島津豊久(ドリフターズ)

登録日: 2011/07/12(火) 14:58:45
更新日:2024/02/20 Tue 11:21:29
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島津が生んだ殺人マッシーン。薩人マシーン。

首を狩れれば後はどーでもいいごようす。
ヒマさえあれば肝練りじゃーー
ふと目を離せば捨てがまりじゃーー。
生きてるだけでラッキーな
人生葉っぱ隊。









   *   *
 *   +
  n     n
  *(ヨ     E)
  Y   Y  *


    ∧_∧
д゚)っ(*´∀`)<うそです
ハイ、クビオイテイキマス







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「首おいてけっ!!」




平野耕太原作のドリフターズに登場するキャラクター。
同作者原作「HELLSING」OVAの10巻特典、及び「ドリフターズ」のTVアニメでのCVは中村悠一


九州は薩摩の戦国大名 島津家。有名な島津四兄弟、島津家久の息子。
A.D1600年、「天下分け目の戦い」として有名な「関ヶ原の戦い」において殿*1を務め(後に島津の退き口と語られる退却戦)、
当時徳川軍最強と呼ばれた井伊直政の「赤備え」を相手に奮戦。
鉄砲で直政に手傷を負わせるも討つには到らず、逃げられてしまう。


「ふざけるなよ直政ぁっ!!」

「おいてけっ!! 首おいてけっ!!」

死に花を咲かせられずに、傷を負ってボロボロのまま失意の内に森の中をさ迷っていると、「」のいる不思議な空間に召喚される。
「俺は薩州に帰るっ!!」と紫に掴みかかろうとするが、通路に並んだ扉のひとつに吸い込まれ、「この世ではないどこか」へと飛ばされる。

こうして「漂流者」となった豊久はその後、気を失っていたところを亜人(デミヒューマン エルフ)の子供達の手で、
同じようにこちらの世界へと飛ばされた織田信長那須与一に引き渡され、保護される。
しかしこれが、土地の掟である「亜人は漂流者に関わってはならない」という禁を犯したとして、領主付きの騎士武官アラムがエルフの村で虐殺を行う。
これを子供達に助けてもらった恩を返すために豊久が撃退。豊久、信長、与一の3人はこの村を拠点に「国盗り」を始める。


モデルは実在の武将 島津中務少輔(なかつかさしょう)豊久。

信長には「お豊」の愛称で呼ばれる。
年齢は30歳。まぁ、史実の人だからね。

しかし兵装は関ヶ原の時代に普及していた鎧甲冑ではなく、上着はジャケットのような赤い羽織に指出しの同色の篭手、
下は黒いズボンに赤い脛当て。腰には小物が大量についた小筒を差すためのベルトに腰当てと、ヒラコーらしい現代風のアレンジがなされている。
髪型も髷を結っておらず、典型的な少年漫画の主人公のような黒いツンツン頭である。

武器は冒頭で直政を負傷させた小筒と、身の丈程もある長大な野太刀。作中で使ってる描写はないが、脇差も帯びている。
鍔ぜり合いで相手の剣をへし折り、そのまま首も斬り落とす程の怪力の持ち主。槍で全身を刺されても辛うじて生き延びるなど、生命力も強い。
「組手甲冑術」(甲冑を着込んだ動きに制限のある状態での体術)の心得もあり、単純な肉弾戦の実力も相当なもの。

首級を挙げることにこだわっており、口癖は「首おいてけっ!!」
この事から、オルミーニュ(後述)には「妖怪首おいてけ」と命名される。


こちら側の世界の組織「十月機関」(オクト)の一員であるオルミーオッパイに、北方に出現した「黒王」と戦ってほしいと頼まれるが、
この時点では「知るか」と即答し、3人全員が乗り気ではなかった。
というかまあオッパイ達は軍事に疎かったのでよく分かっていなかったけど、
戦えと言われてもそもそも国を盗らないと始まらないわけで、知るかとしか言いようがなかったということでもある。


