甲虫装機 ホーネット

登録日:2012/04/18(水) 13:42:19
更新日:2023/08/30 Wed 18:00:06
所要時間:約 4 分で読めます



甲虫装機 ホーネットとは遊戯王OCGのカードである。

星3/闇属性/昆虫族/攻 500/守 200

一見するとステータスが低く、所謂雑魚モンスターである。
効果モンスターであり3つの効果の内、1つ目はほとんどの甲虫装機共通の装備効果。
2つ目は装備モンスターのレベルとステータスをアップさせる効果。
この2つはまだ良い。

問題は3つ目の効果であった……















甲虫装機 ホーネット
効果モンスター 星3/闇属性/昆虫族/ATK500/DEF200
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。自分の手札・墓地から「甲虫装機」モンスター1体を選び、装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(2):このカードを装備カード扱いとして装備しているモンスターのレベルは3つ上がり、攻撃力・守備力はこのカードのそれぞれの数値分アップする。
(3):モンスターに装備されているこのカードを墓地へ送り、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。



おわかりいただけただろうか?
そう、こいつは装備カードとなった瞬間に万能除去カードと化すのである。

しかもこの手のカードにありがちな裏表の指定なども無く、魔法・罠も破壊でき、更には自分のカードも破壊出来るという万能っぷり。
コイツの登場で攻撃反応や永続カードは軒並み評価を落とした。
しかも闇属性であるため墓地に送る手段も豊富。


考えてもみて欲しい。
こいつが墓地に1体居るだけで全ての甲虫装機は…


「1ターンに1度、フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。」


という効果を得るに等しい。

特にあの地球防衛軍のパチもんみたいなトンボムカデとは相性が最高である。
また、このカード自身も他のホーネットを装備出来るという点も地味ながら強力。
そのあまりにもぶっ飛んだ性能から登場早々ソリティアが大量発生し、環境は虫だらけになってしまった。

このカードの1番恐ろしい所は、他のカードを使用する事なく能動的にダンセルやセンチピードの装備カードを外せるという点だろう。
おまけに相手のカードを数枚破壊出来るので、状況によってはアドバンテージの差が酷い事になる。
ダンセルやセンチピード(というか甲虫装機自体)が非常に嫌われているのはこいつのせいと言っても過言ではない。

弱点といえば除外だが、当時はこいつが3体スタンバっていた為あまり当てにはならないし、リヴァイエール等で再利用される危険性もある為安心は出来ない。

もう1つの弱点は、このカードが装備カードになっているだけで破壊効果を発動出来る事。
つまりサクリファイスや一部のヴァイロンに装備されている場合、逆に利用されてしまうのだ。

また、このカードの破壊効果はモンスターの効果ではなく魔法カードの効果として扱われる。
つまり天罰などで無効出来ないが、ホルス等の魔法カードに耐性があるモンスターは破壊出来ない。

魔法カード扱いな為、モンスターのみを除外する次元の裂け目があっても墓地に送れる。
…ふざけんなよ

もしモンスターを装備カードに出来るカードが増えればこちらに針を向けるかも知れない。

メタカードとしてはマクロコスモス(またはスキルドレイン)や連鎖除外が強力だが、前者はサイクロン無制限の環境では辛いし、後者はそもそもこいつ自身があまりフィールドに出てこない為発動しにくい。
(代わりにダンセルちゃんに犠牲になって貰えばおK)

あまりにも強すぎるためフリーで【甲虫装機】を使う場合ドグマブレードや図書館エクゾ同様、一度対戦相手に確認を取ってから使用したい。

一度ダンセルとこいつを使われると止まらなくなる可能性がある。
つまり2回刺されたら死ぬのである。

故に、こいつよりもいかにダンセルを封じるかが勝利のカギになるかもしれない。

当然ながら環境へ与えた影響もすさまじい。
なにせ場がスッカラカンでもダンセルさえ引ければ4アド製造なのだから。従来のアドをコツコツ稼ぐ戦略をまともにやってたらアド差を作られるだけである。
そんなわけで「ヴェラー握ってない方が悪い」環境の再来でありメタであるDDクロウとヴェーラーのコンビは風物詩であった。
もちろん対策札のみならずデッキ自体にも甲虫装機に対抗できるだけの力が求められるのだが環境がどんどん変な方向へ向かい始める...。

