マリーダ・クルス

登録日:2011/07/04 Mon 21:32:33
更新日:2023/11/28 Tue 15:49:20
所要時間:約 7 分で読めます






私は12番目の妹ではない……
マリーダ・クルスという、無二の存在だ


機動戦士ガンダムUC』の登場人物。




◆概要
ネオ・ジオン残党『袖付き』所属、ガランシェール隊のクルーで、『袖付き』内での階級は中尉。
整った顔付きと赤く長い髪が目を惹く見目麗しい女性だが、ほとんど愛想というものはなく、常に冷静な表情を崩さない。
強化人間であるためにファンネル等のサイコミュ兵器の制御が可能で、クシャトリヤを操れる唯一のパイロットであり、エースとしてスベロア・ジンネマンを始めとするガランシェール隊から高い信頼を寄せられている。

主人公であるバナージ・リンクスとの初対面は、単身ガランシェールから飛び出したオードリー・バーンことミネバ・ラオ・ザビの追跡任務中のことで、
驚異的な膂力でバナージとオードリーを追跡するも、バナージのハロや建物の構造を利用した奇策にやられ、追跡を諦めざるを得なくさせられている。



◆性格
常に冷静沈着で、強化人間特有の情緒不安定の症状は基本的に出ない。
これは薬剤を使った後天的強化ではなく「先天的な遺伝子調整で強化されているためである」と、後に彼女を診察したハサン医師は説明している。
(第一次ネオ・ジオン抗争時には強化技術も発展して後天的な強化でも精神状態が安定してるのは内緒。)

ただし、過剰な敵意を植え付けられている『ガンダム』タイプのMSを認識した時は別で、初めてユニコーンガンダムのデストロイモードと対峙した時は、鬼気迫る形相で攻撃を加えている。
『ガンダム…?ガンダム……ガンダムは、敵っ!!

また、とある事情から『マスター』と認識した人間に絶対服従するようにインプリンティングされており、
今はガランシェール隊のキャプテンであるジンネマンをマスターと認識している。

非戦闘時は子供と遊んでやるなど面倒見のよいところも見せ、後に和解したバナージに対してもその背中を押したり、勇気付けるなどの優しさを見せた。
この性格からかミネバからもバナージからも強く信頼されており、その姿はまるで姉妹、姉弟のようでもある。

ちなみに、冷静沈着で常にクールな見た目から20代にも見えるが実際は18、9の少女であり、好物はアイスクリームという女の子らしい一面も持つ。
くどいようだが20代ではない。20代だと思ってた人は黙ってアイスを買って来よう。



◆劇中の活躍
ガランシェール隊のエースとして、序盤からスタークジェガンを操る無名のエース二人相手にクシャトリヤで大立ち回りを行い、これを撃破した後、
ミネバが逃亡した『インダストリアル7』に潜入。
現地の少年(バナージ・リンクス)と一緒にいるところを発見・追跡するも、少年の咄嗟の機転にしてやられ、追跡を断念する。
余談だが、アニメでは随伴していた男性がサングラスを飛ばされたのを確認し、それをキャッチして足場になった彼に付けてやりながら追跡を続行している。
ややシュールではあるが、マリーダさんの優しさが分かる心憎い演出である。

ちなみにこの時の服装はビジネススーツにスニーカーというちぐはぐなモノだった。
アニメ版ではロングコートを着ていたが、別段ネタになるような服装ではなかった。
しかし逃げた二人を追う際、四コママンガでネタにされる程の凄まじい走力で二人を追いかけていた。

ミネバ奪還に失敗した後、カーディアス・ビストとジンネマンの『ラプラスの箱』の交渉がビスト財団の横槍でご破算になったことを受け、ミネバ保護のためにクシャトリヤで出撃。
同じ頃に起こった『袖付き』と地球連邦軍の戦闘で破壊される『インダストリアル7』を尻目にミネバを捜していたが、そこで起動したユニコーンガンダムと遭遇。

ユニコーンに言い知れない恐怖を感じたマリーダはファンネルに攻撃させるも、ユニコーンは驚異的な性能を発揮してそれを回避。
そのまま『インダストリアル7』の外に押し出されてしまう。
その性能に畏怖を覚えつつも、挙動からパイロットが素人であることを察し、撃破しようとするが、そこでユニコーンがデストロイモードへと変身。
フルパワーとなったユニコーンには歯が立たず、退却する。

その後、『赤い彗星』ことフル・フロンタルの駆るシナンジュとユニコーンの戦闘に介入し、ユニコーンを捕獲する。

捕獲したユニコーンガンダムのパイロットであるバナージの監視を命じられ、パラオにいるガランシェールクルーであるギルボアの家に彼を連れて行く。
当初は無口だったが、バナージの戦闘で人を殺したことを悔いる気持ちを感じてか、教会に連れていき、戦争で人を殺すことは罪ではないと伝える。

また、『人は光がなければ生きられない』、何も変えられないとも語り、
それに対し『人間だけが可能性という内なる神を持つ』という言葉を引用したバナージに、それを語った人の優しさを語り、笑顔を見せた。とんだロマンチストだな!

