ハイネ・ヴェステンフルス

登録日:2012/01/31 (火) 10:57:28
更新日:2024/04/15 Mon 10:42:09
所要時間:約 8 分で読めます






割り切れよ。今は戦争で俺達は軍人なんだからさ。

でないと…死ぬぞ?

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の登場人物。

CV:西川貴教
人種:コーディネイター
年齢:21歳
身長:178cm
体重:63kg
血液型:A型
誕生日:C.E.52年9月19日
所属:ザフト軍・FAITH
乗機:ブレイズザクファントムグフイグナイテッド


第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦に参加したザフトのエースパイロットで、FAITHに任命されている。
パーソナルカラーはオレンジで、ブレイズザクファントムや愛機のグフイグナイテッドもオレンジ色に塗ってしまう程。
明るくざっくばらんな性格で、細かい事は気にしない主義。
対人能力の低いアスランとは真逆の気さくで社交的な人物で、ミネルバにも一瞬で打ち解け、更にはシンとアスランを和解寸前まで導いた。
しかし、その一方で戦争の厳しさ・非情さを理解しているため、時には割り切る事も必要と考えている。

初登場自体は序盤からで、地球連合によるザフトへの宣戦布告直後の戦闘から参戦、
この時は専用カラーのザクファントムで地球軍艦隊を相手に単独で戦艦クラスを沈める等の活躍を果たした。

物語中盤に差し掛かった頃、ミネルバに配属され、後輩であるシン・アスカ達にも持ち前の明るさで接しようとする。
同じくFAITHでザフトに復帰し、苦悩するアスラン・ザラに対して戦争の厳しさを問い掛けた。

ザフトなだけあって普通と言えば普通なのだが、
コーディネイターにとってはかなりの好漢だったが、戦闘中の台詞からナチュラルにはあまり良い感情は持っていないらしい。
地球軍の事も「群れて命令を貰わないと戦えないボンクラ(要約)」と評するなど、コーディネイターとしての誇り或いは驕りが見て取れる。


グフイグナイテッドに乗った際は、ザクとは違った機体の性能に大興奮していた。

ザクとは違うんだよ!ザクとは!!


しかし、オーブ軍も巻き込んだダーダネルス海峡の戦いでガイアガンダムと交戦していた際、キラ・ヤマトが駆るフリーダムガンダムが現れて両軍を攻撃。
ガイアを放ってフリーダムに攻撃するも反撃され、戦闘能力剥奪のみを狙われてコクピット付近こそ無事だったが戦闘不能に陥る。
その直後、同じくフリーダムに攻撃しようとしたガイアの近くに居た為、後ろから真っ二つに斬られて戦死した。
一瞬ではあるが、よく見るとビームブレイドでハイネの胸から下と上が寸断される様が描かれている。


アスラン「ハイネェェェェェェェェッ!!」

この時、爆散と共に爽やかなハイネの笑顔が青空に映るという演出がなされ、シュール且つシリアスな笑いを誘った。
HDリマスター版では、この演出はカットされている。


尚、視聴者間ではキラのせいで死んだと評されがちであり、作中のミネルバクルーからもそんな感じで言われているのですっかり忘れられているが、
直接的に撃墜したのはガイア(ステラ)である。
ステラからすれば目の前に居た敵軍機なので極端におかしい訳でもなく、
更に言えばガイアがフリーダムを狙って攻撃した所にグフが偶然割り込む形になってしまった為に撃墜された構図であるため、
厳密にはステラが殺したというのも正確ではなく、本件は死んだハイネにしても死なせたステラにしても半ば事故みたいなものである。
因みに、「この時、ハイネのグフは頭部を破壊されていたため、警戒能力を低下させたであろうキラにも責任の一端はある」とされる事があるが、
実際にはグフが受けていた損傷は右腕を失ったのみであり頭部は健在であり、推進系にも損傷は受けていない。

