アナハイム・エレクトロニクス社

登録日:2012/09/29(土) 20:41:31
更新日:2018/06/14 Thu 17:32:18
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Anaheim Electronics


アナハイム・エレクトロニクス社とは「機動戦士ガンダム」シリーズのうち、宇宙世紀を舞台とした作品に登場する架空の企業の事である。

初登場は『機動戦士Ζガンダム』。
電子・電気機器の製造販売を中心とする軍産複合企業として名を馳せ、キャッチフレーズは「スプーンから宇宙戦艦まで」とされている。
その果てはスペースコロニーの建造にも携わっているとか。*1

本拠地は月でグリプス戦役前後から連邦軍は勿論、反連邦組織等の機体の開発や製造も行っている。
いかんせん組織が巨大すぎる上に各部署間の風通しも悪く、連邦軍からさえ「何を作っているのか分からない」、
「右手がしていることを左手が知らない」とまで言われている。
同じ会社内であっても月の表にあるフォン・ブラウン工場と裏にあるグラナダ工場ではまったくの別会社であり所属している社員でさえも他所の工場で開発された機体については全く知らない。『逆襲のシャア』では両軍がアナハイム社製のMSを使って戦っている。
(連邦側のMS生産拠点はフォン・ブラウン工場、ネオ・ジオン側MSの製造拠点はグラナダ工場。双方は月の正反対に位置している)
まあだからこそシャアがサイコフレームの情報をアムロ側に簡単に流せたわけだが。*2

機動戦士ガンダム サンダーボルト 第二部』では、パラレル世界ではあるが、アナハイム大躍進の時期において反連邦組織である南洋同盟のレヴァン・フウ僧正に目を付けられる。
「世界に邪悪を撒き散らす元凶」「祓うべき魔物の巣窟」と評され、ソーラ・レイ・システムによって月面の本社を消し飛ばすテロ計画を立てられた。
レヴァンはNT能力で終末に向かう刻の流れが見えるようなので、それによって後々の戦争で暗躍するこの会社の存在を感じて敵視したのかもしれない。
計画を明かした際のレヴァンの話によると、この世界のアナハイムの月面本社は超性能のサイコ・ザク軍団*3でも歯が立たないとまで見立てられている。えぇ…。

グリプス戦役期はエゥーゴのスポンサーを務めるが、保身の為にエゥーゴの敵であるティターンズとも取引した。
これは、自己保身と同時にグリプス戦役を煽って戦争を加速化させて金を稼ごうとした背景もあると思われる。

ガンダムUC』ではアナハイム・エレクトロニクス工業専門学校が登場。
就職率は100%ながら、シニアハイレベルの学力がないと雇ってくれないらしい。
本作では新たに盟友のビスト財団との関係が明かされ、躍進の秘密や横暴な態度が許されてしまう理由に説明がなされた。
ビスト財団当主の妹かつアナハイム会長夫人のマーサ・ビスト・カーバインは、ラプラス戦争の黒幕として暗躍した。

閃光のハサウェイ』では、マフティーとの極秘取引で宇宙世紀100年代の最新鋭機であるΞガンダムを提供。
証拠隠滅の為に製造の元となる情報は全て隠していたが、このように複雑な機体を開発出来る会社はアナハイムに限られているので、機体を見たブライトにはバレていた。
なお、連邦もマフティーに対してアナハイム製であるペーネロペーを投入している。

ホビージャパン誌での解説限定であるが、大きな戦乱もなかった閃光のハサウェイとF90の間の時期には、超高級機であるゾーリン・ソールを連邦向けに製造。
この機体は小型化路線とは真逆の存在だったので連邦軍に採用されず、ズィー・ジオン・オーガニゼーションに譲渡される。
実際はゾーリン・ソールの開発はアナハイムと連邦にズィー・ジオンが働きかけて、譲渡前提で開発されていたとの疑いもある。

宇宙世紀111年にサナリィとの小型MS開発競争に敗れたことで、宇宙世紀120年代からはMS産業をアナハイムが寡占していた状態は解消されていった。宇宙世紀0119年にはジェムズガンが連邦軍によって正式採用され以後30年間に渡って使われ続けていく事になる。
機動戦士ガンダムF91』『機動戦士Vガンダム』では劇中では名前が出されないものの、MS総生産台数が減少傾向にもあったことから産業界全体として共存共栄を図る方向へアナハイムは舵を切ることにした、
宇宙世紀130年代は周辺企業へのOEM供給を積極的に行った。宇宙戦国時代真っ只中のザンスカール戦争において、リガ・ミリティアとザンスカール帝国の両陣営が高性能なMSを開発、MS戦力を形成出来ていたのもこうしたゲリラ的な戦力調達が可能だったのが背景にあったからである。

