探偵学園Q

登録日:2012/02/04 Sat 09:27:49
更新日:2024/02/25 Sun 03:12:58
所要時間:約 12 分で読めます




探偵学園Qとは、天樹征丸原作、さとうふみや作画で週刊少年マガジンに連載していた漫画作品。
単行本は全22巻、その後の話を描いた「探偵学園Q プレミアム」1巻とファンブックが発売中。

概要

DDSと呼ばれる探偵学園に入学した生徒が様々な難事件に挑む。

舞台を探偵学園にする事で依頼→事件になるので主人公達が自然に事件に遭遇できるのが特徴(少ないが旅行中に遭遇する場面もある)。
これによる最大のメリットは主人公達の死神化が避けられるという事だろう。
また、回答編の前に事件のヒントを整理してくれるので読者にも推理しやすい構造になっている。
ある突出した才能以外はごく普通の純真な主人公とハイスペックだが愛情に恵まれない人間不信の準主人公がそれぞれの組織の因縁を乗り越えて深い友情で結ばれるストーリー展開は同時期にアニメ版が始まった「D・N・ANGEL」を彷彿とさせる。

アニメ版は2003年4月15日から2004年3月20日までTBS系列で放送されたが、話の時系列や設定が異なっている。アニメーション制作はぴえろ。

実写テレビドラマが2006年7月1日に放送され、そこそこ評判が良かったのか、そこから連動する形で連続ドラマ(2007年7月3日~9月11日まで放送。全11話)も放送されている。
小中学生が活躍する漫画の実写化の常として、原作の雰囲気を忠実に再現できているとは言い難く「え?これあのキャラなの!?」と首を傾げそうになる場面もあるが
推理物として原作の事件とトリックを再現しつつ、事件を乗り越えて5人の友情が強まっていく様を1クールながらに描いており、頑張ってはいる作品である。
……のだが、冥王星との決着までをも1クールに収めているため、かなり無理も生じておる。
特に終盤の冥王星の存在発覚→壊滅からのスピード展開はすさまじい。


同じ原作者*1の『金田一少年の事件簿』と世界観を共有しており、『金田一少年』のある事件でQクラスの面々と三郎丸がチョイ役で出演し、逆に『金田一少年』のある事件でチョイ役だった刑事が本作で起きた事件の担当として登場した事がある。


■ストーリー


中学生のキュウは子供の頃自分を誘拐犯から救ってくれた探偵のおじさんに憧れ、伝説の名探偵、団守彦が経営するDDS(Dan Detective School)に入学する。
入学試験であった、美南 恵・天草 流・遠山 金太郎・鳴沢 数馬ら5人ともにDDSのQ(Qualified)クラスとして難事件へ挑む。


○登場人物


◆DDS

警視庁特別公認探偵『団守彦』が設立した探偵学園。通常は成績順にA~Dクラスまでに別れているが、Qクラスのみ自身を受け継ぐ探偵を育成する為後から作られた。


◇Qクラス


主人公達が所属するクラス。団の後継者に近い位置にある。

  • キュウ (本名:連城 究(れんじょう きゅう))
CV.緒方恵美、演.神木隆之介
主人公。中学3年生(連載時)。おっちょこちょいだが天真爛漫。学校の成績は絶望的だが先生曰くやれば出来る子との事。
しかし、推理力やひらめきはずば抜けており、それを用いて事件を解決する。
名字は不明であったが、最終回で明確となる(ただし、あくまで「その時から名乗った」設定であり、それ以前に使っていた名字(母方の姓)は不明のまま)。
決め台詞は「ヒントは○つ、答えはひとつだ!」「探偵が諦めたら事件は迷宮入りなんだ!」

  • 美南 恵(みなみ めぐみ)
CV.桑島法子、演.志田未来
ヒロイン。中学3年生(連載時)。通称メグ。
瞬間記憶能力をもち1度聞いたり見たことは絶対に忘れない。その能力から事件解決のキーを握る事も。
敵味方共にボケキャラか曲者しかいない本作で数少ないまともなキャラ。
バストはBカップ。後にキュウの嫁に。

