オデュッセウスガンダム/ペーネロペー

登録日:2010/01/26 Tue 16:06:42
更新日:2023/08/26 Sat 21:04:01
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マフティーの好きにはさせんよ!



ペーネロペーとは、小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場する大型MSである。

+ 目次

《諸元》

名称:ペーネロペー
型式番号:RX-104FF
所属:地球連邦軍
建造:アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態:試作機
頭頂高:26m
本体重量:36.4t
全備重量:112.0t
ジェネレーター出力:4,050kw
スラスター推進力:168,000kg
センサー有効半径:32,000m
装甲材質:ガンダリウム合金
パイロット:レーン・エイム


《機体解説》

ケネス・スレッグが開発に関わり、地球連邦軍キンバレー部隊に配備させた新鋭モビルスーツ。
「ANAHEIM ELECTRONICS GUNDAM HISTORY 2002 CALENDAR」では、オデュッセウスガンダムがフライトユニットを装備した形態(Fixed Flight Unit)をペーネロペーと呼称するという設定になっていて、ゲーム版と劇場版はこの設定を採用している。
アデレード最終防衛戦では、ミノフスキー粒子を散布するパーツや装甲の一部を外して出撃した。

ミノフスキー粒子の反発力を推力に利用するエンジン、ミノフスキー・クラフトを搭載した機体で、第五世代モビルスーツに分類される。ミノフスキー・クラフトにより重力下で、長距離単独飛行が可能となっており、擬似反重力推進を行う。劇場版では、Ξガンダム同様に、ミノフスキー・フライト・ユニット搭載という設定に一新されている。

実弾やビーム、果ては大気圏の熱までをも防御するビーム・バリアーが装備されている。しかし、音速飛行時の大気干渉を拡散させる機能は、開発時に検討されたものの完成させる事が出来なかった。
それゆえ、音速飛行時は「フライング・フォーム」と呼ばれる、胴体と頭上の機首を隠し、空気抵抗を減らす形態へ変形する必要がある。
劇場版では、Ξガンダムとの差別化のため、ビーム・バリアーは搭載されていないが、フライト・フォーム状態で脚部を前方に展開した通称ミドル・フォームが新たに設定された。

武装面では、手持ち式のビームライフルビームサーベル、ショットガン「サンドバレル」を装備。
肩部にファンネルポッドが搭載されており、最新のビット兵器「ファンネル・ミサイル」を発射する。

デザイン担当の森木氏曰く、小説時は描きやすさ等を気にせず挿絵として映えることを意識し敢えて背面などはデザインしなかったが、
ゲームへの出演の為に全体像が必要になったので、『GジェネF』でリデザインすることになったという。

《武装》

頭部バルカン

機首にあたるフライトユニットの先端に4門搭載されたバルカン砲。

メガ粒子砲

肩部に2基搭載しているメガ粒子砲。一部ではビームバルカンと呼称されることもある。
劇場版ではビームサーベルを発振できる。

ファンネル・ミサイル

ペーネロペーの肩部や腰部アーマー内に搭載されている誘導ミサイル。
劇中では、エメラルダのメッサーを撃破することに成功しているが、ガウマンのメッサーやハサウェイのΞガンダムなど手練れには躱されるか、全て叩き落とされるなど通用しなかった。

オデュッセウスガンダム

型式番号:RX-104FF

「オデュッセウスガンダム」とは、『ANAHEIM ELECTRONICS GUNDAM HISTORY 2002 CALENDAR』で初めて登場した機体。1989年刊行の小説『閃光のハサウェイ』には当然存在していない。

名前はギリシャ神話の英雄・オデュッセウスが20年放浪した事を、アナハイム・エレクトロニクス社がガンダムタイプを開発した事とモビルスーツにミノフスキークラフトを搭載するまで20年かかった事から付けられている。

武装面では、両腕部にメガ粒子砲とビームサーベルを兼用した「ビームユニット」という兵器を装備しており、中距離から近接戦闘までが可能となっている。

いくつかのオプション装備が検討されており、現在判明しているのは音速飛行が可能となるフライトユニットと、ビット兵器が搭載されたアルゴスユニットである。
アルゴスユニットは上記の説明と開発中であるという文章のみの設定で、イラストは存在しない。

