思わせぶり(恋愛)

登録日 :2011/06/20(月) 19:48:23
更新日 : 2017/02/28 Tue 14:40:27
所要時間 :約 8 分で読めます




ここでは一般的な異性間におけるコミュニケーション中に現れる『思わせぶり』の構造、性質、心理的背景とその影響、加えてその対策について考察してゆきたい。




【『思わせぶり』とは?】

多くの人には『モテ期』と言うものがあり、それはある時突然訪れる。
その訪れを認識するにあたっていくつかの段階毎に『ヒント』が設定されているが、その中で二番目に信憑性が高く、
そして最も信用出来ない兆候が『異性からの思わせぶりな態度』だ。
つまり、『まるでこちらに恋愛的な意味で好意を抱いているかのようにほのめかす態度』である。



【その構造と性質】

大前提として、決して『恋愛的な意味で好き』と直接には伝えないのが『思わせぶり』である。
すると必然的に思わせぶりには二つの場合が想定出来ることになる。
即ち『本当に恋愛的な好意を持っているが、あえてそれを伝えない場合』と、『そもそも恋愛的な好意を持っていない場合』だ。

前者の場合、これは恋愛技術としての運用がほとんどである。この技術を用いる場合の心理的背景については後述する。

後者の場合、これは更に二つの場合が想定され、それは『事故的運用』と『故意的運用』だ。
圧倒的に多いのは事故的運用であり、これは『(恋愛的にではなく)人間的には好意を抱いている』と言うアピールが誤って伝わってしまった場合である。
これが『思わせぶり』の最大多数を占め、そして最大多数の不幸と絶望をもたらすものであることは言うまでもない。
対して故意的運用とは、『ある意図を以て恋愛的好意をほのめかすことで、自らに何らかの便宜を期待する』と言う場合である。
例えば俗に言う『キープ』と呼ばれる行為がこれにあたり、場合によっては性交渉までも含む。

ここでは主たる三種類の『思わせぶり』の構造について記述したが、恐るべきはそれぞれの判定が一様に困難を極めることだ。
以下に『思わせぶり』の代表例をいくつか挙げるので、その難しさを考えてみてほしい。



★「○○と話してると落ち着く」
★「○○って好きな人いるの? どんなタイプが好き?」
★「○○のこと、嫌いじゃないよ」
★「○○のこと名前で呼んでいい?」


注意!! コンビニやファミレスで働いている女の子がお前らに優しくしてくれるのは、思わせぶりではなく、仕事だからである。勘違いしてはいけない。



【『思わせぶり』の持つ心理的背景】

まずは『恋愛的な好意をあえて直接には伝えない』と言う思わせぶりについて思惟したい。
これはある意味では故意的運用の一種ではあるが、その意図するところは全く違う。
この場合『自分では無く相手に好意を表明させること』が最大の意義であろう。
『惚れた弱味』と言う言葉が示すとおり、恋愛においては(本質的にはどうあれ、形式上)『好意を示された方』が圧倒的に優位に立てるのである。
これは表面的には『照れくさいから』と言う風に捉えられたりするが、照れくさいとは即ち『自分の弱味をさらすことに対する気後れ』なのだ。
逆に言えば、これを逆手に取って『思わせぶりな態度』に対して『思わせぶりな態度』で返すことは恋愛戦略上大きな意味があることになる。

次に、『事故的な思わせぶり』に関して考えを進める。
基本的に人間とは『他人によく思われたい』と考えるものである。

それ自体は決して悪では無く、この性質があるが故に公共マナーが成立しているわけだ。

しかし、だからこそ、人間は『いらぬ見栄』を張ったりもする。
これは往々にして『政治家の失言』などと言う形で発露するものだ。
さて、ではこれが『事故的思わせぶり』とどう関係するのかと言うと、『自分は相手に対して(人間的)好意を持っているのだから、
相手にも自分に対して(人間的)好意を以てもらいたい』と言う動機で、 少しばかり大袈裟に その『人間的好意』を伝えてしまうのである。
これが後の大惨事に繋がるのは言うに及ばない。「そんなつもりじゃなかった」と言う台詞がトラウマになった例は枚挙にいとまがないであろう。

そして『故意的思わせぶり』についてであるが、これは特に複雑な心理的背景があるわけではなく、単に性格が悪いだけである。
数は少ないが、美人局まがいのことに巻き込まれてはたまらないので、ある程度の警戒水準を持つことは決して臆病者の愚考ではない。



