エイジ・オブ・アポカリプス(X-MEN)

登録日:2012/05/02 Wed 23:59:34
更新日:2024/04/03 Wed 10:31:01
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彼の教えは今もなお生きている……もしもう一度、人生をやり直せるとしたら…私は違う選択をするかもしれん異なる人生を送るかもしれん……





THE
AGE
OF
APOCALYPSE

『エイジ・オブ・アポカリプス(黙示録の時代)』は95年に『X-MEN』関連誌にて展開されたクロスオーバー大作。
その規模、話題性、物語から“アメコミ史上最大のクロスオーバー”と呼ばれている(規模だけで見た場合には他にもっと大きい作品がある)。

当時、人気絶頂にあった『X-MEN』はレギュラー関連誌だけでも8タイトルを数える一大ブランドであり、その関連誌全てが4ヶ月に渡り別タイトルに変化。
更に新タイトル8冊を加えて刊行された。
……後に、大不評&蛇足感ありありの後日談が開始されたが、ここでは最初のシリーズのみに絞る。

先駆けて展開された『リージョン・クエスト』によりプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアが死亡。X-MENが誕生しなかったためアポカリプスの侵攻を阻止できなかった「もう一つの世界」でアポカリプスに挑むマグニートー率いる反乱軍「X-MEN」の最後の戦いを描く。

後に本シリーズを思わせるタイトルの『X-MEN アポカリプス』が制作・公開されたが、ストーリー的にはあくまでも、これまでと同様のシリーズのエピソードの一つである。
内容自体もイマイチで興行収入はともかくとして評価は低い。(製作費1億7千万ドルに対して全世界興行収入は5億ドルを突破しており、X-MEN映画シリーズの中では第3位の成績。北米興行収入も評価の高い『X-MEN ファーストジェレネーション』と同じ)。


【概要】

『X-MEN』とではプロフェッサーXとマグニートーの対立が基本となっていたが(90年代当時の『X-MEN』はMARVELの中心だった)この『エイジ・オブ・アポカリプス』では「未来からやって来たプロフェッサーXの息子リージョンがマグニートーを殺そうとして庇ったプロフェッサーXを殺害してしまう」と云う「IF」の世界が描かれている。後に正史世界でも死んだり評価の別れる人物になることは秘密だ。

この事件により本来の時間より30年も早く行動を開始した地上最強のミュータントであるアポカリプスの総攻撃により世界は混乱と破壊に晒される事になった。

これにより、本来の時間軸で誕生する筈だったファンタスティック4やスパイダーマン、アイアンマンやハルクも存在せず、キャプテン・アメリカも復活しない暗黒の時間軸に世界が落ちる事になったのである。

アポカリプスに対抗し得るのは亡き友の名を掲げたレジスタンス「X-MEN」を率いるマグニートーのみ……この、絶望的な世界に改変前の世界の記憶を持つ異邦人のビショップが出現。
正史世界を知ったマグニートーはX-MENに黙示録の時代を終結させる為の作戦を伝えるのだった……。




【関連タイトル】

■X-メンα

創刊オリジナル。
レギュラーシリーズから改変された世界の説明。


■アストニッシングX-メン

『UNCANY X-MEN』から改題。
主役はローグ。
ローグチームとアポカリプスの息子であるホースメン・ホロコーストとの戦いを描く。


■アメイジングX-メン

『X-MEN』から改題。
主役はクイックシルバー。
クイックシルバーチームによる人類解放作戦と、ホースメン・アビスとの戦いを描く。


■ウェポンX

『ウルヴァリン』より改題。
主役はウェポンX(ローガン)。
「Xメン」と袂を分かったエージェント、ウェポンXの戦いとジーン・グレイとの別れを描く。


■ファクターX

『X-FACTOR』より改題。
主役はサイクロップス。
アポカリプス軍のエリートながら主に反旗を翻したサイクロップス。
……更に、運命の女ジーン・グレイが彼の前に現れる。


■ジェネレーション・ネクスト

『GENERATION-X』より改題。
主役はコロッサスと生徒達。
マグニートーの命により新世代ミュータントの指導にあたるコロッサスだったが、大反抗作戦を前に彼らに決死の作戦が伝えられ……。