  • 天草 流(あまくさ りゅう)
CV.遠近孝一、演.山田涼介
もう1人の主人公的な存在。中学3年生(連載時)。
アメリカ帰りの帰国子女で高校までを1年で飛び級している天才。クラスの成績トップ。
最初はクールな二枚目だったが後半からギャグもこなせる天然いじられキャラと化す。
しかし、彼には出生に重大な秘密が…
決め台詞は「今霧が晴れた…」
遠矢を筆頭とするミーハーな女性が苦手。また、七海やドクロなどのロクでもない年上に迷惑をかけられることもある。
女装時のエロさは異常。
女子校潜入時はガチレズの女の子達に狙われまくっていた
因みにドラマ版の中の人は別作品の主人公を後に演じている。

  • 遠山 金太郎(とおやま きんたろう)
CV.石川英郎、演.要潤
遠山の金さんの末裔。父親は警視庁の警視正。通称キンタ。高校3年生(連載時)。
ばば抜きを10回やって10回1位になる程の強運の持ち主で試験もその運で乗り切る。剣道・柔道・空手は合わせて10段の腕前。後にリア充と化す。
一応後述の三郎丸と同じ金田一のセルフパロディキャラであり、決め台詞も「ご先祖様の名にかけて!」というどっかで聞いたような物。

  • 鳴沢 数馬(なるさわ かずま)
CV.川上とも子、演.松川尚瑠輝(単発)、若葉克実(連続)
小学生にして天才プログラマー。財閥の御曹司。小学5年生(連載時)。
成績は流についで2位だが現場に行くよりも後方支援の方が多い。数学的なトリックに対してはキュウ以上の推理力。
アニメでは最初Aクラスに編入したいがために独断専行した結果危険な目にあい、勝手な行動を叱責された場面もある。
決め台詞は「方程式は解けた!」


◇Aクラス


Qクラスのライバルクラス。団の後継者に近い位置にあるが同時に寄せ集めクラスでもあるQクラスをバカにしている。

  • 雪平 桜子(ゆきひら さくらこ)
CV.雪野五月(現・ゆきのさつき
17歳。Aクラスのトップで団守彦の姪。が、団には探偵になることを反対されており今の地位は実力で勝ち取った。
Qクラスに強いライバル意識を抱いていると同時に彼らの事を認めてもいる。

  • 白峰 隼人(しらみね はやと)
CV.葛城政典
16歳。8歳でラスベガスでのショーを経験した天才マジシャンだが特に活躍しない。

  • 郷田 京助(ごうだ きょうすけ)
CV.千葉進歩
19歳。数学オリンピックで世界ランクに入る数学の天才。大体こいつがQクラスに喧嘩を売るような台詞を吐き登場するのがお決まり。

  • 獅子戸 猛(ししど たけし)
CV.栗山浩一
20歳。ハーバード大学の学生。現在は休学して通っており犯罪心理学の博士号を所得済。

  • 遠矢 邦子(とおや くにこ)
CV.金田朋子、演.田島ゆみか(連続)
15歳。高校1年生。
殺人コレクター』で容疑者の一人として登場し、図らずも殺人のきっかけとなってしまったことが発覚しショックを受けるも、
その自分を変えたくてDDSに入学。
当時は地味で引っ込み思案かつオタク気味な眼鏡っ子だったが、編入を機に茶髪のギャル風にイメチェンした。
潜入捜査で知り合ったリュウに惚れ、以後彼を想ってこっそり覗き見したりする色々と残念な恋する乙女。
実は合気道の達人で心霊写真も好きという属性過多な少女。

  • 三郎丸 豊(さぶろうまる ゆたか)
CV.飛田展男、演.中尾明慶(単発)
IQ180と金田一と同じ頭脳を持つ現役東大生。だが今作きってのネタキャラ
後にA→Bへとクラス落ちし現在Cクラス落ちの危機に瀕している。一応メグと同じく国立能力開発研究所へ通っていた為IQも現役東大生であることも事実。
原作者曰く、「IQが高い=頭が良いとは限らないことを言いたかった」ための設定。
金田一本編にちょい役で出演した経験有。
単発ドラマ版ではすごくいい奴だった。連続ドラマ版で出なかったのが残念でならない。


