打ち切り

登録日 :2013/04/17 (水) 19:06:50
更新日 : 2017/08/07 Mon 20:42:02
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「仕事の話に戻りますけど、『ソードマスターヤマト』来月号で最終回です」
「ウソォ!?」
「悪く言えば打ち切りです」






打ち切り とは、主に以下の3つを指す。
1. 定期放送されていたテレビ番組の放送が終了させられる。
2. 定期連載されていた漫画の連載が終了させられる。
3. 刊行されていたライトノベルの展開が終了させられる。

我々アニヲタにとっては1も2も3も恐怖の対象である。
いかに面白い作品も打ち切られてしまえば水の泡、そこから先は観ることができない。
有史以来数限りない作品が打ち切りの憂き目に逢い、無数の作者や製作者、そして読者が涙を飲んできた。
本Wikiで 「打ち切り」とタグ検索する と多くの作品がヒットする事からも、打ち切りがいかに多くの人々を悲しませたかはお分かりいただけるだろう。
まあ多くの場合 面白くないから打ち切られる 事は否定できないのだが。

なお、長く続いていたものがある日終了すること自体を片っ端から打ち切り(終了に追い込まれる)扱いする人もいるが、
始まりがある以上終わりはある ため、終わることを十把一からげに打ち切りと呼ぶのは適切でない。
予め念入りに計画を立て、綺麗に終わらせたものに関しては完結或いは円満終了と考えるべきである。
詳細は各項で解説する。


【テレビにおける打ち切り】


「バラエティの終わりは常にズタボロのバッドエンド。誰のことも恨むな」
PERFECT HUMAN 中田敦彦(オリエンタルラジオ)

TV番組には明確な放送期間が決まっているものとそうでないものが存在する。
例えばアニメやドラマは最初から「1クール13話」「1年間52話」などと放送期間と回数が決まっているものが大多数である。
一方でニュースやバラエティ、映画などは、「いつまで放送するか」が決まっていない事が多い。

前者の場合、当初決められた放送回数よりも短期間で放送が終了してしまえば「打ち切り」となり、たいへん不名誉な事とされる。
逆に後者の場合、打ち切り以外で番組が終了する手段がほとんどないため、
トリビアの泉(2002~2006)やプロジェクトX(2000~2005)のように、
いかに人気番組であってもその最期は「打ち切り」と呼ばざるを得ないものが多い。

番組のレベルが高くても延々と続けたがために飽きられ、後述する視聴率不振になることもある。
円満終了と言えた番組は、いいともやスーパーからくりTVくらいのものではないだろうか。

バラエティ番組等でも明らかに大きな予算やビッグネームが掛かっている、内容が多数の連続放送を前提としているなど、明らかに長期予定、またはそれを強く目指していることが推察できる作品が短命で終わるということも時々ながら見られる。
そういったケースの場合「惜しまれつつ終わる」というケースがまず無く、
単に「失敗」など直接的にネガティブな言葉で表されることが大半である。


【視聴率低迷による打ち切り】

最も多い打ち切りのパターンがこれ。
NHK以外の放送局は、基本的に他社のCMを流してスポンサー料を貰うのが収益の1つとなっているのだが、
CMを流す企業の目的は「多くの人にCMを観てもらい、自社の製品を知って(買って)もらうこと」である。
ゆえに視聴率の低い番組(=CMも見られてない)と判断されれば、スポンサーが撤退しまう事があり、
結果的にその番組で収益を上げるのが困難になってしまう為、打ち切りとなるのである。
なお、視聴率が録画勢を考慮していない理由としては録画勢は基本的にCMを飛ばしてみるため、
上述の意義を考えれば意味がほとんどないとされるのが主な理由。

ただし、関連グッズの売り上げが高い等の理由があれば、視聴率が低かったとしても打ち切られない場合がある。


打ち切りアニメの代表格。そして 日本アニメの代表格でもある
前者は3クール、後者は4クールの予定だったが、視聴率不振によりどちらも1クール短縮された。
行きはさんざん難航したヤマトが帰路はアッという間に帰ってくるのはこの短縮のためにほかならない。
もっとも、スタッフのトップである西崎氏が短いインターバルで会議を開き過ぎていたため制作はかなり遅延しており、
スタッフ的にはこれで正解だった面も少しだけある。

ガンダムはスポンサーからスーパーロボット路線への転換を強いられたがこれを拒絶し打ち切られた。
だが、結果としてガンダムはリアルロボットの金字塔となり、アニメ業界に新風を吹き込む結果になった事は言うまでもない。
元々玩具自体は割と売上良好で(ただし序盤は低迷し、売り上げ良好になったのは打ち切り決定後のクリスマス商戦で発売されたDXガンダムセットだった、とも)
作品自体も着実にファンを増やしていたのもあり、
打ち切り決定に怒ったファンたちからの抗議の手紙&電話でテレビ局が対応に追われ、これが原因で短期間での再放送が決定。
皮肉なことに再放送でようやく作品人気が視聴率に反映し、劇場版制作に繋がった。

人気ゲームのアニメ化と過大な期待が寄せられたものの、野球中継等で度々中止にされシナリオを消化できなかった上に、
対象層の被る裏番組「おぼっちゃまくん」をはじめ他局に視聴率を取られていたため打ち切られた。
そのため本来の予定とは異なる打ち切り用の最終回が制作・放送されたのだが、その内容は
「数十年後のヒロインと思われる老婆が孫らしき子供たちに結末を昔話として語る」というものであった。
このあまりにも強引かつ唐突な終わり方は、当時の視聴者に打ち切り最終回として強烈な印象を残すこととなった。
しかし翌年早々には打ち切り最終回をなかったことにした続きの第2部が放送され、物語は完結している。
ただ時間がローカル枠だったため、第2部が放送されなかった地域では、
「打ち切りエンドのまま完結したものと思った」「再放送やレンタルビデオで初めて続きを知った」という視聴者も相当数いたようだ。
なお後年には地方局の再放送でも打ち切りになるが、それはまた後述。

1982年秋、日本テレビとよみうりテレビが「ゲキゲキアニメだ月・木・土」のキャッチフレーズとともに各曜日の夜7時にアニメ枠を追加新設、放送開始したアニメ。
しかし「あさりちゃん」「まんが日本昔ばなし」など裏番組の視聴率を崩せず、ゴールデン帯の児童向けアニメにもかかわらず 1クール13話 で早々に打ち切られた。
ただ「忍者マン一平」は次クールの金曜夕方に再放送が行われたため、一応半年は放送したことになる。

視聴率の問題もあるだろうが、例のキャッチフレーズやゲキゲキアニメ作品を掲載した下敷きを配るなどの積極的な広報活動を見る限り
局側の期待値があまりにも高すぎた のは否めないだろう。
もし夕方や日曜午前などほかの時間帯だったら半年~1年続いていた可能性もあったかと思うと毎回楽しみに見ていたよい子の視聴者が不憫でならない。
特に「忍者マン一平」はこの後、原作漫画の方も連載雑誌休刊により打ち切りとなったため、ファンは踏んだりけったりである。
なおゲキゲキアニメの残り1作「ときめきトゥナイト」は野球中継による約1クール分の休止を抱えつつも1年完走した。


【路線変更絡みの打ち切り】

視聴率不振に陥った場合、打ち切りの前にしばしば行われるのが路線変更である。
現在の路線は視聴者にウケないと判断され、新しいコーナーを設けたり番組のカラーを変更したりする。
(特に特撮番組に顕著。『ウルトラマンレオ』(1974~1975)、『仮面ライダーX』(1974)、『ブルースワット』(1994~1995)など。レオの場合はオイルショックによる影響なので致し方ないが)

ただし、全く新しい事を行なって視聴率が回復する保証はないという理由から、一度成功した番組のフォロワーと化す事が多い。
結果として旧来のファンからも見捨てられ、打ち切りとなってしまうのはよくある話である。

特に保守思考が根強いヲタ界隈では路線変更は基本的に評判が悪い。
著名な例を挙げると、路線変更を受け入れて4クールを放送しきった『仮面ライダー響鬼』(2005~2006)は「路線変更さえなければ…」という評価が多く(路線変更に対して怒りを抑えきれなかった主演俳優が、 後半のメインライターが書いた最終回脚本を書き直すという異常事態を招いた )、
路線変更を拒否して3クールに放送短縮された『ウルトラマンネクサス』(2004~2005)は「よくぞ路線変更せずに作り上げた」という評価が一般的になっている。

ただ、一概に「路線変更は改悪」と決めつけるのは決して良い判断とは言いがたい。
例えば初代『仮面ライダー』は初期の怪奇路線を転換したことで、
『ルパン三世』は第2シリーズから子供向けを意識したことで、どちらも現在まで続く人気シリーズとなったのだ。

前述した『響鬼』についても、放送当時から「路線変更後も嫌いじゃない」「むしろ英断だった」という旨の声は少なからず存在し、
当時こそ否定派に押し切られた感はあるものの、時を経た現在は再評価する動きも増えつつある。

何より、『響鬼』は路線変更に踏み切ったことで、その後ニチアサの平成仮面ライダー放送枠を十年以上維持し続ける成果に繋げており、
逆に『ネクサス』は変更しなかった事で母体としていた「ULTRA N PROJECT」の頓挫、
ただでさえ数十年以上に亘って赤字体質が続いていた円谷プロの業績悪化に拍車がかかり、
2007年に倒産寸前に陥った円谷プロがTYOに経営権を譲り渡す結果となったという事実だけは念頭に置くべきだろう。
(そもそも放送短縮に陥ったのは、いくら大人向けとはいえ、それだけメイン視聴者の児童層から支持を得られなかった事の裏返しな訳で……)

スポンサーから要請された路線変更を拒否して打ち切られたケース。
打診されたのは主な視聴層とメインターゲットがある意味正反対で、玩具の売り上げ低迷に繋がったため。

なんでこうなったのかと言うと、そもそも「男女の愛」をテーマにしたことで『ダイモス』は、
「ロボットアニメと混ぜたロミオとジュリエット」 とも評される女の子向けアニメもビックリな純愛ドラマが展開されていたからである。
結果、メインターゲットである少年たちは気恥ずかしさから他の番組に流れてしまい、恋愛ドラマに惹かれた少女たちがこぞって見るようになった、
と言うのが大まかな経緯(元々前々作前作はいずれも女性ファンが非常に多く、その流れとの相乗効果なのか『ダイモス』は相当な数の女性ファンを抱え込むことになった)。
そしてスタッフが路線変更を拒否したのも、その内容が「ヒロインを殺害して普通のロボット物に回帰してくれ」という、
作品のテーマを最悪な方法で根本から否定する物であったから。
故・長浜監督はこの打診に激怒し、「変更するぐらいなら打ち切りの方がいい」と啖呵を切ったのが打ち切りの真相である。

