登録日:2009/06/26 Fri 15:20:36
更新日:2024/04/19 Fri 11:06:23
所要時間:約 57 分で読めます
何でこんな事を……また戦争がしたいのか、アンタ達は!!
人種:
コーディネイター
生年月日:C.E.57年9月1日
年齢:16歳(番組開始時)
性別:男
身長:168cm
体重:55kg
星座:おとめ座
所属:
ミネルバ→プラント国防省直属特務隊FAITH→ヤマト隊
搭乗機:
+
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以下『SEED FREEDOM』のネタバレが含まれているので注意 |
- STTS-808イモータルジャスティスガンダム
- ZGMF/A-42S2デスティニーガンダムSpecⅡ
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概要
ザフト軍所属の第2世代コーディネイター。
アナザーガンダム初、そしてガンダムテレビシリーズ初となる
「物語開始時点で既に軍人だった主人公」でもある。
ちなみにガンダムシリーズ全体で見ると、
バーニィ、
ウラキ、
シローに次ぐ4人目。
加えてテレビガイド誌『ザテレビジョン』で初めて表紙を飾ったガンダムシリーズのキャラクターでもある。レモンもしっかり持っている。
人物
非道や理不尽、非人道的行為には憤る素直で正義感の強い人物だが、感情的になり易く、自制心に欠けるきらいがある。
その為、行動力はある反面、時に周囲が見えなくなって無茶な行動を起こしてしまう事も。
歳相応に子供っぽい面もあり、自分が納得いかない事に対しては、例え教官や上官であろうと反抗的な態度を向ける事が多々ある。
また自分の非を認められず、悪い事態や状況を他人のせいにしてしまいがちな面も多々見受けられる。
良くも悪くも……というか、概ね悪い意味で感情がそのまま態度に出てしまう裏表の無い性格。
しかし参加した任務の達成率自体は高く、また重罰行為を起こしてもそれを自覚しながらも帰還する等、組織への帰属意識もある。
……と言えば聞こえは良いが、幾度となく命令違反を繰り返したり、民間人の扱いを見かねてとはいえ命令外の破壊活動をしておきながら、
そこまで重い懲罰を課されなかったことで時折増長していた場面等もあり、軍人としての責任や事態の深刻さを理解していなかった節が散見される。
特に「一介の軍人が他国の代表者を面と向かって侮辱する」「上官の命令を無視して戦闘を継続する」などは、本来ならその場で首が飛んでもおかしくない重大な問題行為である。
また、従来のガンダム主人公たちが、周囲の大人達の言葉や様々な人物達との出会いや別れ等によって「力の成長」と共に「心の成長」も得ていくのに対して、
シンの場合はパイロットとしての力は成長しても心の成長は見られず、上官に対する態度は一貫して少し悪いままだったり、議長や軍上層部に実力を認められたとして増長したり、
自分の行動の責任を外部、後半ではロゴスに押し付け、自己反省どころかあまり顧みること自体せず、自己正当化ばかりしてしまったり、
親しかった上官の脱走等でストレスを溜めて情緒不安定からノイローゼになったりと、結局性格で問題のあったところは殆ど改善されないままに
最終回を迎えてしまった。
ただ、これに関しては完全にシンだけの責任とは一概には言えず、状況に流され中途半端な姿勢で戦いながら何かと口出ししてくる
アスランについ反抗してしまったり、
タリアやアーサーといったミネルバの上官達がシンに必要以上に干渉しようとしなかった事、
自身の理解者だったレイや
デュランダルでさえも結局はシンを都合の良い『力』として利用していたに過ぎなかった事など、
周囲の人間関係に恵まれなかった事も原因の一翼を担っていると思われる。
補足すると、シンはいきなり家族全てを喪ったこともあって、普段の強気な振る舞いとは裏腹にナイーブな少年でもあり、
非番時には友人と出かけたりもするが、部屋で妹の遺品である携帯電話に遺された妹の肉声を聞いたり、家族の写真を見たりしていてあまり親しくない人物とは積極的に関わろうとしなかったため、
アスランのように能動的に接触しようとしなければ会話する機会がそもそも少なかったので、タリアたちだけに責任を求めるのも酷な話である。
そもそもミネルバも少し硬いだけでそんな風通しが悪いような描写はなく、アークエンジェルの様な距離の近さがむしろ異常なだけである。
ちなみに、事故で
ステラ・ルーシェの胸を鷲掴みにしてしまって顔を真っ赤にしたり、
海に落下して溺れたステラを(別段それまで何の関わりがあった訳でもないのに)危険を顧みずに自分も海に飛び込んで救出したりと、
戦争に関わっていない時は、善良でむしろお人好しに近い普通の少年である。
今でも亡き家族を想っていることからも分かるように、友人や恋人といった近しい人間に対する情もかなり深く、
友人から恋人となった
ルナマリアに対しては、恋仲になってからはやや過保護なくらいに彼女を気にかけていた他、
反発していたとはいえ自分を気に掛けてくれたアスランへの追討命令が出された時には凄まじく動揺し、必死に投降を呼びかけている。
レイの示すまま、彼や議長の“敵”と戦っていたのも、友人のレイの頼みであるということがシンの中では大きな理由の一つであったと思われ、
小説版では、自分や議長のためにシンを彼が本来嫌っている
戦争に行かせている点について、レイが心苦しく思っている描写が足されている。
パイロットとして
士官学校(アカデミー)の卒業成績が20位以上だった者が纏える赤服を授与されている他、
当時最新鋭機であったインパルスのテストパイロットに選ばれ、そのまま正規パイロットに任命されるなど、
アカデミーを卒業した時点でザフト上層部にもMSパイロットとしての将来を嘱望されていたと推測される。
遺伝子による資質を何よりも重要視していたデュランダル直々に見出されただけあって、
劇中では「SEED」を発現させてフリーダム(キラ)と渡り合って一度は勝利を修めるなど、パイロットとして有り余る才能に恵まれている。
反面家族を戦火で喪った
トラウマが行動原理となっている事から激情に駆られやすく、感情のままに問題行動を起こすこともあるなど、
そもそも実年齢が若いこともあるが、軍人としては精神的には未熟な面が見られる。
来歴
かつてはオーブ連合首長国に移民して来た民間人だったが、地球連合軍によるオーブ侵攻戦の際戦闘に巻き込まれ、両親と妹を目の前で喪ってしまう。
その後はオーブ将校である
トダカに暫く世話になっていたが、彼の勧めでプラントへの移住を決める。
なお、「シンの家族に直撃した流れ弾を撃ったのは
フリーダムで、シンにとってキラは家族の仇である」と断定的に語られる事も多いが、
直前のアングルと急激な場面転換、空を飛び回るフリーダムを恨めしそうに見上げるカットがある関係でそう見えなくもないというだけで、
明確にシンの家族の仇が誰(何)であるかの設定は存在せず、どの方角からの砲撃なのかすらも実は不明。
総集編でフリーダムと
カラミティの砲撃シーンがカラミティだけになった事についても、
「カラミティに責任を押し付けた」「空に向けて撃ったカラミティの砲撃が山に着弾しているのはおかしい」という声もあるが、
「そういう意図があったのではないか」と疑惑を向けるのはともかく、「フリーダムがシンの家族の仇である」という前提で批判するのは過剰である。
さらに言えば、シンも家族が流れ弾で死んだ瞬間は妹が落とした
携帯を拾いに向かっていて命拾いしたこともあり、
流れ弾を撃ったのがどの機体かどころか、おそらくどこから流れ弾が飛んできたのかすら分からないと思われ、
シン当人も、フリーダムが家族の仇だと思っているわけではないと思われる。
小説版ではシンが見上げた空に浮かぶ彼の家族の仇は
「上空を飛び交う死の天使たち」と形容されている。
そして、トダカの勧めでプラントへの移住後、適性検査で軍人の道を勧められた事からザフトの軍学校(アカデミー)に入学。
アカデミーでは当初の成績こそ良いものではなかったが不屈の努力で実力をつけ、卒業後は成績上位者10名の証たる赤服を纏う事を許されてミネルバに配属。
同時に新型MS「セカンドステージシリーズ」の一機であるインパルスのパイロットとなる。
