特捜最前線

登録日:2011/10/21(金) 22:52:50
更新日:2024/04/17 Wed 13:11:46
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愛と死と
憎悪が渦巻くメカニカルタウン
非情の犯罪捜査に挑む
心優しき戦士たち
彼ら、特捜最前線



特捜最前線は、テレビ朝日・東映制作で放送されていた刑事ドラマである。
1977年4月からから1987年3月までの10年間に全509話が放送された。


▽目次

【概要】

東京都新宿区の一角に拠点を持つ警視庁刑事部特命捜査課。そこに所属する刑事たちの、現実に悩みながらも事件に挑む姿を描く。

テレ朝がまだNET(日本教育テレビ)だった1961年に開始された日本初の一時間TVドラマ『特別機動捜査隊』(通称:特捜隊)の後継番組で、放送枠も同枠を引き継ぎ、水曜22時台のスタートであった。
1985年10月から『ニュースステーション』の開始に伴い、放送枠が木曜21時台へと変更された。

当時の主流であった群像系の刑事ドラマであるが、『太陽にほえろ!』のような若手刑事の殉職や『西部警察』のような拳銃ドンパチを一切廃しており、刑事同士の対立や上司に詰め寄る場面がよく出てきている。
しかし、仮面ライダーストロンガーこと荒木しげる時代劇に転向を希望して帰る余地を無くしたいと相談し、例外的に殉職エピソードが制作された。

初期は作風に迷いがありとにかく暗いエピソードや過激なエピソードが多かった。
しかし長坂秀佳をはじめとする脚本家陣営によって推理ものや人情ものにシフトしていく。
特に、長坂脚本の人捜しや『逮捕志願!』のような逆転の発想による推理ものは必見。

エンディング『私だけの十字架』は名曲。歌うのはチリアーノさ。クロード・チリアーノとは全く無関係。

1986年末に翌年3月での終了が発表された。これは『ニュースステーション』に開始に伴う放送時間の移転で視聴習慣が身に付かなかったことや、500回を越して内容がマンネリ化してきたことを理由としている。

番組終了後も何度か復活版が作られているが、当時の出演者の大半が鬼籍に入っており、キャスティングの共通点はない。


【特徴】

出演者は仮面ライダーが二人、戦隊シリーズのレッドが一人などレギュラー刑事の役者の全員が特撮経験ありなので(内2人は特撮映画経験、2人と婦警はゲスト出演、最後に加入した刑事は本放送後特撮番組のラスボスに)『特撮最前線』と揶揄されている。

「変身した方が早く事件解決できるだろ」などと言ってはいけない

また、被害者や犯人役にも特撮経験者がやたら多く、四回も犯人役をやるMAT隊員、仮面ライダーに捕まるウルトラマン、新人刑事発戦隊ラスボス経由な未来の声優、1ヶ月前に捕まったはずのレッドが新しく刑事役で加入などカオス風味でもあった。
メイン脚本家の長坂秀佳氏は『人造人間キカイダー』など特撮作品も多く手掛けた脚本家で、ナレーションも『仮面ライダー』シリーズを担当した中江真司であった*1

ただ「特撮関係者と刑事ドラマ」自体は割と縁があり、テレ朝でも『特別機動捜査隊』に七色仮面、ウルトラ警備隊のキリヤマ隊長、ライダーマン、ジェネラルシャドウ、アンチゴーネなどが、『西部警察』に2代目バルイーグル、シルバー仮面、立花藤兵衛などが出演。
そして本作から時が経った後、同じテレビ朝日・東映刑事ドラマの後輩である「特命係」が主役の『相棒』や「刑事部特別捜査班」が主役の『特捜9』の出演者にも複数特撮に関わったキャストが存在にしている。


【特命捜査課の刑事】

一部ネタバレあり

なお、初期の迷走の影響か脚本家によって登場人物の家族構成や性格にばらつきが見られる。

  • 神代恭介
演:二谷英明
エリートの警視正で特命捜査課長。警察庁刑事局捜査一課理事官や城北署長、警察大学教授を歴任。剃刀のかみさんの異名をとりミスを起こした部下には容赦なくブチぎれ個性の強い特命課員を引っ張ってきた。
マイティなんとかとは無関係。またリアルでの元同僚に『太陽にほえろ!』のボスやTPC初代総監、後輩に『西部警察』の大門団長やアイアンキング、キバ男爵や十津川警部などがいた。
その縁で、七曲署や西部署との合同捜査を願った視聴者は多かったに違いない(現代なら改編期スペシャルで実現したか? 特に後者は放送局も同じだから)。
刑事ドラマには珍しい警視正。番組に出てくるパトカーは中の人がCMに出ているセドリック(330〜Y30型)だった。