実際に打ち切りが決まったことで下記の様に多少のブラックな要素が削られるという一側面でのプラス効果は生じたものの、
終盤の展開が慌ただしくなるという弊害も生じており、スポンサー側の打診の内容もかなり悪質だったのもまた事実であった。
勿論、打ち切りでも構わないことを言葉で表明してしまった長浜監督にも責任はあるが、この件に関してはスポンサーの非の方が遥かに大きいと言える。

……もっとも、路線変更せずに打ち切られなかった場合は、
自業自得な末路を辿ったある主要人物の悲惨極まりないその後の姿で作品を終わらせる予定だったので、
スタッフたちには悪いがメイン視聴層であった少女たちの精神衛生を考えたら打ち切りを決めた局側の判断は正解だったのかもしれない。
(番組自体は年を越しているし、実際に制作された最終回の方も少々ビターながらちゃんとハッピーエンドで終わっている。
長浜監督を筆頭としたスタッフたちもテーマを貫徹できた満足感もあってか、打ち切りになったこと自体は殆ど気にしていなかった)


【不祥事による打ち切り】

ヤラセや捏造の発覚、出演者の逮捕、収録中の事故など、不祥事が発生すると多くの場合番組はあっという間に打ち切られる。
ただ死亡事故に発展せずに済んだ場合、元の番組が打ち切られても関連番組の放送は継続されたり、安全対策を強化した後継番組が作られることはある。
またドラマや映画の場合「不祥事を起こした人物の出演部分を削除・または代役による新規収録によって置き換える」措置が取られるケースがあり、連続作品では『バトルフィーバーJ』がこれに当たる。
幸いにしてアニメとはあまり縁のない打ち切り理由だが、主役が誤認逮捕された『ウルトラマンコスモス』(2001~2002)はかなり危なかった。

  • ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!(1990~1993)
ウッチャンナンチャンの冠番組で、後に『めちゃイケ』が放送される「土曜8時」枠で放送されていた。
ゲスト出演者が収録中に事故死したため打ち切られた、「不祥事打ち切り系」では最悪のケース。

  • 筋肉番付(1995〜2002)
TBSのバラエティ番組。
様々な分野から集めた力自慢達が各種競技で耐力と技術の限界に挑戦する。
出演者が負傷する事故が発生したため打ち切られた。
なおその後安全対策を強化した後継番組が作られたが、こちらも放送終了している。
ただ派生番組にあのSASUKEシリーズやスポーツマンNo.1決定戦シリーズがあり、これらは不定期特番として現在も放送が続いている。

  • ぴーかんテレビ(1998~2011)
東海テレビの情報番組。
被災者を思いっきり馬鹿にしたテロップを誤って表示したため非難が殺到、打ち切られた。

  • 発掘!あるある大事典II(2004〜2007)
フジテレビのバラエティ番組。
『発掘!あるある大事典』(1996〜2004)より改題した番組で、食や健康を中心とした暮らしにまつわる情報を視聴者に提供する。
放送の反響は凄まじく、番組で取り上げられた食品が翌日売り切れることもザラだった。
一方で、実験に対して「無意味ではないか」と専門家から疑問の声が尽きなかった面も。
そこにデータの捏造が発覚し、急遽打ち切りとなった。

  • ほこ×たて(2011〜2013)
フジテレビのバラエティ番組。
文字通り矛盾したもの同士の対決で、町工場の維持を賭けて闘う姿が人気を呼び近年のフジテレビの番組の中では珍しく高視聴率を維持していたがヤラセが発覚。即刻打ち切りに。


【とばっちりによる打ち切り】

その番組自体に罪はないのに、実際の事件と勝手に結び付けられて非難の対象にされるというはた迷惑なパターン。
必殺仕置人殺人事件(1973)など大昔から存在するが、近年はヲタコンテンツが非難のやり玉に挙がりやすいため恐ろしい。
影響が皆無とまでは言わないものの、コンテンツが膨大に存在する昨今、「一切ゲームもマンガも所持せずアニメも見ない」人物の方が希少になりつつある。
なおこのようなパターンの場合後に許されて後継番組の制作が行われたり問題のシーンを上手く誤魔化したりして再放送などがおこなわれるケースもちょくちょくある。

School Days最終回放送の前日である9月18日、少女が父親を鉈で殺害する事件が発生。
さらにその一週間後には報道を見た少年が斧で父親を殴打する事件が起き、また同年5月には会津若松で少年が母親の首を切断して殺害した事件もあったため、大きな騒動となった。
前者は地上波全局が殺人シーンのある最終回の放送を自粛し、後者は東海テレビとテレビ埼玉が放送を途中で打ち切った。
その後の「School Days」に関する色々とアホ臭い顛末についてはNice boat.に詳しい。

事の発端となった事件は少女がゴスロリファッションに傾倒していた事と、凶器の共通点から「ひぐらしのなく頃に」の影響が取り沙汰されたが、
実際は警察官であるにも関わらず浮気を繰り返す父親と、その事をひたすら愚痴り続ける母親に対して、潔癖だった少女が追い詰められた結果であった。
斧での殴打事件は少女の事件報道に影響されたもので、母親殺害事件は放送開始よりも遥か前の事件であるため、三件とも作品を視聴したために発生した事件ではない。

後に「School Days」最終話の殺人シーンは2016年に放送された地上波のテレビ番組の中でダイジェスト形式で流される。

  • 密室謎解きバラエティー 脱出ゲームDERO!(2010〜2011)
文字通り部屋に秘められた謎を解いて密室からの脱出を目指す番組。
それなりの人気があったが東日本大震災が発生してしまう。
「水の間」の徐々に水が増えていく仕掛けや「石像の間」の後ろから徐々に石像が迫ってくる仕掛けが津波を連想させてしまうとされ、あえなく打ち切り。
なおその後それらの要素を排除した後継番組が作られ、レギュラー放送終了後も不定期特番として放送されている。


番外
本作は最終回が「スーパーセルに擬態した巨大魔女に襲われる街を守る」という内容であった。
しかし東日本大震災とタイミングが思い切り被ってしまい、
悪いことに市民たちが体育館に避難するなどのシーンもあったため、視聴者への心理的影響を配慮して最終回が放送延期となった。
厳密な意味での打ち切りではないが、作品側に責任のない一例として述べておく。


【製作の都合による打ち切り】

ここまではテレビ局側が放送を中止するパターンについて述べたが、逆に番組制作側の都合で制作を続けられなくなってしまうパターン。
制作会社の経営不振や倒産、メインスタッフや関係者による資金持ち逃げなどもある。

人気も視聴率もあった怪物番組だが、円谷英二が特撮にこだわりすぎて制作が間に合わなくなり、
本来4クールだったところを3クールで打ち切らざるを得なかった。
この反省を踏まえた上で『ウルトラセブン』以降の作品は制作されていくことになる。

「ふたり鷹」と「クロちゃん」は放送中に制作会社が倒産、アニメを作ることが物理的に不可能となってしまった。
「ドン・ドラキュラ」はよりにもよって広告代理店のチョイスをミスって虫の息だった会社を選んでしまい、案の定1クール目で倒産した巻き添えで制作不可能に。
「クロちゃん」は次回予告まで放送していたが、とうとうその「次回」が放送されることはなかった……。
「ドン・ドラキュラ」は関東地区では実に第4話で打ち切られるというアニメ史上最速記録を誇っている。

ご存知、第一次ミニ四駆ブームを支えた名作のアニメ版。
打ち切りかどうかは微妙だが、タミヤ側が2クール目以降の放映を望んでいたにも拘らず、
広告代理店だった東急エージェンシー側の都合から2クールで終了させられてしまう。
これが第一次ブーム終焉の遠因となったため、その件を根に持っていたタミヤと小学館は数年後、
同じ轍を踏まないため爆走兄弟レッツ&ゴー!!のアニメ版を製作するに当たり、 企画の監修とスポンサー探しに関しては最初から最後まで広告代理店を爪弾きにした
一応、申し訳程度に「四駆朗」の時とは別の会社が広告代理店として就いたが。

第一次オイルショックによる予算の激減が大きな要因。そのためか、等身大戦や巨大戦の減少が目立っていた。
また、前作「スーパーロボット レッドバロン」が宣弘社制作だったのに対し、この「マッハバロン」は前作で特撮部分の外注を請け負っていた日本現代企画による単独製作によるもの。
前作より視聴率はやや低めだったがアオシマの合体玩具をはじめとして関連玩具の売り上げは上々で、
巨大ロボットの発進シーケンスや格闘戦などの特撮シーン、グリムロックを駆使した主題歌などは今日でも高く評価されている。
しかし、それでも前作から巻き起こったオイルショックの余波は尾を引いており、予算を賄いきれず40話を予定していたのが26話で終了している。
特にララーシュタイン博士率いるロボット帝国との決戦に向けて悲壮感を盛り上げるべく、仲間の一人、しかもヒロイン格の女性隊員が戦死するという第26話がよりにもよって 最終回 、まさかのバッドエンドとなってしまった事は語り草である。
もちろんロボット帝国との決着はついていない。 おそらく製作スタッフも寝耳に水で対応しきれなかったのだろう。
なお、打ち切られなければロボット帝国の新幹部・ゲシュター警部の登場とマッハバロンがララーシュタインに特攻して戦死、というさらに輪をかけた悲壮な展開が待っていたとのこと。
ちなみに、この番組を放送していた時間枠の後番は「ガンバの冒険」。それゆえか、後述の編成の問題 *1 が独り歩きしている印象は否めない。


【出演者の都合による打ち切り】

上の亜種であり、番組の核となる主演が出演出来なくなるため視聴率等に関係なく打ち切られてしまう。映画版『男はつらいよ』もこれに入る。
なお番組出演者が撮影中・直前に出演不能になっても何とかなるケースは結構ある。
例を挙げると『渡る世間は鬼ばかり』は「岡倉夫妻と娘たち」が主人公なため、夫妻が他界しても物語は続き(但し岡倉大吉役の藤岡琢也氏没後は宇津井健氏が代役を務め、宇津井氏の死後「大吉没後」編SPドラマを制作)、
1974年の大河ドラマ『勝海舟』では当初主演だった渡哲也が急病により降板後、松方弘樹が代役を務めた。渡はその2年前にも『忍法かげろう斬り』を病気降板して弟の渡瀬恒彦が代役をし、その渡瀬メインだった『警視庁捜査一課9係』は渡瀬の死後も「渡瀬が演じていた人物が異動になった」という設定で新作が作られた。