ちなみにミネルバの同僚であるレイ、ルナマリアとはアカデミーからの友人で、ルナマリアの妹であるメイリンとも面識はあった様子。
作品序盤では実戦経験が不足していた事もあってあまり目立った活躍は無かったが、中盤でSEEDを発現。
その後は地球連合及びオーブ軍艦隊を単機で壊滅、クレタ島沖の戦いで
アビスを撃破する等、鬼神の如き活躍をする。
しかし、この激戦の最中、特攻を仕掛けてきた恩人であったトダカが乗る空母タケミカズチを沈め、戦死させてしまっている。
互いにかつての恩人・保護した少年が乗っている事は遂に知らないままであった。
この頃から戦功が急増した事で、後々まで付いて回るどころか悪化していく増長が始まり、
戦闘途中で発見した地球軍の前線基地を独断で壊滅させるという勝手な行動を取るまでになる。
この件は、現地民を強制徴用する、戦闘のドサクサに紛れて脱走しようとした現地民を射殺する等、地球軍の行為も間違いなく非道ではあるのだが、
「勝手に行動」し、戦時下かつ軍人相手、先に手を出したのは相手側とはいえ、
「基地側が戦闘能力を喪失しても攻撃を続行し非戦闘員まで殲滅する」という行為は軍人として大問題である。
当然上官であるアスランからは叱責されたが、助けた現地人達は地球軍から解放された事を喜んでいたため、
シンはアスランからの叱責の意図がイマイチ理解できず、反発心だけが高まる結果となった。
ただ、アスランに叱責されたことはともかく、二度も殴打されたことについては「流石に理不尽」と言われる事もあるが、
殴るのは正当ではないがそう理不尽というわけでもなく、本来なら軍事裁判で裁かれるべき問題行動である。
ただし、肝心の叱責も、内容も間違いではないが具体性にやや欠けており、
その意図が伝わりづらいという意味ではアスランにも非は全く無いわけではない。
もちろんシンの行動は叱責されてしかるべきであったが、アスランももう少し言い方ややり方を考えるべきだっただろう。
その後のガルナハン基地攻略では困難を通り越して無茶な任務を見事に成功させ、
更にディオキア基地入港時にはデュランダル議長から直々に褒めの言葉を賜るものの、
一方で、彼の増長は一層増す事になる。
この頃には、
ハイネがミネルバに配属されたことによって、彼の仲介もあってアスランとの関係に改善の兆しが見えたり、
ステラと再会し、溺れかけた彼女を助け、介抱したお礼に貝殻を贈られるなど、
地球連合の『G』強奪からこっち、ずっと戦闘や任務続きだったシンの環境は少し落ち着きを見せ、
彼自身の心や人間関係にも、若干の変化が現れ始める。
もしかしたらこの時期が一番、シンにとって精神が安定した時期だったのかもしれない。
しかし、黒海での戦闘でハイネが戦死したことを皮切りに、シンを取り巻く環境は再び緊張感を増し、
ハイネの死の遠因となり、無差別攻撃でミネルバにも損傷を与えた
フリーダムに敵意を向け始めると共に、
昔の仲間とはいえ、フリーダムや
アークエンジェルを敵視しきれないアスランとの関係も、再び冷え込み始める。
その後の地球連合軍のエクステンデッド研究所調査中、突如襲撃してきた
ガイアを迎え撃つことになったシンは、
ガイアをなんとか無力化し、連合から同機を奪還することに成功するも、
そのパイロットがステラだったと知り、驚愕しつつも直ちに彼女を連れてミネルバに帰艦、そのまま医務室まで運び込む。
この際、敵軍のパイロットを無断で医務室まで運び込む、医務室の女性スタッフが暴れだしたステラに首を絞められる事態を起こすなどしたため、
またしても明確な軍規違反を犯したことでタリアから叱責される事になり、シンとステラの関係を知る由もない他のクルーからも、(彼らから見て)突拍子もない行動に疑問を抱かれる事となった。
後の調査で、ステラが人工的に強化されたエクステンデッドであること、シンと出会った記憶が失われていること(後に記憶を取り戻している)が判明。
シンとの記憶を取り戻したことで、ステラの精神状態は安定していったが、一方でその身体はみるみるうちに衰弱していき、シンはそのことに心を痛めていたが、
結局原因が分からないことでミネルバにいる限りステラは遠くないうちに死亡することと、
軍上層部はステラの遺体を貴重なサンプルとして解剖するつもりであることを知り、激しく動揺する。
そして、このままミネルバに留め置いてもステラに未来はなく、死後にもその遺体を弄ばれることを嫌ったシンは、
ステラがうわごとで口にした、おそらく彼女が信頼している人物の「ネオ」に彼女の身柄を渡すことを決め、
シンの心境に共感したレイの協力の下、独断でステラを連れ出し、ネオと接触。
「二度と死に触れる事のない、暖かい世界にステラを返す」事を条件にステラを彼に引き渡した。
この時のシンの「クルーへの不当な暴行」「捕虜の無断解放」「(脱走同然の)無断発進」「敵軍との無断接触」という行為は超ド級の問題行為であり、
シンも自分の行動が問題行動であり、重罪として裁かれることを覚悟はしていたが、
「軍人としてはともかく、人間として間違った行動はしていない」という認識でもあったため、
タリアから叱責されても全くひるまず、堂々とその考えを伝えた後、処分が下るまで営倉に入った。
……が、この件を司令部へ報告した後に通達されたシンへの処遇はまさかの「不問」であった。
タリアやアーサーも、シンの行為がとんでもない軍法違反であり、銃殺刑に処されてもおかしくないと認識しつつ、
特にタリアは、公的な報告書とは別にデュランダルに私信を送るという、様々な手を使ってまで、銃殺だけは回避しようと動いていたのだが、
それにしても、「拘束中のエクステンデッドが逃亡の末死亡したことは遺憾であるが」という明らかに事実と食い違う文面には、流石に疑念を持たざるを得なかった。
また、どれほどの罪と判断していたのかは不明だが、自分でも罰せられて当然と思っていたのにお咎めなしという沙汰が下ったことで、
ステラの無断返還の浅慮さを説いたアスランに対して嫌味を言い放つなど、シンの増長は更に進んでしまう。
同時に、シンがそこまでしてステラを助けようとした理由を理解した上で、彼に協力したのがレイだけであったことが、後々まで響くこととなった。
ベルリンを
デストロイが襲撃した際は、インパルスがミネルバ艦載機で唯一の稼働機だったため、AAに遅れて参戦。
攻めあぐねていたフリーダムを差し置いてコクピットハッチを切り裂く活躍を見せるも、
直後に、デストロイの護衛に就いていたネオからデストロイのパイロットがステラである事を知らされたため、
攻撃を続けるフリーダムを抑えたうえで、自らは攻撃を中止し、ステラを説得しようと試みる。
そして、一度は説得に成功するも、慕っていた
ネオを撃墜したフリーダムが視界に入った事でステラは再び錯乱してしまい、デストロイも再起動。
止めるシンの声も届かず、攻撃態勢に入ったデストロイは、射線上にいる
インパルスごとフリーダムを攻撃しようとし、
シン(インパルス)が説得を始めた際には、事情は分からないながらも何かを察して攻撃を止めていたキラも、
最早静観は出来ないと意を決し、臨界状態にあったデストロイのビーム発射口にフリーダムの
ビームサーベルを突き込んで破壊。
破壊されたビーム発射口の爆発が機体各部に誘爆したデストロイは大破し、擱座する。
ステラはシンの手でコクピットから救出されるも、件のビーム発射口がそのコクピットから非常に近い位置に配置されていた影響もあり、
先のフリーダムの攻撃とそれで起こった爆発によって既に致命傷を負っている状態であった。
そしてステラは、自分を看取るシンに好意を伝えると、穏やかな顔で、彼の腕の中で息を引き取った。
かつて家族を喪った時のように、何もできないまま愛する人を喪ったシンは、その時と同じく、ただ慟哭するしかなかった。
このことでシンはフリーダム、及びキラに決定的な憎悪を向けることになる。
ただ、デストロイにステラを載せたのは地球連合であり、ベルリンの災禍そのものには当然シンに責任はなく、
むしろ、シンが説得すれば投降させられるかもしれないステラがパイロットであったという点では、
他のエクステンデッドが乗っていた場合よりマシだったと言えるかもしれない(尤も、ステラでなければシンがさっさとコクピットを潰して終わっていた可能性もあるが)。
しかし、「ステラが信用している相手だから」という理由だけで、まさにそのステラを戦場に向かわせていたネオに彼女を託してしまい、
