カバルドン

登録日:2010/05/25(火) 13:21:57
更新日:2024/04/20 Sat 10:21:18NEW!
所要時間:約 5 分で読めます





■データ


全国図鑑No.450
じゅうりょうポケモン
英語名:Hippowdon
高さ:2.0m
重さ:300.0kg
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂50♀50
タイプ:じめん

特性すなおこし(戦闘に出ると天気がすなあらしになる)
隠れ特性すなのちから(天候が砂嵐の時、いわ・じめん・はがねタイプの技の威力が1.3倍になる)

種族値
HP:108
攻撃:112
防御:118
特攻:68
特防:72
素早さ:47
合計:525

努力値:防御+2

ヒポポタスがLv34でカバルドンに進化する。


■概要


名前の通りカバがモチーフのポケモン。
進化前のヒポポタスはマスコットのように可愛らしい見た目をしているが、カバルドンに進化すると目つきが鋭くなり、「じゅうりょうポケモン」の名の如く重く巨大な身体になる。

背中には穴が開いており、ここから砂が溢れ出している。
第五世代までのグラフィックでは、この砂に身体が埋もれていた。

体内に砂を溜め込んでおり、戦いになると体中の穴から砂を吹き出し、砂嵐や竜巻を巻き起こして攻撃する。
口の直径は2メートルあり、噛み付く力は自動車のボディを容易くペシャンコにする程。
意外にも凶暴な性質で口を大きく開けることで周囲に自身の強さをアピールする。
時々穴に石が詰まってしまうが、イシズマイがそれを取ってくれるので、彼らを大切に守る。

図鑑分類の「○○○○○ポケモン」は、当時5文字までという制約があったが、カバルドンは「じゅうりょうポケモン」と、初めて6文字の分類を成しえた。


■ゲームでのカバルドン


進化前のヒポポタスはいせきマニアのあなでしか出て来ず、
しかもヒポポタスはアンノーンを捕まえた種類の数によって出現率が変わるため捕獲の難しい(めんどくさい)ポケモンなのだが、
進化後のカバルドンは228ばんどうろで野生で出て来るため、ヒポポタスも卵孵化でついでに手に入る。
アンノーン全種集めて殿堂入り後にカバルドンに遭遇した時の脱力感は異常である。

カイオーガグラードンなどと同じく、出しただけで天候を変化させる特性、すなおこしを持っているのが特長であり、
シンオウ地方四天王キクノの手持ちでもある。
雄個体は黄色っぽい色をしているが、雌個体は全体的に黒色でありほとんど別物なので、
キクノ老の♀カバルドンを見た時「あれ?色違い?」と思ったプレイヤーは多いだろう。


■対戦でのカバルドン


見た目通りHP・攻撃・防御に優れた物理重戦車型の種族値を持つ。
HPが高いためやや低めの特防もある程度補われているが、それでも素では受けとしてはやや弱めなので補強が欲しい。

特性は「すなおこし」。
同じ特性を持つポケモンにはバンギラスギガイアス(第7世代から)が存在する。
600族であるバンギラスはともかく火力面でもギガイアスに劣り、すなあらしによる特防補正も受けられないが、代わりにこの2種より弱点が少なくでんき技も無効、回復技・補助技・一撃必殺技持ちといった独自の強みも多く、差別化は可能。
そのためカバルドンを優先的に採用、またはバンギラスと併用するプレイヤーも多い。

また鈍足である事を活かし、同じく天候変更系の特性ゆきふらしを持つユキノオーと対峙した時でも天候を砂嵐に持っていけるのもバンギラスには出来ない芸当である。
ただし天候の上書きが出来るだけでユキノオーに直接勝てる訳では無いので注意。
物理技の一致「ウッドハンマー」なら耐えられるが、大抵は「ふぶき」を持っているので食らえばまず間違いなく瀕死級のダメージを負って「こおりのつぶて」で落とされる。一応、「ほのおのキバ」で反撃はできるが。
世代を重ねて天候特性持ちは増えたものの、第9世代現在でもカバルドンより遅い天候特性持ちはコータスのみであるためその強みは変わっていない。
メガリザードンYを主力とするパーティの場合、苦手な相手を受けるためにカバルドンが使われることも多い。

攻撃技のバリエーションは四足歩行ながらなかなかで、一致となるじめん技はもちろんの事
サブウェポンも三色キバや各種いわ技、「ボディプレス」「かみくだく」「アイアンヘッド」などが揃う。
「じわれ」もあるため強行突破もお手の物。
しかし、威力100どころか90を超える技が「じしん」や「ストーンエッジ」「すてみタックル」程度と少なく、奇襲にはなるがあまりアタッカーに向いているとは言い難い。

補助技はポイントを押さえているものが揃っており、「あくび」「ふきとばし」「ほえる」「ステルスロック」と有用な補助技を数多く備わっている。特に「あくび」を覚える点はバンギラスとの差別化という点からも非常に優秀。
しれっと回復技「なまける」も備えているので生半可な攻撃ならすぐ回復してまた「あくび」ループに繋げられる。
また、第7世代までは「どくどく」も覚えられたため、同じ耐久型のクレセリアに「どくどく」と砂嵐によるダメージで「つきひかり」による回復以上のダメージを蓄積させられた。第8世代で没収されてからはこの戦法はできない。
また、積み技として「たくわえる」「ドわすれ」も覚えるため低めの特殊耐久もある程度補強できる。

