登録日:2011/10/21(金) 23:28:02
更新日:2024/02/18 Sun 20:43:14
所要時間:約 5 分で読めます






グツグツ……グツグツ……

「ふぅ……出来はどうだろうかな……」

パカッ フワァ……

「うぉぉぉぉぉ……」

ハムッ ハフハフ、 ハフッ!!

「やべ、メガネ曇っちゃった」

menu

○概要


①鍋とは、調理器具の一つ。一般的には底が深いものを指す。

茹でる、煮る、揚げる……。
まさに調理器具のエース。その様は炒め、焼きのエキスパート、フライパンと双璧を成す。
フライパンも広義には鍋とか言わない。
一人暮らしで料理をあまりしない家でも必ずあるだろう。

鍋の代表格雪平鍋の他に圧力鍋、土鍋、中華鍋……さらにはジンギスカン鍋など一つの料理専用の鍋まで挙げるとキリがない。
オスマン帝国の精鋭軍団「イェニ=チェリ」は皇帝から下賜された大鍋(カザン)を旗印にしていた事で知られる。ある意味、料理と食事のシンボル。


ちなみに土鍋に関しては扱いに注意。

まず土鍋を買って来たら、最初に7~8分目の水を注ぎ、一掴みのお米か小麦粉を入れ、弱火で1時間ほど煮る。

こうすることで目に見えない細かい隙間に糊が入り、土の匂いが出たり、ひび割れしたりするのを防いでくれる。
面倒くさがらずやっとけよ? 絶対その方がお得だから。

次に土鍋は「急激な温度差」に弱い。
まだ熱いうちに水に漬けたり、濡れた布巾を鍋敷きにしちゃダメです。
同様に、鍋底が濡れたまま火にかけるのも厳禁。ちゃんと拭くように。

あと、洗剤入りの水に長く漬け置くと、洗剤を吸収しちゃうから注意! 嫁のメシがまずい状態になっても知らんぞ。

この、ちょっとしたルールさえ守ってくれれば、土鍋は長く長ーく使え、ちょっとしたひび割れもお粥を炊くことで自然回復する生きた調理器具として、素敵に相棒になってくれるはずでっせ!



②鍋料理のこと。特に冬はこっちのことを指すことが多い。

一応の定義は鍋を用いてだし汁と具材を一緒に煮た料理。
ただ、ジンギスカンのように鍋を利用しているだけで鍋料理と呼ぶこともあるため、この定義が必ずしも当てはまる訳ではない。
ピストル大泉「そりゃどんなものでも鍋だよ!鍋で作ってんだから!!」

主に土鍋で調理されるものが多いが、専用の鍋を用いるものもある。

こだわらなければ簡単に作れる上に、栄養もバランス良く取れる。
1日程度なら具を次々入れれば食べ続けられる。
なによりあったまる冬の代表的な料理である。洗い物が少ないのも冬には嬉しい。


○基本的な具材

(他にありましたら追記歓迎です)


○たれ・薬味

鍋の種類によっては合わなかったり必要なかったりする。
薬味に至っては具材と一緒に入れることもある。
たれ×薬味の組み合わせで味わいは無限に広がる
☆たれ
  • ポン酢(大根おろしを入れることも多い)
  • ごまだれ
(他にありましたら追記歓迎です)

☆薬味
  • 大根おろし、紅葉おろし
  • おろし生姜
  • おろしニンニク/大蒜
  • 柚子胡椒
  • 黒胡椒
  • 山椒
  • 七味唐辛子
  • からし
  • 和からし
  • 刻みネギ(長ネギ、万能ネギ、あさつき等)
  • 刻み大葉
  • 柑橘類(柚子、スダチ、カボス、レモン等)の果汁やおろした皮
(他にありましたら追記歓迎です)


○鍋料理一覧


  • 寄せ鍋
鍋の代表格。具材や出汁が地域や家庭によって多種多様すぎて定義しづらい。

牛肉と割り下、食べてみれば文明開化の音がする。
地域によっては鶏肉や魚を使ったり。

  • ちゃんこ鍋
本来は力士が食べる料理全般のことを「ちゃんこ」と呼んでいた。相撲部屋の他、力道山やキラー·カーンら大相撲出身者が多数いるプロレスでも定番のメニューになっている。
豊富な具材と豊富な量。
各部屋によってレシピは多種多様で、同じ鍋でも部屋によって味付けや入れる具が異なることも。
時には巡業先で買ったものや部屋への差し入れで作ることもある。
代表的なものは鶏ガラしょうゆ味のソップ炊き、いかの身とワタを使ったいかちゃんこ、鶏ガラスープの肉団子鍋、味噌味の豚バラちゃんこ鍋。
なお相撲部屋で出される際は、鍋のほかに鶏もも肉の唐揚げ刺身漬け物などのおかずがつく。