《劇中での活躍》

反連邦政府組織マフティー・ナビーユ・エリンの活動を阻止するため、ルナツーでの稼働実験が終了後、ケネスの転属に先駆け地球へ搬入される。
メッサ―相手であれば引けを取る事も無かったが、マフティーの駆るΞガンダム相手ではパイロットであるレーンが若く実戦に不慣れなこともあり、挑発に乗って人質を返還し、本機は海上スレスレを飛んだビーム・ライフルをガンダムと見間違えるなど、まんまとハサウェイの陽動に引っ掛かり撃墜されてしまった。
その後、修理された本機は中巻ではマフティーの母艦ヴァリアントを轟沈させるなどマフティーに大打撃を与え、メッサーも複数機撃墜したとされる。

アデレート防衛戦では、ギギ・アンダルシアがマフティー側に行った為に、ミサイルの着弾の衝撃により転倒するなど不運が続く。
この時の戦闘で、エメラルダ・ズービン搭乗のメッサーを撃墜せしめたのは大きかったが、ガウマン・ノビル相手に集中できずファンネル・ミサイルを全基外してしまう。
マフティーによる空爆で外装の一部を損壊し、修理もままならなかったため損傷したパーツを取り外し再度の爆撃に対する防衛戦を仕掛ける。
パーツを取り外したので軽量化していた事もあり、Ξガンダムと互角の戦闘を繰り広げるが、パイロットの技量差は覆せず追い詰められる。
だが、ケネスの作戦通りビーム・バリアーの設置地点にΞガンダムを誘い込み撃墜したことで、何とか敗北は免れている。
戦後の処遇はパイロットを含め不明。

《武装》

ビームライフル

小説では、詳細な設定はない。
カレンダーの設定では、専用装備のライフルで、本体に搭載されたサイコミュとのシンクロドライブにより、視覚的に視えなくとも知覚したターゲットを狙撃できるとなっているが、劇場版のムックやプラモデルでは言及がなく輸入されなかったようである。
2種類の異なるエネルギー・カートリッジを銃身前方と後方にそれぞれ装備。連射と高出力モードの切り替えができる。

ビーム・ユニット/コンポジット・ウェポン・ユニット

小説版には登場しない兵装。
両腕部前部に搭載されたバックラー状の武装。前者がゲーム版の名称で、後者が劇場版の名称。
前者ではビームサーベルとメガ粒子砲の砲門が前後に搭載されていたのみだが、後者は側面に更にミサイルを搭載している。
Gジェネ魂の作中ムービーが一番分かりやすい。

サンドバレル

小説に登場の兵装。
Ξガンダムも搭載している特殊なショットガン。アデレートの最終決戦では、Ξガンダムに命中するが、右マニュピレーターで防がれてしまった。


《ゲームでの活躍》

SDガンダムGジェネレーションシリーズ

『F』から参戦。Ξから開発できる。
Ξと違いシールドを持たないが、メガ粒子砲×2を持つ為攻撃力では勝る。

『スピリッツ』では『閃光のハサウェイ』のシナリオにてレーンの機体として登場。
『F』ではビーム・バリアへの誘導シーン、スピリッツではマフティー(ハサウェイ)のカーゴ・ピサを攻撃するシーンがムービー化されている。

『スピリッツ』では設定ミスにより、ビームライフルが消費エネルギー 10*1という驚異的な燃費の良さを誇り、飛行可能で移動力も高い本機は敵を一方的に蹂躙する事も可能。
恐らくEN消費値をライバル機であるΞガンダムのバルカンからそのまま移植した物と思われる*2

ギレンの野望 アクシズの脅威V

連邦系ユニットでは2番目に強力な機体。ちなみにトップはΞガンダム。
性能、お値段共にΞを少しだけ弱く、安くした程度、それでも十分すぎる程に強いわ高いわだが。
Ξガンダムの開発に必須で、改造する事でΞガンダムへと昇華可能。

ただ、開発にはかなり時間が掛かるので、完成する頃には大局を制しているだろう。
また、レーンを乗せようとするとさらに手間が掛かり、アムロ・レイやハサウェイがどうしても離脱してしまうので、原作通りの運用をしようとするともはやロマンの域に達する。