  • 桜井哲夫
演:藤岡弘、
当初は警部だったが、アメリカの警察に派遣された彼は汚職刑事のレッテルを貼られ強制帰国、警部補に降格した。
ヘリコプター担当。改造人間ではない。家族はSRI/太陽戦隊の司令官で弁護士特別救急警察隊の本部長やら。
英語ぺらぺら。
警部→海外派遣→戻ってきて警部補であるが、警部時代と警部補時代のキャラが全く異なる
警部時代はまともだったが、警部補時代はヘリからショットガンを撃つような人に…
但し番組後半には徐々に元の性格に戻った。

また、某クロスオーバーゲームに、某改造人間そっくりな刑事がチョイ役で登場している。間違いなく桜井の事だろう。

  • 船村一平
演:大滝秀治
CASSHERN総理なベテラン枠。のほほんとした感じだが、怪獣攻撃隊にいた某俳優がイタ電を繰り返した事件などで激情を見せることも。
心臓が弱く、立てこもり突入時には発作を起こしたことも。最終的には心臓病から刑事を退職した。

  • 高杉陽三
演:西田敏行
猪八戒。巡査部長。青森出身でムードメーカー。たまに訛りがでていた。退職してその後は保護監察官になっていたが、津上刑事の残した事件を再度捜査するため一時的に特命と行動を共にした。
当時の西田は主演ドラマを抱えるなど多忙から出番が減少し、開始から2年で降板。

  • 津上明
演:荒木しげる
巡査長→警部補
警察学校をトップで卒業したエリートで、妹と二人で暮らしていた。某7号ライダー某超神とは関係ない。
しかし炭 疽 菌 入り風船を爆破するテロ事件を未然に防ぐため車ごと炭疽菌入り風船を爆破させ殉職する。
この人も桜井と似た刑事が登場している某クロスオーバーゲームで、某7号ライダーと同じ病院に入院していたことがある。

  • 橘剛
演:本郷功次郎
警部。長崎県警捜査一課出身でヤサグレ刑事→キリッとした中年男に謎の変貌を遂げる。キレのある推理が特徴。
無二の親友を検挙したため一時的に交番に移動した。これがきっかけで家族関係にひびが入る。しかし神代の推薦で特命課員となった。
桜井と捜査方針で激しく対立したことも。
ガメラとは関係ない。

  • 叶旬一
演:夏夕介
警部補。突撃ヒューマン/スカイゼル。新宿の孤児院出身。捜査でラフプレーやスタンドプレーが目立つ新宿中央署捜査一係出身で初期はアロハシャツ刑事だったが、謎の変貌を(ry。
エリートだがドライな一面も。
加入前に強烈な犯人役で中の人が出ていた。
また偶然だが中の人がデビューした切っ掛けが「バンド『オックス』の二代目キーボード奏者」で、スカイゼルが「身代わりロボット」、本作でも津上(元フォークバンドのドラムス)と交代で登場と、代表作2つで「誰かの代わり」として登場している。

  • 吉野竜二
演:誠直也
巡査長→巡査部長→警部。某秘密戦隊で火男。佐賀出身で浅草警察署から特命課員になった。怖そうな顔だがおっちょこちょいな所も。
水道局に勤める父と行きずりの女との間に生まれた。
立てこもり事件で犯人の説得に成功したがバーテンが空気嫁したため銃が暴発、殉職した。

  • 紅林勘一
演:横光克彦
警部補。グンマー出身。外語大出身で警視庁外事課から特命課員に。
とにかく地味。加入エピも他の刑事と比べて印象に(ry。謎の変貌もしない。なぜか桜井同様ヘリコプターの資格を身につける。特撮作品も『風雲ライオン丸』や『特警ウインスペクター』、『シン・ゴジラ』や『仮面ライダー1号』のゲスト出演ぐらい。
グンマー出身で、ヘリに乗れるのは大門団長と同じなのに…。
理論家の刑事だがマザコンだった。
後年の出演作は中の人が本当の議員になったせいか、政治家役が多いのも特徴。



五木田『追記修正を依頼した刑事!』

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最終更新:2024年04月17日 13:11

*1 最終回では顔出し出演している