デッドコースター(映画)

登録日:2012/03/01(木) 14:35:02
更新日:2024/01/19 Fri 21:54:05
所要時間:約 10 分で読めます




生き残るのは、死んでも無理




デッドコースター(Final Desitination 2)は、ホラー映画『ファイナル・デスティネーション』シリーズの第2弾。
前作の1年後を舞台とし、前作の出来事が深く関わりを持つ正当な続編。
前作にはなかったグロ描写、人体破壊描写がこれでもかと盛り込まれ、以降のシリーズの定番化した。
冒頭で主人公が予知する事故も各人の死に様が細かく描写されるようになり、死の運命による死に様と並ぶ見どころの1つとなった。
また、死に様に関してもフェイント、溜めや間の効果が用いられエンターテイメント性が増し、シリーズでも評価が高い。
監督は『スネーク・フライト』のデイヴィッド・R・エリス。

邦題は前作が売れなかったため配給会社が前作とは無関係な作品として付けたが、これにより次回作以降の邦題がややこしいことになった。

木曜洋画劇場でも放映されたが(ナレーション:若本)、グロシーンの総カットにより全く楽しめない有様だった。

≪あらすじ≫

パリ行きの飛行機180便の爆発事故から1年が経った。
その日、女子大生のキンバリーは車で友人たちとリゾート旅行に出かけた。
しかし、車が高速道路23号線に差しかかった時、走行中に先行していたトラックから丸太が崩れ落ち未曽有の玉突き事故が発生、自分の車にも後続車が突っ込むという予知夢を見る。
慌てて高速入口を封鎖するが、果たしてそれは予知夢通り起き、友人たちを含む大多数の死者が出た…
だがそれは始まりだった。キンバリーと同じ入口に並んでいた生存者の1人が変死したのだ。
キンバリーは1年前の180便生存者が予知夢を見て、次々に死んでいった事件に類似性を見出す。
死の運命を逃れる方法はあるのか?ヒントを突き止めるべく、彼女は180便唯一の生存者、クレアに助けを求めるが…

≪登場人物≫
ヒロインその1。
ハイウェイの23号線で起きた事故を予知し、それにより起きた死の連鎖を止めようとする。
1年前に母が車を盗もうとした男に射殺されている。
行動力に富み、粘り強く最後まで取り組む性格。途中から予知を自在に映像化できるエスパー化。

  • クレア・リバース(演:アリ・ラーター 吹替:朴璐美(DVD)/冬馬由美(TV))
ヒロインその2。
180便事件最後の生存者。髪は前作のラストと同じく金髪になっている。
前作の事件を経て恋人となったアレックスの死以来、全てに怯え自ら精神病棟に隔離されていたが、キンバリーに挑発に近い叱咤を受けたことで再び下界に繰り出し、共に死の運命に立ち向かう。

  • トーマス・バーク(演:マイケル・ランデス 吹替:松本保典(DVD)/宮本充(TV))
パトカーで高速道路に入ろうとした警察官。
キンバリーと同様に180便事件との類似性に気付き、彼女と共に事件を追う。
警察のコネで人員召集・捜索はお手の物であり、キンバリーが赤の他人だった他の生存者たちに早い段階で接触できたのは彼のおかげである。

  • ユージーン・ディックス(演:T・C・カーソン 吹替:楠大典(DVD)/大塚明夫(TV))
黒人のバイク乗りで高校教師。
死の運命を信じていなかったが、超常現象としか思えないレベルで頻発する「不幸な偶然」に、次第に冷静さを欠いていく。

  • キャット・ジェニングス(演:キーガン・コナー・トレイシー 吹替:大坂史子(DVD)/(TV))
やり手のキャリアウーマン。ヘビースモーカーで鼻持ちならない性格。

  • ローリー・ペータース(演:ジョナサン・チェリー 吹替:藤原啓治(DVD)/水島大宙(TV))
ヤク中の若い男。「ヤクが切れたら死ぬ」と言うほど重度のコカイン中毒でいつもヘラヘラしているが、母親想い。
「母親を哀しませたくないから、もし自分が死んだらヤクといかがわしい写真を処分してくれ」とキンバリーに頼むなど、死の運命を前に覚悟を決められるだけの強さも持っている。