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性格はよくも悪くもまっすぐな武士。

降伏した者の命を取らない(降伏首は恥)など、侍・武士としての誇りを重んじる男だが、
一度は降伏した者は殺さないとして敵を見逃しながらも、その仲間が度を越えた卑劣な行いをしていた現場を目撃し、
「(見逃そうとした)おいが間違っとった」と前言撤回して降伏者も含めての根切り(皆殺し)を選択するなど、激情家の面も強い。
なお、女の首には一切の興味を示さない。ジャンヌカワイソス……。
(お豊はジャンヌもろとも井戸に落ちるまでジャンヌが女だと気付いておらず、女だと解ると頭への強打はしているが止めには拘らず去っている)。
ちなみにジャンヌの実力は分析していて素人丸出しと見抜いていたが、一方でその能力から殺されるとも思っていた。

自ら『突っ走ることしか知らん!』というだけあり基本的に脳筋タイプで、頭が残念な子扱いされることも少なくない。
しかし決して頭が悪いわけではなく、戦いにおいては『防御用の石壁の術を組み合わせてカタパルトにし、焔の壁を突破する』
『同様の術で敵を包囲し爆☆殺』『攻城の前にドワーフ達を解放し、敵の恐怖心をあおった上の交渉による開城』などの知略を見せる。
与一曰く『全知全能が戦さに特化している』とのこと。

一見正義感が強そうに見えるが、倫理観は戦国時代の武士のそれであり、むしろ信長の考えと一番近かったりする…というかぶっちゃけ戦術面においては信長よりも多分苛烈。
そんななので、戦争となれば当然敵兵を銃などで一方的にパンパンする程度のことは全く厭わない。
爆殺の時もそうだし、硝石丘法に対する反応からもうかがえる(必要だったので有効活用。一応当時としてもこの様な体の扱いは当然の行いではないので頭は別にちゃんと供養している)。
ちなみに与一は平安時代末期の人間なので、本来は豊久達よりもお行儀がよい部類だと思われる。源側についていたので色々あったとは思われるが。
硝石丘法が日本に伝わった 一番確実な記録は 幕末なのだがどうもそれより早く伝わったり発見していたものの 超重要な戦略物資の生産技術 なので
各地の大名や藩で極秘にこっそり行っていたので歴史学者も断片的にしか記録を発見できないという実にこの作品向けの状態となっている。
作中のセリフによれば一向衆がやっていた技術を信長が知って真似したものらしい。

妖怪首おいてけの異名通り首をとることに執着し、自分の命を的にして敵をとりにいく捨て身思想。
その様はオルミー乳からは「まるで廃棄物」と評され、とうの廃棄物にすら「本物のいかれ」呼ばわりされた。
一方で似たような刹那的思想を持つワイルドバンチのブッチからは「面白えな」と気に入られている。

その姿に亡くした息子(信忠)を重ねた信長には大将に据えられているが、本人は他人に重ねられるのは嫌なようだ。
まぁ、お豊はお豊で信長に敬愛していた父と養父を重ねているのでどっこいどっこいだけど。
そしてその信長からすらも異常者扱いされていたりもする…が、色々な人間を見てきた実体験があるので彼はお豊の性質を理解はしている。

エルフ達にも慕われており、戦を知らなかった彼ら戦国流の戦場の作法を教えることが多い。
尤も、弓を得意とするエルフには島津流の戦い方は向いていなかったようだが……
ドワーフとは基本的な戦い方が似ていたため、どこの世界にも似たような考え方の兵子はいると意気投合していた。


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AKY(あえて空気を読まない)なので天然でラスプーの妨害をしたり(ノブノブもノリノリでラスプーをいじめてた)、
アラーキーと戦いながらもどうにか生きながらえつつ、
最後には言い合いながらもアラーキーを武士として認めたことで、意図したことではないが結果的に廃棄物に笑みを浮かべさせている。