結果、ステラはデストロイに搭乗させられ、戦場に向かわされたという点については、シンとレイに一抹の責任はあると言える。
また、ミネルバ側も「シンが殺されそうならデストロイ撃破もやむを得ない」と腹を括っていたので、
仮にデストロイの主砲を攻撃して撃墜し、ステラの死を招いたのがレイやアスランであれば、
シンもステラの死に心を痛め、一時的に彼らに敵意を見せることはあっても、自分を守るための不可抗力だったと飲み込めた可能性もあったが、
折り悪くこの時にミネルバの艦載機で、大気圏内で満足に活動できるのはインパルスくらいであり、
キラとシンの仲介役になれる唯一の人間であるアスランも、乗機のセイバーを撃墜されていて出撃できなかった。
どのみちステラの死を回避することは出来なかったとしても、今後のシンにとっては最悪のタイミングでのデストロイのベルリン襲撃だったと言えよう。
ベルリンでの戦闘終了後はステラの遺体を持って周囲に無断で現地を離れ近隣の湖に移動、そこでステラを水葬に付した。
またしても勝手な行動を取ったシンであるが、上層部からはこれまた不問に付される事となった。
そして、ステラの仇討ちに燃えるシンはレイと共にフリーダムの戦闘データを解析し、
続く
エンジェルダウン作戦にてキラの戦闘パターンの利用とインパルスの特性を最大限に活かした戦法で見事撃墜に成功。
その後、フリーダム撃破で舞い上がったシンは、フリーダム撃墜を責めるアスランを、彼にとってフリーダムはかつての仲間であることを知りつつ
挑発。
アスランはそれに対して殴打で応え、ここに至って両者の関係の亀裂は決定的なものとなった。
ミネルバがジブラルタル基地に寄港した後はその功績を讃えられ、
デスティニーを受領する。
しかし、同日夜に危険が迫ったアスランがメイリンと共に脱走する事件が発生し、これを追撃する任務にあたる。
シンはアスランに投降するよう説得するも、レイの各種工作からシンは脱走の経緯を知らなかったため、アスランは投降には応じず、
葛藤の末、レイの後押しもあってシンは二人の乗ったグフを撃墜。
友人の妹であるメイリンはもちろん、その不器用さ故に反発していたとはいえ、真摯に自分に接してくれていた人物であるアスランの乗る機体を撃墜したことは、
シンの心に大きなショックを与え、同じくアスランと妹を失ったことにショックを受けたルナマリアと依存し合う様に急速に距離を縮めていった。
その後のオペレーション・ラグナロクにおける地球連合最高指令部――ヘブンズベース攻略作戦では、量産されていたデストロイを始めとした敵勢力を相手に活躍を見せ、
スティング機を始めデストロイ複数機を撃破する等、多大な戦果を上げる。
その功績が認められたシンはレイと共にFAITHに任命されるが、命令違反等が多数且つ指揮能力等の基準も満たしているとは言えなかったシンが任命された事については、タリア等からは疑問視されていた。
そして、ブルーコスモスの盟主である
ロード・ジブリールを、セイラン家が支配するオーブが庇ったことを確認したザフト軍が発令したオーブ攻略作戦、オペレーション・フューリーでは、
ミネルバ隊と共に作戦に参加したシンはオーブ軍MSを多数撃破し、
カガリの
アカツキと交戦。
技量差もあって終始優位に戦いを進めるも、撃破寸前に
ストライクフリーダムの介入を受ける。
VPS装甲のデスティニーに対して
レールガンを使うなどのキラの不殺戦法を不遜と受け取ったシンは激昂するが、
デスティニーのエネルギー切れとレイの説得により、一時撤退するしかなかった。
ちなみに、キラの「実弾兵装に高い防御力を誇るVPS装甲の機体に敢えてレールガンを撃ち込む」というこの行動は、
シンが激昂していた通り「これがビームならお前は死んでいたぞ」という挑発にしか見えなかったという視聴者も多く見られたが、
後に「レールガンの衝撃でコクピットのパイロットに危害を加えずに気絶させて無力化する意図があった」と説明されている。
第二次攻略戦では、レイの
レジェンドとの連携で
ストライクフリーダムと互角以上に戦うが、
アスランの乗る
∞ジャスティスが戦闘に介入して逆に撃退された上、
どちらからも追われていたジブリールがセイラン家のシャトルで宇宙へ逃亡した為に、作戦自体済し崩し的に終了してしまった。
月面裏に位置するダイダロス基地攻略戦では圧倒的少数の中で奮闘。ロゴス派の地球軍で構成された守備隊を次々撃破し、任務も完遂した。
その後、デュランダルは
デスティニープランを公表。
同時期に戦友であるレイから自身の生い立ちを知らされたシンは、迷いを残しながらもザフトとして戦う事を選択する。
メサイアへ侵攻してきたオーブ軍との決戦では、ルナマリアの乗るインパルスを中破させた(※コクピットは狙ってない)アスランに激昂し、戦闘を開始する。
戦闘に突入してなお、自らを説得しようとするアスランにシンは反発しながら攻撃を続けるが、そもそもシンはアスランと戦うことを望んではいないことや、
デスティニープランを肯定しきれていないこと、自身の行動がオーブの滅亡に繋がっていることを自覚していることなどの心理的ストレスにより、深刻な焦燥状態に陥っていく。
そこに、自分たちの戦いを止めるべくルナマリアのインパルスが割り込んできたことで、ついにシンの精神は限界を迎え、
トラウマのフラッシュバックからか、ステラやマユの幻影を見て錯乱した後、フリーダムと誤認してインパルスに攻撃を仕掛けてしまうも、
意を決して『SEED』を発現させたアスランに力づくで止められ、ルナマリアを傷つけることは避けられたものの、デスティニーは撃墜され、シンも昏倒する。
意識を失ったシンは、ステラと語り合う夢を見る。
ステラを護れなかったことを謝るシンに、ステラは笑顔で「シンが“昨日”をくれたことに感謝している」ことを告げ、
そして、「“明日”があることの幸せ」を語ると、生前の可愛らしい笑顔のまま、光の中へ消えていった。
その後、意識のない自分を心配して必死に呼びかけるルナマリアの声で目覚め、彼女の膝の上で目覚めたシンの目に先程までの錯乱はなく、
デスティニーが墜落した月面で、ルナマリアと共に涙し、抱き合いながら、終戦の時を迎えた。
本編終了後、オーブの戦没者慰霊碑で再会したキラと和解し、ザフトの所属となった彼の下に配属される事となったらしい。
メサイア攻防戦が苦い記憶になったことは想像に難しくないが、結果的にこの体験はシンの成長に繋がることとなった。
なお原作世界では、アスランとの蟠りは未だ解消されていないが、何だかんだ互いを認めてはいる模様。
アスランもシンを心配して気に掛けてはアドバイスしているつもりではあるが、結局似た者同士とも言える。
その後のシンについては、インタビューにて家族の
死の悪夢に魘されながら戦っていると語られている。
余談だが、仮にメサイア攻防戦でザフトが勝利していた場合、
デスティニープランのこともあるが、それ以前にオーブが消し飛んでいたため、シンに新たなトラウマが追加されることは確実だった。
そのことやシンのその後(デュランダルの剣として活動する場合)を考えても、メサイア攻防戦で負けたこと自体はメタ的には不遇でもそのせいでシンは不幸という話にはならなかったりする。
オーブに移住するより前の経歴は不明。
地球に住んでいたからか地球出身だと思われがちだが、C.E.55年には地球でのコーディネイター施術は禁じられているため、
遺伝子調整を受けたコーディネイターである以上、シンの出生は月かどこかのコロニーということになる。
+
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ネタバレが含まれてるので閲覧注意 |
今作ではコンパスの一員でキラの部下として登場。
まず結論から言う。
『DESTINY』の頃の余裕の無さがほとんど見られず、戦闘時・緊急時以外は明るい表情や無邪気な言動が目立ち、
緊張が続き、味方側のキャラクターの大半が曇る序盤の清涼剤と言えるほど、性格・言動共にトップクラスで明るい。
つまりメンタルが全回復しているのである。それが具体的になにを意味することになったのかは後述。
多くの者が気になっていたキラとの関係は完全に修復どころか超プラスの方向に傾いている。(アスランとの関係? お察しください…。)
その様は正にキラの忠犬である。ただそんなキラが一人で無茶ばかりする状況にはヤキモキしている模様。