『機動戦士Vガンダム』の16年後を舞台とする『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』、
そして宇宙世紀200年代を描いた『ガイア・ギア』『G-SAVIOUR』と言った作品には登場しないため、この時期の詳細は不明。
ガイア・ギアに登場するマン・マシーンのゾーリン・ソールが、上述したように大昔のアナハイム社製という設定が存在するのみである。

ここまでは至って普通の会社に見える(いや見えないか)。

この会社の恐るべきところ、それは……



実にクリエイティブな機体を作る事である。



≪代表的な製品一覧≫


ガンダム開発計画の5体
ハイザックマラサイ
リック・ディアス系列(ディジェは除く)
ネモガンダムMk-Ⅲ(AE仕様)
百式系列、デルタガンダムメタス
Ζガンダム系列、Ζプラス系列、ΖⅡ
ル・シーニュ
Gディフェンサー、メガライダー
ΖΖガンダム系列、FAZZSガンダム
ディープストライカーネロ
ジェガン系列、ジェスタ
グスタフ・カール、シルヴァ・バレト
デルタプラスリ・ガズィリゼル
νガンダム系列、ユニコーンガンダム
ギラ・ドーガ系列、ギラ・ズール
ヤクト・ドーガサザビーシナンジュネオ・ジオング*4
Ξガンダム、メッサー、ペーネロペー
ヘビーガンGキャノン(OEM生産)
シルエットガンダムハーディガン
Gキャノンマグナネオガンダム
ザク50
ジェムズガンジャベリン
ゾーリン・ソール


また、キャッチフレーズ通りにアーガマ級アイリッシュ級ネェル・アーガマなどの戦艦も建造している。
各々の説明は項目の中の内容でまとめてあるのでそちらを参照。


≪技術力やその歴史に関して≫


まあ、何ていうか、色々とヤバい機体を開発しているのである。
特に核爆弾を積んだり、サイコミュを積極的に取り入れた危ない機体を見かけたら、とりあえずそれはアナハイムの機体だろう、多分ね。
あとMAは基本的に開発していない。
デンドロビウムやディープストライカーは装備を積み込みまくってデカくなったMSである。

また製品の他にも、一時期はニナ・パープルトンやオサリバン常務などなど、多くの名物社員を抱えたことでも有名である。中にはスパイもいたりと、枚挙に暇はない。
特にニナやルセット・オデビーを始めとするアナハイムの女性エンジニアは“アナハイム・ギャルズ”と渾名される名物集団であった。

これらの凄まじいまでに特徴的な有り様から、数多いるガンダムファンからは超ド級の変態企業という認識が不動のものとなっているアナハイム・エレクトロニクスであるが、
実際その技術力や経済力からくる存在感は凄まじいものがある。

宇宙世紀初頭には新進の一企業であったが、宇宙世紀0080前後には地球圏有数の大企業へと発展。*5
一年戦争時、既に巨大なコングロマリットを形成していたアナハイムは、当時からジムやその武装を中心に生産しつつ、軍関連資材の納入も積極的に行っていた。

一年戦争が終決すると、ZEONIC社をその巨体に吸収。
更にその勢いは止まらず、RX計画にてコアファイターを開発したハービック社、
ビームライフルの開発生産を行ったブラッシュ社やボウワ社なども次々とM&Aによって吸収、或いは傘下に収め、
ついには地球圏最高とまで言われる程のMS技術を持つまでに至った。

一応中立の立場を取っていたが、歯に衣着せぬ表現をすれば「勝てば官軍」を地でいく腹黒っぷりを発揮している。
アナハイムは相手の身分を問うことはせず、テロリストだろうが反連邦組織だろうが金さえ払えば誰でも顧客にする。
戦争してる勢力両方に兵器を提供する”など日常茶飯事。
上にも書いたが敵も味方も全部アナハイムなどよくあること。
遠慮誇張無くもうこいつだけでいいんじゃないかな状態である。

月に本拠地を置くその体系から、アースノイド至上を掲げるティターンズからは爪弾きにされたために(実は元々アナハイムは地球の企業なのだが)
ムーバブルフレームの技術を得られなかったものの、“ブロックビルドアップ”と呼ばれるムーバブルフレームに近いものしてリック・ディアスに採用。
更にエゥーゴに繋がりを持っていたおかげでもたらされたガンダムMk-Ⅱのデータを使って更に発展させ、可変機Ζガンダムを完成させる。