◆DDC(Dan Detective Company)

団守彦が率いる探偵結社。DDSの講師も兼任する。

  • 団守彦(だん もりひこ)
CV.田中秀幸、演.陣内孝則
警視庁特別公認探偵。65歳。拳銃の所持を許可されている日本唯一の探偵。車椅子に乗っている。Qクラスを直接教えている。
ちなみに中の人は、大のシャーロキアンである某バーロー父親と同じ。
またドラマ版で彼を演じた陣内孝則は明智小五郎をはじめ様々な探偵役をしている。

  • 七海 光太郎(ななみ こうたろう)
CV.三木眞一郎、演.山本太郎
自称団守彦の右腕。
変装の名人で声等もそっくりに真似できるが、サボテン等にも変装する今作きってのネタキャラその2。
探偵としてはDDCトップクラスで団守彦の右腕もあながち間違っている訳でなく一時期学園長代理を務めていた。
ドラマ版で彼を演じたのは後の参議院議員であり、金田一のほうにもゲスト出演した経験もある。

  • 片桐 紫乃(かたぎり しの)
CV.久川綾、演.鈴木砂羽(単発)
団守彦の秘書にして探偵。ダイイングメッセージ等の解読を得意とする。

  • 真木 慎太郎(まき しんたろう)
CV.成田剣、演.東根作寿英
DDCの監察医。国立能力開発研究所の設立メンバーでもある。特に目立たないが…
なお、演者は七海の演者と同じく「金田一」にゲスト出演した経験はあるが、こちらは封印作品となっている。

  • 本郷 巽(ほんごう たつみ)
CV.梁田清之
七海と並ぶほどの探偵だったが足の怪我によりDDC専任になる。しかし、キンタに勝つほどの実力者。

  • 鬼首 独郎(おにこうべ どくろう)
DDSきっての科学開発担当者で、探偵ツールや変装マスクの開発、科学捜査の指揮を担当する科学のエキスパート。
だがどうしようもなく奇人で変人なマッドサイエンティスト。通称「ドクター・ドクロ」で、変人同士、七海と仲がいい。
「地球は平らなんだよ!!」

  • 連城暁(れんじょう さとる)
CV.関俊彦、演.細川茂樹
団の最初の助手。そしてQの憧れの「探偵のおじさん」
高校を中退して、団と共に探偵社を設立したが8年前にサー・カロンから団を庇って殉職。誘拐されたキュウを救った事がある。実はキュウの父親。


◆冥王星

犯罪組織。自らは手を汚さず殺人事件等の犯罪計画をプロデュースする集団。報酬は依頼主のその時点での全財産半分。
なお、計画が失敗した場合、もしくは犯行を警察やDDSらに見破られた場合には、事前に依頼主にかけていた後催眠を発動させ、口封じのために廃人状態にする。
某犯罪コーディネーター同様、相手を脅迫して無理矢理殺人を実行させないなど、誇りと美学を重んじる面もある。

  • キング・ハデス
CV.納谷悟朗、演.若松武史
冥王星トップ。
物語終盤まで表舞台に出ることはなく存在が語られるだけだったが、終盤で登場しキュウ達最大の敵として立ちはだかる。

本名は「黒王星彦」(こくおう ほしひこ)と言い、団守彦の中学の同級生で、親友でもあった。
だがある日、彼の優秀さを妬んだ同級生により、彼の母親の事(冥王星のような殺人プランナーで、警察に逮捕された直後に自殺した)を暴露され、
団守彦からも曖昧な態度を取られた(ただし団の方は母親の事を知っても仲良くしようとしていたのだが、彼の方が暴走した形ではある)。
その後、母親の事を暴露した同級生をトリックを用いて負傷させ、退学に追い込み、自らも学校を辞めて団の前から姿を消した。
そして父親である九頭龍匠の元に身を寄せたようだが、(多分)勘違いから警戒された挙句に地下牢に監禁され、
そこで「キング・ハデス」としての人格が形成されることとなり、これまで自分を貶めてきた周囲に復讐すべく冥王星を結成した。