なお、「ふきとばし」と「ほえる」は選択だが「ぼうおん」や「じごくづき」に防がれない上にPPも変わらないため「ふきとばし」が推奨*1されている。
一方「ふきとばし」はタマゴ技なので育成の手間を省くなら「ほえる」になり、稀にPP切れ対策からか両方備えているのもいる。


技のバリエーションとその特性により、先発での場作りとしての運用が一般的。
砂パの初手として運用されることも。
特に一般的なカバルドンとなると「あくび」「ステルスロック」「じしん」で固め、残り一枠を「ふきとばし」「ほえる」「なまける」のいずれかと言う形になる。
なんと初登場時以降約17年間に渡って全く戦法が変わっていない。ある意味化石ポケモン以上に生きた化石である。

上述の起点作成型が有名すぎるためマイナー寄りだが、前述の通り優秀な積み技である「のろい」「たくわえる」を覚えるので積みアタッカーにもなれる。
元々硬い上に1回積めば「つるぎのまい」を1回積んだガブリアスの「げきりん」ですら倒れなくなるほか、微妙に足りない攻撃性能も補える。
一応、夢特性は「すなのちから」であるため補強もできなくはない。


欠点としては、基本場作り要員であるため「ちょうはつ」にすこぶる弱い事。
特に攻撃技も「じしん」一本になりやすい事から、ひこうタイプにちょうはつされるだけで何もできない哀れなカバさんに成り下がってしまうのだが、アタッカー型も少なからずいるため完全な対策にはなり得ないのが厄介なところ。
「あくび」型だと「ミストフィールド」「エレキフィールド」で行動が縛られやすいのも難。
また、先述の通り補強手段があるとは言え特殊耐久は鈍足ポケモンとしては低めであるため、初手に特殊アタッカーが来たら一撃で沈む事もしばしば。積む前に特殊アタッカーに鉢合わせたら出来るだけ逃げたい。
「じゅうりょうポケモン」の名の通り体重は300kgもあるため弱点である「くさむすび」が威力120なのも辛い所か。
特に弱点の水は特殊技が多いので相性の悪い相手には素直に引いて他のポケモンに任せよう。


持ち物は耐久性をさらに高める「オボンのみ」「たべのこし」や、接触技を受けた時に相手のHPを1/8削る「ゴツゴツメット」が相性が良い。
特に「ゴツゴツメット」型はメガガルーラ対策としても候補に上がることも。
ガブリアスランドロスに比べると接触技を受けない時でも「すなあらし」でHPを削れること、「なまける」で回復できるのが利点。
無論「れいとうビーム」であっさりやられることもあるため、過信は禁物。



第四世代開始当初は、前世代のバンギラスの特性が活躍したとは言い難かった事に加えてすなあらし状態でいわタイプの特防が1.5倍になる仕様があまり周知されていなかった事もあり「砂を起こすだけ?」と過小評価されていたが、程無くして起点作り型として評価が上がった。
ただ、まだそのすなあらしを活かせるポケモンも少なかったため、どちらかと言うとフラットルール適用前のバンギラスの代打のイメージが強め。

第五世代では起点作り型としてシングルバトルにおけるトップメタに立つに至った。
特に特性すなかきを持ち砂パのエースとなるドリュウズが登場したのもこの世代で、カバドリとして第八世代まで長く活躍する事となる。

第六世代でもやはり起点作り型としての運用がされている。メガシンカの実装により凶悪なアタッカーが増えたことで、
そういったアタッカーを活躍させるための起点作りとして縁の下の力持ちとして需要が増加。
ルカリオカイリューと組んだカバルカイリュー、リザードンと組んだカバリザ、ボーマンダと組んだカバマンダなど様々な並びが開発された。

第七世代では、前述したギガイアスをはじめとした過去作、新規ポケモンに天候始動特性を持つようになったこと、
新ポケモンのコケコレヒレのフィールド効果であくびが使いにくくなったこと
特に本作に導入されたZワザで自慢の耐久も突破されやすくなったことなど向かい風が吹くことに。
それでも持ち前の性能は健在で、リザードン、ドリュウズといった良く組まれるポケモンの躍進、
じめん枠でライバルだったガブリアスが環境で採用率の低下が相まってシングルでは上位の採用率を誇っている。

第八世代ではダイマックスわざでの天候書き換え、「ダイフェアリー」、「ダイサンダー」による「あくび」無効化が頻発したにもかかわらず、それまで通り起点作り型として使われる。
シーズンを重ねるにつれてサイクル戦も第七世代のように行われるようになりステルスロックが腐りにくくなったこと、
ダイマックスを相手に切られる前、切られて「ダイフェアリー」、「ダイサンダー」を飛ばされても相手がひこうタイプや「ふゆう」持ちなら「あくび」が有効であることも評価の一助か。
カバルドンの隠れ特性である「すなのちから」は「すなおこし」が強すぎるため使用されることはほぼなかったが、
この世代では「ダイロック」により攻撃しながら砂を起こせるようになったため、アタッカーとして稀に採用されることも。
もっとも、アタッカーを任せるとしても「すなおこし」にして起点作りと偽装させた方が汎用性が高いのは黙っておこう。