地球連邦がサイコミュ技術を独占して民間企業を弾き出したのに、アナハイムは「そんなの関係ねぇ!」とばかりに、
吸収したZEONIC社の技術を発展させ準サイコミュであるバイオ・センサーを独自開発。同じくΖガンダムの機体管制・制御系に搭載する。

その後もアナハイムの変態っぷりは止まることを知らず、宇宙世紀を席巻し続けた。

が、変態企業とも言えるアナハイムであるが実は資金力や大設備、技術力に隠れてる弱点がある。

それは「自らの手で新機軸の技術を生み出す」ということ。

そもそもMSを独自開発する能力も、一年戦後にジオンのモビルスーツを製造していたジオニック社をはじめ様々な企業を買収して得たものである。
ガンダム開発計画も連邦との共同プロジェクトでRX-78シリーズの設計データを入手したことから始まっている。

グリプス戦役時代の新装甲材であるガンダリウムγも、元はアクシズが技術を確立したもの。
アナハイムにとっては地球圏に帰還したシャアから土産として提供されたものに過ぎない。*6
それも装甲材をリックディアスを開発したのを皮切りに、高性能MS開発プロジェクト「Z計画」を進行させるも独自で開発した上記のブロックビルドアップ構造では強度が不足して思うように可変MSの開発が進まなかった…。

そんなところにシャアが中心となりエゥーゴがガンダムMk-Ⅱを強奪して、ムーバブルフレームを手に入れたことでそれを構造解析することで改良・発展することでZガンダムを始めとする高性能機を生むことが出来た。
これらがなければアナハイムはガンダム開発計画時代の技術力で頭打ちだった可能性も高かったのである。

サイコミュ関連もバイオセンサーを開発するも起動さえすれば機体制御・性能向上が優秀だったものの、サイコミュとして見れば他の陣営が開発してた安定性などが欠けてたのは事実であり、シャアのネオ・ジオンの方から開発してもたらされたサイコ・フレームほうが優秀なのでそっちに取って代わる事となる…。*7

大企業であるが故に有する資本力と大規模な生産施設のおかげであらゆる陣営から協力を持ちかけられ、その度に新しい技術を手に入れ、
得た技術を発展・応用することには長けているのだが、自らが一から挑戦した技術開発となると、あまり上手く行かない。
元は外様企業であり、その権力・資金力による買収と裏工作で力をつけてきたという体質故と考えれる。

だが、手に入れたものを活かし数々の傑作機を作り、量産型も開発してMSのシェアを得られたのも、この企業の力とロビー活動の優秀さが凄いところ言えるのだが…。
ただ第二次ネオ・ジオン以降は大規模戦乱もなくなったため連邦軍も軍縮傾向となり、目立った新技術もなく新型MSの開発は停滞してしまう。
それ以降はジェガン等の現行機のマイナーチェンジで繰り繰り返すことなったのだが、ここで連邦軍のMSシェアをほぼ独占状態を良いことに、性能維持と称して多大な整備・維持費やその搭載艦や設備費で暴利を得るという経営にシフトしていたりする。

そんなアナハイム社に流石に痺れを切らした連邦軍はサナリィの提案もあってか、大型化一方のMSを小型高性能化を委託。
しかし、上記のやり方で暴利を得ていたこともあり、それを手放すのが惜しいアナハイムは、5年をかけて現行技術ではこれが性能の限界ってことをアピールするために生まれたヘビーガンを見て連邦軍は落胆し、見切りをつけ始めてしまう…。

そして、宇宙世紀0111年。アナハイムの根幹を揺るがす事態が発生する
連邦軍が主催した次期主力小型MSコンペで、アナハイム社内のZIONIC事業部が担当したMSA-120を提出。
この機体はヘビーガンをベースに新技術を多数導入した高性能機体であったが、
サナリィのジョブ・ジョンが各方面から集めた精鋭スタッフ達の手で開発した新技術を導入しつつも高い基本性能を有していたガンダムF90に惨敗。*8

自分たちは胡座をかいてガンダムタイプを使わなかったこの結果に「あの機体をあまりガンダムと呼んで欲しくない」と発言しているが、
そもそも「ガンダム」という機体名は連邦軍の高性能試作MSに使われる名前であり、アナハイムのものではない。*9
相手のサナリィは宇宙世紀以前からあった企業グループの母体としている連邦が持ち株会社の半公営の研究機関であり、連邦軍所属
エゥーゴの勝利にうやむやされているが自分たちは連邦からガンダムMk-Ⅱを奪ってその技術を大本に勝手にガンダムタイプを開発していたり、
テロリストにガンダムを提供していた歴史を考えると、自分たちがそう言った発言するのは相当な恥の上塗りだと思うのが…。

