戦術オーブメント

登録日:2011/11/27 (日) 14:45:00
更新日:2023/12/28 Thu 00:09:48
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戦術オーブメントとは、ゲーム『英雄伝説 軌跡シリーズ』に登場する機械群である。


●目次

【概要】

作中世界には、『導力』と呼ばれるエネルギーで動く『導力器(オーブメント)』が存在する。
照明や各種拠点同士の通信、車両や飛行船をはじめとする機械動力、銃や砲などの武器類に至るまでありとあらゆる分野に応用されている

導力とは、天然資源として採れる『七曜石(セプチウム)』から引き出される特殊なエネルギーのこと。
導力器はこれを様々な仕事に変換する『導力機関』を有するが、そうして消費されても時間経過で勝手に充填されるのが導力の最大の利点。この発明がなされてからは、作中世界ではガソリンなどの化石燃料は過去の物となっている。


史上初の導力器は約50年前、過去の文明が遺した古代遺物(アーティファクト)の研究過程で発明された。(クロード)・エプスタイン博士という人物が成し遂げたこの偉業は『導力革命』と呼ばれ、以降の様々な技術の根幹となった。
博士の弟子である《三高弟》の一人である(アルバート)・ラッセル博士は導力技術をより躍進させたことで有名。*1
A・ラッセル博士の出身国であるリベール王国はその恩恵を大いに受け、王国各地を結ぶ飛行船など先進技術を実用化している。

本項ではその導力器の一つである戦術オーブメントについて記述する。


【戦術オーブメント】


導力器は概要で記した通り導力エネルギーを利用して様々な現象を起こす機械。
戦術オーブメントとはこれを個人の戦闘用に特化させた小型導力器の事を指す。
開発元は主にエプスタイン財団であり、他の企業などと共同開発をする場合もある。


後述のクオーツを嵌めることによって様々な効果を得ることができ、完全オーダーメイドなので人によって構造が異なる。
各登場人物はこれを使用し、他作品の“魔法”にあたる『導力魔法(オーバルアーツ)』(主にアーツと呼ばれている)を発動させることが可能。

空の軌跡の時代である1202年では身体能力の強化やアーツの使用くらいしかできなかったが、年々通信機能を始めとして様々な機能が追加されているのも特徴。
軌跡シリーズは作中でも技術の進歩にはよく触れられているが戦術オーブメントもその代表的な物の一つであると言える。
空の軌跡では大ぶりの懐中時計に近いデザインだったが、だんだんと近代的な見た目に変化している。

またカバーの部分は自由に取り換えることが可能。
組織ごとに専用のカバーを作成していることもあり、シリーズごとの主人公たちが属する遊撃士協会、クロスベル警察、特務支援課、トールズ士官学院などだけでなく、身喰らう蛇などもカバーを作成している。

オーダーメイドなだけあり戦術オーブメントは大変高価。
しかし自分用でなくても使用自体は可能なようで、未登録のものが裏ルートで流通しているとか。


七耀歴1202年 旧型(FC)→新型(SC)への切替
1203年(あるいはそれ以前) ARCUSの試験運用開始
1204年初頭 エニグマ普及開始→同年夏 エニグマⅡへの切替
1206年 ARCUSⅡ配備開始
1208年 Xiphaの販売開始

というように、作中では数年の間に大きなバージョンアップを何度も繰り返しており、開発元のエプスタイン財団からの連絡もいつも突然であるため現場レベルでは切り替えに戸惑うことも多い。

第一世代~第三世代の戦術オーブメントは未登場。


ちなみにバージョンアップされるたびに規格が変わり、従来のクオーツは一切使えなくなる。もうちょっと何とかならないものか……。
まぁゲーム的な都合なので仕方ないけど



結晶回路(クオーツ)


七曜石の欠片であるセピスから作られた回路であり、戦術オーブメントに嵌めることで様々な効果を発揮する。
なお、よく勘違いされるが小文字の「」ではなく大文字の「」である。

