叢雲劾

登録日:2011/12/23 (金) 00:22:56
更新日:2024/03/03 Sun 21:54:45
所要時間:約 6 分で読めます





敵は倒せる時に倒す。
それが傭兵のやり方だ。




機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』シリーズの主人公の一人。
CV:井上和彦


漢字の読みは「むらくも がい」と読む。
小説や模型誌に掲載されるフォトグラフ作品などで主人公を務める事が多い。
また、ゲームによっては漢字表記ではなく片仮名で「ムラクモ・ガイ」と表記された作品もある。

基本的に『映像化作品以外は非公式扱い』となるガンダムシリーズにおいて、ASTRAYシリーズは『非映像作品でありながら公式扱い』となっている数少ない例外である(MSVの店頭PVとして映像化されてはいるが)。
その為、劾というキャラクター自体も非映像作品のキャラでありながら中々の知名度と人気を持つ。

ちなみにガンダムシリーズで非映像作品でありながら公式扱いとなっているのはASTRAYの他に、黒本センチネル、A.O.Z、00外伝などがある。


【概要】

C.E.最強の傭兵部隊サーペントテールのリーダーとしてその名を轟かせており、作中トップクラスのパイロットとして君臨している。
最近、ドラグーン装備のブルーフレームが登場したことで空間認識能力(ムウやモーガンと同じ能力)を多少なりとも保持している事が発覚した。
ちなみにこのドラグーンが第一世代と第二世代のどちらなのかは不明(第二世代は空間認識能力がなくても使えるが、それでもあった方が確実に有利となるとされる)。

パイロットの技量や生身の戦闘術において劾を超える人間は僅かながらも複数存在している。確定してる限りでも、彼を生み出した戦闘の師匠でもある元連合所属のコーディネイター等が挙げられる。
しかし、劾の一番の特徴は慎重さにある。「勝てる戦いしかしない」と当人が主張するように、戦わなければ死ぬような遭遇戦を除き、舞台が整うまで自ら戦いを挑むことはない。
力量では己を超える相手でも、トラップや兵装を含めて確実に勝てる状況を整え、確実に任務を成功に導く。


【性格】

無駄なことは喋らないクールな性格だが、自分の考え方、自分の信念をしっかり持っており、サーペントテールの仲間達や腐れ縁のロウ達から絶大な信頼を寄せられている。
劾自身も、そんなサーペントテールの仲間達を強く信頼している。
裏切りは決して許さない主義でもあり、『裏切りは許さない』という台詞が決め台詞になることも。

愛機であるブルーフレームを入手するきっかけになったロウ・ギュールとそのジャンク屋仲間達や、サーペントテールの取材に現れたフォト・ジャーナリストのジェス・リブルらとは奇妙な縁が続いており、互いに持ちつ持たれつの関係を築いている。

一見すると仕事しか興味のないように見えるが、ハイスピードブースターの回で「コメディ映画を観たことがある」と語られていたことから、仕事以外にも興味があることが覗える。

カレーにはソースを掛ける派。



【小説版及びコミック版での活躍】

中立コロニー ヘリオポリスにて開発された新型兵器の目撃者を始末してほしいという依頼を受けた劾は、
コロニー内で試作型MS、アストレイを発見するも、依頼主の裏切りにより、自分達も目撃者として殺されそうになる。
そこでジャンク屋のロウ・ギュールがすでに起動させていたブルーフレームに乗り、依頼主を撃退する。
そして、ロウにより、船を守ってもらった礼として、ブルーフレームを譲渡された。
それまでは任務に合わせて機体を用意して頻繁に乗り換えていたが、これ以降はガンダムアストレイ ブルーフレームを愛機とし、各地を転戦しながら依頼をこなしていった。

基本的に作戦に併せて装備を変更する。EN消費が大きいビーム兵器よりも実弾の兵装を好んでいた。ちなみに、劾が最も得意とするのは接近戦である。
それもあってか、メインウェポンとして対ビームコーティング仕様のアーマーシュナイダーを愛用し、確殺の為にコックピットを容赦無く突き刺す。

小説版では、コーディネイター・ソキウスに対決を申し込まれる。
当初、劾はこれを1対1の決闘だと思い込んでいたが、敵は二機おり、不意打ちではあったがソキウスとの勝負に破れてしまい、これが作中で語られている唯一の敗北となっている。
そしてブルーフレームは頭部を失った上に大破し、劾自身も機体の破片が肺を直撃するという瀕死の重傷を負ってしまう。
ロレッタの発見が早かった為一命を取り留めたが、その一連の行動が劾らしくないと感じたサーペントテールのメンバーから挑戦を受けた真意を問われ、自身の過去を語り始める。

自身が連合軍によって生み出された戦闘用コーディネイターであること。
洗脳が不完全だった為に廃棄処分される運命にあったが、連合から脱走した過去や、苦しい中でも自分自身を見失わず歩んできたこと。
そしてかつての自分にソキウスを重ね、戦うために作られた彼らを解放してやりたいと願って、不利を承知で彼等が待ち構える地に赴いて決闘に応じたこと。
またこの時、サングラスを常に外さないのは網膜に打ち込まれた識別コードを隠すためだということが語られた。
この識別コードは見る者が見れば即座に劾が連合製戦闘用コーディネイターであると露見する危険性があり、後述の『スパロボW』でのアズラエルとの対峙ではこの設定を下敷きにしている。

そしてロウの手によってブルーフレームが改修され、ブルーフレームセカンドLに生まれ変わった後、ソキウスにリベンジ。見事勝利する。
ただしこの私闘とも言える戦いは劾の傷が癒えていない状態での死闘だったため、ブルーフレームセカンドLの無理矢理な機動で傷口が盛大に開いてしまい、戦闘終了時は劾もかなり危険な状態だった。

