妖精(文学記号)

登録日 :2011/11/26(土) 07:09:27
更新日 : 2017/05/07 Sun 15:38:03
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項目名の文学記号という部分で身構えた方、「大丈夫、アニヲタWikiの項目だよ」というわけで、難しい話ではない。

  • ツンデレキャラクタ=金髪でツインテールでつり目でツンデレ口調
  • エッチな娘=ピンクの髪の娘
  • 不遇=メインヒロイン、スパロボにおける水中メイン機体の立ち位置

という具合に世の中にある大抵のモノは判りやすく記号化されているのである。


これは何も漫画やアニメのキャラクタだけではなく、むしろ文学作品、特に遥か昔の作品、古典の世界ともなれば記号化されている例が多く存在する。
この項目は昔のヨーロッパ人が妖精という存在にどういう記号を与え作品の中に登場させているか、簡単に説明しようと試みる項目である。
妖精と一括りに語るとあまりに多岐に渡る為、本項目では萌え属性を多分に含む人型かつ美少女・イケメン路線に関してのみの言及とする。
小鬼や巨大な体躯を誇る妖精、精霊とも妖精ともつかない抽象的な存在…有り体に言えば萌えにくいタイプに関しては今回はご遠慮願うこととする。


<小さい妖精のイメージ>

今、この項目を見ている方、一言「妖精」とだけ言われてどのような姿を想像するだろうか?あるいは、どんなキャラクタを想像するだろうか?
「人間の肩に乗るくらいのサイズで、背中に透明な羽根が生えていて、可愛い少年少女みたいな姿をしている」
そんなイメージが多いだろう。ある程度知名度のあるキャラクタで言えば、

  • 『ピーターパン』の『ティンカーベル』
  • 『ベルセルク』の『パック』
  • 『ゼルダの伝説』に出てくる妖精さん
  • 『ちっちゃな雪使いシュガー』に出てくる『季節使い全般』
  • 『女神転生』の『ピクシー』

立て主がパッと思い付いた小さい妖精のキャラクタはこんなところだろうか。

しかしながら、これら「小さい妖精」のイメージは比較的新しいイメージである。
小さい妖精は16世紀エリザベス朝の時代に生まれた妖精のイメージなのだ。
もちろん、16世紀ともなればもう十分古いし、現代人にして見れば古典的な妖精の記号的イメージという意味ではティンカーベルに代表される姿の妖精が有名だろう。

小さい妖精のイメージ以前の妖精は、人間と変わらないサイズをしている。
同じ16世紀の話で言えば、シェイクスピアの戯曲を代表とした戯曲作品に出てくる妖精は、殆どが人間と同じサイズである。
『真夏の夜の夢』に出てくる妖精の名もパックだが、やはり人間サイズだ。
本来はこちらの方が一般的だったのだが、様々な要因で小さい妖精のイメージが定着してしまっているのが現状がある。
しかし、古い詩・神話、あるいは偽古典作品(最近の人が古典作品っぽく作った作品)では人間サイズの妖精がメジャーである。

以下、そういった作品に出てくる妖精達の記号化された特徴を挙げていこう。


<記号としての妖精の特徴>

  • 緑色のドレスを身体にまとい、長い金色の髪、人間ならば完全にトップクラスの美貌を誇る造形美の持ち主
  • たとえ少女の姿であっても男を惑わす色気のある容貌をしているとされる。ロリコン涙目…いや待て、それはつまりロリ巨乳ということか
  • 森や野山にいても肌の色は何故か透き通る白で、詩・歌・ダンスの才能はみんな神童レベル
  • 鞍もつけずに乗馬が出来る程の身体能力を有し、可憐な見た目に反し大人の男性よりも遥かに強い力を持つ

まとめると、

「森の中から鞍のない馬に跨がりやたら上手い鼻歌口ずさみながら、緑色のドレスを着た金髪ロングで色白な美少女登場!」

という具合なら彼女は間違いなく妖精と思っていいだろう。
因みに、野郎の妖精は上記の特徴に加えてさらに『好色』の属性を持ち、人間の美少女を言葉巧みに拐おうとする。
緑色のマントを羽織り鞍のない馬に乗るイケメンの騎士はおそらく妖精の騎士だ。彼に、