なぜなら当時の甲虫装機の弱点は破壊する的がないと展開できない*1
言い換えれば敢えて場にカードを展開せず防御札のトラゴやゴーズを絡めれば即ゲームエンドにはまずならない。
逆に場にカードを残して相手にターンを渡すとみすみす逆転の機会を与えることになる。
それにより多くのデュエリストが「カードは極力プレイしない」「場にカードを展開する時はそのターンで決着をつける」戦略を取った結果...

ラヴァル→守備200炎族恒例の爆発からのワンショットキル
カオスドラゴン→未来融合からのエクリプス効果でレダメ連打からのワンショットキル
アライブHERO→大量メタ伏せして状況が整ったらバブルマン連打でカリバー&ブレードハートからのワンショットキル
星刻→アトゥムス効果でレダメ大量展開によるグスタフからのワンショットバーンキル
星刻リチュア→ガストクラーケ連打してピーピング&3ハンデスからの実質的な先攻ワンキル
ゼンマイハンデス→ゼンマイティとゼンマイ・ハンター連打による先攻5ハンデスからの実質的な先攻ワンキル

というワンキルを標準搭載する超世紀末環境が到来もうやだこのゲーム
特に伏せカードをほぼ使わないワンショットキルデッキ同士のミラーマーチでは、カードゲームなのにカードをプレイせず相手にターンを渡すのがしばしばだった。カード同士の駆け引きとはいったい...
ワンキルを搭載していないのはそれこそ標準でメタカードを採用するコントロールデッキの特色を持つ兎ラギアと代償ガジェト*2ぐらいである。

が、当然こんなカードが野放しにされる筈が無く、2012年9月にこのワンショットキル環境を生み出した問題児共々
制限入りを果たした。
ダンセルも道連れにしてな……

上記の通り、破壊効果とそれによる環境への悪影響の印象が強すぎてレベル・ステータス上昇効果の方はほとんど忘れられている。

でもあって困る効果じゃないからいいよね……と思っていたらこんなの出ました。


そして2015年1月にダンセルを差し置いてまさかの準制限に緩和される。
その後2015年4月にまさかの制限解除。
かつての環境とは比べ物にならないほど加速したこの環境、果たして生き残る事が出来るのだろうか…



(甲虫装機以外で)相性のいいカード

○おろかな埋葬・終末の騎士
ホーネットは墓地に居てこそ力を発揮するカードなので、1ターンでも素早く墓地に送る事が望ましい。
そこでこれらを使う事で容易に墓地に送る事ができるのだ。

○王宮の鉄壁
ホーネットの除外は誰でも真っ先に思い付く対抗手段なので、それを完璧に封じるこのカードは相性が良い。相手が除外手段を用いらないなら腐るが…

〇次元の裂け目
こいつが装備カード状態で発動できる効果は魔法の効果のコストとして墓地に送る、というものなので阻害されることがない。
その上でモンスターの墓地送りを封じるため「墓地に送る必要がある」効果を防ぐことができる。
主に当時の手札誘発で最メジャーだった《エフェクト・ヴェーラー》対策として使われていた。

○盗人の煙玉
ややマイナーな装備魔法だが、破壊された時に相手の手札を確認して1枚を墓地に送るという強力なカード。適当な甲虫装機に装備してホーネットで破壊すれば簡単に手札破壊が可能。


余談だが、このカードやダンセルはレアリティがRareな為、案外入手は容易。
甲虫装機は安くて強いデッキなのだ。





追記・修正はホーネットに2回刺された人がお願いします。



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最終更新:2023年08月30日 18:00

*1 第2のホーネットことグリフはまだ未登場

*2 厳密には血の代償というワンキル自体はあったがホーネットの的になってしまうのであまり活躍できず