第九世代においてもやはり起点作りが主。有用な新規習得技もなく、かれこれ15年以上起点を作り続けていることに。
しかし、ここに来て能力値がほぼ上位互換で地面タイプの準伝説であるディンルーが登場。
「すなおこし」と「あくび」はカバルドンにしかないものの、ディンルーはカバルドンより高い耐久を持ち、
「ステルスロック」「ふきとばし」も覚え、専用技「カタストロフィ」による削り技がと高耐久の地面タイプの起点作り役として競合することに。
回復技「なまける」もPPが5と減少したのも痛手。
実際、ディンルー解禁前と解禁後では大きくカバルドンの使用率が下がっており、
砂を活かせる相方がハカドッグ程度であまりいないことも逆風となっている。
その後にもランドロス、ガチグマといった地面タイプが解禁された事で採用率を大きく落としてしまった。


■その他


ポケモンGOでは2019年5月18日にフカマルチェリンボ共々実装された。

習得技は2024年4月現在、ノーマル技は「すなかけ」「かみつく」「ほのおのキバ」「かみなりのキバ」「こおりのキバ」の5つ、ゲージ技は「のしかかり」「じしん」「だいちのちから」「ねっさのだいち」「ストーンエッジ」「ウェザーボール(いわ)」「やつあたり(シャドウ)」「おんがえし(ライト)」の8つ。

アタッカーとしては使えるといえば使えるが、初登場時は技のタイプが揃えられず、「すなかけ」を覚えた現在でもじめんタイプとしての火力は控えめな方であり、使い勝手は他のじめんタイプに劣る。グラードンガブリアスランドロスといったより火力を出せるじめんタイプがいなければ代打として使えるくらいか。

一方、ジム防衛では自身の高い耐久力を存分に発揮できる。ガブリアスやドサイドン、マンムーと違って単じめんタイプなので余計な被弾を考える必要性が小さく、高CPのじめんタイプとして考えるなら適任と言えるだろう。

「ほのおのキバ」と「だいちのちから」はジム攻略要員としてよく選ばれるルカリオメタグロスによく刺さる。「かみなりのキバ」と「こおりのキバ」も弱点を突こうとしてくるみずタイプとくさタイプ対策になるので十分あり。当然タイプ一致の「すなかけ」も強力。威力は若干低いが、ゲージ回収率が高い利点があり、ゲージ技の発射速度がグンと上がる。
ゲージ技は1つは避けを強要させるうえに発生も早く回避の難しい一致じめん技「ねっさのだいち」がまず確定として、もう1つは相性補完にもなる「ウェザーボール(いわ)」か技の出が早い「のしかかり」、もしくはまず避けられない「おんがえし」にするのがいいだろう。
かくとうタイプの技を軽減できないのでカイリキーのゴリ押しを許しかねない一面はあるが、ルカリオやメタグロス等の交代を促進できる点は評価できる。

じめんタイプのジム防衛のライバルにはドンファンがいる。あちらは技のタイプをじめんタイプやフェアリータイプで揃えられ、かくとうタイプのゴリ押しを防げるという利点がある。

安定のドンファン、奇襲のカバルドンといったところか。
1つ前のポケモンによってドンファンとカバルドン、どちらが適任か判断しよう。
ただし、どちらもカイオーガを持ち出されると速攻で突破される。

PvPにおいては「ウェザーボール(いわ)」や「ねっさのだいち」といった低コストで優秀な技を「すなかけ」による脅威的なゲージ回収率によりかなりの速度で連射する戦法が強力。
おおよそ本家のイメージとはかけ離れたスピードアタッカーな立ち位置となったが、「ねっさのだいち」の攻撃デバフや素の耐久力もあり打たれ強く、意外と攻守共に隙が少ない。
ただしPvPは弱点であるみずタイプや、みず対策のくさタイプが多い環境なためタイプ的な意味では少々厳しい面もあるか。



カバルドン「砂パの起点は俺! これでいいのだ!」
バンギラス「…バカボン?」


追記・修正は物理技でカバルドンを突破してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ポケモン
  • ポケモン解説項目
  • ポケモン最終進化形
  • じめん
  • 第四世代
  • DPt
  • ヒポポタス
  • カバルドン
  • 天候スターター
  • 砂嵐
  • 砂パ
  • 耐久型
  • 物理受け
  • 鉄壁
  • 要塞
  • ゴツゴツメット
  • バカルドン
  • バカルディ
  • カバさん
  • カバ
  • 6文字←分類
  • すなおこし
  • すなのちから
  • キクノ
  • 要注意ポケ
  • 凶暴
  • 生きた化石

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月20日 10:21

*1 ただし第四世代では「ふきとばし」を覚えられなかったため、必然的に「ほえる」が使われていた。