実はこれまでのスパロボ等の原作終了後扱いの外部出演での性格がズレまくっていた事が判明してしまったが、これを予測しろという方が無理がある。
そんな時に自分が「フリーダム・キラー」という異名を持っていたことを(シンを嫌っている)アグネス・ギーベンラートから聞かされてしまう。
もちろんキラを慕っているシンはショックを受けてしまい、これが理由で自分はキラに頼って貰えないのではないかと不安になっていた。
ちなみにあまりにも明るすぎて幼児退行していると思われる事すらあるが、
そもそも『DESTINY』までのシンは、 ほんの数年前に戦火で家族を全て喪い、あまつさえその無残な遺体を直視してしまうというトラウマを抱え、
ザフト内の立場による重圧と戦闘が続くことに起因する極限のストレスに晒されるなど、年の割に重すぎるものを背負っていて全く余裕がなかったため、
こういった背景を考慮すると、『FREEDOM』のシンがほぼ彼の「素」なのは間違いない。
なんか前作では暗かったのに続編で突然本来の素を出して明るくなったとかどっかの仮面ライダーみたいである。
補足すると、『DESTINY』の時に度々見られた上官に対する無礼な態度や命令無視などは完全に見られなくなった上、
アグネスの嫌味もほぼ聞き流しているので、軍人として、人として 本当に大きく成長している。
とはいえ、相変わらず空気が読めない欠点は残っているが……。
キラの部下として、物語には最序盤から登場。
繰り返されるコーディネイターとナチュラル(正確にはブルーコスモスの残党)の戦いを仲裁するために戦場を駆けている。
なお、この時点での彼の乗機は、なんとイモータルジャスティス。
アスランと折り合いが悪かったシンが、何の因果か彼と縁深い「ジャスティス」の名と見た目を継承するMSに搭乗し、
出撃時に「シン・アスカ、ジャスティス行きます!」とコールする一連の流れはどこか不思議なものを感じる。
ただ幾ら帰来の性格を取り戻したとはいえ、終わることのない戦いの連鎖には彼もうんざりしており、「こんなこと、いつまで続けるんすか!?」と怒りを示している。
序盤の戦闘はCGを多用し非常に目まぐるしく場面が切り替わる為に目で追い切れない部分も多く、
その上イモータルジャスティスの戦闘シーン自体がギャンよりも少ない為余り活躍していないようにも見えがち。
が、逃げ遅れた民間人の為にシールドを捨てて内側に避難させつつ防御能力が大幅に低下した状態で戦闘を続行、
更にキラに認められたいが故なのか可能な限りパイロットを殺害せず無力化する不殺戦法を取り入れている。
その他にも、
- 地上の敵機と戦いつつ別方向からの攻撃を最小限の動きで見事に回避しつつヘッドショットで無力化。
- 上記から続けざまのビームライフル三連射で空中のミサイルを三機撃墜。
- 不意打ちを完全に見切って反撃、瞬く間に無力化。
と、『DESTINY』の頃から衰えないシンの操縦技術を短いカットで実感可能な見応えのあるシーンとなっている。
しかし同時に、かつて自分とミネルバを撃沈したアスランが搭乗していたジャスティスの後継機に乗っていることや、
慣れない不殺戦法を執っている為かどことなく動きがぎこちないようにも見え、違和感を覚えた視聴者も多い。
その後は任務でファウンデーションに入国。最強と謡われるブラックナイツと邂逅することに。
彼らの隊長であるシュラ・サーペンタインがキラを煽ったことで、シンの怒りに触れキラの代わりに剣での決闘をすることに。
だが、シュラは圧倒的な身体能力に加えシンの太刀筋を完全に見切っており、シンは成す術なく叩きのめされてしまった。
「やはりアスランが最強か」とシンをコケにするシュラに思わず激怒しかかるが、この場はキラの制止で一旦引き下がった。
その後は落ち込むかと思いきや、招待された王城で普通に食事をドカ食いしていた。
なお、各国の首脳が集まる会場なので、当然高級料理も並んでいたと思われるが、
シンの皿に載っていたメニューは唐揚げやらチャーハンやらフライドポテトやらと極めて茶色く、やけに庶民的。
また、シンがいない時にルナマリアとアグネスが険悪な会話をするシーンでは、
二人の会話が聞こえていなかったのか、それとも「いつものアグネス」くらいに捉えて全く気にしなかったのか、
暢気な調子で「何の話?」と会話に割り込み、二人のために取ってきたらしきケーキを差し出すという斜め下の気遣いをしている。
そしてファウンデーションからの依頼により、ブラックナイツと合同で、
テロリストの鎮圧及び首魁であるミケールの確保をすることになるのだが、そこで状況が一変する。
この任務自体がファウンデーションの罠であり、彼らの目的は自分たちの本懐を果たすため、
コンパスやテロリスト、それどころか自分たちの国すらも葬り去るという恐るべき目的を掲げていたのだ。
この罠によりキラは危機的状況に陥り、シンもブラックナイツの襲撃を喰らうことに。
ただでさえ強い敵なのに数の不利や機体性能差、挙句にキラも危険という何もかもがシンにとって最悪の状況だったため、彼も戦うどころの話ではなかった。
そのままグリフィン・アルバレストに一方的に嬲られ、アークエンジェルが轟沈する様に気を取られた隙に胴部を両断されて敗北。
イモータルジャスティスを放棄し脱出するも、グリフィンに執拗に狙われ、無防備なところをあわや殺されかけるが、
駆け付けたヒルダ・ハーケンのギャンに救出され、なんとか生存する。
そしてここでシンを仕留められなかったことこそが、ブラックナイツ最大の致命的ミスに繋がるのである……。
その後はアスランやメイリンのフォローもあり、逃げ延びて身を隠すことに。
ここで完全にキラは心が折れてしまうのだが、アスランが喝を入れるためにキラを フルボッコにする。
余りにも一方的だったからか、流石にキラの方に加勢しようとするのだが、 タイミング悪くアスランの拳が命中したばかりか、
周りが見えていないキラからも流れ弾ならぬ流れパンチをもらうという散々な結果に。
これを喰らっても平然と立ち上がりキラに加勢しようとした辺り、DESTINY本編でも度々描写されたシン本人の頑丈さが良く分かる。
このシーンは沈痛な空気の中で 「手も足も出ずボコボコにされるキラ」「アスランの爆弾発言に唖然とする一同」「文字通りのダブルパンチを喰らって吹っ飛ばされるシン」という、
「 シリアスな笑い」な状況に隠れがちだが、キラの 「君たちが弱いから!」という かつてのシンなら間違いなくキレて食って掛かっていたであろう発言に対して、
特段怒りを見せずに、キラが普段言わないであろうそんな言葉を口にした事実を受け止めるシンという、
またもシンの精神的な成長と心境の変化を感じさせてくれる場面でもある。
時系列は前後するが、元アークエンジェル組と共にミレニアムに艦を乗っ取ろうとする特殊部隊に扮して合流を試みた末、
敵襲に備えて武装し警戒しているルナマリアに正体を隠したまま銃を突き付けて脅すという笑えない冗談を仕掛けた結果、
彼女に自分の正体に気付かれず、投降すると見せかけて反撃された上にそのまま殺されかけるというシャレにならない事態を起こしかけている。
なんとか殺される前に自分の正体を明かしたことで、彼女にドッキリを仕掛けて殺されるという笑えないオチは回避できたが、
ほぼ生存が絶望視されていた状態で、連絡もない中シンの身をずっと案じていたルナマリアから泣きながら抱きしめられ、
シンは一瞬ぽかんとした表情を浮かべた後に二人で再会を喜び合うが、猛烈なビンタ(計9発)を喰らう羽目にもなった。
アスランの説得(物理)のおかげで持ち直したキラと共にオーブの地下格納庫に行くと、
そこにはもはやお約束の展開になったが、前大戦後に極秘裏に回収され、修復・改良されていたデスティニー、インパルス、ストライクフリーダムがあった。
この時のシンは本当に嬉しそうなのだが、同時に滅茶苦茶悪い顔で「コイツさえあれば…!」というそれはもう凄まじい三下の悪党みたいなセリフを呟いたのである。
正直序盤の戦闘以降シンの扱いがあまりいいものとは言えなかったこともあり、これを見た全ての観客はこう思ったことだろう。
「ああ、またシンが噛ませになるのか…」と。
その結果は……
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以下、本当に衝撃の展開につき本編を見てない人は閲覧注意! |
この間はジャスティスだったから負けたんだ!!
デスティニーなら、お前らなんかに!!