この辺りがリマスターで漫画化され、急加速で弾幕を掻い潜って接近、TAをパージして懐に入り込み、相手のサーベルを耐ビームコートしたアーマーシュナイダーで捌き、局所を狙って戦闘不能にさせた。ソキウスと話し合い「自分の道を見つける」と二人から聞いて「ミッションコンプリート!」

余談だが、ソキウスとの初戦では戦闘開始前に「コーディネイターの中で最強と言われているが本当か」と問われた際に、ストライクのパイロットであるキラと自分のどちらが強いだろうかと考えていた。
無用な戦闘は避ける劾だが、作中で度々純粋に戦うことが好きであるような描写がされている。

宇宙に上がった後はロンド・ギナ・サハクゴールドフレーム天と戦い、ロウが駆るレッドフレームに協力してこれを撃破。
トドメを刺さずにロウが帰艦した直後、コックピットにアーマーシュナイダーを突き刺し、ギナの息の根を止めた。
(と言うと、劾の容赦のなさが際立つが、ギナは帰艦しようとしているロウを背後から撃とうしていたのでギナに同情の余地はなかったりする)


【X ASTRAY及び小説版後半】

カナード・パルス率いる特務部隊Xと交戦したり、三隻同盟の後方を守ったりと相変わらず戦場の中にいた。

『X ASTRAY』はプレアとカナードに比重が置かれていたために出番は少なかったが、小説版では切り裂きエドの駆るソードカラミティとタイマンで激闘を繰り広げたり、ロンド・ミナ・サハクに締め上げられたりと活躍。
特にエドとの戦いでは『対ビームコーティングを施した小型ナイフに過ぎないアーマーシュナイダーで、MSの背丈程に巨大なシュベルトゲベールのビーム部分を切り払って、何合も受け流し続ける』という荒業を披露。すっかりチートの域である。

この危険な荒業に及んだ原因は、直前まで別任務に就いていた為にバッテリーが限界寸前にもかかわらず、強敵と目されるエドに遭遇してしまったため。
バッテリーの消耗が激しい主武装の大剣タクティカル・アームズを振るって、完全にバッテリーが切れる前に短期決戦でエドを仕留めきれるかは怪しい。
それよりは消耗を抑えて時間稼ぎの防戦に徹する間に、イライジャにエドの母艦を捜索及び攻撃させることでエドの撤退を促す。その方が成功率が高いと判断した次第である。
イライジャが劾の信頼に応えて作戦は成功したものの、もう後の無い相当に危険な賭けであった。

また、カナード戦では、途中まで互角に戦っていたものの、全方位に展開されたアルミューレ・リュミエールを前に初見では対処しようがなく終止圧倒されていた。
だが、対ビームコーティングされたアーマーシュナイダーでハイペリオン弱点を見破る観察眼と戦闘技術も見せている。

しばらく経った終戦後、かつて戦ったソキウスに「アメノミハシラにソキウスシリーズの誰かがいるかどうか」と「ロンド・ミナ・サハクの人間性」を確認するよう依頼された。

MS戦では、反乱防止策として薬物の過剰投与により精神を徹底的に破壊されている影響で、教本のような動きしか出来なくなっていたソキウスシリーズを圧倒。
しかし、オーブを守るために特殊な調整を受けて誕生したコーディネイターであるミナには体格差と殺傷目的の依頼でなかった事もあって、危うく絞め殺されるところだった。



また作中では劾が倒す事になるロンド・ギナ・サハクはカミーユ・ビダン役の飛田展男氏が演じている。
それに合わせてか、「カミーユに勝つカッコイイジェリド」のイメージから中の人が井上氏に選ばれたらしい。


【ゲームでの活躍】


◇『スーパーロボット大戦W
初参戦作品。
スポット参戦を繰り返し、正式に参戦するのは終盤と遅い方だが参入時期のブランクをひっくり返せるほど強い。
ブルーフレームセカンドL・LLがメインで使えるので主に射撃を鍛えるといいが、合体攻撃は格闘である(尤も、コーディネイター補正により、ロウよりも格闘は高くなったりする)。
まさかの死亡フラグクラッシャーでもあり、(フラグ次第で)ニコルトールを救助したり、ドミニオンのブリッジに単身突入しアズラエルに殺されかけていたナタルを助けたりする(結果的にムウの死亡フラグもへし折った)。なお、ナタルに関しては無条件で助かる。
この時、アズラエルに対して某兄さんばりに「お前に名乗る名はない」と言っている。
敢えてサングラスを外して識別コードを晒す劾はかっこいいので必見(この時、アズラエルが劾の正体に気付く描写がある)。

最終決戦ではたった4文字の言葉でカズマの古傷を抉った。


「していた」


Gジェネシリーズ
全体的に高い能力値を持ち、どんな機体でも乗りこなせる。
しかしこの頃はまだ空間認識能力を持つ設定がなかったためか、覚醒値は0となっている。

愛機のブルーフレームも登場するが、『WORLD』ではセカンドが登場しないので別の機体に乗せた方が良い。


機動戦士ガンダム Extreme vs.
家庭用にブルーセカンドLと共に登場。スパロボWが元ネタの台詞も結構喋っている。
また、同じ傭兵の焼け野原ひろしに対して「ふざけた奴」「傭兵の風上にもおけん」と嫌悪感を露にした。外道は許せない彼らしいと言える。





追記・修正はできる時に行う。それがwiki篭りのやり方だ。

荒らしは許さない。


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最終更新:2024年03月03日 21:54