■X-カリバー

『エクスカリバ−』より改題。
主役はナイトクローラー。
マグニートーの命を受けたナイトクローラーと、母ミスティークら別働隊の戦いを描く。


■ガンビット&X-ターナルズ

『X-FORCE』より改題。
主役はガンビット。
時間軸の改変の為に、多次元世界の入り口エムクラン・クリスタルを求めて銀河の果てへと旅立つガンビットらの奮闘を描く。


■X-マン

『CABLE』より改題。
主役はXマン。
ホースメン・シニスターがサイクロップスとジーン・グレイの遺伝子を利用して創り出した最強のミュータント、Xマンことネイト・グレイの覚醒を描く。


■X-メン・クロニクル1〜2

新タイトル。
『X-メンα』以前の戦いを描く。
マグニートーの愛娘、スカーレット・ウィッチの死やマグニートーとローグの馴れ初め等、レギュラーシリーズでは有り得なかった物語。


■X-ユニバース1〜2

新タイトル。
主役はグエン・ステーシー、ドナルド・ブレイク、トニー・スターク…etc.
本来の時間軸ではヒーローとなる筈だった「普通の人間達」とホースメン・ミハイルとの戦いを描く。


■ザ・チョーズン

新タイトル……と云うよりもキャラクター解説メインの特別号。
アポカリプスによる、メインキャラクターの「選ばれし者」と「忘れられし者」の選別付き。


■X-メンΩ

新タイトルにして最終章。
4ヶ月に渡り展開されて来た、上記の全ての物語から繋がるアポカリプス対Xメンの最終決戦を描く。
核ミサイルが世界に降り注ごうとする終末の刻に向け、この偽りの世界に如何なる結末が訪れるのか?


※97年に小学館から全3冊で分厚い邦訳版が発売されていた。
尚、単純にパラレルでは済まないレギュラーシリーズとの若干の矛盾が存在する。



【主要登場人物】

レギュラーシリーズではMARVELの代表的な悪役。本作では亡き友の名前を掲げるレジスタンスチームX-MENを率いており、正史世界での自分の行いによる悩む場面も。
磁力、重力、電磁波を支配する地上最強のミュータントの一人で、最終決戦ではほぼ独力でアポカリプスを仕留める。

マグニートーの若妻。こっちの時間軸では公私を支えるパートナーとなっている。*1
正史世界ではミズ・マーベル(キャロル・ダンバース)のパワーを奪っていたが、こちらの世界ではミズ・マーベルが居ないためか夫由来の磁力操作を身に付けている。(正史世界と同じことが出来る上に更に応用が広いのは流石だが)
素肌で接触した相手の超能力を奪う危険な体質だが、マグニートーと反則的な方法でチャールズを授かっている。

  • クイックシルバー
マグニートーの息子で、音速を超えるスピードで走る地上最速のミュータント。
本来の時間軸では悪人であるマグニートーとは確執があったが、こちらの世界では自身が尊敬している父の片腕としてローグと共にX-MENを率いており、正史世界でのサイクロップス的な立ち位置にある。
父が若かりし頃の傲慢さを語ったときには「うそでしょう?」と驚いていた。
ストームとは互いに惹かれ合っている関係。

ローガンと同じく「ウェポンX」計画により生み出された勇猛な戦士。
元々はアポカリプスに雇われた傭兵だったが、ローガンに敗れて捕らえられた後に、今度は自らの意思でX-MEN側に付いている。
こちらの時間軸では記憶の操作はされているだろうが混乱も無く、リーダーとはまた別のワンマンアーミー、行動隊長として若手を支える頼れる兄貴。
ワイルドチャイルドなる相棒を引き連れている他、ツンデレロリ娘のブリンクに惚れられてたりと、かなり恵まれている。

  • ウェポンX
こちらの時間軸でのウルヴァリンだが、こちらも記憶に混乱が無い。
ジーン・グレイとは恋仲で、嘗て、捕らえられた彼女の処遇を巡りマグニートーと対立してサイクロップスと相討ちとなりながらも彼女を救い出しX-MENから離脱、以降はフリーエージェントとなった。
サイクロップスとの戦いで片腕を失っている。

次期ホースメン候補筆頭のエリート。
正史世界ではX-MENのリーダーなのにアポカリプスの部下として登場したことをネタにされたが中身は変わっておらず、密かにレジスタンスに協力していた。
ウェポンXとの戦いにより片眼を失っている。
捕らえられたジーン・グレイと再会し、彼女を解放すると共に真にアポカリプスへの反旗を翻し、解放した奴隷達と共に脱出を試みる。