  • ノラ・カーペンター(演:リンダ・ボイド 吹替:定岡小百合(DVD)/滝沢久美子(TV))
シングルマザー。神経質で息子には甘い。

  • ティム・カーペンター(演:ジェイムズ・カーク 吹替:浦田優(DVD)/石井一貴(TV))
ノラの息子で、まだローティーンの少年。ちなみに「ティム」は「ティモシー」の短縮形。
父が死んで以来、女手一つで育てられた。母親の過保護には少々うんざりしているが、まだまだ甘えん坊なところもある。

  • エバン・ルイス(演:デビッド・パートコー 吹替:平川大輔(DVD)/寺井智之(TV))
ファイヤーペイントカーの男。
先日宝くじで大当たりし、得意絶頂だった。

  • イザベラ・ハドソン(演:ジャスティーナ・マチャド 吹替:倉持良子(DVD)/亀井芳子(TV))
白いバンで宅配をしている妊婦。

  • ウィリアム・ブラッドワース(演・トニー・トッド 吹替:銀河万丈(DVD)/西凛太朗(TV))
前作に引き続き登場した葬儀屋。
死を逃れる方法として「新しい命」とクレアたちに示す。












以下、死に様のネタバレ












  • 冒頭のハイウェイ(23号線)玉突き事故
トレーラーの積荷の丸太を固定していたワイヤーが切れ、大量の巨大な丸太が道路に転がり落ちる。
その1つが、倒れてしまったホットコーヒーのカップに気を取られていたバーク警官の車を直撃、フロントガラスを突き破った丸太がバーク警官の頭を吹き飛ばした。
バイクで転倒したユージーンは丸太にぶつかって止まったところを滑ってきた自らのバイクに押し潰され、横転したもののなんとか止まったローリーの車はごみ収集車に追突され爆発炎上する。
キャットの乗った車は丸太を避け切れずに衝突して裏返しとなり、そこへティムが落としてしまったペットボトルがブレーキペダルに挟まり止まり損ねたカーペンター母子の車が突っ込む。
キンバリーの車は激しく横転し、エバンの車はトレーラーの荷台に衝突し炎上。
横倒しになった車の中から、キンバリーは炎上する車の中でシートベルトが外れずにもがくエバンの姿を見る。
その直後、炎の中から現れたトレーラーが彼を車ごと押し潰し、こちらへと向かってきた…

  • キンバリー
予知夢を見て高速入口を封鎖、事故を目撃した後、後続車のトラックが突っ込んできた。
友人たちの乗った車は衝突され爆発炎上、キンバリーは一旦車外へ出てバーク警官と話しており車内に戻る前だったため、無線連絡を終えて戻ってきたバーク警官に庇われて死を回避した。

  • エバン
昨日の残り物(?)のスパゲッティを窓から捨て、料理を始める。この時、冷蔵庫に貼りつけてあった磁石が皿に落ちたことに気付かないまま、その皿の料理を電子レンジで温める。
その最中、腕時計を付け、次に指輪を取り出したところ、磁石を入れて作動させたせいで電子レンジが爆発。
それに驚いて指輪を排水溝に落としたため、それを取ろうと排水溝に腕を入れるが、腕時計が引っかかったのか腕が抜けなくなり、その最中にフライパンから火事が発生。
火が燃え広がった時点でやっと抜けて、消火器で火を消そうとするが不発。
窓から出ようとするが勝手に閉まり、開かなくなる。そのため窓を割って脱出し非常梯子を降りて無事生還………
と思いきや、さっき窓から捨てたスパゲッティに足を滑らせ仰向けに転倒し、そこへ降りかかっていた非常梯子が落下してくる。
非常梯子が一旦目の前で止まったためほっとしたのもつかの間、再び動き出した梯子が右目を貫通した。

  • ティム
歯医者で治療中、鳩が窓ガラスを割って院内に侵入、医者はそれを捕まえようとしたため一旦放置される。
その際、金魚の水槽から漏れた水がコンセントにかかったことで漏電、全身笑気麻酔の機械が故障して酸素が送られなくなり、更には魚型のモビールが口の中に落ちて窒息死しかかる。
ギリギリで戻ってきた看護師が異変に気付いて致命的な事態は回避したが、治療を終えて歯医者を後にした直後、駆け付けたキンバリーから「鳩よ!(鳩が危ない)」と言われ、とっさに目の前の鳩を追い払うとその鳩が工事作業員に直撃、クレーンで頭上に吊っていたガラス板が落下し文字通り押し潰された。

