海外ウルトラシリーズ

登録日 :2011/10/14 (金) 00:37:09
更新日 : 2017/07/09 Sun 17:20:01
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太陽にも負けない勇者ハヌマーン。


いつかもう一度、


ウルトラの星に来てくれ。


我々は勇者ハヌマーンを心から歓迎する。


さようなら、勇者ハヌマーン。



【概要】

『海外ウルトラシリーズ』とは円谷プロが「海外進出」という目標を掲げ、アメリカやオーストラリアなどと協力して制作された番組。(例外あり)

『USA』、『G』、『パワード』は他のウルトラ戦士と同様M78星雲・光の国出身など
設定上は昭和で最後に地球を守ったウルトラマン80の続編となっており、書籍では彼らも宇宙警備隊員とされている。

TVシリーズの空白期にシリーズを支え、平成ウルトラシリーズまで繋げた功労者だが、
ウルトラマン列伝』放送100回を迎えた祝いにナビゲーター役のウルトラマンゼロが読み上げようとした「ウルトラマンG先輩の手紙」や、
ダークバルタンの回でゼロが紹介した『パワード』の静止画を除き紹介されていなかった。

そして『新ウルトラマン列伝』最終回で新世紀ウルトラマン伝説の使い回しであるがようやく取り上げられ、 *1
公式カウントウルトラマン全員が登場する新撮映像の中にもUSAの三人、グレート、パワードが登場している。

その他、『ウルトラマンオーブ直前スペシャル』のOPにはグレート、パワードも写っている。 *2
3作品とも本編映像が全く取り上げられずやはり海外との権利問題が原因と思われる。

「DXギンガスパーク」にはグレートとパワードの音声がしっかり収録され、「DXライブパッド」のライブサインを使えば音声も楽しめる。
なお、ゲーム化に関しては、パワードが3DОでバンダイからゲームが発売されている他、グレートやパワードは当時のSDコンパチシリーズに出演している。

このような権利的な問題(とそれを無視するほどの売上的価値)が絡む中、
海外ウルトラシリーズはVHSとLDでしかソフトメディア化を果たせず、視聴方法もそれのみに限られていた。
しかし、DVD化が絶望視されていた中、ついに2017年にGとパワードのBlu-ray BOXがウルトラマンゼアスのBlu-rayとともに発売が決定。

DVDはすっ飛ばしてBDで発売するというBD未所持者には優しくない面もあるが、ファンの長き悲願がついに達成された(ちなみにレンタルはないらしい)。
実際、その売り上げは円谷プロの予測を大きく上回っているとか。 待たされ続けた勢の底力をなめてはいけなかった

BD発売に辿り着けた経緯は謎だが、権利問題に何らかの動きがあったことは間違いない。
一方、USAに関してはグレートとパワードと一緒にBD化(あるいはDVD化)を果たせなかった。
USAの知名度の問題か、あるいはアニメ作品である都合から他二作品よりも権利関係が難しい事情があるのかのどちらかだと考えられる。
別の意味でソフト化が難しいウルトラマンナイスとともにソフト化が果たせるか、今後の続報に期待である。



【海外ウルトラシリーズ一覧】



仏様を大切にしない奴は死ぬべきなんだ!

●『ウルトラ6兄弟対怪獣軍団』
タイのチャイヨープロダクションから制作、公開された『白猿ハヌマーン&ウルトラ6兄弟』を日本版に編集した作品。

原題は『ハヌマーンと7人のウルトラマン』。
出てきたウルトラ戦士は6人であるが7人なのはウルトラの母も含まれているためであり、
これはタイ語では「6」の発音が「転ぶ」という単語と同じであまり縁起のよい数字と考えられていないため、縁起をかついで「7人」としているためである。

一方、『ファンタスティックコレクションNo.10 ウルトラマンII』(朝日ソノラマ・1978年発行)には、原題「白猿ハヌマーン&ウルトラ6兄弟」と記載されている。

物語は仏像泥棒に殺されたコチャン少年がウルトラの母によって、白猿ハヌマーンとして甦り、
とりあえず泥棒に復讐して、ウルトラ6兄弟(ゾフィー、ウルトラマン、セブン、ジャック、エース、タロウ)と共に怪獣軍団と戦うという話。
タイトルこそウルトラ兄弟だが ほとんどハヌマーンが主役 で兄弟たちは後半に出てくるゲスト枠である。

アナンからは「ウルトラマン兄弟」と間違えて呼ばれた(誤訳?)他、
ウルトラ戦士達は三分間しか地球に居れない筈なのに特に理由なく20分以上、平気な顔をして闘っているなど矛盾した点がある。