まごうかたなき鍋料理だが、鍋とは別物扱いされている。

  • しゃぶしゃぶ
煮えたぎる熱湯や出汁に薄切りの具をくぐらせて、火が通ったらタレにつけてパクッ!自分が鍋に入れた具を必ず自分で食べられるなんて素晴らしい!
最近の専門店では火鍋に用いる陰陽模様に仕切られた鍋で2種類のスープを選べることが多い。

キムチの辛みで体がポカポカ。チゲ鍋に非ず。はっ、希望皇ホープ!
でも日本人の全世代に人気なわけではない。

腹がへったらカレーナベ!
洋風の具材も和風の具材もガッチリ受け止めてくれる。

トマトの真っ赤な色が食欲をそそる。
洋風イタリアン風はもちろん、和、中華、エスニック風もイケる。

  • 柑橘鍋
柚子、スダチ、カボス、レモン等お好きな柑橘類をひとつ輪切りにして上に敷き詰めた鍋。
見た目のインパクトはキワモノっぽいが、香り・酸味・爽やかさで箸が進んでしまう。
具材はあっさりしたものが良く合う。

  • 湯豆腐
京都名物。昆布だしと豆腐の繊細な味。
大人の階段を上がるとこの味がわかるようになる。
なお相撲部屋ではちゃんこ鍋として、豚バラ肉や鶏もも肉などを入れた湯豆腐を食べる。

  • まる鍋
こちらも京都名物。スッポンの旨味とコラーゲンと精力増強で身も心もプルプル。

  • 石狩鍋
北海道名物。たっぷり野菜と鮭の旨味とバターの風味。

  • もつ鍋
博多発祥。プリプリなもつとどっさりニラとキャベツ。上に餃子の皮をのせたり。

  • ちり鍋
鱈等の白身魚のたんぱくかつ繊細な旨味。主なものはフグを使ったてっちり。

  • 水炊き
博多名物の鶏肉他を水から煮るだけのバカでも作れる簡単メニュー。鳥鍋とは別物。
ただ本当に美味しいものを作るとすると相当手間と時間がかかる。
じっくり煮込んだ鶏肉の旨味を堪能できる。

  • あら鍋
高級魚のあら(クエ)を使った鍋。超高級品。
魚をバラしたものと思いこむと雄山に笑われます。

  • 豆乳鍋
ニューフェイス。割りと豆乳独特の癖はなくヘルシー。

  • ミルフィーユ鍋
ニューフェイスその2。別名重ね鍋。白菜と豚バラ肉を交互に重ねて鍋に隙間なく並べ、出汁を入れて煮込む。なんだったら水いらない。
大根と豚バラ肉、白菜とベーコンなど材料を変えたり、中央にカマンベールチーズやトマトを置いて具材を絡めて食べるアレンジバージョンもある。

  • みぞれ鍋
ニューフェイスその3。別名雪見鍋。具材に火が通ったら大根おろしをのせるだけ。大根おろしを鍋一面に敷き詰めれば白雪鍋に。

  • ジンギスカン
焼肉の範疇に入るが、一応鍋料理の一つ。
ラム派かマトン派に分かれる。
北海道名物ジンパ。

  • 芋煮
東北地方の秋の風物詩。地域によって違いがあり、宮城県のものは豚肉を使ったみそ味、山形県のものは牛肉を使ったしょうゆ味。

  • あんこう鍋
角谷会長の得意料理。
食べられないのは骨だけ。これも超高級品だがあんこうが超高級魚だからというより調理にかかる手間の問題。

  • 常夜鍋
向田邦子推薦。
豚肉の薄切りと野菜を交互に重ねて酒で具を煮る鍋で毎晩食べても飽きないことから、着いた名前が常夜鍋。
青菜と豚の黄金コンビに、大根おろしが見事な仲人役をしていて非常に美味。
常夜鍋って、このネーミングは伊達じゃない!