テレパシー能力を持つ元X-MEN。
恋人となったウェポンXのサポートをしていたが、考え方の違いから彼と別れ、単独でアポカリプスの支配地域に潜入するも捕らえられてしまった。
しかし、過去に何かを通じあったと確信していたサイクロップスと再会し、彼と共に奴隷達を解放し支配地域からの脱出を目指す。

元はX-MENの伊達男だが、尊敬していたマグニートーと自分が惚れ込んだローグが急接近したことにショックを受けて出奔。
仲間達と共に義賊や傭兵をして暮らしていた。
現在の恋人は史上最高レベルの空間移動能力者で正史世界では人気ロックシンガーのライラ・チェニイだが本命は現在でもローグ。
ローグの為に現実改変を成し遂げる力のあるエムクラン・クリスタルを得るためにシアー帝国に向かう。

  • ナイトクローラー
X-MENの一員でマグニートーの命を受けて南極に秘されていた理想郷アヴァロンから尼僧ディステニィを連れ帰る為の作戦に母のミスティークと共に向かう。(父はセイバートゥースである)
このエピソードではデットマン・ウェイド(正史世界のデッドプール)やシャドウキングが敵として登場してくる。

  • コロッサス
次世代X-MENの教官役だが、正史世界とは違い妻のキティと共に子供達を恐怖で縛り付ける口調も荒い鬼教官となっている。
兄のミハイルはホースメンの一人だがストーリー上は絡まず。
正史世界同様に妹のイリアナへの想いは深く、死別していたと思っていた彼女の生存をマグニートーに知らされ奪還作戦に向かうが教え子達の全滅という悲劇に見舞われる。
更に最終決戦では現実改変に協力するイリアナを心配する余りに暴走し、キティを自らの手で殺害してしまい……と何処までも不幸。

  • ハボック
サイクロップスの弟だが、優秀な兄の影である事に不満を抱いている。
粗暴で、劣等人種である旧人類を見下しているが、その劣等人種である歌姫と知られてはならない恋仲にある。

  • Xマン
ホースメン・シニスターがサイクロップスとジーンの遺伝子から生み出した地上最強のミュータントの一人。
正史世界でのケーブルに相当する。
意志の力で分子組成すら操る常識外れの能力を持つ。
成長するまでアポカリプスに知られることを避ける為に人知れずフォージの率いるサーカスで育っていたが、最終戦争を前に姿を現した邪悪なる生みの親であるシニスターと対面して己の運命を知る。
最終決戦にてマグニートーと共にアポカリプスを追い詰める最中にエムクラン・クリスタルの欠片の力により正史世界へと移動する。
強すぎて扱いに困るキャラクターで、一時は死亡したが最近復活した。

  • ビショップ
時間の放浪者となった本来の時間軸でのX-MENの一人。
自身がX-MEN全滅の未来を変えるべくパラレルワールドである21世紀の出身であったためか現実改変には巻き込まれず、正史世界の記憶を残す異邦人となってしまった。
こちらの世界のマグニートーは、彼の記憶に触れて本来は自分こそがアポカリプスの役目を果たす存在だったと知った。
尚、この次の一大クロスオーバーにて、自身のタイムスリップが無駄だったと絶望しかねない程の残酷な現実を突き付けられており、その反動か後に悪堕ちしている。

  • フォー・ホースメン
「黙示録の四騎士」と呼ばれる、アポカリプスの腹心たる最高幹部。
シニスター、ホロコースト、ミハイル、アビスの四人で構成される。

5千年前のエジプトに誕生した地上最強のミュータントの一人。
強き者のみが生きる世界の実現を目指しているのは本来の時間軸と同じだが、エグゼビアの死による歴史改変により反対勢力が誕生しなかった為に、容易く世界を滅ぼしてしまった。
……最終決戦では……
この戦い以降チート化してキャラクターが準コズミック・ビーイングレベルに引き上げられた。





追記・修正は友の名にかけて本来の時間を取り戻してから。

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最終更新:2024年04月03日 10:31

*1 X-MEN離散時に保護されてる内にファザコン気味のローグが掘れるエピソードが描かれたのが最初で、後に正史世界でも恋人関係となっていた。