戦闘面以外では政治や戦略に関しては良くないからと他に任せてあまり動いてはいないが、
無防備にヴェルリナをぶらついている姿が市民の間に燻っていた漂流者へのわだかまりを少なからず払拭する結果を残すなど、相変わらず馬鹿と紙一重の天才ぶりを発揮している。
一方で、難民が大量流入してきた時には「メソメソと泣いて死ぬぐらいなら気持ちよく戦って死ね!俺も付き合ってやる」(意訳)と思いの丈をそのまま述べ、
意図したことではないが結果的に人類を団結させたりしている。
とは言えこれは「何故故郷に戻らない?」「逃げるだけなら死ね」(意訳)と必死こいて逃げてきた難民にとって暴言もいいとこの発言(曰く薩摩劇場)だったこともあり、非常に綱渡りな発言だった。

ノブ「にゅ…乳児より目が離せん…おトヨは…」



これだけ濃いお豊だが、史実では超マイナーな武将だったりする。
作者が関ヶ原に取材に行ったところ、塚は一応あったが、現地の人は誰も知らなかった
余りのマイナーさに、最終的にヒラコーもブログで嘆いていた。

歴オタの中ではあの島津の退き口で活躍し、捨て奸の将兵達小数(300人)と共に徳川の軍勢(80000人)にかなりの打撃を与えたことで有名な部類。
まぁ、おやっどや伯父上ら島津4兄弟が優秀すぎるから仕方ないけどな!
因みに豊久の居城だった佐土原城は南九州には存在しないといわれていた天守閣があった事で地味に有名だったりする。
なんとかと煙は高いところが好きなようだ。

ただ漫画とは異なり井伊直政に彼の銃撃が当たったという伝聞はなく、これは島津軍所属の柏木源藤によるものと伝えられている。
「漂流者」として登場させられるだけあって、現在に至るまで豊久の遺体は確認されておらず、その場で討ち死にしたとも、
なんとか離脱できたが重傷だったため、回復することなく戦場の近辺の村等で死んでしまったという説もある。

あと何だかんだ城主でもあるので、流石に史実の彼はもっと色々考えていたとは思われる。
ここらも史実に忠実にしようとするより、キャラクター造詣を優先した関係だろう。
もっとも、島津の退き口以外にも無茶していたらしいので、作中の無茶苦茶っぷりも納得だが。
同時期の他作品に登場した薩摩武士達が誤チェストとかハイテンション切腹とか揃いも揃って脳筋を遥かに超えた何かだったため、
「事前に大将首か確認するお豊は薩摩では頭脳派の扱いだったのでは」
という説が囁かれたとかなんとか(特にこれらの作品で薩摩を知った海外読者勢)



名台詞
「首置いてけ!」

「女首は手柄にはならん」

「あん槍持ち武者ん首ばかき取らねばのう」

「首手柄ん取れんでは親父(おや)殿(どん)に顔向けできん!!」

「あれはおいが首級(くび)じゃ」

「飛んで逃ぐるとは許せん首ばもいじゃるから降りて来い!!」


「ここがどこでどうなっているかなにも知らん。これが夢か現実か何もわからん!! だったら俺は突っ走ることしか知らん!」

「ここがどこでお前らがだれであろうと、敵はお前らが討たねばならぬ。この子が応報せよと言っている!!」

「俺らはあの通路ん男の駒ではなか。俺らは人ぞ。俺らは俺らの理で疾走る」




「追記してけっ!!」


「なぁ!! 大将首だっ!! 大将首だろうっ!? なぁっ!?」




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「追記してけっ!!」




「ぎゃあぁぁ助けてぇぇぇ!! 妖怪 追記してけだぁぁぁぁ!!」



あなや
END



出典:
作品名:ドリフターズ
原作者:平野耕太
出版:少年画報社
刊行年:単行本第1巻2010年7月7日 第2巻2011年10月13日

画像出典:
その1:画像生成ジェネレータ「とある櫻花の画像生成」により作成
その2,3:単行本第1巻
その4:単行本第2巻
その5:メロンブックス限定イラストカード(第2巻販売特典)

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  • おい、首置いてけよ
  • リボルテック発売決定
  • 中村悠一
  • さては大将首だなオメー

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最終更新:2024年02月20日 11:21

*1 本隊や主君の撤退を援護すべく敵の追撃を一番後方で食い止める役目。その性質上、殿を務めた者の大半は死亡し、生還する者は稀だった。