という観客の腹筋を完全にブチ壊し、かつイモータルジャスティスがあんまりにも可哀想なセリフを言いながら、
最終決戦でブラックナイツ4人相手にデスティニーで無双するシンの姿があったのである。
これを見たシンとデスティニーガンダムファン、いや全ての観客は唖然とし、その後に歓喜したことは語るまでもない。
もしかすると複数の格上の機体を相手に無双するというこの結果をいくら何でもおかしいのではないかと感じてしまう者もいるかもしれない。
『DESTINY』の最終決戦ではアスラン一人に敗北し、デスティニーという機体も「様々な問題点があるのではないか?」という疑問の声が上がっていた。
少々厳しい言い方になってしまうが戦闘力という面では20年近く不遇だったのがシンとデスティニーガンダムだったのだ。
しかし『DESTINY』と『FREEDOM』のシンを比較して考えてみればこの結果はなにもおかしくはないのである。
まず、『DESTINY』時点でのシンは前述の通り常時ストレスとプレッシャーで押しつぶされそうな重圧の中で戦っていた。
しかし『FREEDOM』のシンはメンタルが全回復しており、キラに頼って貰えない不安も彼からミレニアムの護衛を任されたことで解決した。
前回のブラックナイツ戦はイモータルジャスティスに乗っていたから戦うどころの戦況ではなかったので本領を発揮できなかっただけである。
この時のシンのコンディションは「かつての愛機と再会し」、「胸を張って戦える戦場があり」、「背中を守ってくれる相棒兼恋人と共に戦い」、
何よりも「尊敬する人に打算なく認められ、その人の帰る場所の護りを任された」という、心身共に間違いなく歴代最高の状態。
あらゆる枷から開放され、自信に満ち溢れた精神状態で、あのデュランダルが初めからシンが乗る想定で設計したシン専用機であるデスティニーに乗れば、
彼がまさしく愛機たるデスティニーで如何なる戦果を叩き出すか。それをまざまざと魅せつけてくれたのだ。
『 HG GUNDAM SEED』のデスティニーの説明書には「スペックを完全に引き出せるシンがパイロットとなったことで史上最強の機体となった」とか、
「最強の戦士」などの記載があったが、まったくもってその通りとしか言えないほどの大活躍であった。
『FREEDOM』公開までは、デスティニーの武装や、レジェンド・ストライクフリーダム・∞ジャスティスとの比較で、
「両腕を奪われればもちろん、片腕を失っただけでもかなりの戦力ロスになる」と揶揄されたりもしていたが、
『FREEDOM』で絶好調のシン&フルスペックのデスティニーの大暴れっぷりを見て、
「こんな化け物を向こうに回して片腕だけでも奪えるヤツなんてまずいないのだから、そんな想定をしないのも無理はない」
と、ある意味斜め上の理由でデスティニーの武装構成を見直したファンも多かった模様。
ちなみに「ジャスティスだから負けた」の根本的な部分としてはイモータルジャスティスの装備で敵機体装甲に無効化されない射撃武装がないというのが大きい。 「敵機に有効な武装がジャスティスにはなかった」という意味も含まれていると思われる。
ブラックナイツの面々も、前回とはまるで動きが違うシンと旧型機とは思えないデスティニーの戦闘力に驚愕し、
「アコード」としての力である『 心を読む力』と『相手の精神を操り暴走させる力』で対処しようとする。
しかし、『心を読む力』は、「SEED」を発現して 思考を遮断して無心で行動し、直感と本能による反射運動のみで戦うシンの戦闘スタイルに通用せず、
『相手の精神を操り暴走させる力』はおそらくシンも知らない トンデモナイ精神防壁で無効化された。 (もし彼女が突破されたら妹と親友も来ていたと巷では評判。)
シンの心にいる「何か」に威嚇されたブラックナイツは戦局を優位にするどころか恐慌状態に陥り、
「コイツの闇は深すぎる!」 SEEDファン「ですよねー」と精神干渉を諦め、今度は機体性能を活かし、 どう見ても苦し紛れに残像による高機動戦法を展開。
しかし……
そんな寝惚けた分身が通用するかぁ!!
知らないよ!?こんな武器!!
分身は!! こうやるんだあぁ!!!
シンの裂帛の咆哮と共にデスティニーが本当に分身。
アロンダイト、高エネルギー長射程ビーム砲、フラッシュエッジ、パルマフィオキーナというデスティニーを象徴する武装を全て叩き込んだ。頭部バルカン「…」
その様は見慣れたスパロボのフルウェポン・コンビネーションに匹敵……否、演出が盛られることの多いスパロボですら凌駕する、
積年の艱難辛苦を全て晴らすと言わんばかりの鬼神の如き姿であった。
更に相手が錯乱している隙に同行していたヒルダのゲルググメナースが分身に紛れる形でリデラード・トラドールのルドラを撃墜。
これによりブラックナイツの3名が恐怖に怯えているところを倒しに掛かり、瞬く間に彼らの乗るルドラを全て撃墜する。
これでグリフィンを始めとするブラックナイツ4人は全滅。
その様はさながら、フリーダムとストライクを完膚なきまで叩き潰したHDリマスター版のキービジュアルそのもの。
その後はルナマリアと共にレクイエムに向かうと、ムウのアカツキからまさかの新装備「ゼウスシルエット」を受領。
テンションが爆上げ中だったのか、かつてのディアッカよろしくムウを「おっさん」呼ばわりしたのはご愛嬌。ムウもご丁寧に「おっさんじゃない!」と返した。
ミーティアを装備したインパルスと共にレクイエムを完全に破壊する。これによってアコードたちは完全敗北を喫することになった。
かつて失った過去に心を囚われ、湧き上がる憎悪に身を焦がし、崩れ落ち逝く過ちの果てに最後の夢を見続け地に堕ちた少年は、時を経て己を縛る楔を完全に打ち破り再び戦場へ降り立った。 そして今度こそ、世界から自由を奪おうとせんとする巨悪に正義の鉄槌を下し、運命を切り拓いて見せたのである。
結果を見れば今回のシンとデスティニーガンダムはヒルダとの連携がなくてもブラックナイツ4人に完勝できるほど強く、
最終的にインパルス(SpecⅡ)に乗るルナマリアと共にレクイエムを粉砕と圧倒的な戦果を挙げた。
トドメにデスティニーの損傷一切なし、つまり『無傷』という『DESTINY』のメサイア攻防戦とは真逆の恐るべき戦果を叩き出したのである。
さらには、シンが本作で搭乗したデスティニー(SpecⅡ)は、新技術を取り込んでそれなりのスペックアップはされているものの、
技術試験用のプラットフォームとしての立ち位置だった為純粋な戦闘能力だとさほど向上はしていない状態。
その為性能的には対戦相手であるルドラと比較すると「性能でまだ劣っており1対1でも分が悪い」程度であるに関わらず『ほぼ1対4で無傷で完勝』である。
対峙したアコード達にとっての最大の不幸は、ノーマークだったシンとデスティニーが、
よりによってアコードとブラックナイトスコードに対するメタ中のメタユニットだった事だろう。
そしてライジングフリーダムやイモータルジャスティスという新商品のガンプラと一緒にデスティニーのガンプラとフィギュアは全ての店から消えることになった…。
さらに言えばガンダムベース専売のクリアカラー版が存在するのだが、そちらも「分身用」として消え去ってしまったらしい。
本作での恐るべきデスティニーの活躍だが、そもそも本機自体が先述のように、
「デュランダルがシンのために作り上げた機体」かつ「デスティニー・プランの守護者」として建造された機体である。
そんな「デスティニー・プランの守護者」として期待された者とその愛機が、
「歪んだ形のデスティニー・プラン」を押し付けてきた者たちの大半とレクイエムを粉砕するというのは、TVシリーズを見て来たファンにとって感慨深いものだっただろう。
そして結果論ではあるものの、一般家庭出身の戦闘用でも何でもないコーディネイターであるシンが今作で八面六臂の大活躍をしたことにより、
彼を『スーパーコーディネイターであるキラ・ヤマトに対抗し得る存在』として見出したデュランダルの人選は正しかったことが証明されたのであった。
そもそもシンは様々な要因が重なった状況だったとは言え、『SEED』及び『DESTINY』を通して唯一キラに真っ向勝負で勝利したパイロットでもあるのだ。。
ちなみに、上述の通りメンタルが絶好調で本人があまり気にする描写はなく、アスランは置いといてキラからは信頼を向けられているとはいえ、
ルナマリアが「バカ」「ガキ」「ヘタレ」と一人部屋でシンに対する愚痴を零すシーンがある他、
アグネスからは時に正面切って「あんなの」「議長の都合の良い駒」「山猿」「ちんくしゃ」と罵倒されるなど、
仮にも主人公格の一人にも関わらず、中々に手厳しい人物評が飛び出している。
アグネスの言については完全に誹謗中傷であり、シンがやっているように聞き流していい悪口と言えるが、
ルナマリアの愚痴に関しては、本当にこれくらい言っても良いほどではある。
なにせ中盤でルナマリアはシンと 一夜を共にする程の気概を見せる描写があった。
しかしいかなる理由と流れかあったのか定かではないが、ルナマリアは結局部屋で「シンの馬鹿」と一人ごち、
シンが部屋を追い出されて途方に暮れてミレニアムの甲板に座り込んでため息をつくという 本当に面白いもとい察するに余りある描写があったからである。
多くの者がロマンティクスに生きている中で、一人だけ『男のロマン』に生きている主人公…。
というか『DESTINY』ではシンもルナマリアと抱き合ったりキスしたり順当に仲を育んでたのに、なんでそこから全く進展してないんだよ!?