クオーツにはオーブメント所持者の身体能力や精神力を高める作用もあり、その効果はクオーツの種類により様々。
例を挙げれば
『攻撃』:攻撃力を増加
『HP』最大HPを増加
『駆動』:戦闘中、アーツの発動が早くなる
『○○の刃』:攻撃命中時、敵を一定確率で各種状態異常にする
といった感じ。
アーツをあまり使わない物理アタッカー系のキャラには、能力上昇を重視したクオーツを持たせると効果的。



ARCUSでは仕様が大幅に変更されており
同系統のクオーツもセットが可能になったことにより、攻撃1と攻撃2を同時にセットするなども可能。
クオーツごとにN~SRの種類に分けられている。
ステータスアップのクオーツは上昇する値は〇〇%ではなく固定値になっている。
属性値がなくなったためアーツが使用可能になるクオーツがある。



ちなみに全てのクオーツはセプチウムと同じ7種の属性のうちいずれかを有しており、それぞれ
茶:地属性
青:水属性
赤:火属性
緑:風属性
黒:時属性
金:空属性
銀:幻属性
という具合に色と属性とが対応している。



【マスタークオーツ】


エニグマⅡで実装された新型のクオーツ。
中央のスロットにセットするものなので一つしかセットできない。
通常のクオーツよりも少し大きいサイズであり、個別に紋章が刻まれている。
ちなみにエニグマⅡのクオーツは長方形だがマスタークォーツは円形だった。
最大の特徴は戦闘を重ねることで成長することであり、成長するにつれてアビリティの性能が強化されたり属性値が増える。
また最大まで強化するとマスターアーツと呼ばれる特別なアーツが使用できる。詳しくは後述。

ARCUSでは成長する点は変わっていないが属性値がないためレベルが上がると使用できるアーツの種類が増える。
マスターアーツの機能は組み込まれていないのか使用できなくなってしまった。
エニグマⅡと同じ名称のマスタークォーツが存在するが属性が変わっているものも存在する。


【スロットとライン】


戦術オーブメントは持ち主によって機構が異なるとは具体的には属性限定のスロットやそれを結ぶ(ライン)の形の事を指す。
またスロットは始めは閉じているのでセピスを用いて開封する必要があり、それを行うと最大EPも増える。


機構内では複数のスロット同士が繋がってラインを形成しており、エニグマのようにアーツを使う際に『属性値』を用いている場合はラインごとに属性値を合計した数値で決まる。
例えば1本のラインで繋がった4つのスロットにそれぞれ火2、水×3、風×1、空×2を属性値として持つクオーツをはめた場合、火×1で使用可能となる攻撃アーツ『ファイアボルト』などの他、
水×2 & 風×1 & 空×1が必要な範囲回復アーツ『ラ・ティア』も使用可能となる。

ライイン配列はキャラごとに千差万別であり、属性値の場合は使用できるアーツの程度も各人で異なってくる。
配列の大まかな傾向は以下の通りで、長いラインを持つほど最大EP(他作品で言うMP)が高くなる。

戦士系キャラ:ラインがばらばらに分かれており、その一本一本は短い
→属性値も各ラインごとで分けて計算される=初歩的なアーツしか使えない

魔法に長けたキャラ:全スロットが一本のラインで直結している
→全クオーツの属性値が余すことなく合計される=高度なアーツが使用可


ちなみに主人公であるエステル・ブライトロイド・バニングスの二名は上記のほぼ中間にあたるライン構成を持つ。
後述の『属性持ちスロット』を一切持たないという特徴も合わせて、他のパーティーメンバーに合わせて自在にスタイルを変更できる万能タイプと言える(器用貧乏とも言えるが)。

スロットやラインの構成にはもう一つ特徴がある。
キャラによっては……というよりは殆どの戦術オーブメントが、いずれか決まった属性のクオーツしかはめ込めないスロットを(1~3箇所)持っているのである。


例を挙げれば
苛烈な性格のアガット:火属性固定スロット持ち
どっしり体型で高耐久のジン:地属性固定スロット持ち
……といったように、キャラの性格や容姿から連想できるものが多い。