秋田名物。きりたんぽと呼ばれるご飯を焼いて固めた物と鶏肉を入れるしょうゆ味の鍋。

  • たこの道具鍋
青森県の漁師料理で、たこの内臓を具に使う。

  • せんべい汁
青森県八戸名物。南部せんべいを割って入れる。せんべいはアルデンテになってから。

  • ねぎま鍋
ねぎまの殿様(古典落語)でもおなじみの江戸料理。脂っこく傷みやすいトロをぶつ切りにしたネギと醤油ベースで煮ることで美味しく食べられるようになった。

  • 牡蠣の土手鍋
広島県の郷土料理。鍋のふちに味噌を塗りつけて煮る。

  • はりはり鍋
大阪名物。鯨肉と水菜の鍋……だが最近では鯨肉の代わりに豚肉が用いられることが多い。
水菜の「ハリハリ」とした食感が由来。

  • ほうとう
山梨県の郷土料理。
「ほうとう」と呼ばれる小麦で作った太短い麺をカボチャ等の野菜と共に味噌仕立ての汁で煮込んだもの。

フランスの鍋料理。コンソメ味の洋風おでん。

未知の領域。八割方地雷といっても過言ではない恐るべき鍋。

  • 空鍋
本当に愛してる人には見えるらしい。
ちゃん……。
余談だが、ほうれん草(報連相)との相性が殺人的に悪過ぎる鍋だったりする。

  • 猫鍋
もふもふ。
ぐつぐつ ぐつぐつ。
にゃーにゃー にゃーにゃー。

  • 鍋底不況
神武景気の後に起こった不況。鍋底みたいに小刻みに変動してなかなか回復しない。
こんな景気のこと

┗┓┏┓┏┓┏┓┏┛
 ┗┛┗┛┗┛┗┛




そして鍋の最後……

○締め/シメ/〆

沢山の具材が煮込まれて旨味が凝縮された残りのスープ。
最後の最後まで食べ尽くす……。
それはそれはとても贅沢な味。

まず挙がるものは

だと思う。どれも炭水化物。
ご飯の場合は溶き卵と一緒に加えておじやにする。おこげも楽しめる一品。
基本的に鍋の種類によって使い分けられるのが普通…だがご飯もうどんも何にでも合うから困るよね。
トマト鍋など洋風だとスパゲッティと締めも洋風に合わせる傾向がある。
最近では+チーズを入れるのが人気。


○作り方のコツ

基本的には鍋に出汁と具材を入れて煮込めばおkだがちょっとしたコツで美味しくなる。

  • 野菜は火の通りにくいものから入れる
葉物より根菜を先に入れたり、葉物でも葉より茎や軸を先に入れたり。
大根の隠し包丁や椎茸の切込みを入れるひと工夫も。

  • 魚は下ごしらえしておく
ウロコや血が残っていると食感も悪く生臭くなってしまうので取り除いておくこと。酒や塩を振って水分を取り除けば臭み取りになる。
煮崩れしやすい魚はあらかじめ湯通しして冷水につけておく。身が引き締まり、鍋の中でボロボロするのを防いでくれる。湯通しは鶏肉の臭み取りにも有効。熱湯をかける霜降りでも可。

  • 鍋奉行はほどほどに
美味しさを追求するのも良いが、みんなで楽しく食べることが一番である。




○余談

外食で鍋を食べようとするとたまにこの表記を見かけるであろう。


○○○円(※二人前から)


(´・ω・`)


ぼっち涙目である。

でも最近は「一人鍋専門店」なる場所もあるよ。



追記・修正はお気に入りの鍋を食べながらお願いします。あ、火傷にはお気をつけて。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 食べ物
  • 調理器具
  • 鍋奉行
  • 競争
  • 鍋料理
  • ナベ
  • 一人鍋 ←うざやの仲間入り
  • 闇鍋
  • おじや
  • 鍋やるべー
  • はがない
  • ヘルメット
  • 猫鍋
  • 兎鹿鍋
  • 小早川秀秋
  • 皇帝鍋レオン
  • 空鍋
  • (_´鍋`)
  • 料理
  • 郷土料理
  • たれ
  • 薬味
  • シメ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月18日 20:43