後にバナージが逃走し、パラオがユニコーン奪還を目論む地球連邦軍の攻撃を受けたため、戦闘配備につく。
パラオからユニコーンガンダムで脱出したバナージとクシャトリヤで対峙。フロンタルの策略でユニコーンと意図的に一対一の状況で戦わされることに。

戦闘中にバナージから自分がクシャトリヤに乗っていることを看破されて動揺するも、戦闘停止を訴えるバナージの言葉を『敵の理屈』と一蹴。
しかしその態度にバナージが怒りを覚え、それに呼応したユニコーンがデストロイモードへと変身してしまう。

ファンネルのコントロールを奪われ、その集中砲火とユニコーン自身のいたぶるような攻撃に耐え切れずクシャトリヤは中破状態に追い込まれる。
だが、撃墜寸前でバナージがマリーダを相手にしていることを思い出し、ユニコーンを制御。そこで二人は精神感応を起こす。




以下、ネタバレ注意





元々、マリーダは『ZZ』に登場したエルピー・プルのクローン人間であり、12番目の妹『プルトゥエルブ』であった。
マスターであるグレミー・トトと思しき人物を失った後に悪質な人間売買業者に保護され、娼館に売り飛ばされてしまった彼女は年端もいかない身で売春を強要される。
しばらくしてスベロア・ジンネマンに保護されるも、その時点で客の倒錯行為や度重なる堕胎で衰弱しきっており、女性としての機能も破壊されてしまっていた。

その過去を垣間見たバナージと、彼の過去を垣間見たマリーダはお互いを理解し合い、和解に成功。
ネェル・アーガマにユニコーンと共に収容され、マリーダは捕虜として保護される。

バナージと語らった後に地球に護送されることになり、その際のいざこざで成り行き上アルベルトを助け、彼に好意を抱かれる。

その後、彼女に目を付けたマーサ・ビスト・カーバインに地球に運ばれ、男性への憎しみを利用される形で再調整を施されて"バンシィ"のパイロットに仕立て上げられる。

再調整後ダカールに降下し、シャンブロとの戦闘で疲弊したユニコーンを奇襲・無力化して鹵獲する。
後にユニコーンが脱走したため、再び鹵獲、ないし破壊するためにユニコーンの前に立ちはだかる。

しかしユニコーンに乗るバナージと助けに来たジンネマンの説得に混乱し、また、自身が憎むべき『ガンダム』に乗っていることに気付いて錯乱し、意識不明に陥る。
そのまま意識は戻らなかったものの、ジンネマンに無事保護され、"バンシィ"から解放された。





以下、終盤のネタバレ





しばらくは意識不明のままだったが、ミネバの呼びかけに応じて復活。
紆余曲折あったものの、共闘することになったネェル・アーガマやバナージ、そしてミネバと共に、フロンタル達と対峙する。

最初はネェル・アーガマの防衛を担当していたが、バナージの苦戦を感じ取って彼に加勢。
自らクシャトリヤのバインダーを切り離して巨大ファンネルとして使用する離れ技も見せ、敵を圧倒。
フロンタルのシナンジュすら撃退するも、暴走するリディの"バンシィ"が放ったビームマグナムからネェル・アーガマを庇い、戦死する。

しかし、彼女の魂はその後、ジンネマンやバナージ、リディ達の魂に語りかけ、彼らの暗い感情を払拭。
最終決戦における、彼らの奮起を促したのだった。


余談だが、バナージ達多くの主要人物を導く役割を担ったり、所々で意外な可愛さを見せたりしたことから真のヒロインと呼ばれることもある。
その可愛さを象徴するアイスクリーム好きという一面があり、本編ではバナージと美味しいアイスクリームを食べに行く約束は叶わなかったが、後に極東ニホンの北の地にて(中の人同士で)約束は果たされた。

彼女の死亡フラグに目を向けると、クローンである、強化人間である、黒いガンダムに乗る、敵同士だった主人公と分かり合う、主人公と「戦いが終わったらアイスを食べる」と約束する、とくどい程の山盛りである。