優しく穏やかな気質のクローゼも水属性スロットを持ちであることを容易に納得できるが、彼女の場合はラインが一本に纏まっているにも拘らず、3つものスロットが水固定なせいで組めるアーツに偏りが生じやすくなっている。
せめて2つならもっと使いやすいのに……。


ちなみに、一撃死などの剣呑なアーツが揃う時属性のスロット持ちキャラは、妙に高い割合で洒落にならない程の暗い過去を抱えていたりする。
例を挙げればヨシュア・ブライトとかケビン・グラハムとか(ネタバレの為ステルスで)。

零、碧でも固定スロットは本人の気質、見た感じに合わせて設定されていたりする。

赤毛で凶暴さが見え隠れする火属性なラニキ。

人を幻惑させる謎(笑)の凶手、銀は見たまんま幻属性。


ARCUSでは属性値がなくなったためラインの数に関係なくクオーツさえセットすればどのキャラでも強力なアーツを使うことができる。
これにより前衛キャラにゼロアーツのATボーナスが来ても腐ることはない。
そのかわり属性値の時と違い多くのアーツを使うことは難しくなったことと、マスタークォーツで使用できるアーツとクオーツをセットすることで使用できるアーツが被ってしまうこともある。
ただしラインの少ないキャラがATSが高く最大EPも多い。ラインの多いキャラはATSが低く最大EPも少ないというのは変わらない。
しかし『刃・牙系統のクオーツも別のライン上にならセット可能』となったので前衛で戦うキャラはこの系統のクオーツを多く装備できる。
属性値の時はラインが多い事にはメリットが全くなかったが、ARCUSからはラインが多いことでメリットが生まれるようになった。


導力魔法(オーバルアーツ)

戦術オーブメントで使用可能になる魔法。発動方法は戦術オーブメントの種類によって異なる。
使用する際にはオーブメント内部に蓄積された導力(作中では『EP』というポイントで表現される)を消費する。要は他作品におけるMPのようなもの。
発動までのプロセスは『駆動』と呼ばれている。
基本的に地・水・火・風の四属性のみが魔獣の弱点になっているが、遺跡などの霊的な場所などでは時・空・幻の“上位属性”が働くこともある。

シリーズ初作品であるFCはまだ「機械が発動させる現象」として納得できるアーツも多かったが、それより後の作品では前シリーズの魔法を出してきたり悪魔を召還して攻撃するなど、ややぶっ飛んだものが追加されている。
戦術オーブメント開発元のエプスタイン財団は七耀教会と密かに提携していて、教会が提供するノウハウを元に法術を機械的に再現したものがアーツである。
使用者の肉体とシンクロし魔法現象の展開プロセス構築を代行する、というメカニズムであり、機械単体で現象を起こしている訳ではないらしい。

【マスターアーツ】

前述のマスタークオーツが最大まで成長した時に使用可能なアーツでエニグマⅡでのみ実装されている。
名称は〇〇のルーンで統一されており、マスタークオーツの属性ごとに使用可能なマスターアーツは異なる。


【ロストアーツ】


閃の軌跡Ⅱ、閃の軌跡Ⅳ、創の軌跡で登場した古代のアーツ。
セリーヌ曰く暗黒時代に作られたクオーツの類する宝珠を用いて発動する。
エマによると3種類の属性を内包する今は失われた大いなる秘術でロストアーツという名前も彼女が付けた。
宝珠の波長がARCUSのクオーツの波長とかなり近かったこと。
ついでにクオーツの形状やサイズもかなり近かったのでダメ元で試しに嵌めてみたら発動することができた。
発動すると全てのEPを失うことと戦闘中に一度しか使えない。
また最大まで強化した属性固定のスロットにしか嵌められないというデメリットもある。
現在判明している属性は以下の通り。

名称 内包する属性
火・空・風
火・幻・水
火・時・地
地・水・風
時・空・幻
水・空・地
水・時・空
時・風・幻





【種類】


以下は軌跡シリーズに登場した戦術オーブメント。
バリエーションのほかに世代が存在しているが、世代が変わる条件などは不明。
例えばARCUSⅡはエニグマと比べて、アプリなどの多数の機能が追加されているが、二つとも第五世代戦術オーブメントとなっている。
この事から少なくとも新型が出たり機能が追加されたからと言って絶対に世代が変わるという事ではない。

