一条輝

登録日:2010/01/13(水) 23:35:39
更新日:2024/03/09 Sat 14:37:27
所要時間:約 8 分で読めます





俺……やるよ、ミンメイ


一条輝は、超時空要塞マクロス』『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますかの登場人物。
両作の主人公。




プロフィール

名前:一条輝(いちじょう ひかる)
性別:男性(地球人、日本出身)
年齢:16歳 ⇒ 17歳(TV版)、18歳(劇場版)
身長:175cm(TV版)、178cm(劇場版)
体重:58kg
血液型:O型
所属勢力:地球統合軍 ⇒ 新統合軍
所属部隊:バーミリオン小隊 ・スカル中隊(TV版)、スカル小隊(劇場版)⇒ 月面アポロ基地太陽系パトロール隊 ⇒ 治安維持パトロール隊 ⇒ SDF-2 メガロード-01航空隊
CV:長谷有洋、野島健児(長谷氏の死後のゲーム等)


概要

SDF-1 マクロスを防衛するスカル隊所属の可変戦闘機(バルキリー)パイロット。
同部隊の代表的なエースパイロットの一人であり、後に隊長を務めた。
パーソナルカラーは赤、『TV版』のみ後に黄色。

元々は民間最高峰のスタントパイロットで、各地の大会を渡り歩いて賞金を荒稼ぎしていた経歴を持つ。
この操縦技術は亡き父のスタントチームに所属していたロイ・フォッカーに幼少の頃から直々に叩き込まれたものである。

統合軍入隊後直ぐにバルキリーの操縦において頭角を現し、数々の死線を超える中で軍屈指のパイロットに成長した。
操縦技術自体は間違いなく一流の部類に入るが、バトロイドやガウォークといった本来は飛行機に存在しない形態を用いた戦闘を当初は苦手としていた。
これは当時のパイロット全体に言えることだが、両形態の運用に独創性を見出したマクシミリアン・ジーナスや、VF-1 バルキリーより劣悪な機体だったVF-0 フェニックスを使いこなしたフォッカーと比較するとやはり一歩劣る。


誕生直後に母親を亡くし、父親のスタントチームという男所帯で育ったため生意気で遠慮を知らない性格。
上官である早瀬未沙(じゅうきゅうさい)と出会った際に「おばさん」呼ばわりしたり、アーマードパックの無断使用・私的なバルキリー利用といった軍紀違反を繰り返したエピソードからもその性格がうかがえる。

一方で勇敢かつ仲間想いでもあり、フォッカーを兄の様に慕うと共に、部下のマックスや柿崎速雄をいたく可愛がっていた。


劇中での活躍

TV版

兄貴分のフォッカーに招待されマクロスの進宙式を見に南アタリア島を訪れていたところ、フォールド事故に巻き込まれ望まぬままマクロスに乗艦。
そこで知り合った(まだ一般人の)リン・ミンメイを守るために統合軍に入隊する。

当初はフォッカー率いるスカル大隊の軍曹だったが、昇進してチタニウム勲章を受章後にバーミリオン小隊の隊長に就任。
マックスと柿崎を直属の部下とし、3人で数々の激戦を潜り抜ける。

フォッカーの死後、その愛機であるVF-1S バルキリー(ロイ・フォッカー・スペシャル)を継承。
バーミリオン小隊もスカル小隊に改称するが、直後に昇進してスカル中隊の隊長として活躍する。

パイロットとしてだけではなく、ボドル基幹隊との最終決戦ではミンメイの歌を音波兵器として利用する「リン・ミンメイ作戦(ミンメイ・アタック)」を立案する等優れたリーダーシップを発揮し、新統合政府内でも重要なポジションを担っていくようになる。


恋愛面においては、出会った当初からミンメイに好意を持ち、度々アプローチしていたが全く気付かれていなかった。
ミンメイがアイドルデビューした後は自分の元から彼女が離れていく焦燥感を感じると共に、戦いを乗り越える中で想いが通じ合った未沙も憎からず思うようになる。
最終決戦直前に意を決してミンメイに告白したが、この時は幼少の頃からの憧れだったキチガイリン・カイフンを選ばれ、戦後は離れ離れになってしまった。

戦後は未沙と徐々に関係を深めていくが、アイドルとして凋落したミンメイが昔の思い出に縋って輝の元に転がり込んでくる。
まだミンメイに未練が残っていた輝はこれを受け入れてしまい、ドロドロの三角関係となった。
最終的に、第一次超長距離移民船団の責任者となった未沙が素直な気持ちを告白したことで、自分にとって本当に大切なものに気付き、未沙を伴侶に選ぶ。


輝を「一市民に近い青年」として描く、という製作側の意図により、輝は当時の主人公としては異例の扱いを受けることになった。
(例:脇役に技量で劣る、ライバルキャラが不在、撃墜され機体を乗り換える、(夢の中で)墜落王と呼ばれる、ミスターランジェリーという渾名をつけられる…etc.)
特に恋愛面では鈍感、優柔不断といった一面が大きく押し出された。

このような演出の結果、輝の代わりにマックスが従来のヒーロー像としての立場を担うことになった。
輝が主人公らしい活躍を始めるのはロイ・フォッカー・スペシャル継承後となる。

乗機は「VF-1J バルキリー」⇒「VF-1S バルキリー(ロイ・フォッカー・スペシャル)」

劇場版

物語開始前から既に軍人で、マックスや柿崎と共にスカル小隊のメンバーだった。

ミンメイとはアイドルと一ファンの関係だったが、ゼントラーディの襲撃に際して絶体絶命の状況を救ったことで知り合う。
憧れのアイドルとお近づきになれたことで舞い上がってしまい、軽率な行動に出た結果ミンメイ、カイフン、未沙、フォッカーと共にゼントラーディに捕縛される。