当時では、滅多に見られないウルトラ兄弟の戦闘シーン(後半はほぼリンチ紛いな行為だが)や中華鍋を使った太陽などの合成技術の評価はまあまあ良かった。

オリジナル版では宇宙に帰るウルトラマンをハヌマーンが見送った後、コチャンが守った仏像の目が光り、
コチャンはハヌマーンと分離してアナンら友達の下に帰るという筋になっている。
そのため、続編『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』では、変身シーンがない。しかし日本版にこのシークエンスはない。

だが、『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』の項目にあるような感じでいろいろと酷い内容になっている。
また、今もなお続いてる、この作品についての円谷プロとチャイヨープロダクションの版権裁判がある。

これは1976年当時の円谷プロ社長がチャイヨーに対して、ウルトラシリーズの海外における版権を切り売りしたかどうかが争われており、
97年以降からは日本タイ両国で裁判が行われているが、2004年に円谷側が敗訴。
しかし、08年にはタイの最高裁が契約書は偽造されたものと認定され、チャイヨー側の主張を却下。
キャラクターのビジネスの停止と損害賠償金、利息の支払いを命じ、円谷プロの勝訴で問題は解決した。

と思われたかに見えたが、06年にチャイヨーが円谷プロを相手に十二億五千万円の損害賠償訴訟などにより、
円谷プロは千六百万円の賠償金を支払う判決が下されたが、円谷側が控訴した。
ちなみに最近、円谷側がようやく勝訴したらしい。

以上の事もあって、この作品はほぼウルトラシリーズの黒歴史扱いになっており、ビデオは回収され、ある意味貴重品になっている。
そのため、S.R.C.などの一応パチモン扱いのチャイヨー許諾の海外のみ販売商品もある。

その一方で、『ウルトラマンシリーズ放送開始50年 ウルトラマン主題歌大全集1966-2016』にはちゃっかり本作の主題歌を収録している。
『ULTRAMAN』の主題歌であるNEVER GOOD-BYEが収録されずにこちらが優先されるなど、円谷的には本作をどう扱いたいんだろうか。



諸君は、地球を救う為に戦う、


ウルトラの戦士となったのだ!

●『ウルトラマンUSA』
円谷プロダクションとアメリカのハンナ・バーベラ・プロダクションの共同制作により生まれた、海外版ウルトラマン。
『ザ☆ウルトラマン』の様にアニメーション作品となり、アニメ制作は葦プロダクションが行っている。

子供向けTVムービー視聴率第三位を記録したが、スーパーマンに代表されるアメコミヒーロー達と、
あまりにかけ離れたウルトラマンの姿が受け入れられないと判断されたのか、本来するはずだったTVアニメ化は頓挫した。
地味に声優陣が豪華。
アニメ作品ということもあってか書籍では本作の怪獣の紹介は媒体によって違いがある。

3人の実写スーツは『ウルトラマンネオス』のパイロット版製作の際にウルトラ戦士全員集合ビジュアル撮影のために制作された。
そして『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では正式な実写作品で初登場果たした。

光の国の宇宙警備隊員として登場し、光の国を襲撃したウルトラマンベリアルと戦う。
だがスコットはベリアルに接近した際、ギガバトルナイザーに両足をはらわれ後頭部を強打。
ベスはベリアルの盾にされてパワードのメガ=スペシウム光線をまともに受けて倒れ、
チャックは何の前触れもなくいきなりベリアルショットの餌食になっている。

その後他のウルトラ戦士と共に光の国の氷結に巻き込まれてしまったが、
ウルトラマンゼロがベリアルから「プラズマスパーク・エネルギーコア」を取り戻したことにより、全員復活する。
最後の場面では、グレートやパワードと一緒にウルトラマンキングの演説を聞いている。


ここがお前の選んだ場所か、


ゴーデス!!

●『ウルトラマンG
オーストラリアで制作したビデオシリーズで実写としての作品は『ウルトラマン80』以来である。
高度な知能を持つレトロウイルスの集合体でありながら、邪悪の根源である生命体ゴーデスと、
その細胞により生まれた怪獣から地球を守る為に、ウルトラマングレートが戦う物語。

オーストラリア特有の雄大なロケーションと優れたパペット技術による特撮カットや、環境問題をテーマとし、
日本とはまた違うヒーロー像を用いたドラマから、海外ドラマ風の新たな魅力を打ち出した。

現地のスタッフはグレートの光線技は使用用途に応じ形を変えて使用しているだけですべて同一と解釈して演出していた。
だが日本ではそれでは子供は面白くないと言う事でそれぞれに技名や設定を追加しており日本と海外での違いも見られる。


また、脚本は後に『機動戦艦ナデシコ』や後半の『仮面ライダー剣』を担当することになる会川昇。(現:會川昇)や
ウルトラマンティガ』や『デジモンテイマーズ』を担当する小中千昭などがおり、内容の評価も高く隠れた名作となった。