なお名称が不明な物は仮称と記すので正式名称が判明した場合誰か修正をお願いします。



【第四世代】

軌跡シリーズで初めて登場した世代。
この世代の戦術オーブメントの機能は身体能力の強化とアーツの発動のみなので完全に戦闘目的の道具とも言える。
意匠は懐中時計に近い。
二種類しか存在は確認されておらず、正式名称などもあるのか不明。

【第四世代戦術オーブメント(仮称)】


空の軌跡FCで登場した軌跡シリーズでは最も初期型の戦術オーブメント。
作中で正式名称や世代は確認されていない。
しかし後述のARCUSⅡが第五世代でその試験型のARCUSが次世代型なのでこちらは第四世代だと思われる。
スロットの数は6つでアーツの使用方式は属性値なので、作中の全てのクオーツに属性値が設定されている。
『攻撃』などステータス上昇系のクオーツは〇〇%増加する。
複数のクオーツの組み合わせで様々なアーツが使用可能になるからか、作中では「アーツを組む」という表現が用いられている。

【新型戦術オーブメント(仮称)】


空の軌跡SCで登場した最新型(1202年時)の戦術オーブメント。
こちらも正式名称と世代が不明なので、ここでは作中でクルツが用いた『新型』という呼び方を用いる。
スロットの数は7つになり新型のアーツも使用可能。最大EPも増えて全ての面で以前のものよりも性能が高い。
ただし基本アーキテクチャが大幅に変更されたので従来のクオーツが使用できなくなる。
アーツの組み方などは以前のものと全く変わっていない。
FCでエステルたちが闘ったロランス少尉が使った謎のアーツであるシルバーソーンもこちらは使用できる。
この新型から「スロット強化」が追加されて、一部のクォーツはスロットを強化しないと嵌められなくなっている。

なお、OVAではアーツの発動時に必要な属性値のクォーツと導力回路を指でなぞる演出があった。

【第五世代】

最も多くの規格が確認されている世代。
第四世代の機能に加えて、通信機能などもつくようになり、デザインもだいぶ変わっている。
また、この世代からペットネームが付くようになった。


【エニグマ】


零の軌跡に登場した第5世代戦術オーブメント。通称『ENIGMA』。
スロット数は以前までのものと同じ7つで属性値が用いられている。
デザインが従来のものと比べてだいぶ変わっており、ランディ曰くずいぶんと洒落たデザイン。
当時エプスタイン財団が開発した最新型ではあるが、使い方そのものは従来のものとあまり変わらない。
ティオ曰く以前の物を使用していれば、こちらも問題なく使えるとのこと。
簡易通信機能がついており、基地局の範囲内か端末同士が導力波の届く距離にある時限定だが携帯電話のように使うことが可能。
少なくともクロスベル市内では問題なく通信で会話できる模様。


【エニグマⅡ】


碧の軌跡登場したバージョンアップ版。こちらも第5世代戦術オーブメントと思われる。
スロット数はマスタークォーツ用が1つ、クォーツ用が6つの合計7つ。
最大の特徴は「マスタークオーツ機能」が搭載された事であり、中央のスロットにマスタークオーツをセット可能。
これをセットするスロットには属性の縛りがない。
後述のARCUSの試験段階を経て組み込まれた機能と思われる。
マスターアーツが使用できるのはエニグマⅡのみ。
さらにエニグマで使用できたアーツのほかに20以上ものアーツを組む事が可能。
また研究段階の機能の一つとして緊急時にアラート信号を発信する機能が組み込まれている。ただあまりにも弱い導力なので実用には至っていない。
ちなみにエニグマとエニグマⅡはクオーツの形が長方形になっている。



ARCUS(アークス)