……と思いきや、実はあの場面は シンの方から手を出そうとしてムード作りを試みた結果あまりにもシンらしくない言葉選びになってしまい、それをルナマリアに笑われて落ち込んでいたというのが真相だったらしい。
これを見たらきっと親友は頭を抱えるし、別世界線での星の鼓動は愛な親友も多分絶句するし、 なんなら一番頭を抱えるのは後輩の鈍感さを苦笑していた別世界の自分とルナマリアの可能性すらある。
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本編以外での扱い
どのメディアでも、シンの心情を補足する様なフォローが入っている。
また、映画の描写を前提とすると「DESTINYでのアスランとの戦いの描写がメンタルの状態」で変わってくる節が見受けられる。
基本的な扱いは変わっていないが、後半では要所要所でシンの心理描写が足されている。
レイがシンをデュランダルが望む様に誘導しつつ、友人として彼を望まぬ戦いへ導く事に苦悩するという心理描写も追加されている。
冒頭に記した命令違反についても、アニメにおけるインド洋の死闘にて、
基地建造の為に連合軍に強制徴用されていた現地住民が戦闘に紛れて逃亡しようとしたところを兵士が住民を銃撃する場面を見たシンが激怒し、
アスランの制止を無視して基地を破壊した時の描写に手を加えられている。
この時に連合の兵士の中には現地住民の強制徴用に後ろめたさを感じていたルーカ曹長という兵士がいたが、その基地の破壊に巻き込まれて死亡しており、
更に残った全ての建造物にビームを撃ち込むというアニメ以上に過激で問題行動だとより明示的な描写となっている。
最終決戦後、ボロボロになったインパルスでルナマリアと共にメサイアにいるレイを迎えに行き、彼の遺言を受け取るというシーンも追加された。
ファントムペインによるアーモリーワン襲撃及び連合との開戦前に行われていたインパルスのテスト運用中に取材にやって来た
ジェスと邂逅している。
また、アビスのテストパイロットで強奪されなければ同機の正式パイロットになる筈だった元海洋部隊所属のマーレ・ストロードには、
「本当はインパルスのテストパイロットになりたかった」という理由で一方的に嫌われている
子供かお前は。
後にマーレは格納庫に侵入したステラに撃たれ重傷を負うが、復帰後は念願叶って
デスティニーインパルスのテストパイロットを任されるものの、
それがデスティニーにフィードバックされている事を彼は知らなかった。
知らない方が幸いとも言えるが
ムウがシンとアスランを和解させる為に開いた飲み会で、「キラさんは、何か温かくて包容力のある凄い人っす」等と言うシンに対して、
「キラは基本何も考えてないからそう見える。お前は自分に都合の良い事を言う奴の話だけ聞く傾向がある」
「キラは努力は嫌いだが変なところで頑固で、特にラクスを困らせる奴には一切の容赦が無い」
と、アスランが過去の体験を基に愚痴混じりのアドバイスをする一幕も。
シンもシンで、折角自分から話題を振ったのにアスランに酒の席でいきなり説教された事が気に入らない様で、
「キラさんの事をそんなに理解してるのに
なんで2回も落とされたんすか?俺は1回勝ってますけどね」
「キラさんに容赦無く切り捨てられるって、セイバーみたいになるんすか?」
等と挑発し返す応酬が繰り広げられ、仲の悪い兄弟みたいな関係になっている。結局仲が悪いとは言ってはいけない。
もっとも、自身の苦しみを腕尽くでも止めてくれたアスランに真摯に礼を述べたが、酒が入って酔っていたアスランが茶化す様な失言を連発してしまっており、シンが突っ掛かるのも止む無しだが。
ドラマCD特有のノリもあるかもしれないが、本編でもだいたいこんな感じだったので根本的に噛み合わせが悪いのだろう。
あるいは喧嘩するほど仲が良いというやつか。
各ゲームでの活躍
大半のゲームにてシナリオ・性能共に優遇されている。
キラ、アスランに比べて真面目な面が強調されており、原作に比べると歳相応、作品によってはそれよりも幼い性格に描写されている。
【GジェネレーションPortable】
DESTINY初出演作品。OPで
ゴッドガンダムと拳をぶつけ合う伝統はここから始まっている。
原作ストーリーを追っているため、ガルナハン基地攻略では分離したインパルスガンダムで渓谷の脇道を通り抜けるなど妙な拘りもある。
キラやアスランよりも扱いやすく、愛機のデスティニーガンダムもテンションが上昇すると武装が変更され強化するので相性も良い。
【GジェネレーションWARS】
低めのMPとアビリティの気合でテンションが上がり易く、楽にチート性能のSEEDが発動出来る。
正直キラやアスランより使い易く、固有アビリティ「怒れる瞳」による火力強化も心強い。
DESTINY枠のマスターセレクトでは主人公枠として登場。
【GジェネWORLD・OVER WORLD】
とあるステージで
次回作のラスボスの部下その1としてレイ(その2)と一緒に登場。
ムービーでは3機でキラを仕留めにかかっていたが、それでも攻撃一つマトモに当てる事ができなかった。
次回作でも、ワールドツアー最終面で
ラスボス勢と共に混じっている。
後述でのスパロボと扱いが逆転している。
【CROSS RAYS】
ユニットとしては、射撃・格闘・反応値が高めで初期ステータスはSEED時代のキラやアスランよりも上を行く。
更に序盤で手に入るため扱いやすく、育成していくと手に入るスキルは攻撃重視ではあるが、特殊防御の多い今作では頼りになるだろう。
本作品は原作準拠のストーリー展開のため、クレタ沖海戦までは主人公サイドで戦える。しかしベルリンでは第三勢力(敵側)となり、以後は敵ユニット登場になるため操作はできない。
しかし最終ステージでは、アスランとの戦闘前会話で漫画版(THE EDGE版)の掛け合いを声付きで見る事ができる。
トロフィー解放の条件にその会話を聞く事が前提のものがあるため、制作側も意図して盛り込んだものだと思われる。エピローグも一部変更がされている。
初参戦作品。
基本原作と同じ扱いなので、ユニットとして動かせるのは序盤と終盤だけである。
大器晩成型の成長パターンの為、序盤はそこまで強くない。しかし、インパルスの優れた性能もあって扱い易く、デスティニーに乗り換える後半からは大暴れ。
デスティニーがスーパーロボットレベルの単体攻撃を持つ上、強力な「魂」と今作から猛威をふるい始める底力を無効化する「直撃」を両方持つ為、スーパー勢に混じってボス狩りに参加する姿も良く見受けられる。
ランド編では共通ルートしか出番が無いが、
一番活躍する
セツコ編では、序盤こそ原作同様カガリに暴言をぶつけたり、増長した態度を取っているものの、
セツコとの出会いや
カミーユの叱咤を通して大きく成長。
原作では舞い上がっていたフリーダム撃墜時の様子が深く後悔している描写となっており、
ifルートでは本編とは違って自分なりに情勢等を考えた結果、
ZAFTを離反する事を決意し、自分に付いて来てくれたルナマリア達と共に自軍に参加するif展開に突入。
敵対する事になったレイを説得し、デュランダルに自分の考えをぶつける等、原作より主人公した事でプレイヤーからは「リアル系男主人公」と呼ばれる様になった。
なお、カミーユはシンの事を自分とよく似た人物だと言った上で「きっと俺も少し間違えればシンのようになってしまう」とフォウに打ち明けており、シンがカミーユが冷静に立ち回るためのストッパーとなっていた模様。
逆に原作ルートでは一時敵扱いとなり、シンのSEEDや底力、デスティニーのVPS装甲・分身が非常に厄介。人によってはステージ最強の敵と化す。
回避する為にはifルートに進む必要があり、一周目では複雑な手順を踏まなければならない。
しかしながら、それを達成した時の喜びはひとしお。シン好きなら是非頑張って頂きたい。
また、自軍に参加するifルートのみならず、敵対する原作ルートであってもセツコやカミーユ、勝平等多くの理解者に恵まれる(それが強く出ているのは原作ルートの戦闘前の会話シーン)。
クワトロに「将来、進むべき道を間違えたら止めてみせる」と約束するが…。
再世篇のラブアタックイベントで、ルナマリアと恋人になっていた事が本人等の口から明かされた。
交友関係も、キラにラクスを慰める様に助言したりと、原作では考えられない程の良好な関係を築いている模様。
前作続投組という事もあって新規参戦組よりも出番は少ないが、