「川を渡った先まで行こう」
(妖精の馬は基本、水の上を走れて当たり前。青白い毛並みの馬ならガチで妖精の馬な可能性が高い)

と誘われたらついていってはいけない。「川の向こう=妖精の世界」に連れていかれて彼が飽きるまで「リアルエロゲワールド」を展開されてしまうからだ。
妖精は気まぐれで残酷なので、飽きたらガチで容赦なく捨てられる。誘いに乗ったらダメ、ゼッタイ!


<もし妖精の美少女に出会ったら?>

貴方がもし、詩の天才か、世界的なダンサーや音楽家、あるいは超絶イケメンならば、そのまま彼女の宮殿に誘われる可能性がある。
貴方がもしドMで女性最上位な生活OKならば彼女の誘いを受けても構わない。
だが、妖精は気まぐれで残酷な生き物だ。少しでも逆らい機嫌を損ねたら身の安全は保証しかねる。

「目玉を抉りとって、変わりに木製の球と入れ替える」

これは妖精定番の脅し文句だが、これを言われても反抗するようなら彼女達はガチでそれを実行する。
その覚悟があるなら、妖精の誘いを受けてもいい。まあ、貴方が彼女に誘われる可能性がある人間ならばの話だが。


<古典的な姿の妖精が出てくる代表作品>

  • シェイクスピア、『真夏の夜の夢』
上でも名前を挙げたが、現在も上演される世界的に有名な戯曲。
詳細は各自ググるなりウィキペディアで調べるなりして欲しい。

  • 作者不明、『預言者トマス』
最もスタンダードなスタイルの妖精が出てくる詩。
13世紀に実在した詩人トマスが妖精の女王に気に入られ妖精の国へと誘われ「嘘の吐けない舌=予言の力」を得た逸話を詩にした内容となっている。

「森から鞍なしの馬に乗った美女出現」

「妖精の女王の申し出を拒否しようとしたら優しかった態度が豹変し、脅される」

妖精のテンプレが如実に出ている作品となっている。

  • 嬉野秋彦、『フェアリーランドクロニクル』
集英社スーパーダッシュ文庫の作品、所謂ライトノベルだが紹介しておく。
年若い妖精は「小さな妖精」の姿で数百年生きると人間サイズになるという設定のファンタジー世界作品。
作中に出てくる主人公の育ての親にして絶大な魔力を持つ妖精『フロリゼル』の自分本意な言動は、正に記号化された妖精のそれである。

  • 東方Project
チルノや大妖精、リリーホワイト等妖精キャラも多い本作では、基本的に人間の子供くらいの身長で描かれている(大妖精やリリーはそれよりも大きい印象があるが)。
性格はだいたい天真爛漫で悪戯好きと、古典的なイメージに忠実。


イケメン・美少女妖精を愛する方、追記・修正お願いします






以下、女神転生シリーズのピクシーたんを性的な意味で心から愛する紳士な男性以外の閲覧は危険ですので、閲覧には気を付けて下さい







さて。小さな妖精であっても、ティンカーベルのような髪の色、服装が正しいとされている。つまりだ、

「赤い色の髪に、紺色のピッチリレオタード。同じ色のロングブーツに長い手袋」

というピクシーたんの格好は伝統的な妖精に反する格好ということになる。

「お前みたいな格好の妖精がいるか」

と言われてしまうのだ。緑色の衣装に金髪に近い髪色をしたシルフ派ならばOKだろうが、ピクシー派涙目である。

だが、どうか、ボンガロのテリーみたいに周りの物に八つ当たりしないで欲しい。
伝統的な姿ではないといえピクシーたんが可愛い、おにんにんに抱きついて全身でズリズリして欲しい、

いや、

それでは足りない、小さなお股をぺろぺろした後で「ひぎぃ!」で「ぼこぉ!」なことしたいという事実に変わりはないのだから。

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