  • ケルベロス
演.鈴木一真
冥王星幹部。26歳。キング・ハデスが団守彦のライバルならケルベロスは七海光太郎のライバル。
催眠術の天才でよく後催眠をかけ依頼主や裏切り者を死よりも苦しい結末で始末する。悪役だが金田一の地獄の傀儡師と同じく人気がありその為彼の番外編が作られた。
だが殺人は絶対しないポリシーを持ってる分、地獄の傀儡師よりはずっとマシ。
もっとも、あっちは単独行動をしているので、殺人をしないのはある意味不自然だし、最近では自分からは人を殺さなくなってきている。
彼の脱獄エピソードは、作者のお気に入り。
本名は「ケン・L・ベルローズ」と、コードネームそのまんまに近い。
読者人気の高さ故に『冥探偵ケルベロス』という番外編も描かれ、その際には「鈴原賢一」という偽名を名乗っていた。

  • サー・カロン
CV.緑川光
顔の半分に仮面をつけたキング・ハデスの側近。公式ファンブックでは組織のNo.2と紹介されていたが、掟を破った為あっさり始末された。
正直何の為に存在したのかよく分からない。
アニメ版では名前が「サー・アヌビス」となっている。

  • サー・タナトス
冥王星幹部。DDSにスパイとして潜り込んでいる。
かなりの外道だが、詰めが甘い。

  • ミス・ユリエ
CV.野田順子、演.奥貫薫
冥王星幹部。流の世話人。
メグの命を狙った事がある。ドラマ版ではケルベロスと共に暗躍し、キュウ達と何度も対決した。

  • ミス・カオリ
CV.茂呂田かおる
冥王星下位クラスに位置する女性構成員。
追い詰められるとナイフで斬りかかる等、冥王星としては美に反するとして軽蔑されている。
幾度とQクラスの関わった事件の監視をするが、『幻奏館殺人事件』でボロを出し、逮捕される。
その後ケルベロスの催眠術で廃人化させられるが…。

◆ドラマオリジナルキャラクター

  • 諸星警部(もろぼし -)
演:斉木しげる
警視庁の刑事。Qクラスが関わる事件の捜査担当者として毎回顔を合わせることになる。
初登場では事件現場を調査しようとしたQクラスに犯人と間違われ、キンタに背負投げをくらうという悲惨な目に。
ベテラン故の捜査のプロ意識からQクラスのことを快く思っていなかったが、徐々にその実力を認めるようになる。

  • 猫田刑事(ねこた -)
演:星野源
警視庁の刑事。諸星の部下でバディを組んでいる。
メイド喫茶に通うオタクでなよなよしている。東大卒のキャリア組らしいが、劇中の描写を見る限りそうは思えないくらいにものすごく頼りない。
姉の手伝いでメイド喫茶でバイトしているメグとは顔なじみで、コスプレ写真と引き換えに操作情報をせびられるなど、いいように扱われる。
今となっては役者の無駄遣い。

  • 植村はるか(うえむら -)
演:秋田真琴
秋葉原のショップ店員。キンタの知り合い。
腕利きの情報屋でもあり、キンタは彼女から度々情報を買っている。
怪獣のフィギュア集めが趣味。


◆その他


  • 九頭龍匠(くずりゅう たくみ)
芸術家。絵画・建築・工芸・陶芸・作曲など様々な分野にわたって活躍し、「トリックアート」を採り入れた作品も多い。
ただし1つの分野についてはそれぞれ「9つ」の作品しか作らなかったとされる。
登場するのは回想シーンに限られ、直接登場することはなかった(ネットの情報では「没年不詳」とされており、故人である可能性が高い。たとえ存命でも90代)。
実はキング・ハデスの父親であり、リュウの曽祖父である。
と言ってもその二人に直接の血縁は無く、九頭龍の正妻との間の子の子孫がリュウであり、キング・ハデスは九頭龍の愛人の子である。

本作における全ての元凶でもある。

ドラマ版では「天草匠」という人物に置き換えられ、リュウの父親という独自の設定に変更された*2


■主なエピソード



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最終更新:2024年02月25日 03:12

*1 天樹は連載当初から参加しているが、原作者のクレジットは魔術列車殺人事件以降となる。

*2 原作でのリュウの父の名は「天草寂(あまくさ しずか)。