デストロイオールヒューマンズ

登録日: 2011/04/09(土) 23:16:34
更新日:2024/03/02 Sat 14:44:56
所要時間:約 5 分で読めます




下等な地球人ども…貴様ら全員皆殺しだ!

デストロイオールヒューマンズとはPandemic Studios開発・THQ販売のアメリカ製SFアクションアドベンチャーである。プラットフォームはPS2、Xbox。
地球人を虐殺して脳髄をぶっこ抜くというかなりバイオレンスな内容のためR-18指定だが、圧倒的な力で町や人々を蹂躙する爽快感が多くのゲーマーを虜にした。
本家では続編も発売されているが、日本での第1作発売時点ですでに対応ハードが旧式化しつつあったため、輸入はきわめて望み薄である。

その後、2020年にリメイク版がPS4、XboxONE、Steamにて発売。
こちらもCERO:Zの18禁仕様でありエログロバイオレンスは健在。

ストーリー

フェロン星人のクリプト137は兄であるクリプト136が太陽系の惑星地球で行方不明になった事を知り、父ボックスに命じられ地球はアメリカ合衆国へ捜索に向かう。
捜索に向かったクリプト137が目の当たりにしたのは、下等生物人間に実験動物にされ変わり果てたクリプト136の姿だった。
クリプト137の人類に対する復讐が今、始まる―――

登場人物

◆クリプト137

「ははは、逃げ惑え人間ども」

フェロン星人クリプトシリーズの137番目。兄であるクリプト136を殺した地球人を皆殺しにするために行動する。
地球人を笑いながら殺したり、何の躊躇いもなく町を焼き払う。言葉使いも汚い。
ゲームオーバーになるたびに138、139と番号が大きくなっていく。
2作目では本編開始前に地味に死ぬ。


◆ポックス博士

「まだ足りない、もっと人間の遺伝子を集めろ」

クリプト137にクリプト136の捜索、及び地球人の遺伝子回収を命じる。ドがつくほどのマッドサイエンティスト。
ゲーム中では集めたエンドルフィンと引き換えに武器を強化してくれる。
2作目でKGBに殺されてしまうが、コンピューター内に人格のバックアップを取っていたため以降も登場する。


◆クリプト136

地球に不時着した際に人間に捕獲され、実験動物にされて殺された。


◆アームキスト将軍

「私はアメリカ国民の為に死ねれば本望だ」

アメリカ陸軍の将軍で、軍人の鑑のような人物。フェロン星人に対抗する為にアメリカ軍の全ての力を結集して立ち向かう。しかし、最後は少佐に騙され殉職。


◆少佐

「貴様も兄と同じように殺してやる」

アメリカの秘密組織マジェスティックのリーダーでクリプト136を殺した張本人。アメリカを強くする為ならどんな手でも使う冷徹非道な女性。


◆ミス・ロックウェル

クリプト137に捕らえられてあらゆる実験に使われる。
その姿は多分このゲームが18禁になった一因。





追記修正お願いします。
















多分本当です









「かごめぇってあっこれ台本間違えた」


上記の内容は多分、本当です。えっ? 多分ってなんだよって?

実はこのゲーム、PS2版発売時は内容がグロすぎてソニーに発売許可をもらえなかった。
だが、『どうしても発売したい』そう思った監督は審査をすり抜けるためにこのゲームを

パロディと超訳飛び交うバカゲーにしたのである


パロディと超訳飛び交うバカゲーにしたのである

大事だと思うので二回言いました。ちなみに日本版制作はSEGAである。

翻訳に当たってはと学会の山本弘ら業界きってのオタクが集められ、それぞれが節操なくパロネタをぶち込みまくった結果、一部では「すべてのネタがわかる人間がこの地球上に存在するのか」とまで言われる始末。
しかも、原作ではいまひとつはっきりしなかったクリプトの侵略理由やエンドルフィンを集める理由などの設定もきっちり補完しているあたりますます食えない。

もちろんTHQは雰囲気と壊すとして猛反発したが、監督が「承諾したら田中敦子に会わせてやる」と殺し文句を叩きつけて黙らせたという噂がある。


ちなみに、「原語版では超絶シリアスだった作品が日本への輸入でおバカ化」ということでかの伝説の声優無法地帯ロボットアニメを思い出す人も多いかもしれないが、山口勝平氏、田中敦子氏、チョー氏はその最終作で実際に競演経験があり、そのネタもきっちり拾われている。



ここからは日本版の説明。


登場人物


◆クリプト137
CV.山口勝平

「そんな大人修正してやる」

小遣いを二倍にする事と子供扱いを止める事を条件に地球にやってきた火星人もとい火星人似のフェロン星人で、火星人と言われると怒る。
似非関西弁を使うが、これはわざと(演者は関西人ではないが)。


◆ポックス
CV.大塚芳忠

「あの〜すみません次の収録があるんでそろそろゲーム進めてもらえませんでしょうか?」

クリプトシリーズの父親。こちらもやはり似非関西弁を使う。
出稼ぎに出ていたクリプト136が行方不明になったので、137が出した上記の条件を呑み捜索に向かわせる。
声が同じだがおかんでは無くおとんである。


