ジェノサイドキングサーモン(遊戯王OCG)

登録日:2011/01/27(木) 10:00:59
更新日:2024/04/18 Thu 01:05:01
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ジェノサイドキングサーモンは、遊戯王OCG第3期エキスパンション「暗黒の侵略者」で登場したカードである。
おそらく「闇魔界の脅威」で登場したジェノサイドキングデーモンのパロディカード。


ジェノサイドキングサーモン
通常モンスター
☆5
水属性/魚族
ATK2400/DEF1000
暗黒海の主として恐れられている巨大なシャケ。
その卵は暗黒界一の美味として知られている。


上級モンスターで攻撃力2400、守備力1000と、所謂スペックのモンスター。
同じ属性と攻守で強力な効果を持ち、なおかつアドバンス召喚に必要なコストが同じである《氷帝メビウス》という押しも押されもせぬ強豪がいたが、
このシャケは彼を前にしてもなお消えない……というかまったく別の輝きと魅力を持っている。

まず、このカードのレベルは5である。この、「水属性でレベル5で攻撃力2400」というスペックは、「伝説の都 アトランティス」の影響下ではリリース無しで召喚できる。
加えてアトランティスの効果で攻撃力2600という最上級モンスターに匹敵する攻撃力を得る。
第五期以前は通常召喚を軸にしたデッキが多く、攻撃力2400に《人造人間-サイコ・ショッカー》や各種帝という優秀なモンスターが多かったことから、少ない消費で2400を超える打点を出せるカードはそれだけで重宝された。

次に、このモンスターは通常モンスターであるため、様々な通常モンスターサポートカードの恩恵を受けることが出来る。
さらに、このモンスターは魚族であるため、「フィッシャーチャージ」や「竜宮の白タウナギ」を活用することが出来るのである。

ごりごりにパロディであることを示しているふざけた名前とフレーバー・テキストとは裏腹に様々な使い方が出来るカードだが、
特に最初に挙げたアトランティスとのシナジーは抜群でビートダウンデッキが組めてしまうほどである。
ギガ・ガガギゴには50攻撃力が劣るものの、上述の通りこちらは魚族専用サポートも利用できる。

無論種族サポートカードを採用しない場合でも、4枚目以降のアタッカーとして十分活躍できる。
どちらもアトランティス補正で攻撃力2600以上になるため、50の差の影響が少ないのも嬉しい……というか、第五期以前はそういう雑なハイビートで十分強かった
帝ラインはもちろん、当時ゾンビのようによみがえってくるモンスターとして有名だった《E・HERO ネオス》の攻撃力が2500。アトランティス下のサーモンの方が攻撃力が上なのである。
さらにレベル4扱いで通常召喚されるため、《N・グラン・モール》でバウンスされてもまるでものともせずに戻ってくる。通常モンスターなので《スキルドレイン》《ジャスティブレイク》なども怖くない。
当時はモンスターに対する除去が比較的弱かったこと、デッキに同じような役割のモンスターが控えているので1:1交換で処理されてもそれほど痛いモンスターではないこともあって、
冗談でもなんでもなくサーモンを叩きつけるだけのデッキが強かったのである。他のモンスターに有効な手段を、このサーモンはものともしなかった。

弱点はアトランティスを狙われること。フィールド魔法が干上がると手札で腐ってしまう。
特にマスタールール3に移行する以前は、「フィールド魔法を使うと対戦相手のフィールド魔法を上書きできる」というようなルールで、フィールド魔法を軸にする【宝玉獣】【ハーピィ】【墓守】や属性統一デッキを相手にしたときは若干不利だった。
しかしこれも《アトランティスの戦士》のサーチのおかげである程度耐性がついているという始末、しかも戦士は当時のフィールドサーチ手段の中だとトップクラスに強かったので意外と隙がない上、相手にしてみてもアトランティスで自分のフィールドが上書きされるリスクがあるので弱点とも言い切れなかった。

