鳥取クモ屋敷の怪(名探偵コナン)

登録日 :2013/4/13(土) 16:04:26
更新日 : 2017/11/06 Mon 22:42:22
所要時間 :約 13 分で読めます





次の土曜、陽が傾く前に
絡繰峠の武田家に来られたし

さもなくば、また生きた人形が

蜘蛛の餌食になるであろう


鳥取クモ屋敷の怪 とは、『名探偵コナン』において、かつて江戸川コナン服部平次が解決した事件の一つ。
単行本第25巻に収録。アニメでは1999年に3週放送。2007年に1時間に編集したデジタルリマスター版で復活。


【あらすじ】

差出人不明の依頼状で呼び出された平次は依頼料を突き返そうと鳥取へ。
和葉の頼りないナビで迷ってしまったところに、武田家からの依頼で赴いたコナンたちが通りかかる。
事件が連続した武田家は「絡繰峠の蜘蛛屋敷、祟られたくなければ近寄るな」と噂されていた――


【事件関係者】


  • ロバート・テイラー
声:中原茂
日本の景色を愛する陽気なアメリカ人カメラマン。26歳
武田家に行こうとしていたが道に迷ってしまい、途方に暮れていた時に平次たちと出会った。
3年前にもこの周辺を訪れており、土砂崩れにあったところを美沙に救われ恋人となる。
犯行があった時間は、蘭と和葉と共に美沙の墓参りに行っており、美沙の写真を見て泣いていた。

  • 武田信一(たけだ のぶかず)
声:秋元羊介
小五郎の依頼人。武田家長男で人形師。45歳。
依頼者の小五郎には気さくに接していたが、3年前に妻の絹代と娘の美沙に激昂しており、葬式の際にも涙を流すこともなく無表情だったという。
今回の被害者で、密室となった蔵の2階で首を吊られて殺される。張り巡らせた糸に絡まった様は、さながら蜘蛛の巣にかかった羽虫のようだった。

  • 武田龍二(たけだ りゅうじ)
声:古田信幸
武田家次男。東京在住の会社員。38歳。
東京での暮らしが長い為、訛りは抜けている。
休暇を取って里帰りしたが、根岸の事件に巻き込まれた事もあり、信一から「探偵が来るまで帰るな」と言われ、会社に休みを延長してもらい滞在している。

  • 武田陽子(たけだ ようこ)
声:堀越真己
武田龍二の妻。東京在住。33歳。
龍二の付き添いで滞在している。
犯行推定時刻には紗栄や絵未と共に入浴していた。

  • 武田紗栄(たけだ さえ)
  • 武田絵未(たけだ えみ)
声:小島幸子
武田家次男夫婦の娘で双子。紗栄が姉で絵未が妹。9歳。
3年前にはロバートによく懐いていたが、今回は会って早々に彼を「人殺し」と呼んだ。
信一の事件が起きる前に蔵の前で蜘蛛の糸らしきものを目撃していた。

余談だが、アニメ版『黒きドレスのアリバイ』のネクストコナンズヒントが「双子」だった際に、そのイメージに彼女らが描かれている。

  • 武田勇三(たけだ ゆうぞう)
声:宝亀克寿
武田家三男。35歳。
勤めていた会社が潰れてしまい、現在は信一の仕事である人形作りを手伝っている。
信一に依頼された小五郎を迎えに来ており、道中で絡繰峠の蜘蛛屋敷のことを教えている。
3年前にロバートが来た時は武田家におらず、ロバートと入れ違いに帰宅。その後、自殺した美沙の遺体を発見している。

  • 武田智恵(たけだ ちえ)
声:鈴木れい子
武田三兄弟の母。71歳。
蜘蛛御前の祟りを恐れており、今回の事件も蜘蛛御前の祟りだと考えている。
犯行があった時間は、部屋でお経を唱えていた。

  • 塩谷深雪(しおや みゆき)
声:雪野五月
家政婦。26歳
自殺した美沙の友人でもある。
元看護師だが、仕事を辞めた後で美沙の紹介で武田家の家政婦をしている。


【その他の人物】


  • 根岸明雄(ねぎし あきお)
声:中嶋聡彦
人形の流通を手掛けていた男性。
事件の数日前に蔵で首を吊って死亡。小五郎が呼ばれたのは彼の死を調べるためである。

  • 武田絹代(たけだ きぬよ)
信一の妻。
娘の美沙の自殺後、後を追うように蔵で首を吊って自殺。

  • 武田美沙(たけだ みさ)
元看護師。信一の娘でロバートの恋人。
深雪が言うには気が利いて優しい人物だった。
3年前に信一の怒りで額に傷を負っている。
直後の土砂崩れに巻き込まれたロバートを助け、怪我を負った彼を看病していた。
だがロバートが帰国した2、3日後に蔵で首を吊って自殺した。原因は不明。