閃の軌跡で登場した次世代戦術オーブメント*2。エプスタイン財団とラインフォルト社の共同開発によるもので試験運用中の段階。
なので後述の戦術リンクや、レアクォーツの性能を引き出せないなどの問題点が存在している。
スロット数はマスタークォーツ用が1つ、クォーツ用が8つの合計9つ。マスタークォーツをセットすると所持者とARCUSが共鳴・同期し、アーツが使用可能になる。*3
なおARCUSとは「All-Round Communication & Unison System」の略称。
後述する戦術リンク機能を使うのに適性が必要なこともあり、現在は帝国軍関係者の一部など限られた範囲でのみ使用されている。
特化クラス設立の目的の一つもこれの試験である。
エニグマⅡの通信機能やマスタークオーツ機能も備わっている他、新たに戦術リンク機能が追加された。
使用者同士をリンクさせ、互いの感覚を共有し高度な連携を可能にするというもので、何の打ち合わせをせずとも一方の攻撃で敵の体勢が崩れた瞬間にもう一方が追撃を加える、といった阿吽の呼吸での行動が可能になり、条件次第ではより多人数での連携も可能な様子。*4
適性さえあればそれこそ初対面の人間とでもリンク可能だが、一方で不仲な者とはリンクできないという欠点もある。
ゲーム中ではパートナーの攻撃に追撃、パートナーをかばう、パーティ全体での総攻撃などの効果を発揮し、使用者同士が親しくなるとより高度な行動が可能になる。
アーツの仕様が大きく変更。属性値の概念が消失し、クオーツごとに封入されたアーツを使用する形式に変更され、属性縛りスロットも2属性3個となった。
ちなみにⅦ組設立以前にトワ、クロウ、アンゼリカ、ジョルジュが試験運用を行っている。
零の軌跡と閃の軌跡はほぼ同時期なのでエニグマよりも前にマスタークオーツ機能と簡易通信機能が搭載された戦術オーブメント。
この試作型を経て第五世代戦術オーブメントであるエニグマが開発された可能性もあり、故に次世代戦術オーブメントなのだろうと思われる。

閃の軌跡Ⅱでは、リィンが騎神の起動者になった影響で、パートナー同士で連続行動する「オーバーライズ」を使えるようになった。(もっともロイド達にも使えるので騎神とは関係無い可能性も)
騎神戦での準契約者によるサポートもARCUSを介しているような描写がある。
また偶然だと思われるが失われた属性である古代のクォーツもスロットにセットできて「ロストアーツ」を使用できた。
1204年末から1205年にかけては徐々に使用範囲が広まりつつあるようで、トールズの貴族生徒が持っている他に、何らかのルートでクロスベルにも流れている。
リーシャによれば「使えるアーツは少ないけれどエニグマⅡよりも実戦的かもしれない」とのこと。


ARCUSⅡ(アークス・ツー)


閃の軌跡IIIで登場したのARCUSの正式配備型。完成した事により次世代ではなく第五世代戦術オーブメントとなっている。
今までの戦術オーブメントは上開きだったのだがこちらは下開きになっている。
スロット数はマスタークォーツ用のメインスロットが1つ。サブスロットが1つ。クォーツ用が7つの合計9つ。
ARCUSと同じでマスタークォーツをセットすることでARCUSⅡと所持者が同期して、身体能力が強化されアーツも使えるようになる。*5
属性縛りスロットが2属性3個なのも変わらない。かつての戦術オーブメントで縛りがなかったキャラ達も使用する機会があるが、今度は3個設定されている。

戦闘面の変化としては、メインマスタークオーツの他にサブマスタークオーツをセット可能に。2種のMクオーツを併用でき戦術の幅が広がるが、サブの物はメイン時より効果は制限される。 ただしアーツは全て使用可能。
また、新たに使用者ごとに異なるオーダーを出し味方全体をサポートする「ブレイブオーダー」機能が追加された。
さらに騎神戦でのサポートも範囲が広がり、「準起動者」となった新Ⅶ組のメンバーが搭乗する機甲兵にも適用されるようになっている。ただしどういう理屈でできているのかは解明されていない。