私はM78星雲からやって来た、


銀河の平和を、


守る為の組織に属する者だ。

●『ウルトラマンパワード
ハリウッドで制作された、最後の海外ウルトラマン。
バルタン星人から人々を守る為にウルトラマンパワードが登場する。
本作品は『ウルトラマン』のリメイク版として、初代からお馴染みのレッドキング
ダダゴモラゼットンなどの人気怪獣をクリーチャー風にデザインし登場させている。

ただしバルタン星人が悪の親玉(本作では同情の余地の一切ない宇宙を駆け回る殺戮集団という設定)であるためメフィラス星人ザラブ星人は登場しない。

初代マンに思い入れの深い層などからは「アメリカが勝手に自分色に染め上げた」と、
ボロクソに叩かれる事もしばしばだが、脚本やデザインは全て日本サイドで行っている。
また、ストーリーや怪獣の設定も初代を意識している。

ハリウッド側に特撮のノウハウが不足していたため特撮技術がやや物足りず、放送規定のせいでアクションもしょっぱいが、
現代のサイバーテロを予言したかのような「侵略回路」、理不尽な運命と人間の欲望に翻弄されるジャミラの悲劇を描いた「父の愛」など、
ウルトラらしいエッセンスを残しながらも現代風にアレンジされたエピソードの数々は評価が高い。
また、着ぐるみの構造などはものによっては現在よりも凝っているものがある。



【その他海外でのウルトラシリーズの展開】


これらの作品以外にも、日本で製作されたウルトラシリーズの作品は海外でも多数放送されており、アジアを中心に世代を超えたファンを獲得している。

中でも中国でのウルトラシリーズ人気は凄まじく、『特撮=子供向け』の固定概念が未だに根強い中でも、あらゆる世代に多数のファンを有している。
その人気は、ウルトラマンがドラゴンに変形する「ウルトラドラゴンシリーズ」や独自の「ウルトラエッグ」など
日本でも発売されていない玩具(もちろん正規品)が多数展開されていたり、ウルトラマンのイベントに客が殺到して中止になるほどのレベルである。

さらに『ウルトラ銀河伝説』『超決戦!ベリアル銀河帝国』は中国で上映された日本映画の中でも
最大クラス(全国1000館以上で上映)の規模での公開となり、興行収入も日本円にして10億円クラスの大ヒットを記録している。

諸事情で『ダイナ』以降のウルトラシリーズが放送できなかった事もあり、ウルトラ兄弟などM78シリーズの知名度が圧倒的に高い様子。

なお、中国で初めて放送された日本の特撮番組は同じく円谷プロ製作の『恐竜戦隊コセイドン』で、こちらも思い出の作品として今もなお語り継がれている。


一方、「パワード」が製作されたアメリカでも『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』『ウルトラマンティガ』が放送されていたが、
『ウルトラマン』以外は「パワード」も含めどれも視聴率は芳しくなく、先が続かなかった。

特に『ウルトラセブン』はギャグ満載の吹き替えがなされるという、どこぞの海外製作のフルCGロボットアニメと同じような事態が起きていた。
また例の宇宙人の話もしっかり放送されていたらしい。


なお、上記のチャイヨーとの裁判に勝訴して以降は再び積極的な海外展開が行われており、
香港や台湾、タイなどでの大規模なヒーローショーや、海外向けの『擬人化計画』グッズの発売などが行われている。

特にマレーシアでは、子供向けフルCGアニメ『Upin&Ipin』とのコラボレーションが実現。
普段はほのぼの日常系アニメなのだが今回はウルトラマンの話そのものになっており、オリジナルウルトラ戦士「ULTRAMAN RIBUT」やオリジナル怪獣、
さらには独自のロゴまで登場する気合の入ったものになっている。 ただし夢オチ…のようだったが?

ちなみに『RIBUT』はマレー語で「嵐」と言う意味。勿論アラシ隊員とは関係ない。 
顔は初代と同じだが、耳が独特な形状で腕や足などに青く輝くクリスタルを有している。
ショー用にスーツも作られており、ギンガと違ってクリスタル部分は左腕のみのものの再現度は高く造形もかっこよく仕上がっている。

さらにこのリブット、新ウルトラマン列伝最終話の公式カウントウルトラマン42人全員集合シーンの中で、
エックスのとなりに43人目のウルトラマンとしてまさかの登場を果たしている。公式カウント外のウルトラマンとしてはかなり優遇されている存在である。

ウルトラマンX』や『ウルトラマンオーブ』などの最新作も世界中の動画サイトで配信が行われているので、
海外に行った時にチェックするのも良いかもしれない。



追記・修正は、宇宙から飛来した謎の光と融合した人が、
ペンダントを手にして精神統一しつつ、謝り倒しながらお願いします。

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