エクストリームバーサス マキシブースト

稼働開始当初から参戦。コストは3000。
ペーネロペー状態だとΞガンダムと似た性能だが、サブ射撃や特殊射撃の性能は若干だがこちらが上。
しかし大きな短所として、耐久力が一定以下になるとオデュッセウスになる特殊機能がある。
その際、『身軽になった分こちらの方が優勢だ』という台詞を吐くが、機動力はむしろ下がっている。武装もコスト2000の中堅機体程度のものしか揃っていないが、ペーネロペーより自衛用の武装に優れている特徴がある。
しかし自衛力が低くないとはいえ3000コストに求められる役割は前に出て敵のターゲットを取ることに尽きる為、コスト相応の働きができず相方に苦戦を強いてしまう。
一定時間経つと再度ペーネロペー状態に戻れる。この仕様から、オデュッセウス時には敵機からは性能の低さから軽んじられて無視されるか、再びペーネロペー状態に戻って場を荒らされるのを阻止するため、徹底的に攻撃されるかの二択を迫られる事となる。
コストオーバー状態で再出撃するとオデュッセウス状態で復帰するため、上記の戦況をより強いられやすい。
本ゲーム参戦に当たり森木氏監修によりΞ共々細かいデザインが詰められており、何気にオデュッセウスガンダム単体は今作が実質的なゲーム初登場である。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ON

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2

環境の変化やΞガンダムとの差別化も経て中堅程度の性能は保てている。
特にEXVS2では横特殊射撃による4WAY照射ビームが脅威となり、中間アップデートでは射撃連動のミサイル強化や格闘性能の全体的な向上を貰った。
とはいえオデュッセウス形態へのリスクもあるので果敢に攻め込みすぎると痛い目を見るだろう。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOST

Nサブ射撃にファンネル・ミサイル突撃や、オデュッセウス状態での特殊射撃に旧覚醒技を、覚醒技を展開すると瞬時にペーネロペーに戻れるという仕様に変更。
出撃直後のFFユニットパージまでのゲージが削除されているが、あくまでゲージが無いだけで規定値まで耐久値が減少すると前作までと同じくオデュッセウス形態に強制移行する。
しかし3000コスト射撃機でありながら自衛力、押しの強さ共に物足りない印象が拭えず、時限弱体化の仕様も相まって活躍することは難しかった。
しかしのちに上方修正を受ける。
ペーネロペー時ではNサブがより慣性を引き継ぐようになったり、特射がN、横ともに強化された。
また特格の移動量が後以外大幅に強化された。加えて新たに設置された弾数がある時に特格を入力するとミサイルを二発発射するようになった。
オデュッセウス時では特射の性能が大幅に向上。数少ない押し付け手段となり、オデュッセウスで覚醒しても高いパワーを発揮するように。
この修正のおかげでメインやサブを前特格でループさせることで敵機の真上から多数のビームおよびミサイルを撒き散らす爆撃機となった。
その圧力たるや低コストはもちろん高コストでも確実な回避策はないと言っても過言ではない。相手視点ではペーネロペーに上を取られると視点が非常に不安定になるため、かなり鬱陶しい。ペーネロペーの特殊移動は敵機を軸に移動するため、自身の上空を回りながら高誘導の弾を撃ちまくっていることになる。
上級者でもカメラが不安定な状態でパワーを発揮することは難しく、一気に環境に食い込んでくることとなる。
またその操作の簡易さから、とりあえず勝ちたい初心者におすすめされることも多い。*3
ただし2023年2月現在ではその強力さも広く知れ渡り、ある程度の対策をしてくるプレイヤーが多い。
上記のメインorサブ特格ループは強力であるものの、その後のフォロー手段が皆無と言ってもいい諸刃の剣であるため、対策されると意外と一方的にやられてしまう。
特に上位ランクではしっかりとした移動の読み合いを制することが勝利の必須条件となるので、この機体で勝ち続けるにはやはり地力が必要。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 OVER BOOST

ペーネロペー形態では、後格闘に緩い弾速のミサイルを一斉射する攻撃が追加。だが舐めてかかると危険で、弾速以外の全てが優秀なためステップなどで誘導を切らないと90度曲がってまでして攻撃してくるファンネルミサイル顔負けの食いつき性能がある。
オデュッセウス形態は射撃CSが無くなり特殊格闘に技が復活。弾切れを気にする必要が再度出てきた。