  • 太陽にほえろ!(1972~1986)
14年間続いた刑事ドラマのエポックメイキング的作品。
少なくとも切りよく15周年企画までは予定されていたが、
メインだった石原裕次郎の体調が(1981年に倒れ番組出演を休んでいた時よりも)末期的状況になってきたため打ち切られた。
さすがに急すぎたせいか、後番組で後日談となる「part2」(DVD化時には本編と共に扱われた)が1クール制作された。

  • 魔法少女ちゅうかなぱいぱい!(1989)
不思議コメディシリーズの特撮作品だったが、主演女優がマネージャーと駆け落ち未遂事件を起こして降板、打ち切りになった。
打ち切りとはいえ物語は完結しており、残り半年は主役を交代した続編「魔法少女ちゅうかないぱねま!」へ引き継がれた。

司会者が「黒い交際」発覚により引退したため打ち切り。
但し最終回はきっちり行っている(他局では『クイズ紳助くん』が完全な打ち切りエンド。『行列の出来る法律相談所』等が司会者交代で続行)。

  • SMAP×SMAP(1996~2016)
SMAPの解散を受けて終了。
また解散の切っ掛けに色々と「大人の事情」が絡み過ぎていたせいか、「番組最終回」=「最後のステージ(但し特別なコメントは一切なし)」になってしまった。


【スポンサーの都合による打ち切り】

民放局で稀に発生する事態。番組のスポンサーが撤退してしまうパターン。
主にスポンサー企業の経営方針の変更や経営不振、関連商品が売れずCMの効果が見込めない、
番組の評判が悪化する(スポンサー企業のイメージ悪化を避ける)等が理由として挙げられる。
かつては1社提供の番組が多かったため発生しやすかったが、複数社提供が基本となった現在では発生率は減った。
ズバットやレイズナーのように 視聴率は良かったが、関連商品の売り上げ不振 による打ち切りなんてことも。

40年以上続いた国民的時代劇。「変わらない安心感」、「偉大なるマンネリ」の代名詞。
00年代後半から低迷が続くTBSでは、数少ない二桁視聴率を維持する番組だった。
そんな人気番組でありながら、メイン視聴者層は高齢者であり、スポンサー(パナソニック)の製品をあまり買わない年代であることから打ち切り。
一社提供であったことが災いした。

しかし、TBSも国民的番組を手放すのは流石に心苦しかったのか、2015年に複数社提供のスペシャルドラマという体を経て、2017年にはシリーズとして復活するに至る。

視聴率は高かったのだがなぜかおもちゃが売れず、よくよく調べてみると中学生くらい(中には大学生もいた)ばかりが観ていたことが明らかになったため打ち切り。
同様の事態は後番組『忍者キャプター』でも発生しており、おもちゃと視聴率のバランス調整の難しさが察される。
なお、この困難な状況を打破して大成功を収めたのが、続く『スパイダーマン』であった。

  • 小さなスーパーマン ガンバロン(1977年)
メインスポンサーだった『ブルマァク』が倒産したため作品に使用できる資金が大幅に減少。結局最終回もなしに打ち切られた。
バロンシリーズできちんと完結するのはロボット格闘大会を主軸にリメイクした1994年のアニメ版『レッドバロン』を待たねばならない。
こちらも視聴率は些か厳しかったものの、玩具の売上が良好だったため打ち切られず4クール全49話を完走することに成功した。
よりにもよって同時期のGガンと題材はおろか主人公の声が山口勝平で声優まで被ってるのに良く打ち切られず奮闘したもんである。

いわゆる初代空モモ。
視聴率は好転したものの、おもちゃの販売が頭打ちになったと玩具会社に判断され打ち切り決定。
これに反感を持ったスタッフにより主人公のモモが使命を果たせないまま…と玩具会社への抗議表現を含む有名な最終回を迎えてしまう。
しかしアニメとは無関係に開発されていた新商品のキャラを登場させる販促番組としての延長が急きょ決定。
2回の総集編放送により再準備期間を設け、新展開の第2部がスタートした。

  • 超攻速ガルビオン(1984)
メインスポンサーのタカトクトイズが営業不振で倒産してしまい、代わりのスポンサーが見つからず打ち切り。
結局ほぼ完成状態の22話のラスト30秒に止め絵とナレーションによる「結末」を加えて強引に終了。
この顛末には、全国のファンから抗議の電話やハガキが国際映画社へと送られ、国際映画社側も泣く泣く謝罪せざるを得なかった。
その後、先述の「ふたり鷹」で国際映画社は倒産することになる。

メインスポンサーのバンダイが出していた残念な出来のプラモの売れ行きが悪く、3クール目で北斗の拳チックな路線変更をしたところに
三洋電機(現パナソニック)が石油ファンヒーターで一酸化炭素中毒事故を起こした影響で撤退し、本作よりΖΖΖが本命だったバンダイの意向もあって打ち切り。
打ち切りが急に決まったこともあり、最終話の前の回となった 37話の展開から一気に話が飛んでいきなり最終話(おそらく50話前後に相当)が始まる というぶっ飛んだ構成になっている。
なおこの話が一気に省略された4クール部分は、OVAの第三巻という形で補完されている(ちなみに一巻、二巻はTV放送分の総集編)。
なお視聴率は平均10%と悪くない……どころか裏番組が 「おニャン子クラブ」を輩出した「夕焼けニャンニャン」の全盛期だった ことを踏まえると大健闘した番組であった。

当たり前だがこの件でバンダイとサンライズの間には結構な溝が出来たようで、
リアルロボットブームが下火になったのもあってガンダムシリーズはTVアニメをZZで一旦終了。
映画やOVAなどでガンダムシリーズ自体のリリースは継続しつつも、TV放送の再開は93年のVガンダムまで間が空くこととなる。
その一方でサンライズは「魔神英雄伝ワタル」「鎧伝サムライトルーパー」を皮切りに、当てつけの如くバンダイのライバル企業主導によるシリーズ物アニメを多数制作する。

ファイナルファンタジー唯一の地上波アニメ作品であるとともに、あの悪名高き映画版『ファイナルファンタジー』の煽りで打ち切られた悲劇の作品として有名。
当初は駄アニメと見られていたものの、ゲーム版にはない特異な設定や演出で徐々に人気を獲得し、2クール目に入るころには相応の固定ファンを抱えていたが、
FFシリーズの発売元、かつアニメの主要スポンサーでもあったスクウェアが映画の歴史的大失敗を機に「映像部門からの撤退」を表明。半分の2クールとなる。

遊園地名物教育ママ達の集団PTAに徹底して糾弾された悲劇のアニメ。
ゴールデン→放送局減少→首都圏のみとどんどん放送範囲の縮小を余儀なくされ、最後にはスポンサーが1社もいなくなってしまった。

  • 週刊ことばマガジン(2005~2011)、情熱エンジン(2005~2011)、ふしぎのトビラ(2006~2011)
いずれも東北6県・新潟県で放送されていたローカル番組。
スポンサーだった東北電力が2011年3月の東日本大震災の影響で経営・イメージ悪化したため、震災時の放送休止がそのまま放送終了状態になってしまった。


【その他】

枠が足りなかった 」というとんでもない理由で、地上波ではごく中途半端にしか放送されていない。
「ビバップ」はテレ東規制に巻き込まれ比較的刺激の低い数話しか流さなかったが、一応WOWOW(地上波終了後)で放送された。
「バブルガム2040」は最終2話をVHSおよびDVDで収録されたが、ハッキリ言って 作品を舐めているとしか思えない

編成の事情 」という最悪なパターンで打ち切られた例。

「レディレディ!」も「ダイの大冒険」も視聴率も関連商品の売り上げも上々だったが、 『編成の都合』という名目でスポンサーの断りもなく打ち切られてしまった。
一応、「レディレディ!」は放送局をテレビ東京に移して「ハロー!レディリン」という新シリーズが放送されたが、ローカル枠だったため視聴できなかった人は少なくはないだろう。
「ダイ」に関してはタカラから出ていたミニフィギュア玩具「ダイコロ」シリーズの売り上げも上々で、竜騎衆ラーハルトの試作品も作られていた。
……が、TBSがフジテレビのバラエティ対策として 片っ端から人気番組を打ち切って「ムーブ」というバラエティ番組の時間枠を作ろうとした のが運のつき。
この番組も編成の事情に巻き込まれて中途半端に打ち切られてしまった。ついでに言うと『笑ゥせぇるすまん』を番組内アニメとして放送していた『ギミア・ぶれいく』も打ち切られている。
このせいで、中盤から終盤にかけての「ダイ」の柱になるポップの成長物語は描かれず、アニメの範囲では単なるいらない子で終わってしまった。
これ以降、東映は完全にキレたのかこれ以降から2016年現在まで、TBS系列で放送した東映アニメは2007年の「ラブコン!」アニメ版のみである。
唯一の例外である「ラブコン!」も、本来はテレビ朝日で検討していたが枠が取れなかったので仕方なくTBSにしたという話も有る。
また、この件もあってか特撮関連では今も完全に縁を切っているようなものであり、仮面ライダーのTV放送復活を告げる作品もかつて昭和ライダーシリーズの制作局であった毎日放送がTBS系列な影響で、腸捻転の解消により『ストロンガー』~『BLACK RX』の時期ライダーと縁が無くなっていたNETことテレビ朝日で制作・放映された。