またハイネの「戦場に乱入して来たフリーダムに攻撃する」という判断についても、
突然乱入して来た第三軍を放置できないのは間違いなく異常な判断という訳では決してないためハイネ視点では難しい場面ではあった事は確かだが、
交戦中だったガイアを放ってフリーダムに攻撃しに行った事については少し微妙。
劇中ではたまたまステラもフリーダムに気を取られていたため隙を突かれる事は無かったが、
この時ステラがハイネに仕掛けていれば機体は万全の状態だったのに戦闘中に余所見をした為に戦死となっていたかもしれず、
傍から見るとフリーダムに仕掛ける前後でガイアからも側面や背後から攻撃されていた可能性も高い。
またフリーダムに右腕を破壊された後も、主武装を失っているのに撤退するでも、また残った左腕で反撃するでもなく、
フリーダムに気を取られたままその場にふわふわし続けていた為にステラの攻撃に巻き込まれた格好である。

これらも踏まえると、AAの乱入によってザフト有利の状況が混沌化した事や、グフもフリーダムに損傷させられた事は間違いないため、
キラにも非はあるとはいえ、ハイネが戦死した責任を全てキラとAAに被せるのは流石に行き過ぎである。
またキラはキラで絶対的に正しい訳でもないが、戦争を止めたい・巻き込まれているだけのオーブを救いたいという明確な事情(放置しても戦争が激化する一方)があった事と、
この時のAAの目的はあくまで「オーブ軍(地球軍)の撤退」であるため、自衛以外ではザフトには全く攻撃していない*1
グフから攻撃を受けた以上、あの場面でキラがハイネに反撃するのも当然であったと言える。
「そもそも乱入しなければ……」と言われれば、それは上記の通りAA側の「乱入したい事情」もあるため堂々巡りである。

こういった事情もあってか、小説版や漫画版ではアニメ版の「不慮の事故」的な要素が廃され、
より「キラがハイネの死の遠因」である事が強調された演出・展開に変更されている。


ミネルバ隊の中では最年長で協調性も高かったため、存命していれば特にシンとアスランのすれ違いの緩和に一役買ってくれた可能性もある。
特に隊長のアスランは未だ18歳という事を考えると(いくらザフトの成人が15歳だとしても、対人関係のスキルはどうなる物でもなくアスランは口下手)
ハイネをミネルバに回した判断はザフト的には最適な人事だったのだが…

ただし、なんとしてでも戦争を止めたい・戦争拡大を防ぎたいアスランと、戦争だからと割り切っているハイネとでは意識が大分異なっており、
更にハイネのナチュラルやフリーダムへの態度を考えてもアスランの気持ちの深いところまでは気を遣えなかった可能性が高い。
シンも戦争だからって割り切れない気持ちが彼の戦う最大の原動力なので、こちらも実のところ合っていない。
むろん、戦争だからと割り切らないと危険というのは当然の話でハイネが悪いわけでもないのだが、
後に明かされる議長の計画を考えると、生存していてもシンとアスラン両者に対して最終的に良い影響を与えられていたのかは不明瞭だったりする。


〈キャラ設定など〉

西川貴教氏にとっては前作『SEED』に登場したミゲル・アイマンに引き続き、今作でハイネ役を務めた事で三度目のアニメ出演となった。*2
その為、パーソナルカラーはミゲルと同じオレンジ色。
スケジュールの都合で出番は少なかったものの、未だに(ネタキャラとしても)人気が根強い。
(一説ではハイネの早過ぎる死も西川氏の多忙によるものとも言われている)

名前の由来は西川の経歴から取られたもので、「ハイネ」はバンド「Luis-Mary」時代に名乗っていたステージネーム「灰猫=haine」からで、「ヴェステンフルス」はドイツ語で「西の川」(Westenfluss)から。
特徴的な前髪は、灰猫時代の西川と同じ髪型。
また、グフイグナイテッドという機体名も、西川が担当した1期OP「ignited-イグナイテッド-」から取られた。
後に、ハイネ専用のオレンジ色のデスティニーガンダムが製造されていた事がプラモの販売と共に後付けされる形で判明。
それ等を主力とした部隊「コンクルーダーズ」に所属される予定だったが、ハイネ本人が亡くなった事で計画は頓挫に終わったという。


〈各媒体での活躍〉

本編ではゲストキャラで、印象的な場面はあったもののパイロットとしては犠牲者役としてすら活躍したと言えるのかどうか微妙な最期。
無駄死にしてしまった印象が強かったが、ミネルバに配置されるまでは活躍していてFAITHに任命されたという設定が元々ある事から、他メディアでは活躍が補完されている。

ミゲルと同じく退場は中の人のスケジュールなどのメタ的な都合も大きいため、特に声を当てる必要の無い漫画や小説、携帯ゲームでは物凄く活躍する

番外編ではその同じ声のミゲルと組む事が多い。




こいつ、ザクじゃねぇ!?