つまりこのサーモン、ふざけたテキストに対して勝率は意外と高かったという、通常モンスターの中でもかなり活躍した部類に入るカード。
第五期以前は特殊な手段を用いないと攻撃力が2600を上回らないテーマも多く、2600以上のモンスターを召喚するために「2体のリリース」「厳しい特殊召喚条件」「事故と隣り合わせのデッキ構築」などの無理をするデッキも多かった。
そういった相手に対し、イメージと裏腹に非常に簡単に出せる上に同じ役割を持つカードをデッキに4枚以上入れられるサーモンはテーマデッキを蹂躙するだけの性能があった。
上手いプレイヤーが使う《ジェノサイドキングサーモン》は話題性と戦闘力を兼ね備えた最強格モンスター、文字通りのジェノサイドキングだったのである。




☆相性のいいカード

  • 伝説の都 アトランティス
フィールド魔法
手札、場の水属性モンスターのレベルを1つ下げ、攻守200Up。このカードの存在がシャケを輝かせている。

効果モンスター
コイツの能力を使うのにも、サーモンは一役買っている。相手手札の攻撃力2400以下のモンスターを破壊できる。
アトランティスがあるならばリリースコスト等無しで攻撃力2600以下のモンスターを破壊出来るのは恐怖の一言。
ワクワクを思い出すんだ!

チューナーモンスター
どちらも一癖あるチューナーだが、サーモンとは属性・種族共に一致しているので問題無いだろう。
ただし、白タウナギの場合は素で使うと☆が高くなりすぎるのでアトランティス使用を推奨。

相手の厄介な効果を封じつつ、純粋に打点で勝負できる。
ギガ・ガガギゴや上記のチューナーとの併用にも特に支障がない。

  • 召喚師のスキル/闇の量産工場
ギガ・ガガギゴと併用する場合に。

☆関連カード

  • ジェノサイドキングデーモン
効果モンスター
☆4/ATK2000/DEF1500
元ネタ。一字違うだけで意味が全く異なる。実際に戦うと本家を一方的に殴り殺せる……というのが当時から有名なネタだったが、
そもそもこいつは通常召喚自体ができない。つまりまともに殴り合うこと自体が稀
さらに実は【デーモン】とシャケ入り【アトランティス】がやりあうとほとんど一方的にデーモン側が負けるというネタがあった。
詳しい話は割愛するが、勝ち筋が「アトランティスを万魔殿で潰して《デーモンの召喚》などで殴り倒す」「《堕落》《強制転移》でシャケかガガギゴを奪う」というしみったれたものになりやすく、
たとえデュエルに勝ったとしても「それ《堕落》が強いだけじゃね?」と言われると何も言い返せなかったのである。そういう意味でもシャケは強かった。
当時のジョークに「チェスデーモンで一番強いモンスターは《ジェノサイドキングサーモン》」というネタがあったが、デーモン使いはそれに真顔でうなずいたものである。

  • 半魚獣・フィッシャービースト
通常モンスター
☆6/ATK2400/DEF2000
サーモン登場までは水属性や魚族のエースモンスターだった。そう、サーモンが登場するまでは……。
やはり☆6なのがサーモンとの差を決定的にした。とはいえ、レベル6や守備力の高さを活かせるカードもあり、アトランティスを投入しないデッキならば採用されることもある。
ただしフィッシャービーストとサーモンは世代が異なっている。大昔にプレイしていたという人は、クソうぜぇ守備力2000デッキをジェノサイドしながらショッカーと相打ちできたフィッシャービーストの方が印象深いだろう。

フレーバーテキストからもわかるように、実はサーモンは暗黒界の暗黒海という場所に棲んでいる。
実は暗黒界でサーモンを倒す事が出来るのは、魔神たるレインと不死身の龍神グラファだけ。守備に回ればグラファでも有効な使い道が思い浮かばないラチナも入るが、結局倒せない。
当初は海の中にいればレインにさえ勝ててしまい、暗黒界のメンバーは誰にもこのシャケに勝てなかった。
さらにレイン入りの暗黒界デッキ自体人気がなく、【暗黒界】とシャケ入り【アトランティス】がやりあうと冗談抜きでこのサーモンに四苦八苦する羽目になった。
暗黒界の龍神グラファの登場(攻撃力2700)によりやっと海(フィールド魔法)の中でも勝てるようになったが、それでもウォーターワールドを使えばシャケが圧勝する。