なお、肝心の「ムーブ」はこれらの所業が祟って「上岡龍太郎の男と女ホントのところ」以外が 爆死レベルの視聴率 しか出せずに1年以内で打ち切り。
好評だった「関口宏の東京フレンドパーク」すら1年も持たなかった(半年後に「関口宏の東京フレンドパーク2」へとリニューアルされ再開したが)。
懲りずに後番組もムーブ枠でやったが更に短命に終わり、テコ入れで「ザッツ!」へと改名されるも半年程度で 枠が消滅
タダでさえこの悲惨な顛末で急落したTBSの視聴率はそれから数年後、とあるカルト宗教の凶行で芋づる式に発覚した大不祥事とその際の最悪な態度が追い打ちとなり坂を転がるかの如く更に下がっていくことになる。
というか、放送免許更新を拒否られかけた、なんて噂も出た。
だがTBSはこの失敗から学ばなかったのか、2009年に今度は大型帯報道番組『総力報道!THE NEWS』を「フレンドパーク2」等を押しのけて放送するも一年で終了。フレンドパークが元枠に戻る(もさらに一年後終了)というポカをやらかしている。
さらに余談だが「大型バラエティ枠の開始に伴い番組時間帯変更」になったものとしては同じく2009年に日本テレビで放送された「サプライズ」枠があるが、こっちの場合は移動させられた「名探偵コナン」等3番組が現在でも継続し、「サプライズ」枠も「ムーブ」と似た様な感じになったが、「火曜サプライズ」という成功例が残っている。

「B'tX」は1年放送を念頭に入れていたのか、原作のストックが追いつくのを何とか避けるためオリジナルエピソードで水増したり、
エックスに似た黒い麒麟のB't・シャドーエックスとそれを駆る黒いバトルギアを纏った謎のドナー()・黒騎士を登場させたり…と工夫したが 局の都合で打ち切られた
これもTBS制作だったりする……しかし、アニメの方はOVA「B'tX NEO」で完結しており、シャドーエックスは原作漫画にも登場、作品自体は無事に幕を閉じている。
また、海外での評価は高かったのか、日本では未発売に終わった『ソリッドスキャンキット』のマックス、マドンナ、リュカオン、五色の燐光を発動したエックスなどが発売されている。

これら多くに共通するものとして
クソつまらんジャリ番がでしゃばるな!お前らよりも視聴率が取れる番組はいくらでもあるんだ!!
という上層部の横暴による場合もある。これに巻き込まれた制作者側はたまったものじゃない。
もっとも、そういう上層部肝煎りの「視聴率が取れる番組」も失敗してしまうことは少なくないのだが。
若者のテレビ離れと業界が叫ぶ昨今、肝心のうら若い視聴者たちからそっぽを向かれるような編成ばかりするから見向きされなくなるという事実を、業界はどこまで理解しているだろうか?

「ドラゴンクエストIX」発売直後の2009年8月にチバテレビ夕方5時台のアニメ枠で再放送されるも、6話放送したところで
ドラゴンクエストの放送について
「ドラゴンクエスト」は放送権利の問題で急遽放映できなくなりました。ご了承下さい。
と同局ホームページで公表、視聴者にはよくわからない理由で打ち切られてしまった。
……アニメのドラクエはよほど打ち切りと縁が深いらしい。こんな理由でご了承できる人はそういないだろう。
なお、ドラクエ打ち切り後この枠では「らんま1/2」が放送され、こちらは無事に全話完走している。

同局ではこの数年前に「うる星やつら」を放送、途中終了したが
膨大な話数を抱える1話完結形式の作品が、穴埋めなどの目的で一部のみ再放送されることはそう珍しいことではない。
完結した続き物の作品がこのように打ち切られるのはよほどのことと言える。

  • ドラえもん(日本テレビ版)(1979・富山テレビ再放送時)
現在も放送中のテレビ朝日版ではなく、封印作品にも名を連ねる1973年放送の日本テレビ版の方の話。
本放送後2年間ほどは再放送の機会があったが、それも次第に絶えていった。
が、1979年7月に富山テレビで再放送開始。しかし、同年4月から 既に現行のテレビ朝日版の放送が開始 されており、
日本テレビ版の出来を快く思っていなかった作者および小学館から放送中止を求める警告状が富山テレビに送られ、
9回放送したところで打ち切られた。
なお、これが日本テレビ版旧ドラえもんが公の場に出た最後の機会となった。
奇しくも、富山は作者藤子・F・不二雄の出身県である。

当初は他のTVシリーズのガンダム同様に4クールが予定されていたが、3クールに短縮された。
(また、打ち切りが決まる以前の段階で放送枠が夕方から早朝に移行していた。)
その理由は編成上の都合とも、当時の放送局がアニメを軽視していたことによるともされているが、真相は定かではない。
ただし、放送期間が短くなったことで終盤はかなりの急展開であったものの、全体として切られたエピソードはないようである。

  • 2000年代前半のフジ深夜アニメにおける打ち切り
放送機器メンテナンスやスポーツ中継の延長などによる放送時間の消滅によって 予定していたスケジュールで放送ができなくなり
連続放送などの措置を取っても放送期間内に放映しきれなくなった結果打ち切られるという、かなり特殊なケース。
上記のTBSの「 編成の事情 」と同ケースだが、また違った理由の局の都合の打ち切り。
R.O.D -THE TV-』、『サムライチャンプルー』、『GAD GUARD』などが被害にあった。
放送されなかった残りのストーリーはスカパーやBSといった有料TVで放送されている。

当時のフジ深夜アニメではこの他にも深夜アニメの放映トラブルが常態化しており、結果フジにおける深夜アニメ放送そのものへの信頼が失われることとなった。
詳しくは2000年代初頭フジテレビ深夜アニメ問題にて。

  • 2012年3月の第一興商スターカラオケ終了における打ち切り
チャンネルの運営終了による打ち切り というあんまりなケース。
スターカラオケはその名の通りカラオケなどの音楽番組を放送していたCS放送チャンネルなのだが、2009年10月から新たに昭和のアニメや特撮の放送を開始。
しかし放送ペースはなぜか2週1話という超鈍足ペースだった。つまり全話放送するには本来の2倍の年月がかかってしまうことになる。
2011年、運営元の第一興商はテレビ放送からの撤退、および当チャンネルの放送終了を公表。
当時放送されていた「鉄腕アトム」、大場久美子の「コメットさん」は全話放送できないまま、チャンネルの終了とともに途中で打ち切られた。
…それにしても第一興商はアトムを8年もかけて放送するつもりだったのだろうか。

【海外ドラマ】

海外ドラマはシステム的に 打ち切りエンドにならざるを得ないようになっている
これは「1シーズン目から何シーズンも続けることを前提とした話を作る」という方針が取られているのが原因。
よって、最終回でも大きな謎や伏線は放置したまま、主人公がピンチになったり新たな火種が登場したりしつつ次シーズンへ引いて終わる。
主人公の大きな目的は終わったのにまだ続くこともザラ。

これは昔の連続映画で主人公が崖にぶら下がるピンチで次回に引いて終わりという手法がよく用いられていたことにちなんで「クリフハンガー方式」と呼ばれる。
日本的に分かりやすく言うならオシシ仮面方式。

しかし人気が出なければ当然そのシーズンで終わってしまうため、何年も続いた挙句尻切れトンボならまだいい方、
大抵は謎も伏線も回収しないまま投げっぱエンド。というケースが後を絶たない。
ファイナルシーズンを作る猶予が与えられたドラマは本当に幸せである。

この他輸入番組特有の事情として、本国ではシーズンを重ねた人気番組であったが日本での視聴率はさっぱりで早々に放送終了、というパターンもある。
わずか4回でテレ朝ゴールデン帯の放送を打ち切られた「F.B.EYE!!」はその代表例といえるだろう。
NHKやBS、専門チャンネルに新作の放送が移行し、地上波の民放キー局が撤退した現在においてはここまでひどい打ち切りは見られなくなった。

  • 新・逃亡者(2000~2001、日本での放送は2001~2002)
往年の名作ドラマで映画化もされた「逃亡者」の現代版リメイク。
日本初放送となったBSフジの目玉番組とされ、地上波フジテレビのゴールデン洋画劇場にて初期エピソードを数度に渡り放送、
同時にレンタルビデオ店での貸出も開始しBSへの視聴誘導を図る、普及が進まず視聴者不在だったBSデジタルにもかかわらずヤマザキナビスコがスポンサーに付くなど、
当時の洋ドラ・BSデジタル事情からすれば破格の扱いを受けていたのだが、
最終話は 主人公をはじめとした主要人物らが何者かに銃撃を受け、彼らの生死も物語の謎もわからないまま、すべての伏線を投げっ放して終わる。
という典型的なクリフハンガーであった。ちなみにこの最終回の日本版サブタイトルは 「隠された真実」
結局新シーズンは制作されず、新・逃亡者の真実は今でも隠されたままである。

このような半端な終わり方をしたにもかかわらず、原作の持つ知名度から地方局やCS各局にて再放送が繰り返された。
最終回を迎える度に初見の視聴者から「続きはないの?」「これで終わり?」などの疑問や、反感を買ったのは言うまでもない。
なお、それまでのエピソードは1話または2話前後編で完結していたため、最終回の尻切れトンボっぷりがより目立つ格好となった。
当時BSデジタル放送チューナーの価格は10~6万円と高額(今で言う"テレビをもう1台買う"ようなもの)だったため、
このドラマのために導入した人は間違いなく憤慨しただろう。

  • 新チャーリーズ・エンジェル(2011)
これも人気探偵アクションドラマで映画化もされた「チャーリーズ・エンジェル」のリメイク。
放送局の米国ABCは、ターゲットとしていた女性層の視聴率がひどく回復も不可と判断し、4話目で打ち切りを決定。
話数は打ち切り決定時点ですでに撮影を済ませていた8話のみ。このためクリフハンガーですらない普通のエピソードで終わってしまった。

視聴率以前にも
エンジェル(探偵事務所の女性調査員)…旧・元婦人警官、新・ 前科者
エンジェルをサポートする男性ジョン・ボスレー…旧・気さくなおっさん、新・イケメン兄ちゃん
ストーリー展開…旧・事件調査はシリアスだが随所にユーモアもあり。最後は円満解決。 新・シリアス一辺倒で重い
と、旧作ファンにはもはや別物としか取れない問題点もあり、彼らを取り込めなかったのも敗因と思われる。

これらの他にも『新エアーウルフ復讐編』や『ナイトライダーNEXT』など、
前作と雰囲気がガラッと変わってしまったため打ち切られる人気海外ドラマは数多く、そして後を絶たない。

  • ターミネーター:サラ・コナー・クロニクルズ(2008~2009)
人気SF映画であるターミネーターシリーズを海外ドラマ化した作品。
3とは繋がらない2の続編であり、ファンからの評価が高かったものの、
セカンドシーズンで放送曜日が変更されたのをキッカケに低迷し、多くの伏線を残したままセカンドシーズンで終了した。