【その影響】

良くも悪くも、この『思わせぶり』は恋愛心理において絶大な威力を発揮すると言わざるを得ない。
なぜなら、全ての恋愛感情は『意識すること』に由来するからである。
特別に美人なわけではなくとも、それまでほとんど接点がなくとも、相手を意識してしまったが最後、
前述した『相手によく思われたい』と言う心理構造も相俟って、見事恋の泥沼に沈み込んでゆくわけだ。
こればかりはいくら気を付けても回避のしようが無いので、そこから心身内外含めてどのように振る舞うかは経験から身につけてゆくしかない。

特に『事故的思わせぶり』の場合、自らの思いを告げた後、
「友達として今後も仲良く……」なんて言われてしまった日には地獄の苦役が待ち受けていること請け合いである。
往々にしてこの『事故的思わせぶり』を発動する者は『誰に対しても同じことをしている』場合が非常に多い。
これは女子においては『サバサバしている』などと言ったポジティブな特徴として現れることがよくあるので、せめて注意を怠らないようにしたいところである。



【対策】

この『思わせぶり』への対策を、最後に考察したい。



……したいのだが、正直なところ、正攻法ではどうしようもない。
こればかりは定石に則った対策があるわけではないのだ。

強いて言うなら、筆者達の経験上、

【当たって砕けろ】


最も総合的な損益計算の期待値が大きくなるだろうと言えるのはこれだ。
これで恋人でも出来れば上等だし、もしいわゆる『人間的好意』からのそれであっても、
『何もせず疎遠になってしまった場合』に比べれば遥かにダメージは少ない。
それは友達関係継続にしろ、それ以降の断絶にしろ、基本的には同じことが言える。
「どんな不幸にも終わりがあり、どんな悲しみにもリミッターが付いている」と言う先人の知恵に学ぼう。
これに耐性が付けばしめたものである。下手したら護身完成してしまうが……その時はバンドでも組んでロックするしかない。
これでいいのだ! 人生を戦え! ワインライダーフォーエバー!



【意識しない/ガン無視する】


二つ目の戦略がこちら。ハナっから思わせぶり、それなんてエロゲなどと自分に暗示をかけ、ギャルゲー主人公ばりの鈍感さをもって対処する。
要するに「思わせぶり」という態度をとった時点では少なくとも自分と相手の精神的な関係は自分が互角以上であり、
わざわざそのバランスを崩す必要はないのである。
加えて精神的な期待度を下げておくことでショックに対処しやすくする効果も期待できる。
もし相手にその気がなければそれでおしまい、もし相手にその気があった場合はあちらから告白してくれる可能性があるため、
結果として自分は全く損をしない安全手である。

ただガチで向こうにその気があった場合、後から誠にやるせない気分になることも考えられ、同窓会とかで悶えるハメになるリスクも存在する。



【総括】

意図してにせよそうでないにせよ『思わせぶり』の運用と取扱いには細心の注意を要する。
冗談では無く一生もののトラウマになることだってあるのだ。
生じる苦しみの多寡は、その被害者がどれだけピュアであるかに正比例するのだから。

そして、心に深い傷を負った諸君。
例えどんなにつらくとも、それは与えられた運命であって、耐え忍んでいかざるをえない。
人生とは戦いだ。余儀なくされ、戦わざるを得ないのだ。負けるとわかっていても、立ち向かわざるをえないのだ。
人間の証明のために、心に銃を取って叫ばねばならぬ時があるのだ。

『ふざけるんじゃねぇよ、動物じゃねぇんだぜ』

と。
みじめでも憂鬱でも、ペテンでもピエロでも、星座の名前を言うように、マジシャンの名を呼ぶように、

『君が好きだ』

と言ってやらねばならぬ時があるのだ。

幸せでも不幸せでも、どんな恋にも終わりがある。
だが、悲しい別れと思っても、いつかはまた出会う。
今はそれを苦しみや憎しみと認識していても、本当はそれは暖かな春の日差しであるかも知れないのだ。



汝、いかなる時も自虐することなかれ!


















「私、○○くんの追記・修正してくれたりするところって好きだよ! ♡(笑)←」

「ぼ、僕と付き合って下さい」

「えっ」

「えっ」

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