ゾンビ(映画)

登録日 :2012/01/27(金) 01:43:43
更新日 : 2017/04/20 Thu 20:06:40
所要時間 :約 6 分で読めます




ゾンビ(原題:Zombie/Dawn of the Dead)


■概要

1978年に公開されたジョージ・A・ロメロ監督のホラー映画。

現在でこそゾンビ映画の巨匠として有名だが、当時はまだ無名だったロメロ監督を一躍有名にした出世作である。
また、ホラー映画のクリーチャーとしてのゾンビという存在を世界中に普及させた作品でもある。

特殊メイクは制作された時代が時代な為、若干偽物くさいが(明らかに絵の具な血、作り物くさい食われた脚など)、腹を食い破られるシーンはかなりリアル方向にグロい。



■ストーリー

前作にあたるナイト・オブ・ザ・リビングデッドから三週間が過ぎた。
全米中で蘇った死体が人々を襲い、襲われて死んだ者もまた動く死体となって生きた人々を襲うという、最悪の事態を迎えていた。

テレビ局のスタッフであるフランは恋人のスティーブンと共に局のヘリでの脱出を決意。
スティーブンの友人であり一緒に脱出を誘われたSWAT隊員のロジャーは、相棒のピーターを連れて一行に合流し、四人は共に旅立つ。

逃避行の最中、蓄えの乏しい物資を求めてショッピングセンターに辿り着いた四人は、このショッピングセンターをひとまずの拠点とする。

入口を封鎖し、内部のゾンビ達を掃討する事で安全地帯を確保する一行だったが、その作業中にロジャーがゾンビに噛まれて負傷してしまう。

ゾンビに噛まれたロジャーの容態は日に日に悪化していき、看病の甲斐も無く遂に死亡。
他のゾンビの様に徘徊したくないという相棒の遺言通り、ピーターはゾンビとなったロジャーを射殺するのであった。

その後、三人となった一行は安寧な中でも満たされない閉塞感を感じながら、ショッピングセンターでの生活を続けていたが、ある日暴徒と化した一団がショッピングセンターを発見した事で、事態は再び急展開を迎える。

暴徒達がショッピングセンターの扉をこじ開けた事でゾンビ達が再び建物の内部に雪崩れ込み、スティーブン達と三つ巴の戦いが繰り広げられる。
ピーターの活躍により暴徒達の撃退には成功するものの、暴徒に撃たれて負傷したスティーブンはゾンビに襲われて死亡。

ゾンビと化したスティーブンが隠れ家に大群を連れて迫った為、脱出せざるを得なくなったピーターはスティーブンを射殺し、フランだけを逃がし自殺しようとするが、結局思いとどまりフランと合流。
なんとか飛び立つも燃料の残り少ないヘリ
それでもピーターは笑う「いいさ、いけるところまで行こう」

■登場人物

  • フラン
ヘリ組の紅一点。
スティーブンの恋人であり、彼の子供を妊娠している。
妊婦なのに喫煙者だったり、ベッドシーン(正確には事後シーン)があったりと色々とツッコミ所がある。
煙草1本すらあげようとしない冷めた性格だが、中盤からはヘリの操縦や銃の扱いも積極的に覚えていき、開き直った女は男より精神的に強い事をうかがわせる。

  • スティーブン
フランの恋人であり若干ヘタレ。実は家族がおりフランとは不倫の関係。
ヘタレなのに行動力だけはあり、暴徒が自分達の拠点であるショッピングセンターの品物を略奪するのを見ていられず、やり過ごそうとしたピーターの作戦をご破算にした。

  • ロジャー
メンタルの浮き沈みが激しいSWAT隊員。
ショッピングセンター封鎖作業の途中でゾンビに喰われかけた事が原因で頭のネジが飛び、ゾンビを見くびって調子に乗ってDQNじみた行動をしたせいで本当に噛まれてしまう。
噛まれた後にようやく冷静になったものの、時既に遅し。

  • ピーター
黒人のSWAT隊員。
行動力、判断力、戦闘力の全てが優れた男であり、彼の提案するプランにはほぼ間違いがない(ロジャーやスティーブンが足を引っ張る事で毎回ご破算になるが)。
しかし、しばしやるせない状況に心を痛める繊細な一面も持つ。

  • 暴徒たち
ショッピングセンターを襲った奴ら。
集団で武装していたため生き残ってきたっぽい。
だが、ショッピングセンターの物を奪うのではなく、DQNの如く破壊しまくると何がしたいのかわからない。
特に血圧計に執着して食われてる奴。
結局多数の犠牲者を出した挙げ句に去っていく。
お前ら本当に何がしたかったんだ。

  • ゾンビ
徘徊する人だったもの。
死んだ時の身体の損壊度によって個人差はあるが、ゾンビに噛まれると確実にゾンビ化する。
動きは緩慢だが、執着心が強く、一度目にしたものはドアをこじ開けても追い続ける。
またある程度生前の記憶も持つらしく、ゾンビ化したスティーブンは他のゾンビの目を欺き続けた偽装された隠れ家への入口をあっさり突破した。



■リメイク

2004年には本作をメイクしたドーン・オブ・ザ・デッド(映画)(原題:Dawn of the Dead)が公開されている。

ただし、リメイクと言っても登場人物は全て一新されており、物語も原作が主眼に置いていた登場人物同士のドラマより、人間とゾンビの戦いがメインとなっている。
ショッピングセンターが舞台という点以外は原作とは完全に別物と考えるべきだろう。

ちなみにピーターとロジャーの人がチョイ役で出ている。


■ショッピングモール

本作こそがゾンビ作品におけるショッピングモール(劇中ではショッピングセンターと呼ばれている)の扱いに関するテンプレを作ったと言っても過言ではない。
リメイク版のドーン・オブ・ザ・デッドを始め、ゲームのデッドライジングシリーズなど、本作に影響を受けたゾンビ作品は数知れず。


【余談】

ゾンビ役は一般からエキストラで集められたが、当時は失業率が高く人員が殺到したらしい。

諸々の問題から多くのバージョン違いが存在し、ロメロ自身が編集したバージョン以外に
ゴブリンの音楽が印象的なダリオ・アルジェント編集した最初に公開されたバージョン。
残酷シーンをカットしたりボカしたりしている北米バージョン。
死者が蘇ったことに対する理由付けとして、冒頭にとある惑星の爆発シーン(この爆発により死者を蘇らせる光線が地球に届いたとされている)が追加された日本公開バージョン
等が存在する。




地獄が満員になると死者が歩き出すのさ…



追記・修正はエレベーターの中でゾンビに襲われてからお願いします。


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