戦闘と関係ない所では、従来のカバーの裏に当たる部分に画面が付き、テレビ電話に写真撮影、導力メールや画像のやりとり等ができるようになった。戦闘と縁の無さそうな職業の人も普通に持っており、ますます携帯電話じみてきている。
旧Ⅶ組のはオリヴァルト皇子から贈られた物であり、彼の計らいで《Ⅶの輪》(ROUND OF SEVEN)という特別なアプリが組み込まれている。
これはトヴァルの提案でオリヴァルトの持つ《響きの貝殻》を中継器(ルーター)とし、財団に特注したアプリで連携させたもの。
これにより《Ⅶの輪》を持つ者同士なら距離に関係なくどんな状況下でも導力通信を行うことができる。
ゼムリア大陸では通信網も整っていない地域もあることを考えると規格外の機能だと言える。



RAMDA(ラムダ)

閃の軌跡Ⅲで登場。カルバート共和国で極秘開発された第五世代戦術オーブメント。
共和国の特殊部隊ハーキュリーズのみ所持している。そいつらからちゃっかり確保してる人もいるけどね
「空間投影」なる機能で、本物そっくりな立体映像のようなものを発生させ敵を攪乱できるようになっている。
また自分や周囲の者の姿を完全に消し去ることも可能。
戦術リンク同様の特殊機能による連携攻撃を可能とし、まったく新しい攻撃アーツなども使用可能な模様。
また所持者本人しか使用できないようになっており、これは所持者固有の霊子を鍵にした暗号技術を使っているからではないかとシュミット博士やレクターに推察されている。

黎の軌跡の時代である1208年頃には一時期共和国でも使われていたらしいとのことだがすでに使われてはいない。
性能は帝国のARCUS規格にも遜色なく軍や警察などで採用されたが、第六世代の発表で世代交代を余儀なくされた悲劇の規格とされている。
しかし姿を消すステルス機能が便利なので、今でも裏ルートで流れている。


【第六世代】

Xipha(ザイファ)

《eXternal Interface for Post Human Activation》
1208年に主に使用されている第六世代の最新戦術オーブメント。
これまでの戦術オーブメントは必ずエプスタイン財団がかかわっていたが、これはヴェルヌ社が主導で開発を行い、財団が開発から完全に外れていることでも話題になった。
見た目は帝国で使われているARCUSと比べると更にスマートな形状。*6
《ホロウコア》*7と呼ばれる部分にオペレーティングシステムである支援AI(ホロウ)が搭載されていて、簡単な機能ならこれに話しかけるだけで起動させることが出来る。ヘイSiri!
他にも探索機能を持たせた便利なアプリ*8などを搭載したりと、もはや空の軌跡時代に使っていた第四世代と比べると別次元と言っても過言ではないくらい飛躍的な発展を遂げている。
導力ネットにも接続できるほか通信と簡易な情報処理の端末として非常に優秀なので、戦闘関係の機能をオミットした民生用端末の実用化と普及に向けての開発も進み、後にTフォンとして販売された。

一部の機種には裏技として、やはりステルス機能も存在している。


戦闘面においても同じく桁違いの進化を見せており
  • 装着出来るクオーツは前世代から大幅に増えて最大16個
  • ARCUSの特徴であったリンク機能も、S.C.L.M.(スクラム)*9と呼ばれる連携範囲を設定することで、その範囲内であれば誰とでも自由に追撃や防御を交わせる。
  • 霊子装片(シャード)と呼ばれるエーテルの欠片を使用者の周囲に展開、制御することでさまざまな機能を発動させることが可能。空中に展開して足場としたり、刃を形成して斬り付けたり、シールドのように張って攻撃を防いだりと、物理的な力場として活用可能となっている。
  • 第四世代と同じくクオーツ属性の数値の合計値により、各種スキルを発動出来るようになる。
  • 使用アーツは複数の導力魔法がインストールされた《アーツドライバ》を装着することで変更可能。*10
    基本的には特定の属性や役割で纏まっているセット品だが、中には全てフリースロットになっていてプレイヤーが自由にアーツを設定出来る物も存在している。
  • 戦闘中やフィールドアクションによりシャードブーストゲージというリソースが溜まり、それをシャードブーストと呼ばれる機能で消費することで、各ホロウコア毎に設定されたステータスの強化を自由に行える。*11
    本作のSクラフトはこれを2つ消費したフルブースト状態でないと発動出来ない。*12