トレーズや
リボンズといった戦争を利用するタイプの版権ボスには怒りを爆発させる。
また、セツコ登場時にプレイヤーの気持ちを代弁して喜んでくれたり、ルナマリアやカミーユに尖っていた頃の事をからかわれる等のシーンもある。
キラとアスランと共にZAFT所属。部隊の隊長を務めている。
残念ながら今回は恋人のルナマリアは自軍に合流しないが、仲は前作と同じく良好な様子。
序盤で自軍に合流するも、とある理由でSEED能力が封印されている。同様の理由で中盤まではセツコの事を忘れていた。
オーブの危機には、たった一人で出撃しようとしていたがカミーユを初めとする仲間のサポートを受けて救援に駆け付ける。
今作でオーブへの想いに決着をつけ、カガリに嘗ての暴言を謝罪したり、
シャアの事で思い悩むカミーユを叱咤する等、精神的な成長が見られる。
シャアとの激突では、Z1で交わした約束を果たすべく立ち向かう。
カミーユが嘗て自分にしてくれた様に、思い悩む
バナージを良き先輩としてサポートしようともしている。
その甲斐あってかバナージとは仲が良いが、中断メッセージで悩むバナージにカミーユが聞いてみろと言う
頭の上で何かを割るコツは多分聞かれても教えられない。
自分と同じ「兄」の立場にある
カイエンを気にかける場面もある。
声も同じだし…
天獄篇では遂にセツコと再会。
ヒビキがセツコと一緒にいるのを見て嫉妬する場面もある。
尚、一度ルナマリアに正面から「セツコさんの事が好きなの?」と訊かれるシーンがあるが、シンの答えは「好きとかそういうものじゃなくて、心から感謝している恩人」というものだった。
フロンタルによりレイがプラント国防委員長に就任した時には動揺を隠せなかったが、真意を知る為に彼と再び向き合う事を決意する。
本編前半終了時までは敵として登場。
前半唯一のボスBGM持ちであり、歪んだ顔グラで清々しいまでの悪役ぶりを見せる。
自軍入りしてからは高い能力とデスティニーで活躍。敵の時には此方を悩ませてくれた、前作から更に強化されたSEEDと
バリア無効のアロンダイトで敵を薙払ってくれる。
フルウェポンコンビネーションでのトドメ演出で、家族の姿が映し出されるカットインは必見。
別名トラウマアタック
こちらも、条件次第ではステラとレイが生存する。
ミハエルにシスコン繋がりで磁偉具と共に説教する場面も。
今回はSEED勢はデュランダル議長&ミネルバ隊の視点で進み、
ミネルバはプレイヤー艦隊の3大メイン母艦の1つになるため、ミネルバ所属から異動しないシンもずっと自軍で味方。
「真説・種運命」とか「誰も不幸にならない魔改造種死」と言われるほど、シンも原作とかなり異なる半生を送る。
序盤は原作と同じ流れで話が展開されるものの、ベルリンでデストロイにステラが乗っていると気付いたシンが説得を始めたところで、
キラが「インパルスのパイロットにとって大切な人がデストロイに乗っている」と気付き、攻撃を止めてステラ救出に協力したことで、
原作ではここで哀しい最期を迎えたステラが、彼らの奮闘によって救出され、生き残る(原作から見て)ifルートに突入。
これにより、シンは協力してくれたキラに恩義を感じ、エンジェルダウン作戦の指令が下った時にも「俺はあの人と戦えるのか?」と迷いを覚えている。
そして、そのエンジェルダウン作戦も、第三勢力の横やりが入ったことで一時中断されることになるが、
共通の敵が現れたシンとキラは、当然の如く肩を並べて戦い、ミネルバもアークエンジェルとの共闘を選択する。
第三勢力を退けた後はエンジェルダウン作戦の再開となるが、マリューはアークエンジェルのエンジンを一つ切り離しての偽装撃沈を目論み、
一方のタリアもそれを察して、切り離されたエンジンのみを狙わせて爆発させ、「撃沈した」と報告したことで、
エンジェルダウン作戦は「完了」とされつつも、シンを含めた現場サイドには悪い後味を残す事が無かった。
その後、アスランがアークエンジェルに移籍する流れは同じだが、原作では「やむを得ず裏切る形で脱走」だったのに対し、
本作では上述の経緯でミネルバクルーからアークエンジェルへの敵意がほぼなくなった事に加え、
アスランにも猿渡ゴオなど頼れる先輩ができたことでアスランの迷いも無くなり、周囲と関係悪化するほどのものではなくなった事もあり、
アスランはタリアたちと相談した上で、シンをはじめとする近しいミネルバクルーから理解を得てFAITH権限による独自行動という形でアークエンジェルに移籍する。
当然、アスランへの追撃任務も発生せず、シンとアスランの関係悪化もなく、シン、キラ、アスランの三者の関係が最後まで良好という、原作とは別作品と化している。
シンのピンチにキラが駆け付けたり、逆にキラのピンチにシンが駆け付けて檄を飛ばしたりと、所謂ダブル主人公状態。
ダイダロス基地では、ジブリールにトドメを刺す役はレイではなくシン自身になっていたり、
理解者や指導者に恵まれ自分の意志をしっかり確立できていたためにデュランダル議長がデスティニープランを発表した際は真っ向から自分の言葉で反対し、
敵対したレイを「ラウ・ル・クルーゼ」ではなく「レイ・ザ・バレル」として、友人として説得するシーンは名シーンの一つ。
ちなみにステラと違ってレイは敵対したシナリオで条件を満たさないと死亡・離脱してしまうが、条件はとても簡単な上に事前フラグも必要無く、そのマップだけで終わる。
しれっとトダカも生存してるのでシンにとっては一番幸せな世界かもしれない。
ただ、アスラン脱走の下りが消滅した影響で、シンのメンタルは原作よりも良い状態で進む一方、
原作と違ってルナマリアと恋人同士にはならず、「ミネルバを護る相棒」のような関係性に落ち着いている。健全っちゃ健全
尤も、デフォルトで生存するステラとルナマリアが含むところなく仲良くなれたのは、シンとルナマリアが恋人関係にないことも大きいと思われる他、
確かに恋人にはなっていないが、互いに異性としても気にはなっている、所謂「友人以上恋人未満」ではある様子。
ちなみに熱く説得して引き戻したレイは
自分とは違う「レイ」がいる作品の主人公と精神・ユニット共に相性が抜群で、そちらと組まされることが多い。
一方のシンも、
その作品にいる「アスカ」さんとの相性が(機体の特性を考えるなら)良好だが、
こちらはエヴァ弐号機がそんなに強くないこと、近接型ユニットにはケーブルが邪魔なこと、精神コマンドの相性はそんなでもない事からあまり組まされない。
デスティニーがぼっち運用でも強い特殊な性能をしているというのもあるが。
レギュラスαのやつめ…
一方、カットインは『K』と変わらず顔芸、どころか少し強化されている。しかし、今作ではこの演出でジブリールに引導を渡す為、熱いイベントと評価も高い。
ちなみにこの世界では
マクロスFが登場し、フロンティア船団の保護をザフトが行っている関係で、S.M.S勢や
ランカとの面識も早くから持つ。
というかランカがアイドルを志す前からの知り合いであり、なんとランカ・リーファンクラブの第一号はシンである。
(Zシリーズを除いて)初の『SEED DESTINY』終了後の参戦。
当初は空気参戦も危ぶまれたが、キャラクターデザインが同じ『
蒼穹のファフナー』組と絶妙にマッチし、『アスカさん』として独特の存在感を示した。
詳しくは
マークデスティニーのパイロットを参照。
なお、『SEED FREEDOM』の公開により、
実は竜宮島に派遣するのに一番適任なMSパイロットだった事が判明し、
おまけにあまりのキャラの違いから、
後輩達の指導のために意図的に兄貴分キャラを演じていた可能性が出てきた。
なお、実は
UXでも「デスティニーさえあれば」という趣旨の発言はしている。シチュエーションが全然違うので悪い顔は絶対にしてなかっただろうが。
しかし、『SEED FREEDOM』の展開をひっくるめて、ある意味一番株を上げてしまったのは
メンタル回復済みと思われる上にSEEDも発動させたシンですらデスティニーを犠牲にせざるを得なかった読心Lv4持ちスフィンクス型かもしれないが。
なお、フルウェポンコンビネーションのカットインが大幅にカットされているが、今回のシンはトラウマを乗り越えてファフナー組の保護者ポジションとなっているので、
そういった設定から見ても、シンのトラウマを強調した演出はない方が自然と見る事もできる。
刹那、
ヒイロ、キラ、アスランと共にコロニー自治勢力が独自開発した新型ガンダムのパイロットとして登場。