歴史的な大敗を喫したアナハイムではあったが、サナリィにはない大規模な生産設備は健在であり、サナリィ設計のアナハイムがOEM生産という形で食いつなぐはできた。
ただ技術力の格差は大きく、サナリィは自身が開発したキャノンガンダムをアナハイムでも生産できるレベルに設計し直したGキャノンを開発することになった…これはサナリィの技術をアナハイムに全てを公開するのを拒んだのもあるが、下記のアナハイムの行動を察知していたということも起因している。

新次期主力小型MSコンペの敗北により、アナハイムも流石にこのままではまずいと思い、即座に新型小型MS開発計画「シルエットフォーミュラープロジェクト」を立ち上げる。
ただ実際は企業体質は変わらないままで、プロジェクト名をの通りサナリィの小型MS開発計画である「フォーミュラー計画」からあらゆる非合法手段で技術を入手して開発する小型MS開発プロジェクトであり、自主的な新技術開発のよるものだった…。
アナハイム派の連邦軍の助けもありサナリィのF90をはじめとしたのデータを入手には成功して、シルエットガンダムをはじめとする高性能MSを開発には成功している。
挙げ句の果ては盗用した技術を最大限に活かして開発した高性能MSに「ネオガンダム」と名付けるなど節操がなく傲慢すぎるものがある。
しかもそのこれらの機体群を開発する過程で連邦の敵対者であるブッホ・コンシュルンとも裏で手を組み技術交流を重ねており、サナリィの虎の子の技術とも言えるヴェスバー始めたとした新技術を渡し、自身はショットランサーやネオサイコミュシステムなど入手する裏取引などやらかしている。

これらの事もあってザンスカール戦争まで活躍することになるジムシリーズの最終系と言える「ジャベリン」の開発の成功と繋がり、シェアを維持することを成功。

余談ではあるが、一方のサナリィはMSの小型化による軍事予算を削減分を自身の本業であるコロニー開発に回してもらう算段だったのが、連邦軍から小型高性能MS開発の多大な期待を背負い込む形となってしまい、それに応えるために新技術の開発やMS生産設備の拡大などに投資をし続けないといけなくなってしまった。

そして木星帝国戦役では、連邦軍の目の届かない木星圏で新型MSの実戦テスト依頼を受けてた宇宙海賊クロスボーンと木星帝国との戦いが地球圏まで広がった敵の罠とは言え連邦軍と一時的に敵対してしまった宇宙海賊クロスボーンとの関係が発覚を恐れて、せっかくの「F97」の販売計画がとん挫してしまうなど散々なことになっていたりする。

≪その後のアナハイム社≫


何とかシェアを獲得失づげていたアナハイム社ではあったが130年代以降になるとMS産業自体が斜陽な傾向になってしまっていたのであった。
アナハイムもこのままではMS産業全体の危機と感じたかと、経営方針を共存共栄へとシフトチェンジしており、地球圏の各地に支社を立ち上げて生産力を分散・平均化して、その周囲の工場にライセンスを貸してMSの生産やその部品を作らせ、業界全体が廃れないように後援を務めるようになっていた。

しかし、それが仇となってしまいサイド2でマリア主義を掲げるザンスカール帝国が建国されると、それらを吸収するように接収されてしまい、その後もザンスカール帝国は勢力を伸ばし月の関連設備の一部掌握されてしまう事態になってしまった。*10

サナリィもサイド2の支社がザンスカール帝国に吸収されてしまい、侵攻を驚異的に感じておりリガ・ミリティアを結成。その時にザンスカールに危機感を抱いたアナハイムも参加しており、かつての商売敵であるサナリィスタッフを受けいれ、Vガンダムなどのリガ・ミリティアのMSをはじめとする兵装の開発・生産を支援したと言われている。


この作中では明確には名前は出てこないものの、リガ・ミリティアのザンスカールが生産設備を確保できた大きい要因となっていて、影響を与え続けていたようである

≪余談≫


実はカリフォルニア州アナハイム市に「Anaheim Electronic」という会社が実在する。
また、日本にも業態・業務の異なるアナハイム・エレクトロニクスがいくつか存在している。




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