+ 黎の軌跡ネタバレ
《オクト=ゲネシス》

クロード・エプスタイン博士が組み上げたという、アーティファクトにすら匹敵する機構を搭載したプロトタイプ・オーブメント。
ラトーヤ・ハミルトン博士曰くエプスタイン博士が何らかの方法で形にした“世界を計る”8つの観測実験器。
アニエスはこれを探すためにアークライド解決事務所を訪れた。
経年劣化の具合や導力技術黎明期の時計技術を応用した品に似ているが、それよりも遥かに複雑で間違いなく“天才”が手掛けた品などの情報から、相応の知識を持つ者ならば手に取って調べただけで製作者を特定できてしまう。
作中ではゲネシスの不思議な力を見る前にカトルやクロンカイトが製作者にたどり着いている。
見た目は大きめの懐中時計を模しているが作中では幾度も謎の力を発揮しており、ヴァン達が重大な岐路に立たされた時に青い輝く光を放ち、まるで羅針盤のように導いている。
かと思えば、生命を踏みにじるような屍鬼を生み出す力を発揮したり、28万人の命を人質にしたデスゲームの監視役をしたりと善悪を問わず、使用者に求められた役割をこなす様はまさに戦術オーブメントと同じ。
オクトの名が示す通り全部で8つ存在しており、黎の軌跡ではこれを取り戻すのが大きな目的となっている。


+ エプスタイン博士が遺した手記の最後に記された一文
どうか120*年までに《オクト=ゲネシス》を全て取り戻してほしい
さもなければ全てが終わる

黎の軌跡における年代は七耀暦1208年末、この文章に書かれたことが事実なら猶予は最大でも残り1年しかない。
一見すると死に際の妄想とも言える一文だが、まるでその時には《オクト=ゲネシス》が何者かに奪われていることを預言していたかのようにも思える。
果たして彼の偉大なる人物の目的と真意は一体    






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最終更新:2023年12月28日 00:09

*1 より正確に言えば導力技術を汎用化して「広めた」というのが適切であろう。何故かと言うと【黎の軌跡】にてエプスタイン博士は、愛弟子である三高弟が何十年も研鑽を続けてきた知識をもってしても解析不可能な導力器をとっくの昔に組み上げていたことが判明したからである。

*2 公式サイトでも次世代となっているが、作中でサラが第五世代と明言している

*3 メタ的に言えばマスタークォーツをセットしなくてもクォーツさえセットすればアーツや戦術リンクなどは使用可能

*4 イベント中の描写ではあるが閃Ⅰの序章では2人で発動する『ラッシュアタック』、4人で発動する『バーストアタック』を超えてⅦ組総員による連携攻撃を見せており、これが創の軌跡にて使用可能になった最大10人での総攻撃『ヴァリアントレイジ』の原型と言えるだろう。

*5 やはりメタ的に言えばマスタークォーツをセットしなくてもクォーツさえセットすればアーツや戦術リンク、オーダーも使用可能

*6 現実で例えるなら2000年代後半に普及した頃のコンパクトな折りたたみ携帯

*7 前世代で言う所のマスタークオーツ

*8 地図やメモ、写真の撮影や録音なども

*9 Shard Circular Linked Metafieldの略。意訳すれば「霊子の循環により高度な連携を可能とする力場」といった感じだろうか。

*10 ARCUSのマスタークオーツで使用できるアーツの部分だけを切り離したようなもの。例を挙げるとヴァンの初期アーツドライバである《ストーム》を装着すると「スパークエッジ」「エアリアルダスト」「シャドウスピア」「クロノドライブ」「プラズマスフィア」が使用可能になる。

*11 前作までのシステムで例えるとマスタークオーツのアビリティを使用するにはブーストを発動させる必要がある

*12 Sクラフトの使用CPは100で固定。CPをMAXの200にすると最大威力になる仕様は廃止された。