ザクとは違うんだぜ…ザクとはな!

連合軍に不意討ちされたミネルバの危機を救う為、颯爽と登場。ザクとの違いを性能と実力で見せつけた。
ミネルバに配属されてからはシンと積極的に交流し、絆を深めていく。
そしてガイアガンダムの攻撃からシンを庇うという壮絶な最期を遂げた。*3


ヴェステンフルス隊長!

…フッ……
だーかーら、ハイネだって……


ハイネ!!

シンがステラの件で作戦会議に遅刻した際、怒ったアスランと違い便所掃除を命じるという柔軟な対応をしていた。
そして彼の戦死後、シンはただひたすら便所掃除をするのだった…。


◇ちまき版
こちらでもやはり、戦闘中に乱入したフリーダムを前にして偶然背後から迫って来たガイアにより両断され撃墜という最期を迎えるが、
シン・アスランの補給のための時間稼ぎとして単身フリーダムに突撃した結果、
右腕のみを破壊されたアニメ版とは異なり、頭部・両腕・両翼まで破壊され墜落した所をガイアに真っ二つにされるという、
アニメ版の様なハイネの判断ミスという言い訳の立ちにくい、明確に「ほぼキラのせいでハイネが死んだ」と言える描写となっている。


スーパーロボット大戦Z
残念ながら西川氏の声は無く、一緒に戦う事は出来ない。
セツコ編26話にて、

「生身の人間を甚振るとは趣味が悪いんだよ、お前等!!」

というセリフと共に初登場し、シンとカミーユを救った。
グフの調子がイマイチらしく、その場から後退。
合流後、シンやセツコの良き先輩になるが……。

29話にて、AAが戦闘に介入してきてその場を混乱させる。
その後AAは撤退しようとするがハイネが「ブリッジで見ているだけじゃ物足りなくなったんでね」と言って機体の調子が悪く、戦力的にも余裕があるにもかかわらず出撃。
セツコをフォローに付け、あのセリフと共に追い詰めるがフリーダムに攻撃される。
その後、ギンガナム艦隊(あの人はいない)が上空から無差別砲撃をしてきてハイネにだけ命中。


  「うおおおおおおっ!!」→ドカーン

アスラン「ハイネーッ!!」

皆がハイネの死を悔やみ、AA組は味方になってからもこの件を含めて終盤まで責められ続ける事になる

……が、
機体の調子が悪いのを分かっていて、戦力不足で無いにもかかわらず気まぐれで出撃して返り討ちに遭った挙句に戦死したのは、どう考えても自業自得としか言えない。

尚、この件が起きるまでは「何だあいつ等邪魔だなぁ」「どういうつもりだ?」という程度だったミネルバ組からのAA組に対する印象が、
明確な「混乱を呼ぶ敵」、「ハイネの仇」にまで悪印象にまで陥り、
後のアウトロー組との再会時に「何でそいつ等(AA組)と一緒に居るんだ!」と後の仲間割れ展開を決定付ける一つの要因*4となった。
しかし、どう考えてもハイネの死亡に関してはハイネの自業自得でありAA組の非とは言えないにもかかわらず、何故こんなにも責められる事になったのか?
『Z』に於けるAA組の扱いについては露悪的に描かれ過ぎと評される事も少なくなく、これもその一つと言える。

因みにハイネとグフはちゃんと図鑑に登録される。
実はカガリディアッカと同様に内部データ自体は「没データ」として残っている。
声はないが、顔グラは表情変化する。セリフは「」か「……!」。
更に何と専用カットインまである。画面がオレンジに包まれ、赤服姿で爽やかな笑顔を見せてくれる。
その為、色々な意味で遺影カットインと呼ばれている。


スーパーロボット大戦K
携帯機の利点を生かしてか何と条件付きで生存する。
メサイア攻防戦まで生き残り、フラグを建てれば仲間になるが倒すと戦死してしまう。他の人は助かるのに……。
デスティニープランには懐疑的だった様だ。


