでさえクズな男が、他人の弱みを掴んだために吐き気を催す邪悪となった一例であり、最期は正広の言った通りに地獄へ落ちた。
…が、皮肉なことに彼の適当な仕事ぶりが、古畑が自白をさせるためのブラフとして使われることとなった。
なお、脚本担当の三谷が後年に手掛けたドラマ「オリエント急行殺人事件」では、富樫をさらに鬼畜にしたような被害者が登場している。

「俺だってこんな形でSMAPを終わらせたくねえんだよ。」

  • 前田(戸田恵子)
SMAPのマネージャー。
幼い頃からキンダーハイム(孤児)だったSMAPにとって母親のような存在。

「本当…どこまでも世話のやける子たちだわ。」

後述のスペシャルドラマで、結婚したことが判明。しかもお相手は……?



あのSMAPが犯人という事だけあって
  • 視聴者がSMAPに同情出来るように被害者を卑劣な恐喝犯にする。
  • 犯行動機も苦しんでいた草なぎ剛を守る為…と絆、友情を前面に押し出し、結束の固さの理由付けとして「メンバー全員が元・孤児で兄弟同然の関係」という設定を明示することであくまでパラレルワールドであることも強調。
  • 逮捕する際にも「彼等は悪い人間では無い」と古畑自身がフォローを入れる。
…等々気配りも半端なものでは無かった。

後述のスペシャルドラマでも、犯行の動機が同情できることや、被害者の富樫があまりにもクズな男であったことから、
所長の好意で刑務所で五人とも同じ部屋にしてもらったり、模範囚として服役していたこともあって、
あと1か月で仮釈放されることも示唆されている。

なお、本事件後の時系列の作品では古畑は自分が関わった事件について語る際は真っ先にこの事件を挙げている。
それほど、SMAPが起こした事件ということでこの事件が古畑世界でも相当話題になったであろうことが想像できる。


2013年のSP特番『SMAP GO!GO』では、三谷脚本による本作の続編と銘打たれたスペシャル生ドラマが放送された。
ただし、その内容は「仮釈放を一ヶ月後に控えたSMAPが 伝説作りと古畑宅へのピンポンダッシュ敢行のための大脱獄 という恐ろしくくだらない計画を実行に移そうとしてグダグダ揉める」という完全なコメディであった。





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