  • ノラ
エレベーターに同乗していた老人が抱えていたマネキンの腕の留め金が髪の毛に引っかかり、パニックを起こしているとエレベーターのドアに首を挟まれ、そのままエレベーターは上昇。
激痛に苦しんだ挙句首が切断された。

  • キャット
エバンとカーペンター母子の死後、キャットの運転する車で残りの全員がイザベラの元へ向かうが、タイヤが突然パンクし牧場に突っ込み、パイプ置き場に後ろから突っ込んで停止してしまう。
尖ったパイプが座席のヘッドレストを貫通し頭に刺さりかけるが、ギリギリでセーフ。
彼女だけ足に材木が挟まってしまい身動きが取れなくなったため救助隊を待ち、救助が開始されたが、隊員がドアをこじ開けようとした際に衝撃でエアバッグが作動してしまい、その反動で先ほど回避したパイプに頭が直撃し脳天を貫通した。

  • ローリー
死亡したキャットの手から落ちた煙草が転がり、オイル漏れしていた近くの駐車中の車に引火し車が爆発。
その爆風で吹き飛ばされた柵の有刺鉄線がローリーの胴体を3つに輪切りした。

  • ユージーン、クレア
キャットの運転する車の事故で大怪我を負って搬送された病院で、病室の換気口が勝手に閉まり密室と化し、酸素供給装置のチューブが外れ、窒息死しかかるもセーフ。
が、そこへ駆け付けたクレアが思い切りドアを開けたことによりコンセントが引きちぎられ引火しバックドラフト発生。大爆発により2人とも死亡。

  • ブライアン(おまけ)
車に轢かれそうになったところを、ローリーに助けられた少年。
ラスト、BBQ中にコンロが爆発。腕は母親の皿の上に…


≪死のルール≫

予知夢での順番は
  • バーク警官
  • ユージーン
  • ローリー
  • キャット
  • ノラ、ティム
  • エバン
  • キンバリー
だったが、全員が「180便の事故で生存者が7人出た」というイレギュラーによって既に1回死の運命を先延ばしにされていた人間であり、その影響から結果的に予知夢と正反対の順番に死の運命が再訪することとなった。

なお、180便の生存者と今回の事故の生存者の関係について、劇中で明かされたのは以下の通り。
  • キンバリー→街頭で流れたトッドの死亡ニュースに足を止めたため、銃を持った車泥棒と鉢合わせせずに済んだ。
  • バーク警官→ビリーの死亡現場へと向かったため、同時刻に起きた別の事件に巻き込まれて殉職せずに済んだ。
  • ユージーン→ルートン先生の後任教師として転任したため、錯乱した生徒に刺殺される危機を回避した。
  • キャット→テリーを轢き殺してしまったバスに乗車していたため、宿泊する予定だったホテルへのチェックインが大幅に遅れ、ガス漏れ事故に巻き込まれずに済んだ。
  • ローリー→前作ラストのパリで起こった看板落下事故の現場にいたため、その後向かうはずだった劇場の崩落事故に巻き込まれずに済んだ。


≪新しい命≫

ブラッドワースが提示した「死の運命を逃れる方法」。
当初は妊婦のイザベラが子供を産むことで連鎖を断ち切れると思われていたが、彼女はもとからリストに入っていなかった。
つまり…
仮死状態になった後心肺蘇生すれば「新しい命」になる…とキンバリーは考えた。
ちなみに、このルールは不評だったために3作目からはなかったことになっている。


キンバリーとバーク警官は『3(ファイナル・デッドコースター)』のDVD収録の未公開シーンで死亡したという新聞記事が出ている。
記事によると、大学を中退したキンバリーと現場捜査を離れデスクワークに就いていたバーク警官は、一連の事件から4年後にギボンズ氏(ブライアンの父親)の農場の近くで買い物中に偶然再会を果たしたものの、ギボンズ氏所有の木材粉砕機にキンバリーが着ていたコートが巻き込まれ、助けようとしたバーク警官諸共引き摺り込まれて死亡したとのこと。






追記・修正は死んでも無理

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最終更新:2024年01月19日 21:54