インベーダーやミューカスといった人類共通の敵に立ち向かうべく、コネクト・フォースに出向してくる。
本作の世界観においてはプラントやオーブと言ったSEED世界の国家については語られておらず、確執も無い為、キラやアスランとは最初から普通の先輩後輩関係。
【スーパーロボット大戦Card Chronicle】
ソーシャルゲームという特殊な作品ではあるがスパロボ史上初めてSEEDとDESTINYのシナリオが一作で進行する為、
原作再現関連では序盤から自軍に参加しているキラ側が中心の描写が多く、合流はやや遅め。
但し、一度合流して以降はキッチリ見せ場も用意されている。
そして宇宙海賊バンカーの
洗脳からレイを開放し、共にクルーゼとの直接対決に挑む。
今回も原作終了後の参戦だが、キラとは確執が残ったままであり、SEED技能も最初は封印された状態となっている。
他の種勢含めて『
クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』組との絡みが非常に多く、アルゼナルの面々から「ザフトの青い稲妻」という異名で呼ばれていた。
特に
サリアとは劇中で辿った道程がほぼ同じな為か、彼女を諭す場面が多々見られている。
というか、
ボンボン版におけるアスランとシンの関係ほぼそのまま。
君は僕に似ている。
ある場面では
ヴィヴィアンがドラゴン化した際にはその正体に気付かず銃を向けようとする、ややブラックな中の人ネタもあったり…。
(※直前で正体に気付いた
刹那が止めに入ったので未遂で済んだ)
因みに世界観が異なる為か、カミーユとの絡みは殆ど無い。スパロボではよくある事だが。
初代EXVSではデスティニー、
EXVSFBからはインパルス搭乗Ver.で参戦。
デスティニーの方は漫画版などを含めたボイス収録となっているが他キャラとの掛け合いは少なく、
ルナマリアとタッグを組むか敵対すると動揺する台詞があるのと、アスラン相手で漫画版の台詞があるくらい。一方的なものであれば、レイやハイネなどがある。
一方のインパルスでは、キラ(フリーダム搭乗)やイザーク、カガリやステラなど同作品内の掛け合いが多めに用意されている。
キラとは気の合うコンビのような間柄で、イザークとは上官と部下を意識したような台詞になっている。ステラを撃破すると非常に悲愴の漂う声で別れを告げるので、かなり後味が悪いが……。
覚醒時のグラフィックはどちらも激怒しているかのような表情。
EXVS2ではそのグラフィックも一新されたが、むしろ凶暴さが増した。
実はEXVSロケテ初期段階ではリリースされておらず、ロケテ中のアップデートで追加された特殊な来歴を持つ。
運営もシンが主人公という立ち位置に拘りを持っていないのか、PVではキラが優先的に表示されている。
その他ゲーム
【ガンダム無双2】
そんなのはただの言葉じゃないか…誰がそんな事を決めたんだ!
失っている過去を守るのは間違いで、今ある現実を守る事だけが正義なのかよ!
それを決めて良いのは、あんたじゃない!オレなんじゃないのか!
オレは決めたんだ! 過去を放ってはおかない! 決着をつけるんだ!
ストーリーでは、最終ステージで
ティターンズ&
ギンガナムとの最終決戦直後に割り込んで来たキラとアスラン両名相手に一人で互角に渡り合い、
二人の主張を自らの信念の籠った言葉で一蹴する姿を見せる。
因みに、ストーリーミッション中友好な関係を築くカミーユとロランとはスパロボZでも友好な関係を築いているという偶然の一致がある。
また、
東方不敗の説教を真面目に聞き、師匠もまたその姿勢を気に入る等、こちらでもかなり優遇されている。
ジェリド編ではルナマリアと共にザフトからティターンズに出向して来ており、一時的にジェリドの部下となる。
一時は対立するが、ジェリドがある行動を起こした時に駆け付けるという男の友情を描かれている。
【機動戦士ガンダムSEED 連合vsZ.A.F.T.】
無印の時は『ガンダムSEED』の方がメインだった為、家庭用でルナ、レイ、ステラ等と共にゲストキャラ扱いでインパルスのパイロットとして参戦。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vsZ.A.F.T.2』からは『DESTINY』メインの為、主役級の扱いである。まあタイトルバックはストフリなんですけどね!
家庭版ではデスティニーがタイトルバックに映るOPも収録され、更にプレイヤー自らがシンとなって各キャラクターと仲を深めながらストーリーを追体験する「PLUSモード」も実装された。
仲を深めるとキャラクターの絵が笑顔だったりリラックスした様なものに変化し、表示されるセリフも親愛に満ちたものになる為、「あのキャラの笑顔が見たい!」と奮闘したシン君も多い筈。
女性キャラはラクスやカガリ等、既に恋仲の相手がいるキャラクター以外は
フラグが立ったとしか思えないセリフになるので、全てのキャラの親愛度をMAXにするとハーレムにしか見えなくなる。
因みに、公式でシンの嫁となったルナマリアの最後のミッション(味方になるものをクリアすると親愛度が上がる)は
敵対するものである。…これ浮気って思われたんじゃね?
【GENERATION of C.E.】
「SEED DESTINY」放映中に発売されたゲーム。開発時期の影響か、パッケージはシンとインパルスガンダムが中心にいるという中々珍しいものになっている。
ストーリーはベルリンでの戦闘~エンジェルダウン作戦あたりまでが再現されており、その後はゲームオリジナルの展開になる。
このため、原作ではこの後キラが主人公の立ち位置になっていくが、こちらでは終始シンを主人公として話が展開していく。
とはいえ以後のストーリーはモノローグやシン以外のキャラの説明で進むため、彼自身は
感情的に敵を薙ぎ払うだけの舞台装置と化している。
曲がりなりにも心情を理解できたTVアニメ版とは違い、ほぼ台詞が無い一兵士レベルの扱いなのでむしろ待遇は悪くなっているような……。
主なセリフ
●アニメ
「いくら花が咲いても……人はまた吹き飛ばす」
「何でこんな事を……また戦争がしたいのか、アンタ達は!」
「流石キレイ事はアスハのお家芸だな!」
「守るって……言ったのに……俺、守るって言ったのに……!ステラ……ごめん……!」
「アンタは俺が討つんだ! 今日、ここで!」
「何を……何を言ってるんだアンタは!何も分かってない癖に!裏切り者の癖に!!」
「逃がさないと言ったろ!!」
●コミック&ゲーム
「あんたが正しいっていうのなら!俺に勝ってみせろっ!!」
「これが…デスティニーの力だ!」
「失っている過去を守るのは間違いで、今ある現実を守る事だけが正義なのかよ!それを決めるのはあんたじゃない!オレなんじゃないのか!」
「オレは決めたんだ!過去を放ってはおかない……決着を付けるんだ!」
「あんたが一番訳分かんないんだ!ふらっと現れて……戦いを始めて!」
「違う!それは…」
「違うと思ってるのはあんただけなんだよ!……でも、あんたの言い分はそれなんだ」
「あんたは、大切なものを守る為に戦う……それで良いんだ……でも、だからって、オレも戦わない訳にはいかないんだ!」
「ほんと凄いよ、シン!やっぱりシンは、スーパーエースね!」
「止めてくれよ…ルナ……もうエースの力は良いんだ、必要無い……」
「スーパーエースなんてもう捨てて良い過去だって……決めたんだ、俺自身で」
「一人で立てます」
「運命を斬り拓く!その為には!」
「俺がお前を止める!お前は俺の友達だから!そして、お前ともう一度話をする! 今迄の事……これからの事を!」
「生きている限り、明日はやって来るさ……」
「俺だって!!守りたかったさ、俺の力で全てを! だけど…俺が撃ってるのは敵じゃないって、撃つのは奪う事だって…力で解決出来る事なんて何も無いって!! アンタが俺に言い続けてきたんじゃないか!」
「俺にとってお前はラウ・ル・クルーゼなんかじゃない!レイ・ザ・バレル……俺の、友達だ!」
●CM等
「なんで議長まで、チェックしてるんだーー!!」
(フレッツ光コラボCM)
余談
鈴村健一氏は、劇場版公開に際して『
機動戦士ガンダムSEED』のオーディションにも受けていたが落ちていた旨を明らかにしている。
何でこんな事を……また荒らしがしたいのか、アンタ達は!!
最終更新:2024年04月19日 11:06