【レギュラー陣】


お馴染み主人公。
小五郎の付き添いで武田家を訪れる。
和葉の身体(スタンガンによる火傷)を調べる際、子供の体だった事と足から調べていた為か、ビンタは免れた模様。

お馴染みヒロイン。
同じく小五郎の付き添いで武田家を訪れる。
携帯電話のマスコットを探そうと和葉と共に外に出るが、途中で和葉がいなくなってしまった事で心細くなり車庫の隅で泣いていた。ちなみにマスコットは鞄の中のCDプレーヤーに挟まっていた。

お馴染み迷探偵。
信一の依頼を受けてコナン、蘭と共に武田家を訪れる。

お馴染み西の関西弁探偵。
謎の依頼書と金を送り付けられ、金を返すついでに謎を解こうと武田家へ向かう。
だが、バイクがガス欠して遭難しかかったところで、小五郎たちと合流する。
空気が読めない所が目立っており、和葉が紗栄・絵未にあげようとした魚を勝手に食べたり、和葉に「服を脱げ」と言って無理矢理脱がそうとした(無論、和葉にビンタされた)。そして犯人の動機を聞く際も…。


お馴染み関西娘。
鳥取の地理に詳しいという理由で『幼なじみ』のナビを買って出たが、結局迷ってしまった。
現場付近で偶然証拠品を拾った事から、犯人からスタンガンを喰らってしまう。オマケにコナンと平次に身体を調べられそうになった。


【蜘蛛御前】


近辺に伝わる民話。
「峠を通る旅人を虜にして連れ去る美女が出る」と聞き、旅の人形師が一計を案じて峠に赴いた。
現れた美女は何も答えぬ相手(人形)に業を煮やして、蜘蛛の本性を現し襲い掛かったが、側に伏せていた者たちに退治された。
以後、峠には祠が建てられ、人形師に准えて「絡繰峠」と呼ばれるようになったという――

なお、現在の武田家は蜘蛛御前を祀った祠を壊して建てられたもの。


【以下、さらなるネタバレ】

























  • ロバート・テイラー
根岸と信一の両名を殺した犯人「蜘蛛御前」。
コナン達が来る数日前に武田家に訪れたが、住人は出かけていて誰もおらず、人形を取りに来た根岸から美沙の死や美沙が信一の子ではない事を聞き、彼女を侮辱した根岸を殺害。恋人の美沙が自殺したのは信一のせいと判断し、今回の犯行に至る。
根岸殺害後、人形を一つ盗み、電話で信一に「麻薬を取り引きしよう」と約束する。3年ぶりに来たと思わせる為、平次に手紙を送って武田家に向かわせた。
倉の縦の梁にロープを結び、引っ張ると輪が絞まる状態にし、倉の小窓の窓枠を囲むような形にして四隅を糸と画鋲で固定する。ロープの結び目に別の糸を結び、横の梁にくぐらせて外に垂らし、軽トラックに結びつけた。
信一に「倉で取り引きをするから戸に鍵をかけろ」と指示を出した後、小窓の戸にエアガンでBB弾を発射し、信一がその音を聞いて小窓から顔を出した瞬間に車を発進。するとロープと糸が引っ張られ、ロープの輪を留めていた糸が外れ、首を絞められた信一はその勢いで頭を梁にぶつけて即死。ロープに結んであった糸は切れ、宙に打ち上げられた信一の遺体は天井に張り巡らされた糸の海に落ちた。墓の途中で蘭達が夜景を見ている隙に軽トラックに結んであった糸とエアガンを処分した。
和葉が拾ったものはエアガンで撃ったBB弾であり、それを見つけられたため、彼女も襲った。2人を糸で絡めたのはロープの輪を止めるのに使った糸を誤魔化す為である。
探偵たちがロバートに疑惑を抱いたきっかけは「突発的にやってきたのは平次・和葉・ロバートの3人」のはずが、「夕食で主菜が足りないのは2人分」だったため。そして推理の際、現場の状況を知らないのにも関わらず、「信一が糸に絡まって首を吊っていた」と口を滑った事が決定的な証拠となった *1