【漫画における打ち切り】

漫画はTVよりも制作に関わる人物が少なく、多くの人物やスポンサーが絡むTV番組等と比べると、
比較的自由な表現が可能なため、よっぽどのことがない限り「読者からの人気低迷」での打ち切りが殆どである。
逆に人気のある作品が打ち切られた場合、掲載誌か作家に何か重大な問題が発生したと見ていい。

よって、漫画の打ち切りが発生した場合、「なぜ打ち切られたか」よりも「打ち切りを宣告された漫画家が話をどうまとめるか」の方が注目される。
かのソードマスターヤマトもそこをネタにした作品である。

なお人気以外の要因も全くないわけではなく、作品自体は好調でもメディアミックスの都合や掲載誌の方針の転換、
あるいは編集部と作家の間でのトラブル発生や編集部のお家騒動に巻き込まれるなど「よっぽどのこと」により打ち切りになる漫画も少数派ながら前例はある。
また、「何か色々と社会的にデリケートなネタをやってしまった」故に打ち切りや巻きが入っての早期終了もあり、
近親相姦描写が問題視された「あきそら」などの例もある。

中には編集部が何も言われていないのに勝手に市民団体にビビって打ち切った「境界のないセカイ」という例もある(その後、移籍して完結した)。
雑誌の廃刊などによっての打ち切りなどもあるが、その場合は別の掲載誌に移行し、無事に終わらせることも多い。

また作者が複数の雑誌を掛け持ちしている場合、スケジュールが合わずうち1つを打ち切りにする場合もある。
この場合、マイナー誌やエロ漫画雑誌の作品が犠牲になることが多い。

この代表格がちみもりを作の「冥王計画ゼオライマー」原作版で、
作者が高屋良樹名義でのメジャー進出のため一端打ち切りになり、23年後に別の一般誌で完結編および続編の派生作品が描かれた。
但し、打ち切りに応じるマイナー誌の側も作家のメジャー進出を後押ししたいということで案外快く応じている場合もある。
この例は天王寺きつね作の「Rape+2πr」で、作者の一般誌連載が決まったため予定していた一章を切って完結を早めた。

なお、週刊少年ジャンプは最初から人気の出なかった作品をちょうどコミックスを1冊出せる連載数(10週間)で打ち切りを行って単行本を出すことが多い。
これは「10週打ち切り」と通称されている。
また、ジャンプはコミックスの売れ行きよりも読者アンケートの順位が打ち切り決定プロセスに大きく関わるとされており、「アンケート至上主義」と呼ばれている。
好きな作品が打ち切られたことを悲しむファンがいる一方、次はどの作品が打ち切られるかを楽しみにジャンプを読んでいる層さえも存在しており、
既に打ち切りは1つの文化と化しつつある。

一方、長く続いていた作品でも前々から単行本○巻分で終了すると作者が公言したものや、
伏線を概ね回収して終わったもの、通算話数を200話・500話などの狙ったような数字に揃えたものは
長い連載がある日終わったとしても打ち切りとは言わない。

後腐れなく綺麗に終わったけど未回収の伏線があるだろと思われる場合、単なるミスリード要素だったり、作者が意図的に謎のまま残しているパターンがある。
また、作者が故意或いは止むを得ず伏線を放り投げて大団円にした場合、「打ち切られた」のではなく「打ち切った」と言うほうが適切であろう。

また『鉄腕アトム』『忍者ハットリくん』(いずれも雑誌「少年」)、『アンパンマン』(いちごえほん)の様に「雑誌自体が打ち切られた」という気の毒な例もある。
『忍者ハットリくん』はその後アニメ人気を受けて執筆された続編『新忍者ハットリくん』で最終回を迎えることができた。
『アンパンマン』は雑誌休刊を知らされたキャラクターたちが読者に別れの挨拶をする、というよくありそうな最終回だが、
作者が掲載誌の編集長であることと、それまで一切用いなかった突然のメタ発言を考慮すると感慨深いものがある。


漫画の制作はアニメやテレビ番組と比べ制作側が少人数であり、個人の技量に依る部分が多く、
連載中の作者の病気や死亡によって続行不可能となり打ち切られる例もある。

ただし近年はプロダクション制度を採用している場合や作画者と原作者が分かれている場合があり、
人気作の場合は問題が発生した場合も人員を変更し、一旦仕切りなおして連載が続けられるパターンもある。

前者は『イタズラなKiss』(1999年作者逝去)、『クレヨンしんちゃん』(2010年作者逝去)、
後者は『味いちもんめ』(1999年原作者逝去により原作者変更)、『ポケットモンスターSPECIAL』(2001年作画担当が病気のため変更)、『キャタピラー』(2013年作画担当が急逝したため作画担当を変更)など。
また、『まりんこゆみ』も原案担当者が2015年に病死したが、後述の『ゼロの使い魔』と同様に逝去まで時間の猶予が幾分あったため、原案者が最終回までのプロットを残して作画担当の野上武志に託している。



【俺たちの戦いはこれからだ!型】

作品をたたむには展開があまり進んでいない場合に取られるパターン。
とりあえず伏線とかは放置して今戦っている敵を倒し、キリのいいところで終わらせる。
ラスボスに挑む主人公の心意気だけ描いて、とにかく終わったことにしちゃう。
「俺たちの戦いはこれからだ!」「俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!」といった煽りがよく最後のコマにつけられるのが特徴。
俺たちの「旅」だったり「冒険」だったりもするが、だいたい意味は一緒。
なぜか敵に突っ込んでいく絵か全員で走っている絵で終わることが多い。

どこかの二番煎じ臭いけど無駄に難解な設定、何をやっているのかわからない必殺技など、10週打ち切りになるべくしてなったサッカー漫画。
主人公がなんだかよくわからないけどすごいシュートに目覚め、西ドイツ代表を倒して唐突に終了した。
これを筆頭に、10週打ち切り漫画は当然ラスボスと決着を付けるべくもない段階で打ち切りを宣告されるため、「俺たちの戦いは~」エンドになりやすい。

  • 男坂(1984~1985)
車田正美が『聖闘士星矢』の前にジャンプで描いていた作品。
「この漫画を描くために漫画家になった」とまで評している入魂の作品だったが、30週打ち切り。
よほど打ち切りに未練があったらしく、

オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな このはてしなく遠い男坂をよ……。
未完。

という 未練がましい 魂の叫びを残し、今なお語り継がれる印象的な打ち切りとなった。

……この伝説の最終回から30年以上経った2014年4月30日。
車田正美のオフィシャルブログにて 連載開始に向けて製作中 と告知が出される。
そして6月9日より『週プレNEWS』でのWebコミック配信にて、 30年越しの再連載をスタートさせたのだ。
10月3日には30年ぶりの最新刊となるジャンプ・コミックス第4巻が刊行された。

  • SILENT KNIGHT翔(1992)
車田正美が『聖闘士星矢』の次にジャンプで描いていた作品。
「主人公は超人だが、その中では最下級」、「動物の形を模したプロテクターを着けて戦う」など、
あからさまに星矢の二匹目のドジョウを狙った路線が飽きられたか、二巻で打ち切り。
まったく伏線を回収することなく、敵に対峙して「一人でも戦い続けてやる」と決意を新たにするシーンから、
見開きで「 NEVER END 」の文字が書かれて終了。
その号の車田氏は、作者コメントで「…GOOD BYE」の一言だけを残して、『ジャンプ』誌から去る。


【なんとか終わらせちゃう型】

残された時間でうまくストーリーにケリをつけ、作品を終わらせるパターン。
作者にある程度の実績がある場合などは打ち切りの決定から実行までにある程度の猶予が与えられる事があり、この場合はちゃんと読めるものになる。
が、打ち切りの実行までの回数が短い場合マジでソードマスターヤマトが爆誕する事になる。

  • 風魔の小次郎(1982~1983)
車田正美があの「リングにかけろ」の後に執筆した、大人気現代劇忍者漫画。
実際は打ち切りではなく車田氏の要望に編集部が応じたことでキチンと完結できた作品である。
(最終章である『風魔叛乱編』はスケールこそ小規模化したが話自体はちゃんと上手くまとまっていた)

しかし、車田氏が終了を望むに至った経緯が 作者の判断による打ち切り と言っても過言ではなかったのでここに記載する。

作品自体は連載終了後に年月が経ってからOVA・実写化されたり、
別の漫画家による続編が制作されたりと非常に人気が高く、車田氏ももっと長く続けるつもりだったのだが、よりにもよって連載中に父親が急病で倒れてしまう。
車田氏も看病のため病院へ通う傍らで距離の問題から部屋をとった旅館で原稿を執筆するという最悪なコンディションを強いられた末に、
父親が逝去したことでモチベーションの回復が不能になる程の精神的ダメージを負い、
これが原因で連載の終了を決意し編集部も了承してくれたのが事のあらましである。
それでも綺麗に終わらせることが出来たのだから、車田氏の職人気質の強さが伺える。

「リングにかけろ」連載時にリフォームされた集英社の社屋ビルが『リンかけビル』『車田ビル』なんてあだ名で呼ばれたり、
他ならぬ当人が 「ジャンプが300万部突破したのは私の漫画のおかげ」 と「実録!神輪会」でネタにして編集部がそれを通したレベルで、
週刊少年ジャンプの屋台骨を支えた車田氏に対してなら編集部も家庭の事情を考慮して長期休載を了承しただろうが、
一説によると車田氏は上記の職人気質が裏目に出てそれを選ぶことが出来なかった模様。

打ち切りから見事に円満終了まで持っていった稀有な作品。
作者が編集部との交渉の末「赤マルジャンプ」での読み切り2回分の枠を獲得し、一部シナリオの短縮はあったもののラスボスとの決戦までを描ききった。
連載終了後にアニメ化され高い評価を得るなど、打ち切りでありながらかなり成功した作品である。
また、打ち切られずに進んでいた場合、仲間が数多く死亡するなどの鬱展開が予定されていたため、「打ち切られてよかった」との声もある。

  • 女王騎士物語(2003~2007)
リアルソードマスターヤマト
残ったボスを片っ端から2コマで倒し、伏線をすべて回収し、作者が考えていた展開をすべて書いた上で、
「エルトの愛がアルマを救うと信じて……!」というヤマトそのまんまな煽りと共に終了した。
基本的に、短期打ち切り作品は打ち切りまでの猶予が少ししか与えられない事が多いためリアルヤマト化しやすい傾向にある。
だが、本作は4年間も連載された作品でありながらヤマト程度の猶予しか与えられておらず、作者に対しての扱いが酷すぎるのではないかと物議を醸した。