と言うか、暗黒界の面々が魔神や龍神を出さないと勝てないほど恐ろしいシャケが凄い。

もし仮に「暗黒界の漁師」または「暗黒海の漁師」なんてカードがあったなら、さぞかし凄まじい能力を持っていることだろう。

……なお、フレーバーテキストをよく見るとその魚肉が暗黒界の食卓に並んでいるような記載は実は一切存在しておらず、美味とされているのはあくまで卵である。
故に暗黒界の方々はこの鮭の目を盗んで卵だけ必要分頂戴して食べている可能性がある。もしそうであれば、鮭に勝てるモンスターがほとんど居ない事も特に問題は無いだろう。






同じ暗黒海の住人に
暗黒の海竜兵 通常モンスター
星4/水属性/海竜族/攻1800/守1500
がいる。
暗黒海を守る戦士らしい。上記を見ると、一体誰がこの鮭が君臨する海に挑んでくるのだろうか……
存外、暗黒海の漁師と戦っているのかもしれない……


そしてついにEXTREME FORCEにてこの鮭を釣る漁師が現れた!

屈強の釣り師
チューナー・効果モンスター
星1/水属性/戦士族/攻 100/守 100
(1):このカードが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた時、
自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する

釣るってそっちか!? Σ(゚д゚;)

まさかの戦闘能力で釣り上げるのではなく、ジャンク・シンクロン同様に墓地からサーモンを吊り上げる効果を持っていた。
OCG的には死んだジェノサイドキングサーモンを釣り上げていることにはなるが、あくまで戦闘能力ではなく釣りに全てをかけている漁師の鏡と言えよう。

  • キャッスル・リンク
イラストでジェノサイドキングサーモンがジェノサイドキングデーモン&デスルークデーモンと戦っている。
まさかの本家ジェノサイドキングデーモンとの共演。
水面から飛び出したジェノサイドキングサーモンが球体状のエネルギーを発生させて攻撃しようとしている場面だろうか。
対するジェノサイドキングデーモンは倒れ込んでおり、それをかばうようにデスルークデーモンが立ちはだかっている。
ステータスと同様に、実際の設定でも本家よりもこちらの方が強いようである。

そして…

  • インフェルノクインサーモン
効果モンスター
星5/水属性/魚族/攻2400/守1000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から魚族の通常モンスター1体を選んで特殊召喚する。
(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。
自分フィールドに「ヘルポーンサーモントークン」(魚族・水・星1・攻/守0)を任意の数だけ特殊召喚する。

DARKWING BLASTにてまさかの新たなチェスサーモン登場。名前から分かる様に《インフェルノクインデーモン》のパロディ。
召喚・特殊召喚時に魚族の通常モンスターを除外ゾーン以外から呼び出せる。登場時点では魚族バニラチューナーは存在しないため、明らかに同レベル・同属性・最高攻撃力の旦那こと《ジェノサイドキングサーモン》を呼べと言わんばかりの効果である。
うに型二番艦ランク5エクシーズだけでなく、《伝説の都 アトランティス》下ならいくら型一番艦ランク4エクシーズに繋げる事も出来る。これがホントのアトランティックサーモン
更に戦闘及び相手の効果で破壊されるとレベル1のトークンを任意の数だけ生成する効果も持つ。自爆特攻しない限りは相手依存になるが、大量展開できるので大型リンクモンスターも出せるのが強み。

余談だが効果のデザインはシャケの産卵*1と思われる。


アニヲタwikiの住人として恐れられているヒマなシャケ。
その項目はアニヲタwiki一の追記すべき部分として知られている。


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最終更新:2024年04月18日 01:05

*1 リクルート効果は産卵のためにシャケが川に集まる習性を、トークンの名前が「ポーン」でレベル1・攻守0なのはサケの卵ことイクラを、被破壊時のトークン生成は産卵後にメスのシャケが力尽きる事をそれぞれ表してる。