スーパーロボット大戦L
最後まで無条件で生存する上、能力値もかなり高い。
ベルリン戦直前でグフイグナイテッドを入手し「ザクとは違うんだよ、ザクとは!」と大喜びする様子が見られる。
アスランとは原作以上に接する機会が多く、良き相談相手になっている。イザークディアッカとの絡みも多い。
こちらでもデスティニープランに反対していた。


SEED Club 4コマ
みげると組んでオレンジをこよなく愛する「でふろくらぶ」というクラブを結成。
多くの機体をオレンジ色に塗ろうと目論んでいる。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.II
ミゲルに続きパイロットとして選択可能。ミゲル自体も続投している為、彼と二人で西川タッグを組む事が出来る。専用セリフまである。
家庭用のPLUSモードでは特令「イグナイテッド」を所有。
使用するとBGMを強制的に「ignited -イグナイテッド-」に切り替える。
搭乗機体は初期は専用のグフイグナイテッドのみだが、レベルを上げる事でザクシリーズに乗換が可能になる。
彼のミッションはしょっぱなから「ミーアのライブを妨害せんと迫る核ミサイルからミーアの乗ったザクを守りきる」という凄まじいインパクトのある内容。
開始前の説明では核ミサイルの存在に一切触れていないが、寧ろこのミッションには核ミサイル以外の敵が登場しない。
また、前述の特令を使うとライブを乗っ取る事が出来る。

機動戦士ガンダム Extreme vs.シリーズ
マキシブーストの最終アップデートでハイネ専用グフイグナイテッドが参戦。また同作のエクストラ機体としてデスティニーガンダム(ハイネ専用機)が追加参戦している。
掛け合いとしては、同じザフト所属の面々と話す事が多い。だが何故かディアッカとの掛け合いは無く、ニコルと中の人繋がりでロラン・セアックとの掛け合いが存在する。またデスティニーに搭乗したシンにFAITHへの昇進を祝ったり、敵対するアスランに覚悟を問うような台詞がある。
一方デスティニー搭乗時には、同じデスティニーに乗るシンと競い合い、ソンネン少佐相手にタンクと侮って苦戦する台詞がある。

SDガンダムGジェネレーションシリーズ
長らくGジェネには参戦してなかったが、「CROSS RAYS」にてミゲル共々新録ボイスで遂に参戦。
また、無料アップデートでハイネ専用デスティニーが生産リストに追加される。性能はデスティニーとほぼ同一。
作中では中盤の『蒼天の剣』で登場。必須事項ではないのでクリアーすれば生き残るが、次のステージ以後は消失。
逆にステージ中でユニットのHPが0になると、高山版の死亡台詞を再現しつつ爆散する。


【余談】
  • ミゲルのパーソナルカラーがハイネと同じオレンジ色なのは、彼がハイネに憧れていたからだという。

  • ザフト内にはミゲル以外にもハイネを慕うパイロットが多く、直属の部下は「同志の証」として自機の右肩をオレンジ色の「オレンジショルダー」にしていた。再配属か追悼なのか、ハイネ死後は他部隊にもオレンジショルダーが見られた(第一次レクイエム攻防戦で確認できる)。放送当時もこいつの肩はオレンジに塗らねえのか?「ハイネ隊 隊員募集!」とキャンペーン賞品のガンプラや限定版HCM-Proでオレンジショルダーのザクウォーリアが作られている。

  • ハイネ初登場時はセリフがひとつしか無かったが、西川氏はちゃんとスケジュールを調整してアフレコ参加したらしい。

  • 「ザクとは違うんだよ! ザクとは!!」のセリフは西川氏のアドリブ。 言ってみたかったとの事(因みに、本来のセリフはマンガ版と同じ)。



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最終更新:2024年04月15日 10:42

*1 現にフリーダムから攻撃を受けたシン・ハイネはどちらもフリーダムに攻撃した、ないし攻撃しようとした事で武装を破壊されている

*2 過去に『るろうに剣心』の煉役でも出演経験あり

*3 この時、インパルスとグフはフリーダムに武装等が破壊されていた。

*4 他にも、お互いが情報操作に踊らされ、プレイヤーが選んでない部隊の指揮官が話し合いを拒否、キラがステラを撃墜した等の複合的な要因があるが