雑誌休刊に伴い一旦打ち切りになるも、『テレまんがヒーローズ』で完結編が描かれる。
そこで終了かと思われたが、しばらくして まさかの二度目の完結編が描かれた。
結局打ち切りENDに変わりは無いのだが、珍しいケースと言える。

  • 放課後ウィザード倶楽部(2016~2017)
夢世界バベルを冒険する3人の少年の活躍を描くファンタジー作品。
最終話は打ち切り最終話の典型を思い起こさせる内容となっている。
最後のページの煽りは「輝け!!少年たちよ!!!」である。


【伏線?なにそれおいしいの?型】

もうどうしようもない場合、こうなる。
世界観はおろかテーマすらも投げ捨ててデウス・エクス・マキナが降臨する。

  • ゆび(2005~2006)
全8話の短期集中連載だったのに 誌面の都合で4話に短縮された という伝説の漫画。
唐突に登場人物が全員死亡し、世界が崩壊して終了。投げっぱなしどころの話ではない。

【まさかの延命決定型】

一旦打ち切りが決まるも、まさかの復活を遂げ何とか終了に漕ぎつけるケース。
但し打ち切り前と同じ雑誌で再開できるかは作品によって異なる。

  • オバケのQ太郎(1964-1966(他誌を含めると1974年まで))
藤子不二雄(初期は合作、後にFの単独作品に)の代表作の一つである、頭の毛が3本のオバケを主人公としたギャグ漫画。
『週刊少年サンデー』で連載を開始したが、読者からの反応が無く、不人気だと判断されて9回で連載終了。
…が、連載終了した途端、読者から再開を求める手紙や電話が編集部に殺到し、3か月後に連載再開するに至った。
アニメ化されれば視聴率30%越え、『オバQ音頭』のレコードはダブルミリオン達成、
そして小学館の自社ビルはほとんど本作のおかげで建設されたとも言われるほどの人気を博す。
その後も2度にわたってアニメ化がリメイクされるなど、現在に至るまで高い知名度を誇っているのはご存知の通り。
打ち切り復活の最初期の例、ならびに最も成功した作品と言えるだろう。

当初はなんとあの『週刊少年ジャンプ』にて連載。
エンタメ路線の『ジャンプ』においてあまり人気が高いとは言えず、
編集長の えこひいき バックアップで何とか1年継続するも、1974年にオイルショックに伴う誌面整理で打ち切り。
その後、リベラル系の言論誌『市民』に都落ちするも、雑誌が売れず、1976年の休刊と共に中座する。
次は日本共産党の機関紙『文化評論』へと移るが、1980年に打ち切り。
最後の活動の場となったのは、日教組の機関紙『教育評論』こちらで一応の完結を見る。
一般人の目に触れる機会からどんどん遠ざかっているが、そこはやはり日教組。学校図書館や原爆資料館に置かせるというルートから知名度を広げた。

  • 風雲児たち(1979~1998、2001~)
潮出版社の『少年ワールド』・『コミックトム』で連載されていた歴史ギャグ漫画。
当初は「幕末の風雲児たちの活躍を描く」としてスタートしたが、何と 幕末に突入するまでの前振りに実世界で20年かける という作中時間のスローペースに編集部がいら立ち、
途中編集部からの圧力で展開短縮をさせてもこの長さになったため打ち切られ、坂本龍馬主役の『雲竜奔馬』が強引にスタート。
だがそれも編集部と作者の関係悪化が治らず打ち切られ、結局2001年から続編の『風雲児たち 幕末編』(一部は『雲竜奔馬』と重複)がリイド社の『コミック乱』で始まり、歴史進行のスローさは変わらないが現在まで続いている。

当初は小学生編だけで終了する予定だったが、最後だからとバトル要素を入れた前後編仕立ての最終回が予想外の人気を博した事で3か月後に中学生編がスタート。そして高校生編にも続いていき月刊誌で6年間連載というロングラン作品となった。

主人公がゴルフの名門校のスカウトを受けたところで打ち切り。
保護者の下を離れてアメリカに留学し、数年後、プロとなった彼の活躍を保護者がテレビで見つめる、という終わり方だったが、
読者から継続希望の手紙が殺到したため、 まさかの連載復活。
アメリカではなく、国内の学校へ編入するという形に変更された。
ジャンプの長い歴史の中でも、打ち切りで一度完結してから連載復活したのは本作品だけである。
これ以降、ジャンプで連載が打ち切られる度に「ライジングインパクトよ再び」を合言葉に、読者が連載継続を編集部に訴えることが常態化した。
(むろん、それなりに人気のある作品に限られるが)
さすがに本作以外に完全復活を果たした作品はないものの、
編集部も「アンケートが振るわなくても可能性を秘めた作品はある」と学習したのか、前述の『武装錬金』をはじめ、
打ち切り決定から最終回まである程度猶予を持たせる、あるいは別冊で完結編を描かせるなどの猶予措置を取ることが増えた。
ファンにとっても漫画家にとっても優しい環境になったと言えよう。

【その他、特異な事例】

当時鉄腕アトム鉄人28号と人気を三分していた日本漫画界における最初期ロボット漫画にして三大ロボット漫画のひとつ。
しかしよりにもよって作者・桑田次郎が拳銃を所持していたことが発覚、 銃刀法違反で逮捕されてしまった ため急遽打ち切り *2
正体のバレてしまった東八郎が人知れず立ち去っていくという最終回はアシスタントの楠高治と小畑しゅんじによって代筆され、桑田版の最終回は1989年の完全版刊行を待たねばならなかった。
他にもアニメ主題歌を歌っていた克美しげるが殺人を犯して逮捕されたり、実写映画が大ゴケして会社を倒産させたり、続編漫画が雑誌廃刊に伴って打ち切られたり、トラブルに見舞われることの多い作品である。
なお桑田氏は逮捕後も人気は衰えず、精力的に作品を発表し続けている。

連載時は完璧な打ち切りだったが、後に出た愛蔵版で話のシャッフル・加筆修正が行われ、「打ち切り回前の長編→最終回」になる様に修正された。
…「俺たちの戦いはこれからだ!」的にも見えるしその所為で打ち切り回が一部単行本に未収録になったりしたが。
現在では「藤子・F・不二雄大全集」で現行版と連載版との変更点を確認できる。

  • ダスト8(1972年)
元々は打ち切り作品『ダスト18』だった。
だが『手塚治虫漫画全集』収録時の加筆修正で『ダスト8』となり、あっけなくはあるが完結した。
だったら他の作品(『バンパイヤ』や『ガラスの城の記録』等)も完結させてほしかった気が…。

最後の最後にプリンセスハオなるとんでもない爆弾を用意していた事で話題に。
なお単行本発行後は意外にもこの爆弾がよくできていた事で再度話題になった。
その後、完全版コミックスで描き下ろしの完結編が描かれた。
ちなみにその後連載された続編は再び打ち切られる羽目に。再開の目途は未だ立たず……

作者が援助交際で捕まる というあんまりにあんまりな理由で打ち切り。
作品自体の評価は高く、またストーリーも佳境に入っていたところだったため、「作者の人格と作品の出来は別」として継続を望む声も多かった。
発売予定だった単行本は中止になり、既刊も絶版になるが、2004年になってワイド版として復活。単行本からワイド版への再録が終わったあたりで、
『スーパージャンプ』誌に誌面を移して中断していたところから連載も復活。2005年に完結した。
なお、作者は一時期漫画家どころか社会生命まで危ぶまれたが、その後『トリコ』で再び人気を得たのはご存知の通り。こちらは無事に完結を迎えている。

数限りない打ち切りを食らった石川賢が辿り着いた、 自身の打ち切り漫画をまとめて1つの作品にしてしまうという新境地。
石川賢はこの漫画を自らのライフワークと評しており、彼の漫画が打ち切られる事は虚無ると呼ばれている。
自分の漫画が打ち切りになって嘆いている漫画家は、石川賢を読んで元気を出そう!
「一度の打ち切りが何だ」と思うか、「一度打ち切りになるとその後も打ち切りになりやすいのか……」と感じるかはその人次第であるが。
しかし虚無に挑んだ石川賢は「虚無の向こうは、やはり虚無でした」と語り、やがて急逝。
全ては虚無の彼方に消え失せてしまった。

特撮番組とのタイアップ漫画だが、番組が打ち切られてしまったために漫画版も打ち切り。
だが、最終回に与えられたページ数は わずか2ページだった……
ヒューマン最終回.png
(1ページ目)『「兄のかたきっ」と、新ヒューマンはグランドキングフラッシャーにおそいかかった。そして、ついにたおした』 「ぎゃあ」
(2ページ目)『にいさん、かたきはとったよ。これで、にいさんがのぞんでいたへいわがやって来るよ』
小学二年生の1973年2月出版号に記載されたこの内容。児童誌でもともとページ数は多くないとはいえ、まとめた作者の苦労が偲ばれる。
なお、小学館の学年誌にはそれぞれの学年で並行して同様の漫画が連載されることが珍しくなく、本作もその一つであった。
この画像は『小学二年生』のものだけであり、他の学年では違う結末が描かれている。

今は亡きガンガンWINGで連載が始まるが、エニックスお家騒動の影響で打ち切り。
その後、月刊コミックブレイドで仕切り直しになるが、ミッシングリンク編の連載途中で担当編集とイザコザを起こして連載中断。
その後、月刊コミック電撃大王へ移籍し再び仕切り直し。
その後、オリハルコン・レイカルを連載していた月刊ドラゴンエイジと枠を交換する形で3度目の仕切り直しになるが、
ストーリー半ばで急展開となりまたまた中断。
打ち切りと復活を繰り返している珍しい漫画なのだが、ぶっちゃけ続ければ続ける程グダグダになっている…。
そして、2016年に月刊チャンピオンREDにて新シリーズ「人狼機ウィンヴルガ」の連載が開始された。