  • 武田信一
事件の(ある意味本当の意味も含めた)被害者。
20年もの間、美沙を娘と思いながら育ててきたが、3年前に病院で真実を知らされ、騙された怒りで妻と美沙をいびるようになる。
葬式でも涙ひとつ流さなかったのはそのためである。

その一方、裏で根岸と組み、人形に麻薬を詰めて売りさばいていたが、「高額の人形を購入額とほぼ同等の修理費で直す」、「構造の簡単なはずの繰り人形の方が絡繰人形より費用が高い」、
「にも拘らず多数の依頼が舞い込み続ける」といった矛盾から、捜査中のコナンたちに密輸の手口を暴かれた。

作中では描かれていないが、この一件で麻薬入り人形の購入者が芋づる式に発覚し、ほとんどが逮捕されたと思われる。

  • 根岸明雄
事件の被害者。
ロバートに美沙の出生の秘密をバラし、その時に美沙を罵ったため、衝動的に殺された。
信一の麻薬売買に関わっており、自身も麻薬を服用していたらしい。

  • 武田絹代
ある意味、事件の元凶。
子供を欲しがる夫に応えていたが、その夫が授精できない体だと知り、{弟である龍二とで授精し、}美沙を出産した。
一応、人工授精の可能性もないわけではないが、夫の弟と子作りとは凄い発想である。

  • 武田龍二
美沙の実父。
涙ながらに頼む兄嫁を断り切れず、子作りに協力していた。
名乗れない関係であったが、自分のせいで娘と兄嫁を死なせてしまったことに後悔しており、葬式では大泣きしていたとのこと。

  • 武田紗栄・武田絵未
3年前、美沙に頼まれロバートに美沙をどう思っているか聞きに行ったことを明かす。

  • 武田智恵
美沙の父が龍二であることに最初から気付いていた。
「美沙・紗栄・絵未」と娘の名前がしりとりで一周するのは彼女が名付け親だったためである。


【最後のネタバレ】

























双子「シャイン?」

  • 自殺の真相
3年前、帰りのバスで美沙に頼まれた双子から「美沙をどう思うか」と尋ねられたロバートは紙に「shine」と書く。
ロバートは「シャイン=光のような人(=愛する人、結婚したい女性)」という意味で記したのだが、もともと精神不安定の鬱状態だった美沙は(看護中のロバートとの筆談がローマ字で行われていたこともあって)恋人から「死ね (shine)」と言われたと誤解し、その3日後に自殺してしまったのだった。
また当時6才の双子に英語がわかるわけもなく、根岸 (negishi) の名刺からローマ字読みの「死ね」であると誤解。
再会した時の態度もそのためであった。

  • ロバート・テイラー(続き)
犯行を自供した際、平次に無関係な和葉まで巻き込んだ事を問い詰められ、「もう何がどうなってもよかった」と心無い言葉で逆ギレし、激昂した平次に自殺の真相を聞かされてしまう。
本来、コナンたちは自殺に追い込みかねないので真相を伏せるつもりだったが、真実を知ったロバートは結果的に自分が恋人を自殺に追い込んだと悟り、ショックのあまり、力なくその場に崩れ落ちる。
その翌朝、ようやく到着した鳥取県警に逮捕され、パトカーの中で…

なんで僕は日本人じゃなかったんだ… なんで彼女はアメリカ人じゃなかったんだ…

…と、まるで壊れたからくり人形のように何度も同じ言葉を口にするのだった―。

  • 武田紗栄・武田絵未
誤解でロバートに「人殺し」といったことを謝ろうと思っていたが、事件の真相を聞かされないまま、その機会を失う
ロバートの仕掛けたトリックを見ていたが、智恵に蜘蛛御前の仕業だと教えられ、ロバートも自分の国に帰ったと聞かされて安心していた。


【余談】
SHINE→死ねだけを取り上げて某「動機はハンガー投げ」事件と並んで笑えるネタとして語られることが多いが、
実際は上記のようにコナンでは珍しい陰湿で救われない結末の悲しい事件となっており、
最後に平次がロバートにした行為もそれ故に賛否両論となっている。


追記・修正は絡繰人形を使ってお願いします。

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