スーパーロボット大戦V

『閃光のハサウェイ』が機体だけ参戦と発表されていたが、第2弾PVにおいてレーンと共にその姿を見せ、ファンを歓喜させた。
条件を満たせば終盤にレーンと共に加入する。性能はΞとほぼ同等であり、味方の時だけ高機動攻撃が追加される。
隠し装備でマップ兵器が装備されるΞと違い、本機にはマップ兵器はない。また。加入後に地上ステージが少ないため空Sを活かし切れないのは残念な部分である。


立体化

閃光のハサウェイの映像化を控え、2019年10月にHGUCとして発売された。『閃ハサ』枠としてはどの機体よりも早い商品化。
デンドロビウムサイコガンダムネオ・ジオングのような化け物クラスを別にすれば、これまでに1/144スケールで立体化されてきたガンプラのなかでも屈指の巨体を誇る。
もちろん、オデュッセウスとフライトユニットを分離することも可能。

そのぶんお値段も圧巻。税込で7480円。並のMGが二機買えてしまう。
デカいMSを作ると金がかかって困るという連邦政府の嘆きが理解できる気がする。


《劇場公開》

2021年5月に満を持して『閃光のハサウェイ』が劇場アニメーション映画として公開される事となり、先行PVでもその後ろ姿が映しだされた。
さすがに手描きで描写すると著しく手間がかかるのか、フルCGで描写される事が確定している。
次いで全体デザインも公開されたが、小説版準拠にリデザインされたΞガンダムと異なり、Gジェネ以来からさほど変わった部分がなく、ほぼ従来通りとなっていた。
Ξガンダムは“テロリストのガンダム”という事を強調するために従来のガンダムらしさの薄い小説版準拠にした事が語られているため、ペーネロペーがゲーム版準拠なのは恐らく“体制側の正統なるガンダム”という事を強調するのと小説版デザインだとどう考えても立体化が困難なためだろうと推測されている。
実際、劇中ではビームに主人公機や連邦側MSに多いピンク色が使用されていたり、小説版でケネスがペーネロペーを新型MSとしか言及しなかった場面でガンダムだと明言されている。
また、ゲームでは平面的な構図でしか描かれなかったフライト・フォームが初めて立体的に描かれている。
劇中でガウマンがコクピット内の衝撃に振り回される描写があったが、これはペーネロペーのコクピット内部にはサブシートが無く、本来あるべき場所にはミノフスキー・フライト制御用の演算装置が搭載されているから。

第一部における活躍

タサダイホテル周辺での戦闘で登場。
奇襲を仕掛けてきたガウマンのメッサーを相手取り、自由飛行のできない相手に対して圧倒的優勢を見せつけた。
しかし、小説と異なり頭部を蹴飛ばすようなまでの戦果は得られず、市街地への被害を考慮しないケネスの意向に反したのもあって体当たりかバルカン砲でしかメッサ―を攻撃しなかった。なので戦果もメッサ―のビームライフルを右手ごと落としたくらいしかなく、むしろ3機もグスタフ・カールを撃墜された失態を犯した事でケネスからは低評価を受けている。
インドネシアのハルマヘラ島沖でΞガンダムの受領が行われようとしているのを察知したケネスの指示で再出撃したが、成層圏での受領を妨害しようとするも失敗に終わり、そのままΞと交戦。
人質として連れてきたガウマンの引き渡しなど上手くいかない所があり、更にビームライフルを陽動に使ったマフティーの戦法に騙され、ミサイルの直撃を多量に食らい墜落してしまう。

飛行シーンではミノフスキー・フライトの浮力を演出するために独特な黄色の発光パターンや怪鳥の鳴き声が如き飛行音が挟まり、メッサーやグスタフ・カールのようなスラスター音はしないよう差別化されている。
ただし技術的には未熟であるのを意識してか、クスィーガンダムが無音飛行しているのに対しても視聴覚的な差別化がされていた。

また、ケネスが「ペーネロペー」と字面通りに呼んでいたのに対し、レーンは愛着を込めて「ペネロペー」英語に近いイントネーションで呼んでいた。



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最終更新:2023年08月26日 21:04

*1 Ξのライフルは消費24

*2 武器欄で確認するとΞのバルカンとペーネロペーのライフルは場所が一致しており、Ξのバルカンの消費は10。

*3 FA-ZZも操作が簡単かつ強力であったため、この2機(もしくはそのどちらか)を指して「赤ちゃん機体」という蔑称で呼ばれることもある。