  • 勉強しまっせ(1995~1996)
講談社の『別冊フレンド』に連載された、みやうち沙矢の少女漫画。
打ち切り理由が 副編集長のせい というあんまりなもの。
1996年3月号掲載話で、主人公の彼氏のセリフに「西成」が出た際、副編集長が欄外の注釈として
「※大阪の地名。 気の弱い人は近づかないほうが無難なトコロ。
という文章を(作者に断りを入れず 独断で )入れた。
これを見た西成の中学校や人権団体、果ては西成区長が抗議文を送り、結果的に打ち切りとなった(漫画自体は全く差別的ではなく、謝罪文だけでも良かったはずだが)。
ただし、その謝罪文の内容について「抗議による打ち切りと誤解される」などと批判され、
講談社はあくまで自主判断による打ち切りであると再度謝罪文を表明することになった。
なお、作者自身は昔通ったライブハウスがあった西成に親しみを持っており、差別の意図など全く無く地名を出しただけに、完全なとばっちりを受けた形である。

PEACH-PITの代表作。バトルロイヤルという当時の流行にアンティークドールという特異なホビーを組み合わせた、まったく新しいジャンルの作品である。
アニメ化で人気に火が付いたが、作者が編集部の怠慢に腹を立てて喧嘩別れし、非常に中途半端なところで打ち切られることになった。
ストーリー上だけでなく、分量的にも半端であり、最終巻は他の巻の半分ほどしか厚みがない。
その後、『ヤングジャンプ』誌に移籍し、タイトルをアルファベットからカタカナ表記に改めて再開。絶版になった単行本も、集英社から再刊された。

コミックへヴンで連載され、待望の第1巻が発売されるも、発売後僅か一週間で店舗から回収、連載も中止になってしまった例。
大人気漫画であるドラえもんのちょっと過激でえっちなコメディ版という立ち位置だったのだが、
出版元の日本文芸社は、ドラえもんのアニメ版権を持つADKの完全子会社だったのに、そのADKに認可を得ずに出版してしまったが為に、藤子プロからクレームが入った訳でもないのに、ビビって打ち切りにされてしまった。
所謂大人の事情が原因らしい。
他出版社であったらまだ連載が続いていたかもしれない。
なお、古本はプレミア価格で取引されている。

格ゲーブーム全盛の90年代初頭のゲーセンを舞台にした「90年代アーケードラブコメディー」でアニメ化も決定……のはずが、
メーカー側の許諾を得ていないゲームキャラクターが登場しているとの事で、著作権侵害にて連載中止・全本回収騒ぎとなった。
これは、出版元のスクウェア・エニックスが、SNKプレイモアにゲームキャラの出演許諾を得ていなかったというのが原因であった。
単行本の巻末には、ゲームの権利を持っているカプコン、コナミ、セガなど各社とともにSNKプレイモアの社名も掲載されているのに、
実際はSNKプレイモアだけ無許諾だったという編集社の大チョンボでした。
2015年8月にスクウェア・エニックスとSNKプレイモアが正式に和解、連載もリニューアルしての再開となりました。アニメ化早よ。

コンプティーク誌で連載されていた人気ゲーム艦隊これくしょん -艦これ-のコミカライズ。
作者はLiliTHなどで原画を手掛けたこともあるSASAYUKi_氏。
単行本一巻はゲーム原作スタッフによるドラマCD付きの特装版も発売され、
作者によると特典のない通常版単行本も重版がかかっていたのだが、その単行本が発売された少し後の14年6月号分から連載休止。
その後同年10月号にて「編集部の都合」による連載終了が伝えられた。

詳細は不明だが、角川でのコミカライズなどを手掛けるフリーの編集者がtwitterで
「ある編集スタッフが周囲への了承を受けず独断で行動していたり、
彼の話が相手によって異なっていたことがその人物の異動で発覚。複数の作品の連載を止めて立て直しを行ったが、終了せざるを得なかった作品もあった」
というトラブルがあったと述べており、その一つが本作ではないかと推測する声もある。

なお連載終了後に作者はtwitterで「公の場なので名前は出せないが、この件はある一個人に問題の起因が絞り込める」としている。

編集部の事情という意味ではコミックボンボンで掲載されていた複数本の漫画およびひいては雑誌そのものがあげられる。

当時のボンボンは少年漫画を中心にメディアミックスで大成功をしていたコロコロコミックに対し、
やや大人向けの漫画を展開する独自路線でコアなファン層を掴むことに成功していた。

しかし編集長が交代したことによって状況が一転する。
新たに打ち出された方針は「コロコロが成功しているのだからコロコロと同じ路線をすれば良い」というもので、
大人向けの漫画を片っ端から打ち切り・終了して、少年向け漫画を連載するようにしたのだ。

王ドロボウJING』は『月刊マガジンZ』へ移籍、
スーパーマリオシリーズ(本山版)』や『ロックマンX』『おきらく忍伝ハンゾー』など
当時のボンボンで人気だった漫画はほぼ片っ端から打ち切られてしまった。
もちろん同じ土俵で戦ったところで勝ち目などなく、ボンボンの迷走が始まったことは言うまでもない。
その最たる例が『クロスハンター』であったが、ここでは割愛する。

加えて前述通りに小学館はメディアミックスで成功していたのだが、
ボンボン側はガンダム、スーパーマリオ、ロックマン、がんばれゴエモン程度しか大規模なメディアミックス展開を行っていなかった。
にも関わらず『ロックマンX』の漫画も終了させ、さらに『ロックマンエグゼ』の展開を持ちかけられた際には、
「えぇー? アニメとか金かかるしいらないよ」と断ってしまったことで貴重な協力関係を喪い、
あろうことかコロコロが漫画展開を引き受けたため結果的に奪われてしまう事になった。
余談ながらボンボンは『ポケットモンスター』についても同様の失策をしており、経験をまったく生かせなかったという事になる。

さらにガンダムは角川グループ主導に切り替わってしまい規模を縮小、メダロットも『メダロットG』以降は展開をストップ。

また他ほどメジャーではないが十年以上協力関係にあった『大貝獣物語』についても、後続作品TCG『ミラクルVマスター』をサポートしてていたが、
あろうことか競合するTCG『マジャイネーション』を同時にプッシュした事で大混乱を引き起こし、両者共倒れにさせてしまった。

サイボーグクロちゃん』、『ロボットポンコッツ』、『デビルチルドレン』といった成功作も数多いのだが、
失敗がそれを上回ってしまった感も否めず、加えてクロちゃんに至ってはアニメ版が制作会社の倒産により打ち切りの憂き目に遭っている。

その後は、『ゲゲゲの鬼太郎』や『ネギま!』、『デルトラクエスト』などを掲載するも漫画連載陣が完全にモーニングかイブニングほぼそのままとなるなど(その作家たちが描いた連載漫画の質は別として)迷走に歯止めが効かず、かつての黄金時代の輝きを取り戻す事が出来ないまま、独自路線、メディアミックスといった強みを全てを失い結果的に2007年11月をもって休刊となった。


【ライトノベルにおける打ち切り】

漫画雑誌における打ち切りと似ているが、毎回書き下ろしで単行本を発売する形式のラノベもなかなかシビアである。
俗に「発売から一週間の売上」と「一巻と二巻の売上差」が基準となって続刊が決定される事が多いと言われ、
そのためかどうか余程一巻の売上が低くない限り(そして単巻読み切りを除いて)大体の出版社では最低三巻までシリーズ展開してもらえる事が多い。
ただ最近は二巻で打ち切りのケースも増えてきているとか。

その一方、たとえ長寿シリーズだろうが新人賞受賞作だろうがコアな人気を持つ作品だろうが、
売上が低迷してしまえばシリーズ途中なのにバッサリと打ち切られてしまうことも稀に良くある。
加えて作者がどんなに続きを書きたくても、企画が通らず放置されてしまったり、
あるいは出版したいあまり無理な企画を通してしまって作者が書けなくなってストップ。
結果的に長期間放置されて実質打ち切り状態というケースもある。

小説家になろう』などWeb小説からの出版がメジャーになっているのはこれらの背景事情もあり、
「既に固定ファンが一定数ついている」事と「作品自体がある程度(数冊分)ストックが確保されている」という2点から、出版社の頼もしい味方となっている。

ただ如何せん粗製濫造になりつつある感も否めず、
弱小出版社が新規に立ち上げたレーベルなどでは、 とりあえず適当に出版させた挙句に売上が見込めずあっさり途中で打ち切り なんてケースも多々発生している。
また作者が素人なのを良いことにラノベ作家としてはありえない(安すぎる)原稿料で契約をさせたり、
ひどい時には編集も「Web小説サイト見てランキング上位作品に声をかけるだけ」の素人まがいの人物な事もあり、トラブルに発展することもしばしば。
(念のため付記しておくが、これらはWeb小説を書籍化した出版社や編集部の中のごく一部でしかない)
これらの場合、そのほとんどが完結ではなく投げっぱなしでの中断で幕を閉じる。

幸いWeb小説だから書籍化が打ち切られてもネットで連載を最後まで読める……と安心はできない。
出版社との契約によって既刊分がダイジェスト化されたり、削除されたり、打ち切りのショックから作家が執筆を放棄したり、
あるいはこれら全部がまとめて発生 した結果、まったく作品が読めなくなってしまう事も少なくないのだ。
特にWeb版と書籍版とで大幅改稿されていた作品だと悲惨である。

しかも恐ろしい事に某大手ラノベレーベルでは「スリーアウト制」があるとの噂が実しやかに囁かれている。
つまり 「打ち切りが3回発生したら二度とその出版社で本は出させてもらえない」 という事である。
もちろんそうでない出版社の方が多いだろうし、あくまでもネットで流布されている噂レベルの話ではあるが、
作家志望者や新人作家が戦々恐々としているだろう事は想像に難くない。

その一方で『終末なにしてますか?』や『この恋、その未来』のように打ち切りが決定していたにも関わらず、
読者側からの続刊希望のファンレターが多かったためシリーズ続刊が再決定されるなどのケースもある。
やはりファンの力は偉大であるといえよう。
全部が全部そんな奇跡に恵まれるとも限らないのが厳しいところではあるが……。

なお一般(?)小説の部類に入るが『家畜人ヤプー』も最初は打ち切り作品であり、70年代までは「未完の名作」として扱われていた。
だがその人気のせいか80年代~90年代初めの単行本で加筆修正され完結、石ノ森章太郎によるコミカライズ版もアシスタントのシュガー佐藤の手によって同時期に完結した。
最も『家畜人ヤプー』に関しては作者が覆面作家であるため、「連載版と完結編では作者が違うのでは」という説が存在する。最終的に「作者」として完結させた人が故人なので真偽は不明だが。