初登場した『時獄篇』ではEP4までの再現なので、後半でフェードアウトするものの、条件を満たせばクシャトリヤを使うことができるので必ず手に入れておこう。
今作では試作型の強化人間「プロト・プル・トゥエルブ」という設定であり、本来の歴史なら敵対する設定であるハマーンとは良き上司と部下の関係で繋がっている。
また、ギュネイクェスとも公私にわたる友人としていい関係を築いている。

『天獄篇』でも引き続き登場し、バンシィに乗っている時には敵対関係となるが、奪還されてしばらくするとパイロットとして復帰。
(ちなみに敵対時、誰もが想像したであろう刹那との「お前もガンダムか!」「俺がガンダムだ!」対決もしてくれる)
バナージの理解者というポジションは変わらず、同時にバンシィに呑まれつつあるリディの身も案じており、
原作の結末を知るプレイヤーからすれば死亡フラグを順調に立てていく。
しかし一定条件を満たせば、原作で戦死した戦闘の再現マップにてマリーダファン待望の生還するIF展開に突入。
そのままフェードアウトすることなく最終話までいてくれる。

生存するとリディがマリーダを殺しかけたことや、敵意を漲らせていた自分の身を案じてくれていたマリーダの優しさを知ったこともあってか、
「彼女は俺が守る」とフラグめいたことを言う。
ただ、ぶっちゃけゲームでは「愛」などのタッグユニットでメインを張れる精神コマンドが揃っているマリーダの方が強いので、
守るどころかバンシィをマリーダに譲らされることもありうる。



原作の前半部分がほぼダイジェストで描かれており、本格的に登場するのはバンシィに乗ってから。
中盤でスポット参戦した際にバンシィに乗ったリディに撃たれてしまうが、条件を満たすとタクヤ達に大破したクシャトリヤごと回収され、一命を取り留める。
フラグの建て方が楽な部類に入るので、初見で生存できたプレイヤーも多いだろう。

クシャトリヤとバンシィ、デルタプラスに乗せ換えることが可能。
なお、今回もバンシィとの相性はいい。肝心のバンシィが弱体化したのが残念な所だが…。



今回は無条件で生存する。
また、『ZZ』の参戦に伴いプルプルズとの共演も実現。本作ではプル&プルツーよりも先に冷凍睡眠を解かれていたため、年齢的には肉体的にも精神的にも二人より上。

参入後は原作同様バナージの理解者というポジションに加え、姉二人のテンションに振り回されるなど若干苦労人気味。
ガランシェール隊も巻き込んだDLC「アクシズの三姉妹」は必見。


機動戦士ガンダム Extreme vs.シリーズでの活躍
クシャトリヤ搭乗版がリリース当初から参戦。
掛け合いとしては、リディ・マーセナスアンジェロ・ザウパーが原作と比べてオリジナルの掛け合いが増えている。勿論バナージやフロンタルなどとも専用台詞は存在する。
後述のバンシィ搭乗版の収録で重なった影響か、ヒイロ・ユイとの掛け合いが非常に豊富。かなりクールなやり取りではあるがお互いを信頼し、敵対すると拒否反応を示すなど厚遇されている。

EXVSFBからはバンシィ搭乗版が参戦。
こちらは他者を傀儡とする上位種年上のお姉さんに憧れを持つ少年との専用台詞が存在する。
また強化人間として再調整された経緯からか、元凶たるハマーン・カーンとの掛け合いも存在するが、明らかに人形か出来損ないと見下しているハマーンの冷酷さを垣間見える。
こちらもアンジェロとの掛け合いがあるが、あちらの姿勢はほぼ変わらずマリーダ側の感情の発露が多くなったため、やや感情的な言い合いになった。


◆主な発言

「正しい戦争なんてない。でも、正しさが人を救うとは限らない」

「実体のないものにすがるなんてバカらしい。そう言い切れる奴がいるとしたら、そいつは余程の幸せ者か、世間に関わっていないかのどちらかだ。
 本当の意味で生きているとは言えない」

「モビルスーツに乗っていれば、それはパイロットという戦闘単位だ。
 殺されても文句は言えないし、殺しても気に病む必要はない」

「正しさが人を救うとは限らない……」
「でも、"それでも"って言えるおまえは、いいと思うよ……」

私から光は奪わせん!!

「バナージ。"それでも"と言い続けろ」

「……お父さん。わがままを、許してくれますか……?」

「ひとりじゃない。おまえの背中には私がついている」

「アイスクリーム……かな」

「あなたは、私の"光"……マリーダ・クルスという人間の、"光"でした」

「この虹の彼方に、道は続いている」




マスター、追記・修正の許可を。

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最終更新:2023年11月28日 15:49