フォッカーの犠牲による隙を突いて美沙と共に脱出し、荒廃しきった地球に帰還。
絶望に打ちのめされながらも、後に発見したプロトカルチャー遺跡でマクロスの帰還を2人で待ち続ける。
この頃からお互い惹かれ合うようになった。

マクロスが帰還した後は軍に復帰。
この時に街中のモニターに映る未だ行方不明のミンメイの姿を見たことで、それまでの感情はアイドルに対する憧れだったことに気付く。

メルトランディとの戦闘で柿崎が戦死し、マックスが行方不明になった後はスカル小隊隊長に就任。
奇跡的な生還を果たしたミンメイに告白されるが、一連の事態で責任の重大さを知った輝は三角関係にけじめをつける形で彼女を振る。

最終決戦ではマクロスに敬礼した後、ストライクバルキリーで敵旗艦に単機突撃。
超絶テクニックで防衛システムを突破し、ガンポッドとレーザー機銃の一斉射撃でボドルザーを抹殺した。
この時の80年代の作品とは思えない板野サーカスは必見である。 


TV版でのあんまりな扱いを反省し、全体的にヒーロー性が強調されている。

乗機は「VF-1A バルキリー」⇒「VF-1S バルキリー」


その後

月面アポロ基地太陽系パトロール隊、治安維持パトロール隊の隊長を歴任し輝かしい出世を果たす。
試作機VF-X-4のテストパイロットも務め、本機は後にVF-4 ライトニングⅢとして新統合軍主力機となった。

2012年に未沙が団長を務める第一次超長距離移民船団「SDF-2 メガロード-01」に航空隊長として乗艦。
未沙、ミンメイ、そして娘の未来(みく)と共に宇宙へと旅立った。

2016年7月7日、銀河系中心部を航行中のメガロード-01との通信が途絶し、船団ごと行方不明となる。
この事実は銀河播種計画の根本を揺るがしかねないと判断され、新統合政府によって隠蔽されることになる。
そのため公にはメガロード-01は現在も航行を続けていると信じられている。


歴代作品における扱い

ミンメイほどではないが、初代主人公ということで歴代作品においても名前や輝を彷彿させる要素が度々登場する。

アニメ

劇中では語られないが、ニューエドワース基地司令のミラード・ジョンソン大佐はスカル中隊時代の部下。
ミラードの言葉通りであれば、当時よくバカをやったミラードを庇ってあげていたらしい。

熱気バサラが輝役、ミレーヌ・フレア・ジーナスがミンメイ役を演じた大河ドラマ「リン・ミンメイ物語」が劇中劇として登場。
この番組の視聴率は90%を超え、FIRE BOMBERがメジャーバンドとしてブレイクするきっかけとなった。

バサラが輝とミンメイの隠し子である、という噂がマスコミに報道された。
メガロード-01の失踪時期とバサラの年齢を考えるとデマ記事であることは明らか。

主人公の早乙女アルトはパーソナルカラーが赤、二人の女性と三角関係になる、当初は戦闘で目立たないが物語後半で大きく成長する、という点で正に輝ポジション。
輝がミンメイに対して行ったのと同様、空中に放り出されたランカ・リーをバルキリーの手でキャッチして救出している。
最終決戦においては、TV版・劇場版共に輝と同様のバトロイドによる敬礼⇒出撃を行った。

美星学園の屋上には輝カラー(『劇場版』仕様)のVF-1A バルキリー(小説版はVF-1J)がシンボルとして設置されている。

本作の前半OP「トライアングラー」は輝・ミンメイ・未沙の三角関係を主題としたドラマ番組(つまり初代のリメイク劇中劇)のタイトルでありOPという設定になっている。

パーソナルカラーが赤、スカルマークの小隊長ということでアラド・メルダースが似たようなポジション。
部下のメッサー・イーレフェルトの技量が高いおかげで戦闘で目立たない、というあまり嬉しくない点も共通。

主人公のハヤテ・インメルマンが物語中盤で自身の機体を喪失、亡き先輩の機体を受け継ぐという輝と同じ流れの乗り換えを行った。

  • 劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!
乗艦したまま行方不明になっていたSDF-2 メガロード-01が登場。
艦橋にいた2人の人影の片方は輝に酷似した姿をしていた。

ゲーム

プロトカルチャー遺跡「ユルヴァ・アーガ」に歌姫の一人として選ばれたミンメイに縁のある人物として、第一次星間大戦後の輝本人が召喚される。
カムジン・クラヴシェラに浚われたミンメイを救い出すため、ゲフィオンに救援を求めてくる。
自分達が半ば神格化されたように持ち上げられていることに非常に戸惑っていた。

シリーズ外作品

初代マクロス(愛おぼ)が参戦している(『第2次α』を除く)αシリーズと、スクランブルコマンダーThe2ndに登場。
『α』では中盤のルート選択により、TV版ルートか劇場版ルートに分岐するようになっている。まぁ、最終的には一部TV版を盛り込んだ劇場版準拠の展開になるのだが。
また、『α』では未沙とミンメイにそれぞれ好感度が用意されており、場合によっては輝とミンメイが結ばれる展開になる事もある。『第3次α』で未沙と結ばれたのが正史になるのは原作的にも仕方ない。*1
本人も機体も強いし、マクロス関連のストーリー的にもちゃんと関わっているが、いつも隣に異常な存在感を示すフォッカーがいるせいで相対的に影が薄い感は否めない。


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最終更新:2024年03月09日 14:37

*1 この反省か、後のZシリーズにおいてアルトの結ばれる相手は最終作の第3次Z天獄篇で決められるようになった。