いずれにせよ応援したい作家や作品シリーズがあれば、
新刊発売後になるべく早く購入する事が応援に繋がる ので、覚えておこう。


【作者事情による打ち切り】

前述の通り、続刊の企画が通らない、あるいは通すために無理な企画を作ってしまったため作者が書けなくなるといったケースもあるが、
それ以外の作者事情による打ち切りも多々存在する。

有名なのが1995年に第五回富士見ファンタジア大賞を受賞した『風の白猿神』だろう。
本作は今なお語り草となる傑作であったにも関わらず、1巻のみで以後20年以上にわたって続刊が発売されていない。
あくまでも噂レベルではあるが、本作の著者は副業禁止の公務員(教師)であったらしく、
商業デビューが職場に知られた結果、作家としての道を断念したのではないかという推測がなされている。


【メディア展開終了による打ち切り】

ライトノベルとメディアミックスは切っても切れない関係にあり、やはり頻繁に発生するのがこのケースである。
母体となる作品の展開が終了してしまえば、派生作品であるライトノベルもまた当然終了を余儀なくされてしまう。
初代PS版発売から十年以上刊行が続いた『高機動幻想ガンパレード・マーチ』のライトノベルシリーズなどは極めて異例のケースである。(最終巻はやや尻切れトンボな感が否めないが……。)

例えば新ソード・ワールドRPGリプレイヘッポコ冒険者シリーズ篇を題材にした『輝け!へっぽこ冒険譚』シリーズは、単行本第三巻刊行後に母体となるソード・ワールドTRPGのバージョンアップが決定。
世界観も何もかもが一新されてしまった ため、おそらく打ち切りで間違いないだろうと思われる。
一方、長らく刊行途絶、同様の理由で打ち切りだろうと思われていた『サーラの冒険』シリーズは、2005年に10年ぶりの新刊発売によって全6巻で完結したため、望みが一切無いわけではないが……。


【イラスト関係等のトラブルによる打ち切り】

ライトノベルは出版社、作者、イラストレーターの三位一体で仕事が行われている。
漫画でも原作と作画が別のケースはあるが、ライトノベルは原則として必ずこの三者が存在しており、どれ一つ欠けても作品として成立する事はない。

打ち切りでこそないが、原稿はきっちり仕上がっているにも関わらず、
イラストレーター側の予定が詰まってしまっていて挿絵が描けず発売延期、あるいは通常より挿絵枚数を減らして刊行……なんてケースはザラである。
特に人気イラストレーターほど顕著なため、皮肉にも有名ライトノベルで多く見られる。

また作者とイラストレーターが直接交流した結果の喧嘩や、編集部の方針との乖離なども発生しかねないため、
基本的には編集部を通してやり取りすることでトラブルを未然に防ぐ事が推奨されているようだ。
とはいえ挿絵が減ったり遅延しながらも刊行されるならまだ良い方で、
ひどい時はトラブルが発生してイラストレーターの差し替え、最悪は打ち切りになってしまう事もあるのが困り者。

1997年から富士見ファンタジアで刊行されていたライトノベル。
世界の気象操作を担当する気象精霊の少女たちが様々なトラブルを解決していく、あるいは一人前の気象精霊を目指して勉学に励む姿を描いて人気を博したが、
編集部が第二部連載開始をイラストレーターに連絡しなかった という大ポカを発端に連絡の行き違いが次々と発覚。最終的に2006年をもって打ち切りとなってしまった。
幸い2014年9月からKindleにて自費出版が開始されたものの、典型的な一例と言える。

実際は売上が原因による打ち切りだったと思われるが、直前に三者間でのトラブルが発生、炎上したので記載する。
本作のイラストレーターは別名義ではあるものの『艦隊これくしょん』の金剛型を初めとした多数の艦のイラストを手がけている人物だったため、
著者が出版社を通さずイラストレーターに宣伝を懇願する という行為に及んだのである。
挿絵担当者名義での宣伝をしてくれたものの、
艦これ担当名義ではなかったのが著者は不満だったらしく、さらに催促。
しかし(前述通りトラブル原因となるので当然の処置として)出版社からイラストレーターとの接触を禁止され、
イラストレーターは艦これ側のスケジュール進行で多忙となり、そして打ち切り決定となったため、
著者はTwitterなどで不満を爆発させてしまった。
繰り返しになるが、このようなトラブルの原因となるため、
多くの出版社では作者とイラストレーターの直接交流を避けるような方針が取られている。

こちらも売上が原因による打ち切りだと思われるが、作者に非が一切無くイラストレーターのみの不祥事という極めて稀なケースとなっている。
本作では挿絵にとある同人イラストレーターを起用したのだが、その挿絵の全体的なクオリティの低さに加え、イラストレーターが発売から数日後に特定個人に対する差別的発言を行ったことにより大炎上。
その後の対応でさらに火に油を注ぐ事になり、最終的には作品にまで飛び火。評価を大きく落とす結果となってしまった。
繰り返すが作者に非は一切無く、物語自体は好評であった。

いわゆる大人の事情による代表例。
アニメ化で一躍大人気になったものの、その後の作者のモチベーション低下やOVAの特典を落とすなど、
出版社側に対してトラブルを引き起こし、他の出版社に原稿を持ち込むという社会のルールを無視した様な行為で重版停止、一時期干される状態になる。
メディアミックス戦略を作者のみの実力だと勘違いして天狗になってしまい、作者本人の自業自得が招いた行為の結果なので出版社側はほぼ悪くない。

その後、MF文庫Jからラノベ文庫に移籍して放課後バトルフィールドを刊行するものの見事に売れず、ISのアニメ版権が欲しかったオーバーラップ文庫からお声がかかったのに飛びつき、版権問題もクリアしてもらっての再発刊となった。刊行ペースは巻数が増すごとに遅くなっていくが
なお、ラノベの命とも言える挿絵のイラストレーターも変更となったため、MF文庫J版を元にキャラデザインされたアニメとのイメージ差も大きく、作者は元々ツイッターやブログでの暴言や問題行動も多いので、これを機に見限った人も多い。
もっとも新しいイラスト、キャラデザイン自体はクオリティの高いものではあるため、そこは誤解なきよう。


【不祥事による打ち切り】

ライトノベル作家が逮捕にまで発展した事例は確認される限りほぼ無いが、
他作品の 「盗作」 が発覚して打ち切りになってしまう等のケースは存在する。

一方、用語や単語が似ている、被ったなど些細な点をあげつらってパクリだ盗作だと声をあげ、
打ち切りを狙うアンチや野次馬も多いので、なるべく冷静な判断を心がけていただきたい。

第16回電撃小説大賞最終選考作品から出版された『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』は、本文の多くの描写を『バカとテストと召喚獣』などを始めとする他社有名ライトノベル作品から抜粋、改変して掲載していた事が発覚。
1巻で打ち切り、回収される騒動となった。
他にもメディアワークス文庫から出版された『思い出したくもない人生最悪の96時間』は、 知らずに読んだらノベライズかと思った と言われるレベルで『Call of Duty: Modern Warfare』のストーリーが模倣されており、やはり問題となった。

また、盗作以外にも不祥事というものは起きるもので、(ライトノベルではないが)角川から出版された『からくり同心景』はあろうことか 編集者が二巻の原稿を別物に書き換えた ため、大激怒した作者の意向で発売を中止し、刊行済の一巻(やはり同様の無断書き換えが存在した)も絶版となった。

編集側の不手際によるトラブルの常連として有名だったのがフェザー文庫で、『攻撃魔術の使えない魔術師』は編集側との対立を理由に続刊とweb連載双方の凍結を作者が宣言。
ウォルテニア戦記』に至ってはキャパシティを超過した仕事をイラストレーターに強要し、案の定難色を示されたので交代と相成り、
それ以降もトラブルを起こした編集に愛想が尽きたのか作者が契約を解除したため結局3巻で打ち切りになった挙句、作者と縁が深かったHJ文庫に掠め取られてしまった。
こういった数々の所業が響いたのか、フェザー文庫は2015年を最後に新刊が途絶えており、レーベルとしても実質的に息の根が止まっているのが現状である


【作者逝去による打ち切り】

漫画と同じく作者の病気や死亡によって続行不可能となる場合もある。
トリニティ・ブラッド」(2004年作者逝去)、「風の聖痕」(2009年作者逝去)、「えむえむっ!」(2011年作者逝去)、「ゼロの使い魔」(2013年作者逝去)、「はてな☆イリュージョン」(2016年作者逝去)などはアニメ化にもなった有名作、有名作者の作品ではあるが、やはり作者の急逝によって絶筆状態となってしまった。
ただし「トリニティ・ブラッド」は最終巻末に作者の構想ノートが掲載され今後のプロットが多少把握できる。

また「ゼロの使い魔」は、逝去の要因となった病気が比較的時間の猶予があるガンであったこともあり、作者が自身の病状の進行から完結まで生きられないと判断してプロットを遺していた。作者及びおよび遺族の意向により残された2巻分(最終巻含む)のプロットを元に、(代筆者に降りかかる不都合回避の意味合いもあって)実際の作者不詳・ヤマグチノボル氏名義として最終刊までの刊行を目指し、2016年2月より刊行が再開され、2017年2月に最終刊が発売され無事完結した。

作者が自分の死期を悟り事前に完結までの構想を練っていた場合は代筆者による完結の希望も残されているが、急逝であった場合はもう本当にどうしようもない。
作品を世に出せる唯一の存在がもうこの世におらず、直面したファンの叫びは悲痛なものとなる。






「マジッスか?! でも、急に最終回とか言われても困りますよ。僕の項目、やっと盛り上がってきたところなのに。打ち切り四天王とか出て来て」
「追記・修正お願いします……的みたいな終わり方でいいじゃないですか」
「そーゆー終わり方ってよくありますけど、僕の項目の場合、10週打ち切りに触れてるじゃないですか。
だから「ロケットでつきぬけろ!」や「チャゲチャ」も出さないとスッキリしないって言うか……」

「そうですね……」
「しかも、打ち切り作家というか作品を放棄する作家である江口寿史も書かなきゃいけないし、
シナリオ担当と作画担当が離婚したことで打ち切られたこれが私の御主人様も必要だし、ある意味毎月打ち切られている3番目死神(略)電撃ももえサイズも必要だし、
しかも今開いてるこの項目は別名『The☆立て逃げ』と呼ばれるほど妙に未完成でして、10回追記しないと完成しないんですよ」

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