◆クリプト136
CV.山口勝平

「誰が…火星人やねん…」

137とは兄弟なので中の人は一緒。冒頭と中盤に登場だが中盤では変わり果てた姿で…


◆アームキスト将軍
CV.富田耕生

「当たらなければどうと言う事は無い」

アメリカ陸軍の将軍でも軍人の鑑ではない。絵に描いたようなタカ派。
フェロン星人と戦う気満々で戦車やらロボットやらを差し向けてくる。最後はパワードスーツに乗りクリプトと戦うが破れる。


◆少佐
CV.田中敦子

「今度は宇宙怪獣を連れてこいお約束だろ?」

秘密組織マジェスティックのリーダー。リーダーなのに少佐なのはなぜかって?CV.で察して下さい。アメリカを自分の物にする為、色々暗躍する。
クリプト曰く、萌えキャラには程遠い今作のラスボス


◆大統領
CV.青野武

「こんな事も有ろうかと対策としておいたのだ」

アメリカ合衆国大統領。クリプトが侵略目的の為に、地球にやって来たと決め付けている。
ソ連と再びドンパチやろうとしたところ、クリプトに暗殺され阻止される―――が、脳をロボに移植しロボ大統領として復活する。


◆トンデモさん
CV.チョー

「ぐるぐるぐるぐるどっかーん」

ストーリーの中盤に登場するとんでもさん。それ以上でもそれ以下でも無い。


◆その他モブの皆さん

「宇宙人?虎柄ビキニの?」

「やっべーこの車爆発するよ、どうしよう。でも俺動けないキャラだしなー」

「亭主元気で留守がいい」

「家は焼け、畑はコルホース」

町中を歩き回ってるモブキャラ。彼らは特に喋らないがクリプトの能力で心を読むと上記のような台詞が聞ける。

◆牛

「もぉ〜」

クリプトが知的生命体と勘違いして話しかけたところ、ババをこく。
その結果、クリプトに先制攻撃と認識され、一族根絶やしにされた。

数々のパロディ



このゲーム一番の魅力はやはりパロディである。


まずOPからして「馬鹿がUFOでやってくる」という曲を某光の巨人を盛大に丸パクリした映像に乗っけて流すという際どすぎる代物。
しかも間奏でなぜか一瞬サクラ大戦の主題歌のメロディが入るわ、力士だの大文字焼きだのと本編と1ミリも関係のない影絵まで使いまくるわとカオス極まりない。
芸が細かいことに歌っているのも少年合唱団である。


ストーリーの各章のタイトルには

  • クリプト、大地に立つ
  • 兄、覚えてますか?
  • 人間標本2、3人
  • 撃つなクリプト

等がある。しかも12話は欠番。もう際どいとかそういうレベルじゃないがいいのだろうか。


次に台詞

  • 「そんな大人修正してやる」
  • 「当たらなければどうと言う事は無い」
  • 「多分わいは137人目やから」
  • 「ぼうやだからさ」

など盛り沢山。エンディングは頭一つ飛び抜けている。正直円谷やサンライズ辺りに文句を言われて訴えられてもSEGAは何も言えないだろう。


挙句の果てには劇中で公開されていた実在の映画が丸一本収録されており、オプションで閲覧可能


このゲームは上記にのようにバカゲーである。あらゆるところにコアな人にしか分からないようなパロディやまんまの引用、メタ発言がWiki篭りの皆さんをニヤニヤさせてくれるはずなので是非機会があればプレイして欲しい。


ただし、はまる人ははまる一方、アニメや特撮のほかにも洋画や各小説などのネタもかなり使われている上マニアックなのも相当多いため、
人によってはついていけず置いてけぼりになったり、それほどのバカゲーには思えないこともあるかもしれないし、
なによりどれほどアドリブを暴走させたところで本作がテラ不謹慎な虐殺ゲーなことにはなんら変わりはない。
そういう意味では人を選ぶゲームかもしれない。


あと、悲しい(?)事に、リメイク版は原語版に忠実な出来であり、日本語版のような極端なバカゲー化はされていない。
日本版限定のPVでも「日本にだけ俺様の偽物が出た」と触れている。

+ 参考:原語版のストーリー
高度な技術と超能力を発達させてきたフロン星人は大規模な核戦争の影響により生殖能力を失い、クローンによって世代を繋いできたが、
クローニングを繰り返すたびにDNAは劣化し続けこの方法にも限界が見え始めていた。

遠い昔、火星付近を戦場にしていたフロン星人たちは欲求不満の解消のために現地生物と交流を持った結果地球の生物には古代のフロン星人のDNAが潜在的に組み込まれていた。
フロン星人たちは地球人の脳を取り出し核戦争以前の無傷のDNAを確保することで彼らの栄光を取り戻すべく地球へと向かうが、偵察UFOが墜落しクリプト136は地球人に捕われてしまう。
地球人の脳とクリプト136の消息を求めてクリプト137は地球へと降り立つのだった。


なんとなくわかるだろうが、原語版も原語版でブラックジョークとパロディだらけであり、日本語版とはバカのベクトルが違うバカゲーである。


♪大事な~兄さ~ん さらったや~つ~ら~
♪倒~すついで~に~ 追記・修正~

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最終更新:2024年03月02日 14:44